足を踏み入れた瞬間、訪れた客の心をわしづかみにするのは、2024年にオープンした「タイスケ エンドウ(Taisuke Endo)」だ。フランスのメゾンを意識した店内には、全てが主役級の顔つきをしたやや大ぶりで芸術的なケーキやマカロンが並び、こんがりとした焼き目の美しいヴィエノワズリーや焼き菓子が華を添える。
同店を営むのは、「ピエール エルメ パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)」や「ザ ペニンシュラ東京」を経て、「パティスリーカメリア銀座」のシェフパティシエを務めた、遠藤泰介だ。退店後はフランス・アルザス地方で2年間経験を積んだ後、自身の店をオープン。現地で学んだフランス伝統菓子をベースに、素材の魅力を最大限に引き出すスイーツを追求している。
スペシャリテは、繊細なピンク色をまとった「マリーアントワネット」。華やかなローズとピスタチオのコクを、ピンクグレープフルーツの爽やかな酸味と苦味が引き立てる。一口食べると一瞬で非日常の世界へと誘われる、魅惑の一品だ。