原宿にあるベポカ(Bépocah)は6年連続でミシュランガイドのビブグルマンとして認められた名店だ。ここは店内に足を踏み入れる前から、ペルー料理を多いに主張していることが分かる。2013年に開店して以来、その鮮やかな黄色の建物はランドマークになっている。
内装は暗めの木目を基調としており、カウンター席、1階に一人で来る客やカップルが居心地良く過ごせるテーブル二つ、2階には団体客向けのテーブル席がある。
シェフで共同経営者の仲村渠(なかんだかり)ブルーノは、伝統的なペルー料理を現代的なスタイルで作り上げる。それはペルー独特のじゃがいもを重ねて作る料理「カウサ」のユニークさにも表れている。北海道産の黄色と鮮やかな紫色のじゃがいもを重ねてクリーミーなチキンサラダを挟んだ「カウサ・レジェーナ」は絶品。見た目で楽しめるだけではなく、ライムの酸味とアマリージョ(黄色い唐辛子)の辛さが絶妙な味わいを醸し出す。
新鮮な魚介をかんきつ類でマリネしたペルーの人気料理「ティラディート」も勧めたい。刺し身のように薄くスライスした魚には、ライムが絞ってあるだけのシンプルな一皿だ。常連の客が満足するように味を調えているだろうが、その味に一切の妥協を感じさせない。生魚には南米のワサビに当たる唐辛子、アヒリモが辛さをきかせる。
奥深いペルー料理になじみがなければ、「デグスタシオンコース」(6,000円)を注文してみよう。カクテルを注文するのも忘れずに。有名なピスコサワーを飲めば、きっと街で踊り出したくなるだろう。