喫茶ソワレ
画像提供:喫茶ソワレ
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京都 三条でしかできない10のこと

ご当地を知るOMOレンジャーのおすすめスポットを紹介

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京都の三条通は、市の中心部を走る東西の道。東は山科(やましな)区四宮から、西は渡月橋のある嵐山の「天龍寺」まで続く。東海道・中山道を辿った江戸時代の旅人は、終点の三条大橋を渡り、市中に入っていった。三条通は、京の都のメインストリートだった。

明治に入ってもそれは変わらず、辰野金吾が設計した旧日本銀行京都支店(現・「京都文化博物館分館」)や武田五一による旧毎日新聞京都支局(現・「1928ビル」)など、今も残るモダン建築の存在がそれを物語っている。

タイムアウト東京と、テンション上がる「街ナカ」ホテル、「OMO by 星野リゾート」がコラボレーションする「新ご近所ガイドシリーズ」。今回は、多くの旅人を迎え入れてきたこの地にある「OMO5京都三条」のナビゲーターおすすめのローカルスポットを紹介する。 飲食店が軒を連ねる木屋町や先斗町(ぽんとちょう)も近く、比較的新しい店から老舗までラインアップ。食に銭湯に「飲める本屋」まで、それぞれのもてなしを存分に楽しんでほしい。

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  • 中華料理

一之船入

京都を代表する創作中華料理店。店名となっている「一之船入(イチノフナイリ)」は高瀬川が水運で栄えていた時代、荷の上げ下ろしや舟の方向転換を行った場所で、同店はそこに面した町家を改装して1996年に誕生した。

シェフを務める魏禧之(ぎ・よしゆき)は、中国から最高級調理士の称号を与えられた初の日本人シェフであり、京都府から「現代の名工」にも認定された「中華の鉄人」である。中華といっても、無農薬の京野菜を用いた、京料理にも通じる目にも麗しい品々がテーブルを彩る。

「医食同源」を採り入れ、香辛料や油も控えめで罪悪感なく存分に中華を楽しめる。人気の名物メニューは、「フカヒレ姿の白湯醤油煮込み」。しっかりと味を染み込ませたフカヒレに、うまみたっぷりで優しい味わいのスープを口にすれば、体が浄化されていきそうだ。

京.居酒家 たんぽぽ

京都・先斗町に2023年にオープンした居酒屋。カウンター席と掘りごたつのカウンター席、座敷のテーブル席が一つある、こぢんまりとした店だが、店を切り盛りする夫婦のおもてなしが隅々まで行き渡る。おかみが丹精込めて提供するおばんざいの数々は、だしがきいて旬の素材のうまみを引き出し、しみじみと味わい深い。

京都の地酒がさらにそれを倍加する。伏見の銘酒や京丹後などの地酒など、店主がえりすぐった約10種類の日本酒を、週替わりで用意。間違いのないペアリングに杯が進む。

公式Instagramには、みずみずしい野菜を用いた日々のおばんざいの写真や日本酒メニューが更新されているので、訪ねる前にはぜひチェックしてほしい。ハードルが高い店ではない。カウンター席も予約ができるので、気軽にのれんをくぐって、行きつけにしたい先斗町の一軒だ。

なお、閉店時間は日により異なるので、訪ねる前に直接店に問い合わせてほしい。

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  • ラーメン

名前もなければ、看板もないラーメン店。と聞けば、ラーメン好きでなくとも興味は湧くが、店のたたずまいも想像の斜め横をいく。地上にすらなく、地下1階に店舗を構える。

階段を下りて扉を開けると、コンクリート打ち放しの空間が広がる。今どきのラーメン店に珍しくはないが、カウンターまでは一拍置く。ラーメン劇場の始まりだ。まるで能舞台のように、左右に植栽のある短い渡り廊下を通ってたどり着く。テーブルが3、4卓置けそうなものの、カウンター12席だけの贅沢な造りである。

着丼に至るまでの舞台演出はばっちりで、器も「ロイヤルコペンハーゲン」に「ストウブ」と抜かりはない。

メニューは、「らーめん」「つけめん」「カレーつけめん」のどれか、麺は「定番の麺」もしくは「柚子麺」から選べ、豚骨と鶏がらに煮干鰹を合わせた濃厚なスープと絶妙な調和を生み出す。さらにトッピングを「もつ」「チャーシュー」「黒毛和牛」からチョイスできる。

いずれを選んでも、評判は上々。食べ終わる頃には、次回はカレーつけめんにもつをトッピングしようかなどと、「演者」を変えたメニューを試したくなっているのだ。

レボリューションブックス

店名だけを耳にすると書店ではないかと思ってしまうが、「飲める本屋」。ブックカフェは数あれど、ブックスタンドは見かけないスタイルだろう。「レボリューションブックス(Revolutionbooks)」は、四条河原町の路地裏の2階にある。

開店したのは、2016年。物珍しさで来客があるのは最初のうちだけで、店を続けていけるのはうまい酒のつまみがあってのことである。黒板には当日のおすすめメニューの数々が列挙され、ひと手間かけた品々を求めてやってくる常連客も多い。京都の地酒など希少な日本酒も置かれ、つまみとのペアリングも楽しい。

奥のスペースには、食に関連したさまざまな本が並ぶ。新本なので、読書ができるのは購入してからになるが、ほろ酔い加減で装丁や背表紙のタイトルを眺めて品定めする時間も乙なものだろう。スタンドながらつい長居したくなってしまう、酒好きにも、本好きにも愛される店なのだ。

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  • コーヒーショップ・喫茶店

喫茶ソワレ

1948年に開業した老舗の喫茶店。看板やガラス扉に記された「ソワレ」の書体を目にしたその時からタイムスリップは始まり、青色の照明をまとった店に馴染んでいると、いつしか昭和の在りし日に着地している。

青の照明は創業者の友人で京都女子大学などの教授を務めた染色研究家・上村六郎の助言に従ったものだ。これだけでなく、店内を見回せば内装や彫刻に云われが刻まれ、コーヒーカップに目を移せば、客でもあった画家・東郷青児のイラストがあしらわれている。

メニューも同様。名物の「ゼリーポンチ」は、2代目オーナーの妻が牛乳嫌いの娘のために作った「ゼリーミルク」から始まり、まだ少なかった女性客が目で楽しめるようにと考案したものだった。1975年のことである。今では映えるカフェも数あれど、歴史まではまねはできない。そこに流れた時間とともに、濃密な喫茶時間を楽しんでほしい。

フル

木屋町にある、ミュージックラウンジ。プロデュースしたのは、音楽プロジェクトFPM(Fantastic Plastic Machine)の田中知之だ。森に降り注ぐ音楽を全身で浴びる、「サウンドフォレスト」というコンセプトのもと、今までにない「植物×音楽×食」のスペースを作り出した。

店内は多肉植物や熱帯植物があちこちに置かれた温室のような空間。下鴨神社の糺(ただす)の森のようなパワースポットを作りたいという田中の意を受けて、フローリスト・綛谷武史とプラントハンター「松竹園」の竹岡篤史が手がけた。

ミュージックバーにありがちなレコード、DJブースといったものは見当たらず、天井に溶け込んだスピーカー10基からシャワーのようにジャンルレスな音楽が降り注ぐ。個性的なカクテルや田中がセレクトしたナチュラルワインと共に耳にすれば、いっそう心地よさが増すだろう。

また、ブリオッシュを使ったフレンチトーストの「だし巻きサンド」をはじめバーフードの期待値を超えてくる食も魅力だ。

小さな店が多い京都で、総席数は78席とキャパシティーがあるのも珍しい。音楽、空間、食と、多面的に人々を引き寄せる一軒である。

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木屋町サンボア

2018年に創業100周年を迎えた「サンボア」。京都に3軒あるほか、大阪や神戸、東京にも独自ののれん分けのバーを展開する。「木屋町サンボア」は比較的歴史は浅いものの、それでも35年の歴史を持つ。老舗バーの響きに気後れしそうだが、心配は無用。先代を継いだにこやかな店主が快く迎えてくれる。

サンボアといえば、氷なし・ダブルのハイボールが知られているが、木屋町店では氷あり。ウイスキーも、他店のサントリーの「角」ではなく「スーパーニッカ」だ。同じサンボアでもそれぞれに流儀があるので、サンボア巡りに誘われる。

ロゴが刻まれた特注グラスは、指に当たる部分が持ちやすく加工されており、グラスを持つ位置が決まってしまう。飲み姿が美しくなるようにデザインされているのだ。また、カウンターの手前にはひじ掛けがあり、自然と居住まい正しく酒の時間がゆっくりと流れていく。折に触れて訪ね、一緒に年を重ねていきたいバーである。

  • ヘルス&ビューティー

玉の湯

京都は100軒ほどの銭湯が営業を続けている。太平洋戦争時に大規模な空襲を逃れたため、昭和風情漂う佇まいを伝える銭湯も多い。京都市役所にほど近い「玉の湯」もその一軒。創業は明治時代、日清戦争が始まった1894年にまでさかのぼる。

周囲の街並みに溶け込む玉の湯は、市民が選ぶ「京都を彩る建物や庭園」にも選ばれ、タイルの奥の部分には昔ながらの町家の家屋が残されている。中はリノベーションされているが、「ケロリン桶」や鏡広告は健在だ。小さいながらもサウナが併設され、温度は100度超。一気に温まり、天然地下水の滑らかな水風呂でクールダウンを楽しんでほしい。

ロビーがあり、湯浴み後にはコーヒー牛乳やクラフトビールを飲みながら待ち合わせできる。また、ランナーズステーションとしての利用も可能。鴨川河畔を走った後のひとっ風呂は、たまらないひとときになるだろう。

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  • アトラクション

1928ビル

「三条名店街」のアーケードを西へ抜けた少し先にあるビル。1928年に大阪毎日新聞社京都支局として築かれた。日本にアールヌーヴォーなどを紹介した「関西建築界の父」と呼ばれる武田五一が手がけたビルだ。 今も市の登録有形文化財に指定されながら、現役で利用されている。

3階にあったアーチ形の天井が特徴の多目的ホールは、「ギア-GEAR-」の専用劇場になった。マイムやブレイクダンスなどを組み合わせた日本発、日本初のノンバーバルのエンターテインメントで、2012年から異例のロングラン公演を続け、観客動員数は30万人を突破している。言葉を使わずとも、いや言葉を使わないからこそ伝わる迫力のパフォーマンスに涙する人も多い。

また、2階には現代美術を展示・紹介する「同時代ギャラリー」があり、地下1階には同画廊が運営するダイニング「アンデパンダン(INDÉPENDANTS)」が入っている。大正から昭和初期にかけて人気を博した泰山タイルや、創建当時の壁画が残されている。隠れ家のような地下空間で、人気メニューのパエリアを楽しむのもいいだろう。

  • アトラクション
  • 観光

先斗町

鴨川と高瀬川に挟まれた、南北に伸びる京都の花街の一つ「先斗町」。歴史をさかのぼれば鴨川の中州だった地で、江戸時代に両河川の護岸工事によって、埋め立てられた場所だ。

西に走る木屋町通りへ向かって小道が通っていたり、行き止まりになっていたり、路地という路地に町家を利用した飲食店などがひしめきあっている。毎年5月に行われる京都の年中行事の一つ、「鴨川をどり」が開催される「先斗町歌舞練場」もこの通りにある。

京都では明治時代に道路幅の拡張工事が行われたが、先斗町は江戸時代のまま。両脇の町家の軒庇(のきびさし)の出は短く、さまざまな格子が見られる。この道幅の狭さと町家風情が相まって、今となっては昔の街並みを再現したテーマパークでしか味わえないような路地裏散策が味わえるだろう

とりわけ、街灯とちょうちんのほのかな明かりに照らされた夜の街並みは、趣がある。夕食時に、または夕食後のもう一軒を探しながら散歩を楽しんでみては。

「OMO5京都三条 by 星野リゾート」のコンセプトは「京町らんまん川歩き」。過去から現在まで絶えずにぎわいを見せる三条通と、京都の経済発展の礎を築いた高瀬川を中心に、町衆の文化が栄える三条エリアをどっぷり楽しめる。

街歩きの醍醐味を味わいたい人に、見る・買う・食べるの「楽しい」がギュッと詰まった滞在を提供している。

大阪・関西万博と大阪を楽しむなら……

  • Things to do

2025年は大阪の年になりそうだ。待望の万博が55年ぶりに大阪に帰ってくる。革新的な最新技術、世界中の斬新なアイデア、そして希望あふれる未来に向けた持続可能なソリューションがぎっしりと詰まった博覧会が始まるのだ。

ここでは、タイムアウト東京英語版編集部がこの記念すべき大阪・関西万博で注目したい10の展示やイベント、パフォーマンスを紹介する。

  • Things to do

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日(日)に開幕する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。 大阪・関西万博の最大の見どころは、世界各国のパビリオンが一堂に集まる点だろう。

158の国と地域が参加し、それぞれの文化や特徴を象徴するユニークな建築が立ち並ぶ景色は、万博ならでは。各パビリオン内では、各国の魅力を表現した展示が行われる。

せっかく訪れるのであれば、全てのパビリオンを巡りたいところだが、会場は広く、1日では回りきれないほどの規模がある。

そこで、タイムアウト東京のライターが実際に現地を訪れて厳選したおすすめの海外パビリオンを5つ紹介しよう。

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関西最高峰の食と文化が満喫できるフードカルチャーマーケット「タイムアウトマーケット大阪(Time Out Market Osaka)」が3月21日(金)「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」南館にアジア初進出を果たす。

総面積約3000平方メートルを超える広大な空間に、関西を代表するシェフやレストランが多数参加する17のキッチンと2つのバーが登場。ミシュラン一つ星を獲得した焼き鳥店の新業態や京都の老舗甘味処など、関西を代表する注目の店舗が一堂に集結する。ここでは、同マーケットにラインアップする17のキッチンとシェフを紹介していく。

「くいだおれの街」大阪の食文化は多様で奥深い。たこ焼き・お好み焼きなどの「粉もん」をはじめ、串カツ、大阪うどん、スパイスカリー、箱寿司まで、ローカル発のユニークなメニューを数多く生み出し、進化させてきた。

ここでは、こうしたご当地グルメはもちろん、地域を代表するシェフが手がける隠れた名店、美しい空間のレトロカフェ、世界に通じるロースタリーカフェ、新たな扉を開いてくれるバーまで、大阪で訪れるべき飲食アドレスを厳選して紹介しよう。

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  • アート

大阪の一度は訪れるべき美術館を紹介したい。リニューアルオープンした「大阪市立美術館」から、全国でも珍しい近現代彫刻作品だけを集めた美術館、世界で唯一「上方浮世絵」を常設展示する場までここでしか鑑賞できないコレクション展や企画展、専門の美術館などで、特別なアート体験をしてみては。

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