スキュルチュール江坂
画像提供:株式会社サンリバー
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大阪、ベスト美術館10選

個性豊かな私設美術館からリニュアールオープンを迎えたものまで

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大阪の一度は訪れるべき美術館を紹介したい。リニューアルオープンした「大阪市立美術館」から、全国でも珍しい近現代彫刻作品だけを集めた美術館、世界で唯一「上方浮世絵」を常設展示する場までここでしか鑑賞できないコレクション展や企画展、専門の美術館などで、特別なアート体験をしてみては

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  • アート

大阪の都心部に広がる緑と水の空間「中之島公園」に溶け込むように建つ「大阪市立東洋陶磁美術館」。世界的に有名な「安宅コレクション」を住友グループから寄贈されたことを記念して大阪市が設立したもので、1982年に開館した。

所蔵品は、安宅コレクションの中国・韓国陶磁を中心に、濱田庄司などの寄贈や日本陶磁の収集などにより、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇る。この中には、2件の国宝と13件の重要文化財も含まれている。


展示では、中国、韓国、日本の陶磁などを独自の構成と方法により系統的に紹介している。自然採光展示ケース、回転式展示台、免震展示台など、展示設備にもさまざまな工夫が凝らされているのも特徴だ。

  • アート

「天王寺公園」の中に位置する「大阪市立美術館」。その敷地は住友家の本邸があった所で、同館の建設を目的に、庭園の「慶沢園」とともに大阪市に寄贈された。

1936年の開館以来初となる大規模改修を終えた同館は、2025年3月1日(土)にリニューアルオープンを迎える。改修コンセプトの一つは「ひらかれた美術館」。気軽に行きにくいといわれる美術館や博物館のイメージを払拭(ふっしょく)するため、中央ホールを無料ゾーンとした。

また、改修前は特別展の前後、展示替えにより休館時期があったが、改修後は休館せずに年間300日ほど「開く」ことになった。

そして、1階を企画展示、2階を特別展の会場とし、企画展はコレクションから毎回テーマを変えて作品を展示。世界的なコレクションとして知られる中国の石仏や絵画、貴重な日本の仏教美術、絵画、工芸品などのほか、超絶技巧の印籠や根付などを堪能できる。

これまで高評価を受けてきた特別展も、東洋、日本美術から西洋美術に至るまで、幅広い分野の特別展を開催する予定だ。

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  • アート

構想から約40年間の期間を経て中之島にオープンした美術館。黒いキューブのような外観が印象的な建築の設計は、遠藤克彦建築研究所が手がけた。

「大阪中之島美術館」の始まりは1983年のこと。同年8月に大阪の実業家・山本發次郎の遺族から画家・佐伯祐三の代表作「郵便配達夫」を含む約580点の美術品が大阪市に寄贈されたことが、新しい近代美術館を作ろうという構想のきっかけだったそうだ。

2022年の開館時には、約40年間で収集した6000点以上のコレクションを所蔵。⼤阪と世界の近代・現代美術・デザインをテーマとするコレクションを核に、アートの新たな価値を提⽰する企画展や、子どもから大人まで楽しめるラーニングプログラムなども実施している。

美術館の入り口付近に設置されたヤノベケンジの作品「SHIP'S CAT(Muse)」も必見。ミュージアムショップには、大阪に縁のあるアーティストとのコラボレーショングッズや、センスのいいアート本などが並ぶので、展示を楽しんだ後はぜひ立ち寄ってみてほしい。

開館時間は展覧会により異なる。詳細は公式ウェブサイトで確認しよう。

  • アート

初めて外観を目にした人は、その奇妙さに仰天するだろう。このユニークな姿をした建物は、現代美術を展示している美術館。「あべのハルカス」なども手がけたシーザー・ペリが設計した。

国内外の現代美術を中心とした作品を数多く収蔵し、年に数回、特別展やコレクション展を開催。見せるだけではなく講演会やシンポジウム、ギャラリートークなども積極的に行い、美術への深い理解と普及に努めている。

通常の休館日のほかに、展示替えなどのため臨時休館もあるので注意してほしい。しかし、もし急な休館に当たってしまっても、この建物を見ることができれば十分に来る価値はあるだろう。

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  • アート

新たなアートエリアとして注目を浴びる北加賀屋にある、現代美術作家の森村泰昌による作品を常設展示するミュージアム。企画展の会期のみオープンする小さな美術館だが、関西ひいては日本を代表するアーティストである森村の有名作品だけでなく、さまざまな作品が観られる貴重な施設である。

「モナ・リザ」などの著名な西洋絵画になりきるセルフポートレート作品などで名を知られる森村は、「京都市立芸術大学」を卒業後、同大学でアーネスト・サトウのアシスタントを務めるなど、1980年代ごろから盛り上がりを見せた関西アートシーンにとっても重要な作家の一人だ。

大阪市出身の森村が満を持してオープンさせた「モリムラ@ミュージアム(morimura@museum)」では2つの展示室のほか、ミニシアターやサロン、ショップなどが併設。センセーショナルなだけではない、森村作品を支える深い洞察や丁寧なリサーチがうかがい知れる。

日当たりのいいサロンには、森村自身による著書や展覧会カタログなどを収蔵するライブラリーもあり、モリムラ芸術について深く学ぶことができる施設となっている。

  • アート

世界で唯一「上方浮世絵」を常設展示する、法善寺の門前にある私設美術館。上方浮世絵とは、江戸時代後半から明治時代初期に主に大阪で作られた浮世絵版画のことで、道頓堀の歌舞伎芝居を描いた役者絵が多いことが特徴だ。

1階は、手ぬぐいや浮世絵のレプリカなど、浮世絵関連の雑貨を販売するミュージアムショップ。2・3階では、約3カ月ごとにテーマを設けて展示を行う。4階は展示だけでなく、人気の「浮世絵制作(すり)体験」ができる。初級・中級・上級の3コースに分かれており、希望日の3日前までに予約が必要だ。浮世絵の魅力をより深く感じられるだろう。

華美で繊細な江戸浮世絵に対して、写実的で人間味あふれる上方浮世絵という東西の文化の違いにも触れられる。「Osaka Prints」として世界的にも評価の高い上方浮世絵を通して、江戸時代の暮らしに思いを馳せよう。

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  • ミュージアム

1987年に開館した「湯木美術館」。初代館長は日本料理店「𠮷兆」の創業者でもある湯木貞一で、彼が集めた茶の湯の道具のコレクションを収蔵し、展示している。

コレクションには、「春日宮曼茶羅」「唐物茶入 銘紹鴎みほつくし茄子」「志野茶碗 銘広沢」などを含む重要文化財13点や、重要美術品3点が揃う。主に奈良時代から江戸時代に作られた名品ばかりだ。 コレクションは年に3から4回の企画展で展示を行い、講演会や茶会、特別鑑賞会などのイベントも開催している。

  • ミュージアム
  • アート&デザイン

大阪府豊中市の住宅街にたたずむ私設の美術館。大理石に覆われた空間には、近・現代の陶芸品や絵画などを中心に、1000点以上の美術品が所蔵されている。

1階のメイン展示室には、河井寛次郎や富本憲吉、北大路魯山人といった名匠の作品がずらり。つぼや皿、茶わん、花器など技巧を凝らした名作とじっくり向き合える。注目したいのが、陶芸家の濱田庄司に焦点を当てた展示室だ。約50点の作品が展示され、中でも「黒釉柿流大鉢」の輝きが美しい。葛飾北斎や喜多川歌麿の作品が飾られた浮世絵のコーナーへも足を運ぼう。

2階の展示室は、絵画やデッサンなどにフォーカス。アンドレ・ボーシャン、モイズ・キスリングなど、多様な作品が堪能できる。パブロ・ピカソのエロチカシリーズのデッサンといった貴重な展示品は必見だ。まるで個人の邸宅を訪れたかのような雰囲気の中で、美の世界を楽しみたい。

不定期で休館する場合もあるので、訪れる際は事前にチェックしておこう。

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  • アート
  • 彫刻

全国でも珍しい、近現代彫刻作品だけを集めた美術館の「スキュルチュール江坂」。ヘンリー・ムーアの大理石の彫刻「少女の胸像」や、オーギュスト・ロダンの「バルザック(最終習作)」など、近現代ヨーロッパの彫刻家の作品を展示している。

美術館の周囲の「リーニュ・ブランシュの庭」は無料で開放されており、「都市と自然の美しい調和」がテーマであるマルタ・パンの作品を3点設置。併設のカフェからも鑑賞できる。文化的で優雅な時間が過ごせるだろう。

  • アート
  • 絵画

万葉の時代から「高師の浜」と呼ばれ、美しい松林の残る浜寺公園の隣に、2016年6月にオープンした私立美術館。横山大観、竹内栖鳳、上村松園など、文化勲章を受章した日本画家39人全員の作品を所蔵する。

近代日本画を中心に、藤田嗣治や小磯良平の洋画なども含め約400点を所蔵。テーマを設けた「特別展」と、四季折々の風情を味わえる「季節展」は、それぞれ季節ごとに年4回展示替え。展示室では作品を間近に見られるので、筆遣いや絵の具の輝きなど、絵画の魅力を存分に堪能しよう。週末だけでなく平日も学芸員による展示解説を行う。

鑑賞後は「絵画喫茶 羽衣珈琲」で一休みしよう。日本庭園を眺めながらこだわりのコーヒーやスイーツが味わえる。絵画の購入ができる併設の「羽衣ギャラリー」も必見だ。

大阪のアート情報なら……

  • アート

大阪のホットなアートエリアとして知られる中之島や、アートの街・北加賀屋エリアなどには、個性あふれるギャラリーやアートブックを扱うショップ&カフェ、倉庫跡地の大型アートスペースなどが多数ある。そんな想像力が刺激されるギャラリーを厳選して紹介しよう。街歩きの参考にしてみては。

  • アート

旅行に欠かせない現地のアート情報。ここでは、一度は行くべき大阪のミュージアムを厳選して紹介したい。

一度見たら忘れられない外観の「国立国際美術館」や、建築家の安藤忠雄が設計を手がけた文化施設「VS.(ヴイエス)」遊べて学べる体験型施設の「ダスキンミュージアム」など、定番の大型美術館から、さまざまな専門のミュージアム、新たなアートスポットまで、多彩なミュージアムをセレクト。大阪旅行の参考にしてほしい。 

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