京都は100軒ほどの銭湯が営業を続けている。太平洋戦争時に大規模な空襲を逃れたため、昭和風情漂う佇まいを伝える銭湯も多い。京都市役所にほど近い「玉の湯」もその一軒。創業は明治時代、日清戦争が始まった1894年にまでさかのぼる。
周囲の街並みに溶け込む玉の湯は、市民が選ぶ「京都を彩る建物や庭園」にも選ばれ、タイルの奥の部分には昔ながらの町家の家屋が残されている。中はリノベーションされているが、「ケロリン桶」や鏡広告は健在だ。小さいながらもサウナが併設され、温度は100度超。一気に温まり、天然地下水の滑らかな水風呂でクールダウンを楽しんでほしい。
ロビーがあり、湯浴み後にはコーヒー牛乳やクラフトビールを飲みながら待ち合わせできる。また、ランナーズステーションとしての利用も可能。鴨川河畔を走った後のひとっ風呂は、たまらないひとときになるだろう。