Mizutaki Genkai
Mizutaki Genkai
Mizutaki Genkai

東京、ベストレストラン100

大衆居酒屋からミシュランフレンチまで、東京で空腹を満たす100軒

テキスト:: Satomi Saruwatari
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タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ベストレストラン100

監修:犬養裕美子

チープイートから高級飲食店まで広い価格帯で、世界各国の料理を含め莫大な種類の料理が不自由なく楽しめる。どの店に入ってもたいてい食べられないほどに不味いものには出会わない。最近ではミシュランのガイドブックの星の数は東京が世界最多、と話題にもなるように、東京は食の天国として胸を張れる都市のひとつだろう。タイムアウト東京は知る人ぞ知る、隠れ家的名店から、昔から地元の人々の空腹を満たしてきた大衆食堂まで、カテゴリーや価格も幅広くカバーし、今の東京を表すにおいて外せない100軒の店を選出した。食事の時間ほど、多くの人を幸せにできるものはない。ぜひこのリストを活用し、シチュエーションに応じた最適な1軒で、楽しい食事の時間を過ごしてほしい。

レビュー:Matthew Lee, Sarah Crago, Dana Macalanda, Carol Akiyama, Yasuhisa Shimbo, Mikako Mochizuki and Mayumi Koyama
写真: Keisuke Tanigawa, Kisa Toyoshima, Yasuhisa Shimbo, Manabu Morooka, Yuki Nakamura and Kenichi Inagaki
翻訳:Momoko Asai and Rumi Koyama

  • 日本料理
  • 原宿
  • 価格 4/4

赤塚真一の作る料理はめったにない「ご馳走」と断言できる。静かな声で話す、眼鏡姿の赤塚は、美しさ、季節感、伝統、そして調和を重んじる日本の高級料理、懐石の東京における第一人者だ。12年前にオープンし、今ではミシュランの二つ星を誇る外苑前の静かな店には、美しい料理を食べるのにぴったりの4つの端正な個室と、静謐な日本庭園を眺められるカウンター席がある。赤塚が、高校を卒業したころは味噌汁も満足に作れなかったとはにわかには信じがたい。現在の彼は、熟成味噌の名手としてだけでなく、日本中から集められる、新鮮な魚や海鮮を中心とした季節の食材を組み合わせる天才としても名高い...

  • 日本料理
  • 四谷三丁目
  • 価格 3/4

料理人大原の一皿一皿にかける情熱は誰にも否定できない。店主でもある大原は、毎朝6時には築地でその日の一番新鮮な魚を吟味し、深夜24時には荒木町にあるミシュランの星を獲得した居心地のよいすっきりとした12席の店内で明日の仕込みを余念なく行う。その合間に、幸運な12人の客が東京でも指折りの懐石を味わうことができるのだ。懐石料理は京都に起源を持つ伝統的な日本料理の様式で、食材の新鮮さ、季節感、調和を重んじる。裏の調理場でたくさんの沸騰する鍋に気を配る夫人にサポートされ、大原は丹念に作りこまれた料理を、非常な緻密さとさりげない芸術性で提供する。 コースの内容は季節ごとに替わるが、基本は、魚の透明な出汁に食用の菊の花びらを浮かべた椀物から始まり...

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  • 日本料理
  • 新富町
  • 価格 3/4

築地の外れ、細い路地に店を構える懐石料理店すず木は、店を目指して来ても通り過ぎてしまうかもしれないほど控えめな佇まい。店主の鈴木は日本で13年、ニューヨークで15年の和食料理人としてのキャリアを持つ。現地でのフレンチやイタリアンのシェフとの交流や、フュージョン料理の経験から、供される料理は伝統的な和食の手法を用いながらも、時折自由な発想の食材選びが光る。

  • 日本料理
  • 四谷三丁目
  • 価格 3/4

東京の一流日本料理店の多くは、内装をシンプルかつ質素に抑える。日本料理の初心者、なかでも欧米の有名店の豪華絢爛な店構えに慣れている人ほど、いくら綺麗に片付いているとはいえ、大金を払って、狭い部屋で背もたれのない椅子に座る理由が分からないだろう。だが、ひとたび原正太郎の八寸を食べれば、テーブルクロスも豪華な椅子も必要ないと納得できる。はらまさの料理は芸術作品であり、料理だけに集中して味わうのがよいのだ。 八寸の内容は頻繁に変わるが、秋には絶品のカマスの刺身、香り高い松茸、枝豆、イクラ、茹で茄子のウニ乗せなどが出てくる可能性が高い。もしメニューにあったら、贅沢な神戸牛のカツレツは必ず頼もう...

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  • 日本料理
  • 日比谷
  • 価格 4/4

2018年の「世界のベストレストラン50」では、8度目の入賞となる41位にランクインし、2021年のミシュランガイド東京でも三つ星を獲得した龍吟。同店は、フランスの食専門誌『LE CHEF』が決定する「世界のシェフ100人」において、5年連続で世界トップ10入りを果たし、2018年は世界第5位を記録したシェフ山本征治が、伝統の懐石料理と最先端技術を組み合わせて、ドラマチックな皿を作り続ける店だ。想像力に驚かされる芸術でありながら、もちろん味も本物。

  • 日本料理
  • 西麻布
  • 価格 3/4

シェフ、田中佑樹の懐石料理店、割烹伊勢すえよし。そこは、東京にいながら美味しい日本の四季の味を堪能できる場所である。カウンター5席、テーブル6席だけの小さな店に、海外からの客も我先にと予約を入れる。田中の経歴は少し異色だ。専門学校卒業後、日本を代表する高級料亭、菊乃井で4年間、日本食を身体に叩き込んだ。その後、醤油と昆布を携えて料理を学ぶ旅に出て、15カ国以上を巡った。旅の途上で痛感したのが、その土地が育んだ食材がその土地の食文化をつくるということ。「和食を日本文化としてもっと発信していきたい」という思いとともに帰国した...

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  • 四ッ谷
  • 価格 4/4

すし匠は2016年、大きな転機を迎えた。これまで大勢の弟子を独立させてきた大将、中澤圭二が、長年守ってきた四谷の店を離れハワイにオープンする新店に赴くことになったのだ。しかし職人全員がチームとしての連携を重んじてきた店は停滞することはない。新たに店を任された勝又も店が培ってきた歴史のなかで新しいことを試していきたいと意気込む。『あん肝とスイカの奈良漬け』など、仕事に自信があるからこそできる変化球も楽しい。つまみと握りが交互に出る独特のスタイルだが、全11席のカウンターに座る客のそれぞれの飲み方、食べ方に目を配りメニューは変わっていく、その間合いも大きな魅力だ。

  • 青山
  • 価格 3/4

表参道駅から程近い、骨董通りの路地裏に佇む鮨屋。親方は銀座すきやばし 次郎 本店で10年近く修行を重ねた気鋭の鮨職人。この店は鮨ネタとシャリ、わさび、煮切り以外「トッピング」的なことをほとんどしない。乾燥米をブレンドしたシャリは、ふっくらプチプチとした食感が特徴的。どうしても出身店が特筆されることが多いが、夜は2時間じっくり楽しめること、店内のスタイリッシュさ、ワインやシャンパーニュも常備すること、6席の個室がある使い勝手の幅広さなど、トータルな体験としてはかなり印象が異なるはずだ。

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  • 寿司
  • 広尾
  • 価格 3/4

心白の板前でありオーナーの石田大樹は、仕込みから接客までたった1人でやってのける。「お客様に届ける食材が通ってきた過程を知ってもらいたい、そして新しい体験をしてもらいたい」と燃える33歳のオーナーは、漁業者、製造加工業者らで構成されるチームが「バトン」をつなぎながら、最終的に自分が客へ料理を届けるという過程を重要視している。石田は2014年から広尾にある自身のレストランにて、このしばしば忘れられがちなつながりを、体験や素晴らしい食事を通し、再び築くことに努めてきた。彼の情熱は、2011年3月の東日本大震災の後、水産業界が互いを支え合うために競争を一時取りやめたことから生まれたものだ。それゆえ...

  • 寿司
  • 虎ノ門
  • 価格 2/4

寿司はいつ食べても美味しいと思ってしまうのは、やはり日本人の性(さが)だろうか。阿部で味わえる、夏が旬の岩ガキは、磯の香りとクリーミーさが口一杯に広がり、その幸福感に思わず仰(の)け反ってしまう。虎ノ門ヒルズの4階に支店を構える同店は、都内にある6店舗の内の1つで、高品質な寿司を経験できるくつろぎの空間だ。大きな窓からはたっぷり光りが差し込み、店内は木を基調にしており温かみがある。天井が高く、開放的な空間にテーブル席とカウンター席、個室も1室設けられているので、接待にも対応できる。握り寿司の...

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  • 天ぷら
  • 銀座
  • 価格 3/4

銀座駅から歩いて5分ほどの場所にある天ぷら専門店。御茶ノ水にある山の上のホテル内の「天ぷらと和食 山の上」出身の料理人、近藤の天ぷらを食べれば、天ぷらがフリッターとはまったく異なる食べ物だということが分かるだろう。すべてが適切なタイミングで揚げられるため、全国各地から集めた選りすぐりの野菜は、瑞々しさがしっかりと保たれている。築地で仕入れた魚介も然り。「天ぷらは蒸し料理」と近藤が言う通り、衣を纏わせることで、食材の旨味を逃さずに堪能することができるのだ。切り株のように大きくカットされたインパクト抜群のさつまいもは、じっくりと時間をかけて揚げていく。火が通るのかと心配になるが、揚げた後余熱も考慮され、ほっくり。 上質なごま油を使用し、確かな技術で揚げた天ぷらは胃もたれの心配もない。

  • 天ぷら
  • 青山
  • 価格 3/4

揚げ物は悪者にされることが多い。しかし、東京の食通たちは天ぷらに夢中だ。その理由は、元吉和仁の巧みで迫力のあるテクニックを見れば一目瞭然。彼の名を冠した店には、カウンター8席とテーブルが1席しかないので、元吉の繊細で思慮深い揚げ技を目の前で見たいなら、なんとしても予約を取るしかない。野菜が天ぷら鍋に落ちた瞬間に上がるシューシュー、パチパチという音や天ぷら鍋に火箸が当たって奏でるチャイムを聴きながら一品一品を堪能するのは至福の一時だ。天ぷらは温度とタイミングが命、と言う元吉は、天ぷらを出されたらすぐに食べることを強く勧める。その小さな彫刻のように美しい天ぷらを、写真に収めて『インスタグラム』にアップしたい欲求に打ち勝ち、1秒も無駄にせず...

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  • 日本橋
  • 価格 1/4
  • 5 5 つ星中
  • お勧め

日本橋にある天丼専門店。店名は店主の祖父であり和食界の重鎮であった故金子半之助に由来する。丼つゆは金子の遺したレシピ集『閻魔帳』に記された「江戸前天丼のつゆ」の味が忠実に再現されており、甘さ控えめのさっぱりとした味わい。天ぷらは店主が厳選した、海老、穴子、イカと小柱のかき揚げ、獅子唐、海苔、に加えアクセントに卵が入りボリューム満点。時間を問わず店の前には常に長い列が出来ているので覚悟して来店しよう。 関連記事『日本橋でしかできない101のこと』『東京、チープイート』

  • 日本料理
  • 四谷三丁目
  • 価格 3/4

この荒木町の小さな料亭は、海鮮好きなら必ず巡礼に訪れたい店だ。何ヶ月も前から予約を取らないと入れないほど人気なのは、完璧を追求するあまり週に100時間以上も働く店主が、蟹と海老に魔法をかけるからだ。刺身で出される山口県産の海老はとてつもなく美味しい。タコの刺身とわさびと一緒に出されるが、ぎりぎりまで生かされていたため、陶器の皿の上で半透明に光っている。柑橘類と香り高い昆布出汁で味を引き出した蟹クリームコロッケも、同じく繊細でたいへん味わい深い。秋の一押しは、きのこ、ネギ、新鮮な九州産の海老を使った栄養たっぷりの炊き込みご飯だ。アラカルトメニューはなく、デザートを含め10皿で構成された季節ごとのコースのみを一人16,500円で提供する。内装に関してはあまり特徴がなく、茶系とベージュでまとめられたシンプルな店内は照明も暗めだが、そんなことは大した問題ではない。客は料理を求めてこの店に来るのであり、その期待はまず裏切られないからだ。

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  • 日本料理
  • 銀座
  • 価格 4/4

靴を脱いで畳に上がった瞬間からぷりぷりの蟹の最後の一口を食べ終わるまで、きた福での経験はすべてが格別だ。食事に少なくとも2時間かかるのは、4〜5kgある大きなたらば蟹の甲羅を生きたままはがし、足とはさみを順序よく一本一本さばくには最低でもそれくらい必要だからだ。取り出された蟹の身は、ゆで、炭火焼、刺身などいろいろに調理されて出てくる。ただし、すぐ気分が悪くなる人には警告しておく。蟹は食べられる直前まであなたの目の前で生きている。 まるで儀式のようなきた福の蟹のコースの最初に出てくるのは、もちろん刺身だ。北海道で蟹のさばき方を修業してきた店の料理人たちは、もいだ蟹の足を冷水に入れ、新鮮なまま出してくれる...

  • 日本橋
  • 価格 2/4

背の高いガラス張りのビルがひしめく日本橋で、この地に似つかわしくない2階建ての日本家屋でうなぎの専門店を営むいづもやは、まるで現代社会から守られているようだ。

今の店主は創業者の孫で、店では伝統と静けさ、そしてなによりも日本橋一の高級うなぎが味わえる。ウルメイワシ、野菜の天ぷら、馬肉の刺し身などの料理も豊富だが、ほとんどの客は1940年代からの店の看板メニューである『うな重』を注文する。豪華な漆塗りの箱に入れられて運ばれる『うな重』の価格は、うなぎの質と大きさによって異なり3,300~8,690円だ。人気があり、夏の繁忙期には毎日300~400食も出ることもある。

店の秘伝のたれを塗ってから茶色く照りが出るまで炭火で焼かれ、最後にさっと山椒(さんしょう)を散らしたうなぎは、甘辛くて、やみつきになるおいしさ。いづもやでは店が厳選した九州産のうなぎを使っており、『うな重』には肝吸い、新香、季節の果物が付く。

量がかなり多いので、残してしまった場合はスタッフに声をかけて、持ち帰り用に包んでもらおう。2階には、静かに食事ができる個室も3部屋用意されている。

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  • 入谷
  • 価格 2/4

鰻専門店のだやは、料理店にうなぎ・川魚料理の 調理師を紹介斡旋をする紹介所の直営であるため、職人の腕には間違いがない。その手間から出荷数が少なく、「幻の鰻」と呼ばれる『きょうすいうなぎ』は、通常半年程度で出荷される鰻を約2年飼育し、天然ものの味に近づけたブランド鰻だ。同店ではこの鰻を、うな重と白焼きで食べ比べることができる。『きょうすい御前』はなんとも贅沢なメニューだ。一口食べればクリーミーという表現がぴったりな、そのねっとりとした食感にきっと驚かされるだろう。うな重に肝とう巻を合わせた『かねみつうな太郎』は、あるときだけの裏メニュー。運良く巡り会えれば、食べてみてほしい。

  • 日本料理
  • 上野
  • 価格 3/4

壁にかかった何枚もの食品衛生関連やふぐ調理士の免許を見れば、どんなにふぐの毒を恐れているとしても、安心できるだろう。浅草と上野のちょうど真ん中にある牧野のふぐで死ぬことはない。それどころか、むしろ体が生き返るのを実感するだろう。からしの効いたぷるぷるのふぐの煮こごりを食べれば、足取りは軽やかだ。掴むのが世界一難しい煮こごりを箸で食べるのに成功した喜びもあるだろうが、なんといっても、気さくな夫婦が素朴な店で作る料理の数々が、あまりに美味しくて、五臓六腑に染み渡るからだ。 品書きは多くない。ふぐは『煮こごり』、『刺身』、『焼き』、『唐揚げ』、『スープ」、『鍋(ふぐちり)』の6種類...

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  • 日本料理
  • 日本橋
  • 価格 2/4

1953(昭和28)年に建てられた日本家屋を改装して営業しているアナゴ専門店。ここでは迷わずに『あなご箱めし 中箱』をチョイスしよう。というのも、同店ではアナゴの焼き方を、ふんわりとした柔らかさを楽しめる煮上げと、香ばしい風味を楽しめる焼上げのふた通りから選ぶことができる。そのため、穴子が2枚乗っている『中箱』を選べば両方の味わいが楽しめるのだ。

まずは、そのままシンプルに。そして好みの薬味と一緒に楽しんだら最後は穴子の焼骨でとった特製出汁をかけ、お茶漬けとして締めくくるのが最高の味わい方だ。

  • 日本料理
  • 新橋
  • 価格 2/4

飲み屋をはしごするサラリーマンで賑わうエリアのど真ん中にあるかま田は、飲み過ぎに効くヘルシーな毒消しを提供する。個性的だが、昔ながらの栄養たっぷりの和食だ。店内はなんとも気取らない雰囲気で、ラミネートされたメニューにクイズ番組が流れるテレビ、おしぼりを温める機械には『ヱビスビール』のシールがたくさん貼られている。しかしながら、この新橋の料理屋で作られるおでんは非常に本格的だ。大将の鎌田は、大根、コンニャク、豆腐、黄身の濃い半熟卵、昆布、そして数々の練り物といった具材に魔法をかける。 具はどれも柔らかく煮込まれ、味付けは繊細だ。鮪節や鰹節を使った出汁が、かま田の料理に独特な風味を与える...

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  • 日本料理
  • 広尾
  • 価格 1/4

日本料理の老舗で経験を積んだ店主が営む味福あさのは、惣菜とおでんを楽しめるアットホームな店だ。カウンターの上には常時8〜10種ほどの惣菜が並び、そのなかから好きなものを注文できる京都でよく見られるスタイルだ。常時8〜10種程度ある惣菜は日によってメニューが替わるが、玉子焼きや、煮物などシンプルで素材の持ち味をいかしたものばかりでほっとする。おでんは、鰹節や昆布などで出汁をとる一般的なものとは異なり、煮干しと鶏の透き通った出汁なのも特徴的。。しっとりとしたじゃこの佃煮のたっぷり乗った飯に、卵のあんかけをかけながら味わう看板メニュー『じゃこご飯』も忘れずに頼もう。

  • 鍋料理
  • 神楽坂
  • 価格 2/4

相撲の力士が巨体を作り上げるために食べるたんぱく質が豊富な鍋、ちゃんこ鍋。この伝統的な料理を味わいたければ、元力士に作ってもらうのが一番だ。神楽坂にあるちゃんこ黒潮では、現役時代に比べると大幅に減量したが現在も伝説的な人物である琴黒潮が歓迎してくれる。店内には彼の栄光の軌跡を追った写真が壁に飾られ、数々のトロフィーが並び、琴黒潮は相撲の食文化を体験したことを証明するように写真撮影に気軽に応じてくれるだろう。 ちゃんこ鍋は、世間で思われているのとは違い、実はとてもヘルシーな料理だ。魚、鶏肉、つくね、豆腐に、葱、人参、パプリカなどの野菜やきのこが、鍋に溢れんばかりに投入される。出汁の効いたスープは、醤油または味噌仕立て...

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  • 日本料理
  • 新宿三丁目
  • 価格 3/4

新宿にあるこの鶏鍋の専門店は、東京でもっとも大きいレストランのひとつに違いない。4~10名向けの個室が9つ、3階建て優雅なビルに収まっている。歴史は長く、1928年の創業時の店の写真が壁に飾られている。玄海は時代に合わせて柔軟に変化してきたが、何十年たっても変わらないレシピもある。『抹茶アイス』は、1940年代の戦争時に、当時の店主が商売を守るため店を一時的にアイスクリームの専門店に変えた、苦労時代を忘れないようにと現在も提供されている。 鶏を何時間も水で煮込んだシンプルで伝統的な水たき中心のメニューだが、 ほかにも外側を軽く炙った『鶏の刺身』や『親子丼』、『鶏のポン酢和え』など、素晴らしい料理が味わえる。とはいえ、ほとんどの客の目当てはやはり『水たき』だ...

  • 日本料理
  • 湯島
  • 価格 3/4

湯島天神そばにある江知勝の門をくぐると、まるで別の時代にタイムスリップしたような錯覚に陥るかもしれない。1871年に創業し、現在は6代目が店の伝統と信頼を受け継ぐ。再建や修復を繰り返しながら長年保存されてきた建物は、日本の美と簡潔さの象徴であり、おそらく原型と変わらない佇まいを残しているはずで、それだけでも一見の価値があるだろう。 石畳を歩いて見事な日本庭園を抜けて入口に辿り着くと、そこにはすでに特別な空間が広がっている。2〜8名向けの和室があり、全席完全個室。常にプライベートな空間で食事ができ、まるで自分たちが唯一のゲストであるかのように感じる。全室から美しい庭園を眺望でき、運が良ければカラフルな鯉が悠々と泳ぎまわる池も眺めることもできる...

  • 鍋料理
  • 赤坂
  • 価格 3/4

赤坂の古母里を利用する客の多くは常連客のため、初めての客は少々入りづらいかもしれない。「家にいるような気分でくつろぎながら食事を楽しんでほしい」という店の思い通り、自宅の食卓を思わせるテーブルが置かれた店内では皆リラックスし、気さくな女将との会話を楽しみながら食事をしている。まずメニュー代わりにテーブルに運ばれるのは、毎朝築地で仕入れてくる魚介類。気になった食材があれば、刺身はもちろん、煮る焼くなど希望の調理法で提供してくれる。そして多くの人が頼むのは、しゃぶしゃぶ、すき焼き、など和牛を使用したメニュー。肉は時期によって状態の良い産地のものを選んでいる。しゃぶしゃぶの肉は贅沢に厚くカットされ、特製のごまダレ、ぽん酢との相性も抜群だ。

  • 淡路町
  • 価格 1/4

東京で愛される蕎麦文化を味わうなら神田、淡路町にある1884年創業の老舗、神田まつやへ。歴史を感じさせる店内は、いつも賑わっているが、その高い天井のせいか嫌な窮屈さは感じさせない。江戸時代からのスタイルを守っており、蕎麦粉と小麦粉の割合を「外ニ(そとに)」(蕎麦粉十割に対して小麦粉二割)で打つ蕎麦は、風味やコシなどのバランスが良く、東京の蕎麦のスタンダードを感じさせる。夜は『鰊(ニシン)の棒煮』や『そばがき』をつまみながらゆっくりと飲んでシメに蕎麦という東京の粋な飲み方にも挑戦してみたい。

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  • 虎ノ門

虎ノ門駅近くにある老舗蕎麦屋。この街にビルが立ち並ぶ遥か昔、1872年から変わらずに営業を続けている。趣のある建物にグッと心を掴まれたら、その心に従って迷わず店内に入ってみよう。ここでは、蕎麦好きをも唸らせる絶品蕎麦に出会うことができるのだ。通常の蕎麦は、実の中心部を挽いた一番粉を使用した白く細いものだが、実を丸ごと使用した『太打ち切り』や、時期により、すだち、紫蘇などを素材を練りこんだものなど、変わり蕎麦も用意されている。旬の素材を用いた天ぷらや、季節限定の蕎麦メニューも豊富なので一年を通して通いたくなる。

  • 五反田
  • 価格 1/4

立ち食いの讃岐うどん専門店。五反田駅前という立地ながら一番ベーシックなメニュー『温かけ』が300円という本場並の低価格。ランチタイムは行列必須だが、回転率も良いので、列のわりに早く食べられるだろう。狭い調理場を取り囲むような配置のカウンターは独特の緊張感が漂い、つるんとした麺と、透き通った薄味の出汁からは、立ち食いながら丁寧な仕事ぶりが感じられる。天ぷらは揚げても揚げても次々になくなっていくので常に揚げたて。下味がしっかりと付いたじゅわっと柔らかなとり天はこの店の一番人気だ。

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  • 人形町
  • 価格 1/4

コシのある香川の讃岐うどんは、今やうどんの代表格とも言える存在だ。香川出身の店主谷は、全国から多くの讃岐うどんファンが訪れる人気店で修行を積み、東京に店をオープンした。店に入るとまず目に入るのがガラス貼りの麺打ち台。ここでうどんを打つ様子を眺めることができる。毎朝足踏みして仕込まれるうどんに使用するのは、小麦、水、塩のみ。小麦は食感と香りを両立させるため、オーストラリア産と国産のものをブレンドしている。長時間かけてつくるいりこ(煮干し)ベースの無添加の出汁は優しい味わい。まずは、シンプルな『かけ』で麺と出汁を楽しむのが良いだろう。サイドメニューには、注文を受けてから揚げるサクサクの天ぷらをぜひ。

  • 三軒茶屋

「鶏、丸ごと一羽、鶏づくし」というのが、さしずめこの三軒茶屋の焼き鳥店のモットーだろうか。床島では、むね肉、手羽、ももなどの定番から驚きの部位まで20種類の焼き鳥が食べられる。店主の床島は、焼き鳥ができ上がる全過程の細部にまでこだわる完璧主義者なので、心臓や腹膜といった珍しい部位を食べてみたい人も心配は無用だ。良い素材を最高のタイミングで料理するために、世田谷区から食鳥処理認可証を取得。鶏の魔術師、床島が自ら厨房で肉質に弾力があるフランス血統の丸鶏の解体を行い、新鮮な肉を提供している。さばいたら、店内のカウンターで目を離さずじっくり炭火焼にする。濃厚な風味は、燃えている炭に鶏の脂が落ちて生じるそうだ...

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  • 亀戸
  • 価格 2/4

鳥さわには、高級な内装も飾りも必要ない。大切なのは店の心臓、炭火焼の台だけだ。野菜も入れて25~30種類ある品書きは、木の板に書かれてカウンターの奥にかけられている。網から取り上げられた串は、小ぶりだがどれも完璧な仕上がりだ。艶やかな『金針菜』は、色合いも質感も土色のレバーと対照的だし、『ちょうちん』(卵巣)は名前のとおり提灯のように串からぶら下がっている。絶対に外せないのは『ささみ』だ。さっと炙っただけで中はまだピンク色、手ずりのわさびがのっている。 いろいろな味が楽しめるのは、店主が4種類のたれを部位により使い分けるからだ。醤油、オリーブオイル、酒、そして4種類目は「秘伝のたれ」としか教えてくれない...

  • 焼き鳥
  • 白金
  • 価格 2/4

白金の高架下にある酉玉は、その最も華やかな立地に頼ることなく人気を集める焼鳥店。ミシュランガイドの「ビブグルマン」に認定され、今や東京で最も予約が取れない焼鳥店のひとつでもある。現在は、都内3ヶ所、香港、シンガポールに店舗がある。同店が人気である理由は、焼鳥の豊富なメニューにある。ほとんどの焼鳥店は、むね肉、もも、ハツ、手羽先、砂肝、レバーといった標準的な部位を提供しているが、酉玉は30種類以上の部位、日替わりの裏メニューである稀少部位を合わせると、計40種類近くものメニューを揃えている。もちろん鶏肉ばかりだが、鶏の生体構造に詳しい専門家でない限り、すぐに全種類の名前は分からないだろう...

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  • 焼き鳥
  • 原宿
  • 価格 2/4

焼き鳥は煙たくて、安くて、 冷たいビールで勢い良く流し込み、サッと済ませるものというイメージが主流だろうが、焼鳥今井に行ったことがある人なら、そんなことはない!と声を挙げるだろう。千駄木の人気焼き鳥店、焼鳥今井が2016年11月に外苑前に移転し、30席のスタイリッシュなカウンタースタイルの店に変貌(へんぼう)を遂げた。オーナーでシェフの今井充史が、鶏から野菜まで厳選し魂を込めて焼いたひ品々は、味はもちろん、その斬新なアプローチで焼き鳥に対するイメージを刷新してくれる。今井が考案した独自のコースは、パリパリのバゲットの上に...

  • 銀座
  • 価格 1/4

並木通りからビルの間を入った路地裏にある、魚介メインの居酒屋。銀座の一等地にいながら、タイムワープで昔の気取らない東京に戻ってきたような気分になる。賑やかな居酒屋、三州屋は1968年からずっと、美味しくて値の張らない料理を作り続けている。昼過ぎには一杯やりながら盛り上がる築地市場で働く人たちで賑わいだし、そのまま閉店までずっと銀座の会社員たちでいっぱいになる。みな、安いのに美味しい料理に惹きつけられてやってくるのだ。すっきりとした店内には相席のテーブルが置かれ、気楽な感じだが、昔ながらの美学を感じる。メニューは一つ一つ白い紙に黒の字で書かれたものが厨房前のカウンターの上に貼られていて、紙吹雪のようだ...

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  • 江東区
  • 価格 2/4

1924年(大正14年)創業の山利喜に足を踏み入れると、何時間も煮た牛の煮込みの濃厚な香りがすぐに漂ってくる。この『煮込み』が名物である下町の老舗居酒屋では、全3階の各階(と階段)まで山利喜ならではの香りが漂う。朝9時からラストオーダーの夜10時まで大鍋で煮込み、豆味噌で味付けした牛シロは、独特の味わい。時間をかけて煮込むことで、スープは濃厚になり、牛シロは柔らかくなる。午後5時に注文するのと午後9時に注文するのでは、その味に大きな違いがあるのに気付くはず。『煮込み』は通常であればライスと一緒に提供されることが多いが、山利喜が添える品はもっと洗練されている。スライスしたバゲットにニンニクを塗った『ガーリックトースト』で、濃厚なスープをすくって最後まで堪能しよう...

  • 日本料理
  • 渋谷
  • 価格 2/4

渋谷再開発にともない、2018年10月より一時休業していた三漁洞が移転オープン。以前と同じく桜丘町エリアに店を構えることが決定した。三漁洞は50年以上の歴史がある小料理屋で、和服に割烹着の女将が迎えてくれる人気店。メニューに外れはないが必ず注文したいのは、『冷やし焼きナス』と『ブリ大根』。大きくぶつ切りにした大根が2つ、これ以上煮込むことが不可能と思えるほどやわらかく、醤油色が染み込んでいる。

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  • ラーメン
  • 錦糸町
  • 価格 1/4

店の入り口に描かれた鯛が示すように錦糸町の麺魚では鯛出汁のラーメンが食べられる。2016年1月のオープン後瞬く間に行列店となったため、2017年4月にすぐ近くに移転し席を大幅に増やした。店内には魚の香りが漂い期待が高まるが、築地直送の鯛を惜しげもなく使用したスープは、その期待を上回るほどの鯛感。全粒粉の細麺に、桜木でスモークしたチャーシュー、小松菜と、シンプルな構成要素は、上品なのにインパクトがある。チャーシューに乗った柚子のアクセントも良い。『真鯛らーめん雑炊セット』にすれば、薬味の乗った白米をスープに入れシメにできる。ラーメンライスの背徳感を...

  • 代々木上原
  • 価格 1/4

日本のラーメン店で初めてミシュランスターを獲得した「ジャパニーズ ソバ ヌードル(Japanese Soba Noodles)蔦」。元祖ミシュランスター獲得の味を楽しめる名店だ。冷蔵庫の上に飾られているトロフィーが、何千軒もある東京のラーメン屋のなかでの実力を示している。

もともと巣鴨にあったが2019年に代々木上原に移転し、2022年9月から休業期間を経て復活。カウンターで期待に胸を膨らませている客の前で、この丼には黒トリュフを一振り、あの丼にはエノキを、といった具合にオーナーは踊っているかのような正確な優雅さでラーメンを作っていく。何種類かのしょうゆをブレンドして作ったスープは濃厚で複雑、麺はシコシコつるつるで味わい深く、チャーシューはパーフェクトに柔らかくジューシーだ。

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  • ラーメン
  • 江東区
  • 価格 1/4

東陽町駅近く、ミシュランビブグルマンを獲得しているラーメン屋。名物のパクチーが乗った『特麻婆まぜそば』は、山椒がピリッと効いた一杯。もし、辛さが足りない人は机上にある青山椒を追加しよう。青山椒は、若いファージャオから取れるもので、これを追加すると一気に痺れがやって来る。反対に、ラー油や山椒を控えめ、抜きにすることもできるので、辛いものが得意でない人は店員に一声かけることをおすすめする。また、『特麻婆まぜそば』に負けない人気を誇る『味玉入り塩らぁめん』も注目メニュー。こちらは、瀬戸内産の『海人の藻塩』、沖縄産の『ぬちまーす』、福建省の『福塩』と、3種類の塩をブレンドしたタレが用いられた優しい味わいの一杯だ。 

  • ラーメン
  • 新宿二丁目
  • 価格 1/4

L字型のカウンターが囲む店内は武骨な黒一色に統一されている。『豚清湯系貝汁そば』と呼ばれる動物系と貝系のだしのバランスがうまさの秘訣(ひけつ)であり、特にハマグリの深い味わいが見事だ。

『そば(醤油)』と『塩そば』で悩んでしまうが、悩むのはやめて、おとなしく通うことにしよう。

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  • 目白

目白駅前のコミュニティビルは、都内でも最高の洋食を堪能できるレストランが潜んでいるとは思えないほどごく普通の場所だろう。洋食は「西洋の」食事を日本風に解釈したもので、何十年もかかって日本食のなかに独自の地位を築いてきた。洋食の起源は日本が初めて世界に門戸を開いた明治時代にあり、旬香亭は長年の試行錯誤を重ねてでき上がった、カツレツ、ステーキ、シチューに様々なフライといった肉中心の基本メニューを踏襲している。しかし、差がつくのはその高級感だ。使われるのは最高級のオーストラリア産と日本産の牛肉、その風味と柔らかさで名高い赤牛ビーフなど。上品な店内と美しい盛り付けが華を添える...

  • 多国籍料理
  • 赤坂
  • 価格 3/4

赤坂の洋食店、東洋軒は現在本店を三重県に置いているが、もとをたどると1889年に東京で創業した洋食文化の草分け的存在だ。2014年にオープンしたこの店舗では、三重県の特産であるブランド牛、松坂牛を使用した洋食メニューが楽しめる。『メンチカツ』は、松阪牛に加えこれまた三重のブランド豚である松坂豚をブレンド。衣に使用するパン粉のために専用のパンを焼くなど、こだわりの結晶である美しいフォルムの衣にナイフを入れると肉汁が流れ出る。肉自体の旨みをしっかりと感じられ、そのままでも美味しいが、野菜のとろみのみで仕上げた特製のウスターソースをかけるのも忘れずに。

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  • 銀座
  • 価格 2/4

銀座ガス灯通りにひっそりと佇む老舗洋食レストラン、煉瓦亭は1895年に創業。現在の洋食文化の元祖と言われる店だ。もともとは西洋料理の店としてスタートしたが、日本人の好みに合わせてメニューを試行錯誤していくうちに、とんかつやオムライスなどの人気メニューを生み出していった。『元祖ポークカツレツ』は、 牛肉を使用したフレンチのカツレツを、日本人に馴染みのあった豚に代え、天ぷらに着想を 得て、たっぷりの油で揚げるようにアレンジ。とんかつには欠かせない千切りキャベツも、もともとは日露戦争時に人手不足から手間を省くために生まれたという。レトロな店内で歴史に思いを馳せながら味わえば、馴染みのメニューも新鮮に感じられるだろう。

  • 銀座
  • 価格 2/4

調剤薬局として銀座の地で創業した資生堂は、店内の一角に日本初のソーダ水やアイスクリームを提供するソーダファウンテンを設置したことから飲食業を発展させていった歴史を持つ。ギャラリーやカフェが入る東京銀座資生堂ビルのクラシカルなレストランに足を踏み入れれば、ファストファッションの店が建ち並ぶ街に姿を変えてもなお、銀座は特別な街なのだと感じられるだろう。伝統的な洋食メニューに目移りするが、やはり『オムライス』の赤と黄色のコントラストには目を奪われる。均一に焼き上げられたオムレツ、こだわりのチキンライス、特製トマトソースをバランス良くスプーンに乗せ頬張れば、思わず顔がほころんでしまうだろう。

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  • 目黒
  • 価格 1/4

目黒にある「ランド(LAND)」は、日本のカレーを改革するという大きな野望を持った小さなレストランだ。ひげ面に眼鏡をかけた店主の内藤は、入口脇に自身の自転車が掛けられた店で、日本のカレーを、インドカレーやタイカレーのように確立された人気のジャンルにしたいと語る。思うに、オープンからわずか1年半にして内藤の目標はかなり実現に近づいている。典型的な日本のカレーは、山盛りの白米にいくつかの肉の塊の入ったのっぺりとした茶色いルーがかかっているわけだが、そんな野暮ったいものを食べて喜ぶ後ろめたさのせいなのか、見た目や味の洗練が置き去りにされることも多い。しかし、LANDの『ニューウェーブカレー』(1,500~1,900円)はそれらとはまったく違う...

  • 神保町
  • 価格 1/4

本の街として知られる神保町は、カレーの街としても有名でいたる所でカレー専門店を目にする。なかでもエチオピアは個性派だ。カウンタースタイルの店構えは一見普通のカレースタンドのようだが、実はカレー好きの間では超定番の有名店。オリジナルのガラムマサラを使用し、長時間煮込んだ野菜とスパイスのとろみで仕上げるため、さっぱりともたれにくい。スパイスは種類に応じて香りを損なわないよう、適切なタイミングで投入していき、盛り付けてからかけられるスパイスは口の中ではじけ、食後は爽快感がある。お通しのように丸のまま運ばれてくるじゃがいもにはバターが添えられ、そのまま食べるも良し、カレーに投入しても良いだろう。辛いもの好きのために、辛さは0倍から70倍まで選べるが、はじめはほどよい辛さの3倍ぐらいを勧めたい。店名のエチオピアは、先代のオーナーがエチオピアの珈琲が好きであったこととに由来している。

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  • フュージョン
  • 西荻窪
  • 価格 1/4

フランス料理が高級料理の典型であると考えられる一方で、カレーは日本の家庭料理の具現化だ。2つの世界が交わることは滅多にないが、スプーンが提供する異色の『フレンチカレー』はそれらの文化と食体験をつなぐ驚くべき架け橋となっている。和田シェフがオートキュイジーヌや東京都心の高級フレンチレストランで10年以上経験を積んだ後に変化を求めて作り出したユニークな『フレンチカレー』は、中粗挽きにした13種のスパイスがカレーに新食感を生み、柔らかなトロトロ牛肉のワイン煮が添えられた新しいカレーだ。 13という数字は、スプーンにとってラッキーナンバーのようだ。ライスに含まれる雑穀の種類...

  • 下北沢
  • 価格 1/4

スープカレーとは、さらっとしたカレーに、たっぷりの具材を入れた食材が豊富な北海道生まれのローカルフード。東京にも多くの店が進出しており、下北沢のRojiura Curry SAMURAI.もその一つだ。化学調味料を使用せず、天然素材で作るブイヨンは、野菜、肉、和風スープを丸1日かけて仕込んだこだわりの味。『チキンと一日分の野菜20品目』は、ただ野菜がたっぷり乗るだけでなく、出汁で炊く、素揚げにするなど、それぞれの素材をいかす工夫がなされ、スープとしっかり調和している。スープをココナッツベースにしたり、辛さを変えたり、トッピングを加えたりと、自分好みにカスタマイズできるのも魅力だ。

  • 御茶ノ水
  • 価格 2/4

2015年、「ビブグルマン」のリストに名を連ねたこの小川町にひっそりと佇むレストランには、平日の昼には近所のビジネスマンが行列を作り、休日には全国からとんかつファンが押し寄せる。人気の『特ロース豚かつ定食』は、完璧なまでの衣のサクサクとした食感と噛むたびに肉汁が溢れ出す至極の一品。席には特製とんかつソースやウスターソース、フランス産の藻塩、柚子胡椒が並び、味を変えながらひと切れずつ楽しんでいるうちに、女性客でもあっという間に定食をたいらげてしまえる。ライスは1杯までおかわり無料、もちろんキャベツは食べ放題だ。『カツカレー』や『カツサンド』も見逃せないメニューなので、このトンカツにはまった場合、最低でも3回は通うことになりそうだ。 関連記事 『東京、ベストレストラン100』

  • 新橋
  • 価格 2/4

外食天国の東京でとんかつ一品で名を馳せようと思うと、少々難しい。チェーン店や格安店はあらゆる通りに軒を連ね、軽い食事を求めている人々をこぞって招き寄せている。どの店も味はまずまずだが、とんかつ店「燕楽(えんらく)」に出会ってしまったら、もう他店で妥協することはできないだろう。愛宕警察署近くのビジネス街にあり、紺地にひらがなで『とんかつ』と書かれた暖簾(のれん)が目印。この家族経営のレストランは、1950年の開店当初から、レシピも内装もほとんど変わらないままで、生きた(そしておいしい)歴史の一部となっている。現オーナーの...

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  • 高田馬場
  • 価格 1/4

高田馬場にはなぜかとんかつの名店が多い。なかには観光名所かと思うような行列ができる店もあるが、長時間並ぶのに耐えられないという人は駅前のビルの地下街に店を構えるとん久へ。人気店ながら、並んだとしても常識的な待ち時間で入店することができるだろう。 店の看板とも言える『特選ロース定食』のロースには、千葉県の銘柄豚『林SPF』を使用。脂の味に定評があり、そのままでも胃がもたれる心配はないが、セットで付いてくるおろしポン酢を合わせればさっぱりと食べられる。酸味が効いた特製の生ソースも肉の味を邪魔することはない。とんかつの付け合わせとしては珍しいナポリタンも...

  • 市ヶ谷
  • 価格 4/4

2014年に三ノ輪から店を移した人気焼肉店なかはらでは、肉のブランドにこだわるのではなく、店主の中原自ら芝浦の市場へ出向きその目で選んだ肉を一頭買いし提供している。予約時に確保すべき『幻のタン』は、タンに対するイメージを覆すような一品。コースの一皿目を飾る『サーロイン』は、中原がもっともサーロインに合うと考える薄切りで、ほんの一瞬網で炙る程度で食べる。この2つで洗礼を受けると、もうなかはらの虜だ。生肉が食べたければ、専属の寿司職人が握る『和牛握り・巻物』を。ジンジャーライスのシャリに合わせたとろけるようなリブロースの味を一度知ってしまったら、もう後戻りはできないだろう。

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  • 青山
  • 価格 3/4

骨董通りを一本入った細い路地にある高級焼肉店。店内は、黒を基調としたモダンな雰囲気で、カウンター席、個室、ボックス席とシチュエーションごとに使い分けることが可能。アラカルトも用意されているが、せっかく訪れるのであれば、ぜひおまかせコースを頼みたい。コースの一品一品が一般的な焼肉店で看板をはれるレベルで、誰しもが満足するはずだ。焼き方や食べ方にも工夫が凝らされ、焼肉を一番美味しく食べるにはどうすれば良いかということが考え抜かれた一連の流れには感嘆する。コースメニューを食す間は、肉の焼き加減にもよろにくのスタッフが常に気を配ってくれる。有名店ながらそれにおごらない進化を続ける焼肉店だ。

  • 新橋
  • 価格 2/4

東京にはチェーン店を含め数えきれないほどの焼肉店があるが、その中で各店舗はどのように違いを生み出しているのだろうか?新橋にある焼肉店、かるびあーのでは店長の高島修が厳選した和牛を提供している。和牛にこだわっている店は同店だけではないのはごもっともだが、高島は肩ロースやしんしんなど、あまり使われていない部位を好んで使う。薄く切られた赤身肉は、10席あるカウンター席の目の前で炭火焼きにされ、肉に火が通るのに1分もかからない。ジューシーで完璧に味つけされ、繊細な味を帯びる肉は、口の中ですぐに溶け出していく。肉の塊のまま、高嶋がじっくり焼いてくれる「塊焼き」はぜひ食べてもらいたい。薬味には、ワサビ...

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  • 幡ヶ谷
  • 価格 2/4

ホルモン(内臓肉)に初めてトライする、食べたことはあるが好きになれなかったという人は、幡ヶ谷の炭火マルイチへ。通常ホルモンといえば味噌などでしっかり味をつけたものが多いが、新鮮な黒毛和牛の内臓を使用するこの店で勧めたいのは塩だ。まずは基本の『ホルモン盛り合わせ』を注文しよう。牛4種、豚1種の『5種類のり』、とろっとしたレバー、甘い脂を味わうシビレ(リードボー、胸腺)、コリコリとした食感が楽しいギアラ(第四胃袋)など、ホルモンの魅力を一皿で知ることができる。備長炭を使用して焼くため、脂のたっぷりついた部位は香りを吸いスモーキーな味わいになる。北海道の猟師から届く、鹿などジビエもあわせて楽しみたい。

  • 丸の内
  • 価格 1/4

東京でお好み焼きを食べるとなると自分で焼く店が多く、それはそれで楽しいのだが、確実に美味しく食べたいというときは、やはり プロに焼いてもらいたい。大阪に本店を置くお好み焼き専門店きじは、大阪では主流の焼いたものを提供してくれるスタイルの店だ。テーブルには保温のための鉄板があり、ちゃんと温かいまま楽しめる。この店に来たら絶対に頼むべきは、『スジ焼』だろう。じっくり煮込まれた牛スジ、生地には甘め、辛め、2種類のソースがかかった生地、半熟の卵、それを覆う大量の青ネギとコンビネーションは素晴らしく、ソースの香りに乗せられて何枚でも食べられそうだ。

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  • 多国籍料理
  • 下北沢
  • 価格 2/4

下北沢と三軒茶屋のちょうど中間にある、イノベーティブフュージョン料理の店。レストランであると分からないような目立たない外観だが、四季折々の食材に虫や花も使った、客を引きつける魅惑的な料理を提供する。グルメが通い詰め、メディアも注目する新進気鋭の店だ。

シェフの森枝幹(もりえだ・かん)は、トップレストランの一つとして世界中の食通から知られたシドニーの名店、テツヤズ(Tetsuya's)や日本の京料理の湖月、マンダリンオリエンタルホテル内のタパス モラキュラーバーでの修業を経たのち、現職に。

グルメを自認するなら、多才な森枝の世界観を味わいに、一度訪れてみては。英語対応も可能なので、海外の友人をもてなす際にもいい。意外と予約はまだ取りやすい。
  • ハンバーガー
  • 代官山
  • 価格 1/4

人気焼肉店なかはらの姉妹店でもあるHenry’s Burgerには『ハンバーガー』(650円)、『ダブルハンバーガー』(900円)、『ポテト』(250円)の3つしかメニューがない。それがいいのだ。あまりにも多くのレストランが、このシンプルで美味しいファストフードを複雑にし過ぎるという罪を犯している。 店名の「ヘンリー」とは、子ども時代をカリフォルニアで過ごした店主の当時の呼び名だ。シンプルに徹したことで、かえってハンバーガー道を究めることに成功した。余分なものを排除し、こだわるのは和牛の本来の美味しさを引き出すことだ。まず、和牛を焼き網に叩きつける。これはアメリカでチェーン展開する「スマッシュバーガー」が完成させたテクニックと似ている...

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  • ハンバーガー
  • 人形町

真っ赤な外観が目印の「ブラザーズ(Brozers’)」は、グルメハンバーガーの名店。パティはどんなトッピングにも合うようオージービーフに和牛の脂をブレンドし、程よいバランスに仕上げ、両面をパリッと焼き上げたほんのり甘い特注のバンズに挟む。この店の真髄を味わうのなら『ロットバーガー』を頼むべきだろう。すべてのメニューに入るレタス、トマト、オニオンに加え、ベーコン、チーズ、エッグ、パイナップルをトッピングした名前の通り盛りだくさんな内容だ。ソースは4種類から選べるが、まずは基本のバーベキューソースを。化学調味料を使用しない野菜ベースのソースは、パティはもちろんのことパイナップルやベーコンとの相性が抜群。

  • ベイカリー・パン屋
  • 江古田
  • 価格 1/4

パーラー江古田の自家製パンは、店内の臼で挽かれる全粒粉を使用したものなど、ハード系が中心。店内ではボリュームたっぷりのサンドイッチや、キッシュなどが楽しめる。サンドイッチは好きなパンを選ぶことができるので、同じメニューでもがらりと印象が変わるだろう。大きくカットされた季節の野菜が入る『季節野菜のオーブン焼きバルサミコソース』は、バルサミコのシンプルな味つけでパンと野菜そのものを楽しむことができる。美味しいパンには欠かせないコーヒーは、堀口珈琲の豆を使用している。時間を忘れてのんびり過ごせる空間も魅力的だ。

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  • 文京区
  • 価格 3/4

精肉店を通り抜けて入店するとは、ステーキ屋として素晴らしいコンセプトだ。最高品質の但馬牛熟成肉専門店、中勢以では、数週間おきに新しい牛を仕入れ、精肉店で解体し、牛肉の部位に応じて6週間から6ヶ月かけて熟成させている。精肉店の一角はまるで外科医の手術室のように綺麗に磨かれ、約20種類の熟成肉を購入することができる。熟成肉の種類は日によって異なり、どの熟成肉が最も食べ頃かという基準に基づいて選ばれる。 精肉店だけを覗くと、ステンレススチール製ドアの向こうにレストランがあるとは思わないだろう。精肉店で好きな熟成肉を選んで、奥にある店に入る。簡素なコンクリート打ちっぱなしの空間は、まるで保冷室のようだ...

  • ピザ
  • 中目黒
  • 価格 1/4
  • 4 5 つ星中
  • お勧め

2010年のオープン以来、東京の人々を魅了し続けてきた中目黒のピッツェリアの前には行列が絶えない。ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の山本尚徳は、ナポリで数々のトロフィーを獲得した後に、自身の店を開いた。そこは彼なりの美学を追求する場所にもなっているようだ。店の内装はオープン当初から、ナポリにあるアンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ本店によく似ており、その人気や活気はアンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレの恵比寿店を遥かに上回るほどだ。店の雰囲気は、テーブルが所狭しと並べられ、大声で会話が飛び交い、スタッフは常に慌ただしく動いている。もしディナーをゆっくり楽しんだり、ロマンチックなデートができる店を探しているのであれば、別の店を探すことをおすすめする...

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  • ピザ
  • 中目黒
  • 価格 1/4
  • 4 5 つ星中
  • お勧め

東京にピッツァブームが起こる遥か前から、柿沼進は見事な『マルゲリータ』と『マリナーラ』を次々と生み出してきた。決して若くはないこのシェフは、10年前におよそ一年をかけてイタリア国内のあらゆるピッツェリアを食べ歩き、帰国後に中目黒にサヴォイをオープン。姉妹店をオープンさせる一方、同店は聖林館と名前を改め、新しく生まれ変わった。東京最高峰のピッツァはもちろん、内装のユニークさも特筆に値する。鍛鉄製の階段、ベルベットのカーテンと黒い床板が、壁に埋め込まれた焼却炉のようなオーブンの存在感をより強調させており、まるでスチームパンクなSFの世界に入り込んだような気分が味わえる...

  • ピザ
  • 神谷町
  • 価格 2/4

日本において最長の職人歴を誇るベテラン、ナポリ出身のペッペ・エッリチェッロは12歳から修行を始めた、真のピッツァ職人だ。2006年から東京に拠点を移し、新宿のスペッカ ナポリ、駒沢大学のラ ビコッカを経て、2011年の暮れに神谷町に自身の店を開いた。この店が成功し、2015年10月には2店舗目となる駒沢店を開店した。 ペッペの自信作は『ドンサルヴォ』。8角形の星型に作った生地に、リコッタチーズとスパイシーなサラミを乗せ、トマトソース、たっぷりのモッツァレラチーズ、フレッシュトマト、バジル、パルミジャーノ レッジャーノとともに焼き上げたピッツァだ。前菜、肉や魚のグリル、パスタもあり、ナポリ出身の家族も満腹になるほどのボリュームで提供される...

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  • イタリア料理
  • 代官山
  • 価格 2/4

緑豊かな高級住宅地、代官山の地下にある洞窟のような店で、シェフ樫村仁尊は新しい挑戦に取り組んでいる。スマートで洒落た居酒屋のような雰囲気の店で作られるイタリアンは、ユニークで素晴らしい。起伏のある天井には木くずが貼られ、樫村とスタッフは店の中央にあるオープンキッチンで輪になって肉料理やパスタを作る。四方向を取り巻いて座る客からは丸見えだ。そして熱い1980年代ロックがBGMに流れる。 レニー・クラヴィッツやヴァン・ヘイレンの曲は激しいが、炭火焼のグリル以外はシルバー一色のキッチンの中で動き回る樫村たちは、優雅なことこの上ない。それは、細胞の中で働く核小体のように、じっくり焼かれて口の中でとろける鴨やチキン、和牛...

  • イタリア料理
  • 神谷町
  • 価格 2/4

神谷町駅すぐのところに店を構える「ダ オルモ(da olmo)」では、本格的な北イタリア料理を楽しむことができる。なかでもおすすめなのが自家製麺を使用したパスタだ。パスタ生地の塊をチーズ削りで米のように小さく削り、旬の魚や自家製のドライトマトと合わせた北イタリアの郷土料理ラサは、魚介の味がギュッと染みこんだ味わい深い一品。また、まるでうどんのようなモチモチ食感のパスタ、ピーチとしっかり味付けがされたソースが絶妙なバランスの『中勢以 熟成但馬牛のボロネーゼ ピーチ』も外せない一皿となっている。そのほか、ワインも豊富に揃えられているので、ぜひこちらもあわせて楽しんでほしい。

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  • イタリア料理
  • 千駄ヶ谷
  • 価格 3/4

千駄ヶ谷にある隠れ家のような全20席の店で、辻大輔が特別な時間を提供するコンヴィーヴィオ。トスカーナの家庭料理をベースに新しいエッセンスを加えたイタリア料理が味わえる。メニューは存在せず、エントラータ(ひと口料理)からドルチェ(デザート)まで彼の先導する旅に同行するかのようだ。もちろん、最後まで途中下車という選択肢は脳裏に浮かばない。 月替わりのコースには、地方から取り寄せた季節の食材を主に使用(オリーブオイル、チーズ、加工肉はイタリアから輸入)。彼の才能を証明するスペシャリテ『カーチョ・エ・ぺぺ』は定番となっている。おそらく最もシンプルなパスタでありながら、その味は間違いない...

  • フランス料理
  • 中目黒
  • 価格 2/4

大土橋真也の発想はビッグだ。中目黒の川沿いに店を出してから1年、若いシェフは、驚くほど独創的で概念的な料理で客を魅了してきた。パンのペアリングや色の計算、すべての食材を1つの都道府県産で揃えるなど、計算され尽くした大土橋の料理は、フォークで突いただけで、アート作品に落書きしてしまった気にさせられる。 壁にはエッフェル塔と東京タワーを『フォトショップ』で一つの建物に加工した独特のコラージュが飾られ、ワイルドさと統制された実験が融合する、店の雰囲気を象徴している。『ニソワーズ サラダ』はイワシの刺身、ワカモレ、トルティーヤと共に盛り付けられ、チキンとマッシュルームのタルトは、光る卵の黄身と千切りされた紫芋、赤ワインのパンと提供される...

  • フランス料理
  • 代々木八幡
  • 価格 2/4

シェフ中田雄介は無類のきのこ好きだ。きのこの名前を自身の代々木八幡のレストランにつけ、ほとんどの料理にきのこを使い、額縁に入れたきのこのトランプを店の壁一面に飾る。独創的なきのこの料理で知られるフランスの地方レストランで修業しただけのことはある腕前で、国産や輸入きのこの驚くべき可能性を見せてくれる。中田が編み出した『きのこ茶』と贅沢な『フォアグラマカロン』の組み合わせは外せないし、茹でナスとロックフォールチーズのソースで食べる中田特製の『スモークサーモン』も必食だ。 メニューはないが、心配はいらない。中田がコンサルタントになり、自ら客と会話をしながら...

  • フランス料理
  • 西麻布
  • 価格 4/4

青山の曲がりくねった裏通りにある長谷寺から西麻布方面に進むと、多くの人が東京のフレンチレストランの頂点と認めるレフェルヴェソンスがある。オーナーシェフの生江史伸が率いる同店は、ミシュラン二つ星を獲得し、アジアのベストレストラン50に3年連続でランクインするなど、国内外から数々の称賛を得ている。主要スタッフは、元々は客だったが同店の料理を愛するあまりに仲間に加わった面々ばかりだ。 確かな実績を積み上げているにもかかわらず、チームを重視する生江はシンプルな目標を追求している。客、スタッフ、自身が幸せであり続けるということ。彼は人生を謳歌することの大切さを信じており...

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  • フランス料理
  • 神谷町
  • 価格 3/4

川手寛康が最高のシェフであることは、以前から分かっていたことだ。しかし、2015年に青山に店を移して以来、さらに腕が磨かれたようだ。フロリレージュが他店と一線を画すのにはいくつかの要素がある。まず、セッティングがドラマチックだ。カウンターと壁は灰と炭の色、床は溶岩のような赤に塗られている。オープンキッチンの生け花は、ほの暗い部屋の中で、驚くほど明るく緑に輝いている。そして、川手と足早に動くスタッフたちが、スポットライトの下で静かに働いている。料理が出されるのを楽しみに待つ間、ナイフを研ぐ音や鍋の鳴る音を聞きながら、彼らを目の前で観察するのはスリリングな体験だ...

  • ビストロ
  • 東銀座
  • 価格 2/4

3年前に東銀座にちょこんと開店したイバイアは、その店名こそフランスバスク料理店に変わりないが、今やグリル肉を専門としているのが特徴の典型的なビストロとして人気だ。そんな現状になっていったのは、大きな肉の塊に奇跡を起こすシェフがいるからこそ。オープン後、ひとたび彼のその才能が披露されると、客から絶賛され、その腕前を磨いていくことになった。 銀座の高級過ぎないエリアに隠れ家のように佇む同店は、20席あるが常に満席だ。常連はハーブとガーリック入りのパン粉をまぶして黄金色になるまで焼いたオーストラリア牛の厚切りヒレ肉に、完熟トマト、赤ワイン、ポルト酒などを使ったソースを添えた『牛のヒレカツ』などを求めて通う...

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  • フランス料理
  • 中目黒
  • 価格 2/4

中目黒駅から徒歩3分の場所に佇むレドゥー(Les deux)は、オーコアンドゥフーから店名を改めてリニューアルオープンした。シェフの山口潤と、妻でソムリエの山口沙知子が歓迎してくれる居心地のいい店では、リラックスしながらも洗練された雰囲気で行き届いたサービスが提供される。フランスの美味しい家庭料理と豊富なワインリストから選べるワインを1〜2本楽しみながら数時間を過ごそう。

ディナーは8,580円と10,450円のコースがある。

  • フランス料理
  • 代々木上原
  • 価格 2/4

街のダイニングシーンを成長させようというシェフの鳥羽周作の情熱は、決してとどまることを知らない。2018年夏、代々木上原の人気レストラングリ(Gris)は、シェフとしてだけでなく、経営者としての鳥羽の先進的なスキルとアイディアで全く新しいレストランシオ(Sio)に生まれ変わった。

腕の立つ若いシェフやソムリエたちとチームを組み、日本料理とフレンチが見事に融合した、シオでしか味わえない料理の数々は絶品だ。彼の看板メニューのフォアグラのムースとマカロンは今回もコースの一員であり、特製のプレートを携えて提供される 。

ディナーは10品のコース料理で編成される。一つ一つの料理に季節の食材を使い、目でも舌でも楽しむことができる。ワインを飲まない人向けにティーペアリングのオプションもあり、ワインに引けを取らないほど各料理と完璧にマッチしたさまざまな台湾茶が添えられる。

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  • ビストロ
  • 原宿
  • 価格 2/4

原宿の中心から歩いてすぐの静かな裏通りにたたずむのは、野田雄紀が作り出す魅惑の料理の数々が人気のキキ(Kiki)だ。22歳でフランスに留学した野田は、パリの老舗レストラン、タイユヴァン(Taillevent)で働いた後、ミシュランの星も獲得している、神楽坂のフレンチレストラン、ルグドゥノム ブション リヨネ(Lugdunum Bouchon Lyonnais)でシェフのクリストフ・ポコ(Christophe Paucod)に師事。2011年に独立し、カジュアルな雰囲気のレストランキキをオープンした。

ランチは1万3,000円から、ディナーコースは1万5,000円から提供している。野田のこだわりは日本の食材を中心に使用すること。それぞれの食材の「非日本的な側面」を引き出し、フランス料理に変貌(へんぼう)を遂げさせるのが醍醐味(だいごみ)だそう。もちろん、それぞれの時間帯にアラカルトもある。

  • 代々木八幡

代々木公園駅のほど近くにある、ビストロカフェ。8時から14時までは朝食とブランチを提供しており、この時間でしか味わうことのできない『ダッチパンケーキ』は同店の人気メニュー。ふわふわの生地に、生ハムとブッラータチーズが乗ったこのパンケーキはオーブンでじっくり焼くため、ありつくまでに30分かかるが味わってほしいメニューだ。また、世界中の自然派ワイン、京都醸造のクラフトビール、少量生産のリキュールなど厳選したアルコールメニューも揃えているので、夜にはバーとして立ち寄りたい一軒だ。

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  • 中華料理
  • 銀座
  • 価格 4/4

高級店が立ち並ぶ銀座エリアに建つビルの9階にあるレンゲは、小さな気取らない店内にオープンキッチンがあり、カウンター席と小さなテーブル席が並ぶ。なんといっても斬新なのは、同店で提供される料理だ。西岡英俊によるオリジナリティー溢れる上海料理が注目を集めている。

和菓子屋、イタリア料理、スペイン料理、日本料理、中華料理の店で多岐にわたる経験を積んだ末に、彼が極めたのが中国料理だった。正統派の上海料理をベースに、シェフの多様性のあるバックグラウンドが凝縮された料理を提供している。

ディナーのみの営業で、約12品のおまかせコース。辣油を添えた冷製鶏肉、中国の亀ゼリー、オクラとクラゲの冷菜、漬けたカジキ、日本酒に浸けたイチジクと胡桃などの前菜盛り合わせは、それぞれの風味と食感の違いを通して旅をしている感覚を楽しめる。さらに、飲茶、季節の野菜、高級食材の金華ハムを使った定番スープ、魚、肉、炒飯または上海風ヌードル、デザート2種類などを味わえる。

  • 中華料理
  • 外苑前
  • 価格 3/4

高級な中国料理なら、外苑前の優雅なレストラン、礼華 青鸞居を勧めたい。オーナーシェフの新山重治は、豊富な経験を持つ東京でも指折りの料理人だ。上海料理を中心に40年以上も中華の世界に身を置き、今でも定期的に中国を訪れて研鑽したり、最新の料理を学んだりしている。礼華 青鸞居では、そんな新山の革新的で美しい料理を存分に味わえる。前菜メニューには絶品の『スパイシーソーセージ』や繊細な甘さの『鮑の冷製』など、メインには数種類の点心、『北京ダック』(2,000円~)、そして冬の時期には中国産の上海蟹などが並ぶ。 事実、新山は海鮮の名人だ。パリパリの細い米麺で包まれた『蟹爪の唐揚げ』は、相当な技術を感じさせ、見た目も美しい...

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  • 中華料理
  • 四谷三丁目
  • 価格 3/4

山本眞也シェフは、店の立地は店主の野望に相当するべきだと信じている。高級中華と和のフュージョン料理店を開く土地として選んだのは、最新の流行を生み出すようなエリアではなく荒木町だ。新宿区にある同エリアは300軒以上の飲食店が年配のサラリーマンの心と胃袋を奪い合う激戦区であり、シェフの気概を試すのには最適な土地なのだ。彼が作る料理に最も合うのは、酒好きのために取り揃えた豊富な酒のなかでも、やはり日本酒だ。飲酒とビジネスは、動的な結合という意味では同義かもしれない。 ランチでは油淋鶏などよく見かけるような定番メニューを提供するが、それに比べてディナーは誘惑的だ...

  • 中華料理
  • 新大久保
  • 価格 1/4

東新宿の中華料理店、山西亭では刀削麺が人気だが、この店に来たら店主の出身地である山西省の郷土料理もぜひ食べてほしい。この地方のほかモンゴルなど、限られた地域でしか採れないという燕麦(オートミール)の一種、莜麦(ヨウマイ)を使用した麺料理が豊富に揃っており、なかでも代表的なものが『莜麺栲栳栳(ヨウミェンカオラオラオ)』。蒸籠に薄く伸ばした生地を筒状に並べた蜂の巣のような見た目はなんともユニークだ。山西省の料理に多用される黒酢のタレ、イタリアンを思わせる卵の入ったトマトのタレをつけながら味わおう。

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  • 中華料理
  • 広尾
  • 価格 2/4

広尾で大人気の麺料理専門店。広尾駅から徒歩2分、有栖川公園近くのビル2階にある。老舗の製麺会社、橋爪製麺を営む社長でヌードルアーティストの橋爪利幸(はしづめ・としゆき)がプロデュースする、オリジナルの麺を使ったメニューが楽しめる。

ランチでは「低温調理した柔らかい蒸し鶏の酢辣湯麺」「こだわり麺のシンプル冷やしつけ麺(または温麺)」「蒸し鶏と千住葱の温麺(または冷やしつけ麺)」などの麺メニュー(日によって変動)と、日替わりの6種の麺(特製冷し麺、赤野菜、ひすい、中華、ごぼう、山椒)をそれぞれ自分で選ぶシステムだ。

「粗挽き肉味噌の担々麺」は人気メニューで、店推奨の麺は「ごぼう」、または辛いものが好きな人には「山椒」を勧めている。ゴマの風味がきいた濃厚なスープと甘みそが絡んだひき肉、どっさりと乗ったパクチーの風味が絶妙に合う。麺と具材、スープのボリュームもちょうどよく、夢中で食べるうちに背中から汗が流れてくる。

カウンター割烹のようなシックでモダンな店内も居心地が良く、女性同士や接待などの利用にもぴったりだ。

  • 韓国料理
  • 赤坂
  • 価格 1/4

風邪を引いたとき、二日酔いがひどいとき、あるいは東京で上質な韓国料理を食べたいとき、地元の人や観光客が立ち寄るのが、赤坂で24時間営業する『赤坂一龍別館』。政府関係のビル、大使館、有名な寺社に囲まれる環境で、ハン・ヨンジャの考案により同店が誕生した。新大久保がコリアンタウンになるずっと前の時代に、韓国大使館で事務員として働いていた彼女は、外交官や役人からなる使節団が訪れたときに家庭料理を振る舞ってほしいという要望を受け、赤坂で初の韓国料理店を開店することになった。84歳になった現在も、彼女はキッチンで指揮を執り、彼女を「ママ」と親しみを込めて呼ぶ常連の客たちと会話をするために厨房を出たり入ったりしている...

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  • タイ料理
  • 芝公園
  • 価格 2/4

店主野中は10年前に半年間タイを旅し、人生が変わった。独学でタイ料理を学び、今では東京で本格的なタイ料理を提供することに情熱を燃やしている。この店の味はバンコクの美味い食堂のそれとそっくりだ。多国籍な雰囲気の気取らない店内には長机が並び、グループで訪れるのにぴったり。壁にはモノクロのタイの写真が飾られている。 野中は1人で店を切り盛りする。サラダ、スープ、カレー、麺類と多岐にわたるメニューをどうやったら1人でまかなえるのか不思議でならない。忙しい時間帯はなおさらだが、それでも慌てることなくこなしている。鶏肉のココナッツスープからは完璧なバランスでミックスされたガランガルとレモングラスが香り立ち...

  • インド料理
  • 京橋
  • 価格 1/4

京橋で人気のこの店を覗いたら、きっと魅了されるだろう。「食堂」を意味する南インド料理専門店には様々なインドのスパイスが混じり合った香りが立ち込める。ダークブルーの壁に色鮮やかなカーペットがかけられ、ターコイズ色のタイルが床を覆い、南インドの音楽が静かに流れていて、瞑想できてしまいそうなほど穏やかな雰囲気を醸し出している。デートにもとても良さそうだ。とはいえ、ここの料理の素晴らしさにはかなわないが。インドのケーララ州とタミルナードゥ州でスカウトされて東京に来たシェフたちが素晴らしい南インド料理を提供してくれる。 マサラドーサは、発酵させた米とレンズ豆で作られた羽のように軽いクレープを筒状にしてポテト、オニオン、青唐辛子を包んだものだ...

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  • インド料理
  • 神楽坂
  • 価格 2/4

建物の梁をいかした和を感じさせる想いの木の内観は、とてもインド料理が出てきそうな店には思えないが、味は本格的。料理にはオーナーの実家から届いた野菜や米をはじめ、旬の野菜をふんだんに取り入れている。なかでも『続・大地の恵みカリー』は、野菜それぞれの味を引き立てる仕上がり。クリーミーな北インド風と、トマトの酸味が効いた南インド風の2種類が用意されている。紀州備長炭を使用したタンドールで焼き上げたナンや、スパイスの効いた『自家製トマトソースのオムレツ』などは、神楽坂のチーズ専門店アルパージュのチーズを使用した人気メニューだ。ワインとともに楽しみたい。

  • ベトナム料理
  • 江古田
  • 価格 1/4

本場と同じプラスチック製の小さい椅子が置かれ、国旗をデザインしたTシャツが万国旗のように中庭の上にかけられているのを見ると、ベトナムにいるのかと思ってしまう。そして、江古田にあるこの店の素晴らしいバインミーが、さらにその気分を盛り上げる。店主の足立由美子は、この肉もしくは魚、野菜のピクルス、フレッシュハーブ、チリを挟んだバゲットサンドのプロとして知られ、料理本も出している。足立はもともとは南米の料理を勉強していたが、休暇で訪れた東南アジアで現地の料理にハマり、一気にベトナム料理にのめりこんでいった。今でも新しいレシピを求めて年に数回ベトナムを訪れ、そのなかのいくつかは厳選されたエコダヘムのメニューに登場する...

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  • スペイン料理
  • 飯田橋
  • 価格 2/4

スペイン語で「季節」を意味するエスタシオンは、マドリッドにあるような石造りの通りに佇む隠れ家的な、居心地の良い食堂。神楽坂のフランス料理激戦区にあるが、そのヨーロッパのような雰囲気に野堀貴則シェフによるスペイン料理店は馴染んでいる。 店内に座席は18席、オープンキッチンでは彼が一品一品料理を用意しているのがよく見える。元はイタリア料理を専門としていたが、スペイン旅行後にスペイン料理に夢中になった。2015年10月に開店し、特定の地方の料理にこだわらず、家庭的な料理で胃袋と魂に栄養を与えることを重視している。看板メニューは、最も旬の食材を米と一緒に土鍋で煮込んだ野菜のシチュー。量が多いので、2人以上のグループでシェアできる...

  • トルコ料理
  • 麻布十番
  • 価格 3/4

トルコの宮廷料理を継承する料理人は現在20人にも満たない。そんな料理をトルコ国外で唯一楽しめるのが麻布十番のブルガズアダだ。もともとは権力者スルタンの健康を気遣い、宮廷付きの医者と料理人により考案されたという料理は、ハーブやスパイスを多用し、前菜に重きを置いているのが特徴的。前菜の盛り合わせ約12種は、伝統的な手法で作られているが、美しい現代的な盛り付けはこの店ならでは。もちろん魅力は前菜だけではない。シェフ自慢の一品、『スプリングラムチョップのグリル』は、新鮮な肉を使用するため、秘伝のマリネ液にも焼く直前にさっと浸す程度。オレガノに似た地中海のハーブが爽やかに香る。

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  • ペルー料理
  • 原宿
  • 価格 2/4

原宿にあるベポカは店内に足を踏み入れる前から、ペルー料理をおおいに主張していることが分かる。2013年に開店して以来、その鮮やかな黄色の建物はランドマークになっている。内装は暗めの木目を基調としており、カウンター席、1階に一人で来る客やカップルが居心地良く過ごせるテーブル席2つ、2階には団体客向けのテーブル席がある。 シェフで共同経営者の仲村渠(なかんだり)ブルーノは、伝統的なペルー料理を現代的なスタイルで作り上げる。それはペルー独特のじゃがいもを重ねて作る料理『カウサ』のユニークさにも表れている。北海道産の黄色と鮮やかな紫色のじゃがいもを重ねてクリーミーなチキンサラダを挟んだ『カウサ・レジェーナ』は絶品...

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