大阪中之島美術館
Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

大阪、ベストミュージアム23選

定番の美術館から、新たなアートスポット、世代を超えて遊べる体験型ミュージアムまで

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旅行に欠かせない現地のアート情報。ここでは、一度は行くべき大阪のミュージアムを厳選して紹介したい。

一度見たら忘れられない外観の「国立国際美術館」や、建築家の安藤忠雄が設計を手がけた文化施設「VS.(ヴイエス)」遊べて学べる体験型施設の「ダスキンミュージアム」など、定番の大型美術館から、さまざまな専門のミュージアム、新たなアートスポットまで、多彩なミュージアムをセレクト。大阪旅行の参考にしてほしい。 

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  • アート

西日本最大のターミナルである大阪駅の目の前に誕生したグラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」の広大な都市公園の中心部に位置する文化施設。建築家の安藤忠雄が設計を手がけたVS.(ヴイエス)は、駅前に広がる「うめきた公園」の広大に緑地が広がる景観を邪魔しないよう、建物の半分は地下に埋まっている。

名称の「VS.(ヴイエス)」とは、Visionary、Versus、VictoriousのVに、Station、Stage、SpaceのSを掛け合わせたもの。また対峙の意味も含まれ多様な文化や世代が互いに影響し合い、新たな創造を育むことを目指す。

  • アート

初めて外観を目にした人は、その奇妙さに仰天するだろう。このユニークな姿をした建物は、現代美術を展示している美術館。「あべのハルカス」なども手がけたシーザー・ペリが設計した。

国内外の現代美術を中心とした作品を数多く収蔵し、年に数回、特別展やコレクション展を開催。見せるだけではなく講演会やシンポジウム、ギャラリートークなども積極的に行い、美術への深い理解と普及に努めている。

通常の休館日のほかに、展示替えなどのため臨時休館もあるので注意してほしい。しかし、もし急な休館に当たってしまっても、この建物を見ることができれば十分に来る価値はあるだろう。

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  • アート

構想から約40年間の期間を経て中之島にオープンした美術館。黒いキューブのような外観が印象的な建築の設計は、遠藤克彦建築研究所が手がけた。

「大阪中之島美術館」の始まりは1983年のこと。同年8月に大阪の実業家・山本發次郎の遺族から画家・佐伯祐三の代表作「郵便配達夫」を含む約580点の美術品が大阪市に寄贈されたことが、新しい近代美術館を作ろうという構想のきっかけだったそうだ。

2022年の開館時には、約40年間で収集した6000点以上のコレクションを所蔵。⼤阪と世界の近代・現代美術・デザインをテーマとするコレクションを核に、アートの新たな価値を提⽰する企画展や、子どもから大人まで楽しめるラーニングプログラムなども実施している。

美術館の入り口付近に設置されたヤノベケンジの作品「SHIP'S CAT(Muse)」も必見。ミュージアムショップには、大阪に縁のあるアーティストとのコラボレーショングッズや、センスのいいアート本などが並ぶので、展示を楽しんだ後はぜひ立ち寄ってみてほしい。

開館時間は展覧会により異なる。詳細は公式ウェブサイトで確認しよう。

  • アート

世界で唯一「上方浮世絵」を常設展示する、法善寺の門前の私設美術館。上方浮世絵とは、江戸時代後半から明治時代初期に主に大阪で作られた浮世絵版画のことで、道頓堀の歌舞伎芝居を描いた役者絵が多いことが特徴だ。

1階は、手ぬぐいや浮世絵のレプリカなど、浮世絵関連の雑貨を販売するミュージアムショップ。2〜3階では、約3カ月ごとにテーマを設けて展示を行う。4階は展示だけでなく、人気の「浮世絵制作(摺り)体験」ができる。初級・中級・上級の3コースに分かれており、希望の3日前までに予約が必要だ。浮世絵の魅力をより深く感じられるだろう。

華美で繊細な江戸浮世絵に対して、写実的で人間味あふれる上方浮世絵という東西の文化の違いにも触れられる。「Osaka Prints」として世界的にも評価の高い上方浮世絵を通して、江戸時代の暮らしに思いを馳せよう。

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  • ミュージアム

近代化遺産として価値ある「築港赤レンガ倉庫」を生かし、世界中から集めた往年のクラシックカーを展示する博物館「ジーライオンミュージアム(GLION MUSEUM)」。館内の展示場は4カ所に分かれており、希少なクラシックカーを地域別で展示する。

併設された「ジースクエア(GSQUARE)」は完全予約制で、ネオクラシックカーから最新モデルまで、希少なインポートカーを販売。ハワイの老舗ステーキ専門店「ハイズ ステーキハウス(Hy's Steak House)」の姉妹店「アカレンガ ステーキハウス(AKARENGA STEAK HOUSE)」や、フレンチレストランの「ラ ヴィ(LA VIE)1923」ではプレミアムな食事が楽しめる。世界で唯一無二の「大人のミュージアム」を堪能したい。

  • アート

2022年4月1日に、樹木の間伐や根の成長を見越した植え替えや土壌改良を経てリニューアルオープンした「長居植物園」。季節とともに移り変わる草花や木々の空間を、自然のふるまいや人々の存在によってインタラクティブに変化させ、過去と現在、未来が交差するアート空間に変える。

チームラボが行っている「Digitized Nature」は、「自然そのものが自然のままアートになる」というアートプロジェクト。昼間は植物園である場所が、夜になるとそのまま作品空間になる。この作品空間は風や雨、訪れる人や鳥などから影響を受け、相互作用的に変化し、人々を自然とともに作品の一部にする。長い時間の連続性を感じてみては。

開催時間はシーズンにより異なるため、詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい。

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  • ミュージアム

1987年に開館した「湯木美術館」。初代館長は日本料理店「𠮷兆」の創業者でもある湯木貞一で、彼が集めた茶の湯の道具のコレクションを収蔵し、展示している。

コレクションには、「春日宮曼茶羅」「唐物茶入 銘紹鴎みほつくし茄子」「志野茶碗 銘広沢」などを含む重要文化財13点や、重要美術品3点が揃う。主に奈良時代から江戸時代に作られた名品ばかりだ。 コレクションは年に3から4回の企画展で展示を行い、講演会や茶会、特別鑑賞会などのイベントも開催している。

  • ミュージアム

伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸を館長に2012年、開館。同記念館では、歴史や楽器などの紹介を通じて、河内音頭の普及に努めている。

河内の中心といわれる八尾市では、夏場、多くの場所で櫓(やぐら)が立ち、盆踊りとともに河内音頭が披露される。そのルーツは1600年代ごろまでさかのぼり、仏供養のために歌われ出したのがきっかけだそう。その後、時代とともに変遷を遂げ、大正時代に初音家太三郎がさらに改良を重ね、現在につながる節回しやお囃子が誕生した。

一曲のことを「一席」と呼称し、一席は前口上から枕、本題、結び口上と続くというルールはあるものの、現代の河内音頭はかなり自由で、間に演歌が入ってきたりということもあるそうだ。

展示品は館長が使用した着物、楽器。不定期だが館長の所蔵品(展示物/解説は直筆)は入れ替わるほか、CDやテープの販売も行う。展示を眺めるのもいいが、口伝で継承されている河内音頭だけに、スタッフから話を聞くのが何より楽しい。どんどん質問してみてほしい。歴史もそうだが、その面白さについても優しく教えてもらえる。

また、館長のつながりからゲストを迎える「河内音頭セミナー」も開催しており、配信にも積極的である。年末年始のほか、展示入れ替え日は休館になるので、訪れる際は事前に公式ウェブサイトを確認しよう。

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  • Things to do

細部に装飾が施され、「走る芸術作品」ともいわれるだんじり。現存する最古の岸和田型だんじりを展示し、祭礼の映像を大型マルチビジョンで流すなど、「岸和田だんじり祭」の全てが分かるテーマ館が「岸和田だんじり会館」だ。

だんじり大工や彫物師の匠を紹介する映像ライブラリーのほか、岸和田全町のはっぴやちょうちん、だんじりの飾りやその構造も展示。体験コーナーでは、だんじりの鳴り物や大屋根に乗る体験ができる。300年もの歴史がある岸和田だんじり祭の熱狂に触れたい。

  • ミュージアム
  • アート&デザイン

大阪府豊中市の住宅街にたたずむ私設の美術館。大理石に覆われた空間には、近・現代の陶芸品や絵画などを中心に、1000点以上の美術品が所蔵されている。

1階のメイン展示室には、河井寛次郎や富本憲吉、北大路魯山人といった名匠の作品がずらり。つぼや皿、茶わん、花器など技巧を凝らした名作とじっくり向き合える。注目したいのが、陶芸家の濱田庄司に焦点を当てた展示室だ。約50点の作品が展示され、中でも「黒釉柿流大鉢」の輝きが美しい。葛飾北斎や喜多川歌麿の作品が飾られた浮世絵のコーナーへも足を運ぼう。

2階の展示室は、絵画やデッサンなどにフォーカス。アンドレ・ボーシャン、モイズ・キスリングなど、多様な作品が堪能できる。パブロ・ピカソのエロチカシリーズのデッサンといった貴重な展示品は必見だ。まるで個人の邸宅を訪れたかのような雰囲気の中で、美の世界を楽しみたい。

不定期で休館する場合もあるので、訪れる際は事前にチェックしておこう。

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  • ミュージアム

1972年に設立した企業ミュージアムの「江崎記念館」。館内にはグリコ(Glico)グループの歴史に関する資料や商品、販促品などに加えて、創業者である江崎利一にゆかりのある品々を展示している。

展示品の一部は、近代化産業遺産に認定。館内は「会社の歴史」「ゴールインマークの歴史」「製品の歴史」「広告・キャンペーンの歴史」「おもちゃの歴史」などのコーナーがあり、創業期に「栄養菓子グリコ」を製造する際に使用していた生産器具や、約4000点のおもちゃなどを鑑賞できる。

そのほか「創業者 江崎利一の部屋」や「グリコミニショップ」を設置。公式ウェブサイトから閲覧できる、VR技術を使用して江崎記念館を再現した「江崎記念館Web-VR」も興味深い。創業時から現在まで受け継がれているさまざまな「創意工夫」に没入してみては。

なお、入場するには予約が必要だ。公式ウェブサイトから予約して出かけよう。

  • アート

新たなアートエリアとして注目を浴びる北加賀屋にある、現代美術作家の森村泰昌による作品を常設展示するミュージアム。企画展の会期のみオープンする小さな美術館だが、関西ひいては日本を代表するアーティストである森村の有名作品だけでなく、さまざまな作品が観られる貴重な施設である。

「モナ・リザ」などの著名な西洋絵画になりきるセルフポートレート作品などで名を知られる森村は、「京都市立芸術大学」を卒業後、同大学でアーネスト・サトウのアシスタントを務めるなど、1980年代ごろから盛り上がりを見せた関西アートシーンにとっても重要な作家の一人だ。

大阪市出身の森村が満を持してオープンさせた「モリムラ@ミュージアム(morimura@museum)」では2つの展示室のほか、ミニシアターやサロン、ショップなどが併設。センセーショナルなだけではない、森村作品を支える深い洞察や丁寧なリサーチがうかがい知れる。

日当たりのいいサロンには、森村自身による著書や展覧会カタログなどを収蔵するライブラリーもあり、モリムラ芸術について深く学ぶことができる施設となっている。

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  • アート
  • 彫刻

全国でも珍しい、近現代彫刻作品だけを集めた美術館の「スキュルチュール江坂」。ヘンリー・ムーアの大理石の彫刻「少女の胸像」や、オーギュスト・ロダンの「バルザック(最終習作)」など、近現代ヨーロッパの彫刻家の作品を展示している。

美術館の周囲の「リーニュ・ブランシュの庭」は無料で開放されており、「都市と自然の美しい調和」がテーマであるマルタ・パンの作品を3点設置。併設のカフェからも鑑賞できる。文化的で優雅な時間が過ごせるだろう。

  • アート
  • 絵画

万葉の時代から「高師の浜」と呼ばれ、美しい松林の残る浜寺公園の隣に、2016年6月にオープンした私立美術館。横山大観、竹内栖鳳、上村松園など、文化勲章を受章した日本画家39人全員の作品を所蔵する。

近代日本画を中心に、藤田嗣治や小磯良平の洋画なども含め約400点を所蔵。テーマを設けた「特別展」と、四季折々の風情を味わえる「季節展」は、それぞれ季節ごとに年4回展示替え。展示室では作品を間近に見られるので、筆遣いや絵の具の輝きなど、絵画の魅力を存分に堪能しよう。週末だけでなく平日も学芸員による展示解説を行う。

鑑賞後は「絵画喫茶 羽衣珈琲」で一休みしよう。日本庭園を眺めながらこだわりのコーヒーやスイーツが味わえる。絵画の購入ができる併設の「羽衣ギャラリー」も必見だ。

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  • アート

1970年に日本万国博覧会のパビリオンとして建設され、1972年に「民藝運動」の西の拠点として開館した「大阪日本民芸館」。「万博記念公園」内の同館正面には、「平和のバラ園」「日本庭園」「国立民族学博物館」などの文化施設が立ち並ぶ。

第1から第4まである回廊式の展示室で、自然な流れに沿ってゆったりと鑑賞できるだろう。中庭は石敷きで、全国各地のつぼ・かめ・鉢を配した野外展示場になっている。

展示は、同施設の収蔵品を中心に陶磁器や染織品、木漆工品、編組品など国内外の民芸品を展観する特別展を、春と秋の年2回開催。また、特別展ごとに記念講演会などの各種イベントも行う。

  • アート

7世紀前半の飛鳥時代に造られた、日本最古のため池である史跡「狭山池」。狭山池の堤や出土した文化財等を保存・公開・活用するのが「大阪府立狭山池博物館」だ。

人の生命と財産を守ってきた治水灌漑の歴史と、その知恵と工夫の結晶である土木技術に関する資料や情報を収集し、展示を通じてその研究成果を発信している。

博物館は安藤忠雄による設計。斬新な外観とダイナミックな水庭の滝も見どころの一つだろう。

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  • ミュージアム

作家・司馬遼太郎の業績を伝えるべく、司馬の自宅の敷地内に設立された記念館。同施設のコンセプトは「感じる記念館」。展示された作品や資料を通して、司馬や自分自身との対話を楽しんでほしいという願いが込められている。

地下に降りると、目の前にそびえ立つのは建築家・安藤忠雄が設計した書架。高さ11メートルの書架には、初版本から共著や合著、外国語に翻訳された作品までが発行年月日順に並び、まさに圧巻の一言に尽きる。司馬が執筆時に使っていた万年筆やメガネ、推敲(すいこう)用の色鉛筆のほか、参考にしたという蔵書も展示されており、彼の頭の中をほんの少しのぞいているような気分になれるのも面白いところだ。

展示室では定期的に企画展を開催するほか、ホールでは司馬にまつわる映像も上映。司馬作品が読めるカフェも併設されており、さまざまな角度から「対話」が楽しめるだろう。

  • ミュージアム
  • 歴史

1831年に創業した百貨店「髙島屋」。その創業以来の資料を収集、保存して、髙島屋の歴史と文化を紹介する企業史料館が「髙島屋史料館」だ。美術品や百貨店資料、創業家文書など、多種多彩なジャンルにわたる約5万点の資料を収蔵している。

呉服店時代の髙島屋の画室に勤務していたこともある竹内栖鳳による日本画「アレ夕立に」や、髙島屋を主要作品の発表の場とした河井寬次郎による陶器「鳥鉢」など、貴重なコレクションを取り揃える。「アーカイブス展示室」では、「髙島屋のあゆみ」「美・アート」「暮らし」「まちづくり」「未来へ」という主に5つのコーナーで、近代日本の発展とともに歩んできた百貨店の歴史と役割を紹介し、随時展示替えも行う。

そのほか、定期的に企画展やイベントなども実施。髙島屋史料館がある、アールデコ調の装飾デザインが取り入れられた国の重要文化財に指定されている「髙島屋東別館」の内装にも注目しよう。

なお、最新の開館日・開館時間については公式ウェブサイトを確認してほしい。

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  • ミュージアム

子どもから大人まで、世代を超えて遊べて学べる体験型施設の「ダスキンミュージアム」。「ミスドミュージアム」「おそうじ館」の2つのスペースで構成されている。

「ミスドミュージアム」では、ミスタードーナツの歴史やオリジナルグッズをはじめ、これまでにオープンした全2000店舗以上を写真で紹介。事前申し込みによる抽選制の「ミスドキッチン」では、ドーナツが作れ、揚げたてのおいしさが体験できる。

「おそうじ館」では、掃除文化の歴史や道具の数々を展示したり、空気中に漂うハウスダストや細かなホコリを可視化できる「おそうじスタジオ」を通して、掃除の秘密を紹介。マットの上に映し出されるホコリやダニなどの敵をダスキンモップで退治する「モップゲーム」なども楽しめる。

  • ミュージアム
  • 科学&テクノロジー

「真空の力」による保温・保冷技術などのテクノロジーを基本とした魔法瓶業界のさまざまな発展や、魔法瓶の進化の歴史を紹介している「まほうびん記念館」。イギリス人のジェームス・デュワーが作った魔法瓶の原型のシンボル展示や、魔法瓶の誕生に至るまでのアニメーション映像、形や素材、機能など、テーマ別に選ばれた魔法瓶を展示する「まほうびんの森」をはじめとした常設展示に加え、企画展も行っている。

そのほか、象印マホービンの歴史が知れる展示や、ドキュメント映像とCM集が楽しめる「シアター」、真空による不思議な現象や魔法瓶の秘密を視覚、聴覚を使って体験できる「真空の不思議 体感コーナー」などを設置。訪れる前に「バーチャルまほうびん記念館」や、企画展のアーカイブを公式ウェブサイトからチェックするのもいいだろう。

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  • ミュージアム

1906年に創業した総合スポーツ用品メーカーのミズノが、これまで手がけてきた商品を数多く展示する「ミズノスポートロジーギャラリー」。大正後期の野球のユニフォームや昭和初期の牛革グラブをはじめ、長きにわたりミズノが手がけてきた歴史品を数多く展示している。

大阪市内には直営店の「ミズノオオサカ茶屋町」や「ミズノランニングステーション」があり、歴史や技術を学んだ後に立ち寄りたくなるだろう。

  • アート

※2025年3月1日リニューアルオープン

「天王寺公園」の中に位置する「大阪市立美術館」。その敷地は住友家の本邸があった所で、同館の建設を目的に、庭園の「慶沢園」とともに大阪市に寄贈された。

1936年の開館以来初となる大規模改修を終えた同館は、2025年3月1日(土)にリニューアルオープンを迎える。改修コンセプトの一つは「ひらかれた美術館」。気軽に行きにくいといわれる美術館や博物館のイメージを払拭(ふっしょく)するため、中央ホールを無料ゾーンとした。

また、改修前は特別展の前後、展示替えにより休館時期があったが、改修後は休館せずに年間300日ほど「開く」ことになった。

そして、1階を企画展示、2階を特別展の会場とし、企画展はコレクションから毎回テーマを変えて作品を展示。世界的なコレクションとして知られる中国の石仏や絵画、貴重な日本の仏教美術、絵画、工芸品などのほか、超絶技巧の印籠や根付などを堪能できる。

これまで高評価を受けてきた特別展も、東洋、日本美術から西洋美術に至るまで、幅広い分野の特別展を開催する予定だ。

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  • アート

大阪の都心部に広がる緑と水の空間「中之島公園」に溶け込むように建つ「大阪市立東洋陶磁美術館」。世界的に有名な「安宅コレクション」を住友グループから寄贈されたことを記念して大阪市が設立したもので、1982年に開館した。

所蔵品は、安宅コレクションの中国・韓国陶磁を中心に、濱田庄司などの寄贈や日本陶磁の収集などにより、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇る。この中には、2件の国宝と13件の重要文化財も含まれている。


展示では、中国、韓国、日本の陶磁などを独自の構成と方法により系統的に紹介している。自然採光展示ケース、回転式展示台、免震展示台など、展示設備にもさまざまな工夫が凝らされているのも特徴だ。

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