本場と同じプラスチック製の小さい椅子が置かれ、国旗をデザインしたTシャツが万国旗のように中庭の上にかけられているのを見ると、ベトナムにいるのかと思ってしまう。そして、江古田にあるこの店の素晴らしいバインミーが、さらにその気分を盛り上げる。店主の足立由美子は、この肉もしくは魚、野菜のピクルス、フレッシュハーブ、チリを挟んだバゲットサンドのプロとして知られ、料理本も出している。足立はもともとは南米の料理を勉強していたが、休暇で訪れた東南アジアで現地の料理にハマり、一気にベトナム料理にのめりこんでいった。今でも新しいレシピを求めて年に数回ベトナムを訪れ、そのなかのいくつかは厳選されたエコダヘムのメニューに登場する。
地元のパン屋と共同で開発した柔らかくて歯ごたえのあるバゲットにレモングラスでマリネされた豚肉を挟み、ガーリックを散らした足立の作るバインミーは、絶対食べるべき1品だ。同じ豚肉のマリネは、白米やチャトランハップ(chả trung hấp)と呼ばれるビーフンと豚のひき肉の入ったオムレツと一緒に食べてもいい。このいきがよく洒落た店は3つのブロックに分かれており、本格ベトナムコーヒ(本場と同じくコンデンスミルクを入れて楽しむスタイル)と樽から注がれるクラフトビールも楽しめる。