これからは働く場や生活の場に変化を
コロナ危機が起きて、建築家たちは今とても忙しいです。適応しなければならない多くの新しい課題があり、今後、空間をどう利用するかについて賢明な決定をしていくためにクライアントと話し合っています。大きな問題は、社会的距離を保ち、換気や衛生状態を改善し、誰にとっても衛生管理の整った場所をどのように導入すればいいかということ。図書館ではどうすればいいか。植物園や美術館、学校ではどのようにすればいいのか。私は全く無理なことではなくて、適応することができると思っています。
誰でも使える公共スペースは不可欠となり、さまざまな施設でそのための空間を見つけていかなければならないでしょう。例えば、複合商業施設。人々が歩き回れるような空間を作るとき、単に大きな花壇を作る代わりに花を眺めて散策できる空間を考える。そういったことへの考慮が必要でしょう。現在、私たちは桟橋を公園にするプロジェクトを担当していて、桟橋は非常に興味深い場所だと感じています。なぜなら、長くて狭く、非常に簡単に社会的距離やその場所に入れる人数をコントロールできるからです。前から話があった仕事ですが、この公園は今の時代にフィットするものになるでしょう。
今回の危機は人々の家も変えています。住宅案件も多いのですが、私たちのクライアントはみんな私たちのデザインした別荘で暮らして仕事をしています。この状況は今後も続くだろうと思っています。職場へ行く必要はなく、自宅で仕事をすることで生産性を高めることができると、みんなが感じています。そのため今後の住宅には、子どもやペットに気を取られずに、快適に仕事ができるような空間が求められることが増えると思います。