東銀座にある隠れ家レストラン「イバイア」は、その店名こそフランスバスク料理店に変わりないが、今やグリル肉を専門としているのが特徴の典型的なビストロとして人気だ。その理由は、大きな肉の塊に奇跡を起こすシェフがいるから。オープン直後、その才能が客から絶賛され、腕前に磨きがかかっていった。
「牛のヒレカツ」は、ハーブとガーリック入りのパン粉をまぶして黄金色になるまで焼いたオーストラリア牛の厚切りヒレ肉に、完熟トマト、赤ワイン、ポルト酒などを使ったソースを添えた一品。これを求めて通う常連も多い。もう1つの傑作は、大きめの牛ハツ3つを刺した串2本を、両面に焦げ目が付く程度まで炭火焼きしたアペタイザーの「牛ハツのスパイシー串焼き」だ。
そして、埼玉にあるオーナー家族の自家農園から届く野菜も魅力のひとつ。ビストロにありがちな新鮮さを失ったサラダよりワンランク上の野菜と、ボリュームのある肉とが絶妙なバランスを作り出している。 肉の達人がグリルする姿を見たい人には、カウンター席を勧める。