カナダパビリオン
画像提供:カナダパビリオン | 「カナダパビリオン」
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2025年大阪・関西万博で行くべき海外パビリオン5選

タイムアウト東京ライターが厳選したおすすめパビリオンを紹介

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「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日(日)に開幕する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。 大阪・関西万博の最大の見どころは、世界各国のパビリオンが一堂に集まる点だろう。

158の国と地域が参加し、それぞれの文化や特徴を象徴するユニークな建築が立ち並ぶ景色は、万博ならでは。各パビリオン内では、各国の魅力を表現した展示が行われる。

せっかく訪れるのであれば、全てのパビリオンを巡りたいところだが、会場は広く、1日では回りきれないほどの規模がある。

そこで、タイムアウト東京のライターが実際に現地を訪れて厳選したおすすめの海外パビリオンを5つ紹介しよう。

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カナダパビリオン

カナダ館のコンセプトは「再生(Regeneration)」。1年の多くを雪で覆われるカナダの長い冬が春に変わる瞬間をイメージし、外観は川面の氷が溶けて流れるカナダの自然現象「水路氷結」を表現している。

氷に包まれたデザインで見た目もひんやり。白の空間に赤いCANADAの文字が映える。

中央に設けられたステージはまるで冬季オリンピック会場のような雰囲気。ストリートダンスやさまざまなライブなどを開催する。先住民アーティストにも焦点を当て、8月にはジェレミー・ダッチャー(Jeremy Dutcher)が歌声を披露するのだとか。

ひときわフレンドリーなスタッフたちに手招きされてパビリオンに入ると、聖火のような片手で持てるハンドル付きタブレットを渡される。パビリオンの中には巨大な氷山が点在しているが、その一角にタブレットをかざすと、スキーで遊ぶ子供たち、巣を築くビーバー、ナイアガラの滝、新緑が芽吹く山々など、躍動感ある映像によりカナダの大自然やライフスタイル、産業などがARで体感できる。

展示には宇宙から見た地球の映像もあり、よく見るとオーロラも。タブレットをかざすと星空も映し出される。

カナダ産のメイプルシロップを味わうスイーツも提供する。今ではすっかりおなじみの北陸の揚げあられ「ビーバー」は1970年開催の大阪万博カナダ館で展示されていたビーバー人形の前歯に似ていたことから、このネーミングに。発売55周年となる今回の万博ではカナダ産のメイプルシロップを使用した「メープルビーバー」を会場内で販売するので見逃さないように。

UAEパビリオン

UAE―アラブ首長国連邦館は、「大地から天空へ」をテーマとしたコンセプチュアルな空間だ。大地に根を張り、天空へと伸びるナツメヤシをUAEの人々の精神を象徴としてとらえ、高い天井に向かいまっすぐ伸びていく印象的なデザインとなった。

砂漠と共に生きる人々の生活には欠かせないナツメヤシ、デーツの農業廃棄物を生かしたヤシの木の軸を有効活用され、日本の木造建築技術と融合している。その世界観に入り込むようなイマーシブな展示で、宇宙探査、医療革新、持続可能な未来を切り拓く「夢を実現する者たち」の物語に触れるプログラムを提供する。

ドクターロボット者の創設者やアブダビ骨髄移植プログラムのディレクターなど、各医療分野のエキスパートのインタビューを流し、ニューヨーク大学アブダビ校で生物学・生物工学を研究する教授の亀井謙一郎も紹介されている。最先端の技術を紹介しながらも、その根底にあるのは人と人と交流なのも癒やされる。

アラビックコーヒーの文化的デモンストレーションでは、香りとコーヒーが客人をもてなす儀式であり、どのような作法があるかなどを教えてくれる。ドバイのサラサラな砂に比べて、内陸部の砂漠は銅が多く含まれ赤いなど、7つの首長国の砂のサンプルを手に取りながらの解説や、伝統的な織物産業に関する展示など、対話によるレクチャーが多く、より深い文化体験ができるだろう。

アラブのエミラティ料理を味わえるカフェもあり、万博のオアシスのようにピースフルだ。

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フィリピンパビリオン

正面エントランスから大阪万博のシンボルである巨大な木造の輪「大屋根リング」を抜けてすぐに位置するフィリピンパビリオン。そのコンセプトはWOVEN、つまり伝統的な織物工芸だ。

「自然、文化、共同体 よりよい未来をともに織りなす」というメッセージを掲げ、18地域を代表する200以上の手織りの織物がパビリオン内では使用されている。会場に入るとまず目に入るのが、アーティスティックな織物のタペストリーだ。

フィリピンは7461もの島々から成る多民族国家で、少数民族が多様性にとんだ生活文化を継承しているのだが、各地域の自然や文化を、織物に投影して伝えている。船がゆっくり進む様子や、歴史的建造物などが映し出される映像はアーティスティックだ。
まるでフィリピンの島々を巡り旅するような疑似体験ができる。会場内には織物の製作過程を見学できるエリアもあり、子どもから大人まで楽しめる。

ダンスフロアでは、ぜひフィリピンの伝統的な舞踊をまねして踊ってみよう。動きに合わせて南国の花やフルーツを織りなしたようなキャラクターが躍るというインタラクティブアートだ。また、マッサージエリアではフィリピンの伝統的なセラピー、ヒロットを体験できる。

フィリピンパビリオンの最大の見どころは、建築と織物工芸の融合。建物のファサードには籐を規則正しく編み込んだデザインが採用され、一部分はベンチとなって座ってリラックスできる。各地の手織物が飾られた外壁で、伝統舞踊などのライブパフォーマンスを外からも鑑賞できる舞台も設けられている。

ペルーパビリオン

「無限の可能性(Infinite Possibilities)」をテーマにしたペルーパビリオンは、コンパクトながら、ペルーの魅力は詰まった展示を展開している。エントランスでは色鮮やかな伝統衣装でお出迎え。

パビリオン内部に進むと大スクリーンにアンデスの雄大な山々や太平洋沿岸の海の生物たち、アマゾンのジャングルなど、生物多様性に富んだ豊かな自然が全面に映し出される。天空の城、マチュピチュやナスカの地上絵などの古代遺跡の空撮は圧巻だ。
ペルーはワールドトラベルアワードで「世界有数の美食デスティネーション」を何度も受賞し、名だたるガストロノミーレストランが連なるグルメ王国でもある。パビリオンにはペルーの料理やドリンクをティスティングできるキッチンスタジオのようなコーナーもある。

マッシュしたじゃがいもに、ツナやアボカドなどを層にして重ねたケーキのような黄色いポテトサラダ、カウサ・リメーニャや魚のマリネ、セビーチェなどのアイコン的なメニューも提供。ペルー産のコーヒーやチョコレートなどの試食ができるのがうれしい。

また栄養価の高いカム・カムやキヌア、カカオなどのスーパーフードなどの食材も展示されている。5000年におよぶペルーの古代文明の展示は博物館さながらの空間だ。
2025年7月12日(土)までは、シパン王の宝飾展(モチェ文化)が、後半の13日(日)~10月13日(月)は、ナスカ文化展(地上絵と土器)が開催される。ペルーの自然、食、そして古代文明について、総合的に楽しく学べるパビリオンだ。

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オランダパビリオン

海外パビリオンの中でもひときわ目を引く、波打つような外壁が印象的なオランダパビリオン。その中心に浮かぶ大きな球体は再生可能エネルギーへの転換という「新時代の幕開け」を象徴している。

来場者は入り口で手のひらサイズの光る球体「オーブ」を受け取り、オランダと水の関係性、再生可能エネルギーや水資源の活用をテーマとした没入型展示を体験する。国土の4分の1が海面下にあるオランダが、水との共生をいかに再定義し、持続可能な未来へと歩んでいるかを学べる。

館内各所には、絵本作家ディック・ブルーナ(Dick Bruna)によるミッフィーの絵本が子どもの目線に合わせて設置されており、未来を担う世代にもオランダ文化や環境意識を易しく伝える。

併設のイベントスペースでは、立場や価値観の違いを超えて協力し合うための共通基盤「コモングラウンド」をテーマに、さまざまなプログラムが実施される予定だ。

カフェでは、オランダ伝統菓子ストロープワッフルがミッフィー型で提供され、ショップでは、限定のミッフィーのぬいぐるみを2種類展開。万博のために調香された特別なパフューム「New Dawn」も見逃せない。

大阪・関西万博をもっと楽しむのなら……

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「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の開催まであと10日。会場では、世界中からの来場者を迎える準備が着々と進められている。

このほど、メディア向けに「シグネチャーパビリオン」の内部が公開された。ここでは、各パビリオンの魅力を一部紹介しよう。

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2025年は大阪の年になりそうだ。待望の万博が55年ぶりに大阪に帰ってくる。革新的な最新技術、世界中の斬新なアイデア、そして希望あふれる未来に向けた持続可能なソリューションがぎっしりと詰まった博覧会が始まるのだ。

大阪湾の沖合に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」で開催される2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)では、次世代航空モビリティから、内省的な思考を促す静けさの森まで、さまざまな出合いが待っている。会場内の至る所に数十の国や企業のパビリオンがあり、来場者を歓迎する。大阪・関西万博への旅は、一日がかりのものになることを覚悟しよう。

大阪・関西万博は、2025年4月13日(日)から10月13日(月)まで開催される。その包括的なテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。一人一人が、それぞれの可能性を最大限に発揮しながら自らの望む生き方を考えるきっかけとなることを指針としている。

しかし、大それたアイデアや未来的なテクノロジーが提示されるだけではなく、実際に体験できる楽しみもたくさんある。ここでは、タイムアウト東京英語版編集部がこの記念すべき大阪・関西万博で注目したい10の展示やイベント、パフォーマンスを紹介する。

原文はこちらから。

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※本記事は、『Unlock The Real Japan』に2022年3月21日付けで掲載された『Power player』の日本語版。

1970年の​​『日本万国博覧会』(通称『大阪万博』)は、国や大企業が最先端技術を披露するいわゆる技術展だった。高度経済成長期の真っただ中であり、開催に合わせて鉄道網や高速道路が整備され、当時としては史上最高の6422万人が来場。あれから55年の月日を経て、「成長期」から「成熟期」へと移行した日本で開催される『2025年日本国際博覧会』(以降『大阪・関西万博』)は、一体どのようなものになるのだろうか。

『大阪・関西万博』のテーマ事業プロデューサーの一人に選出された中島さち子に話を聞いた。彼女はジャズピアニスト、数学研究者、STEAM教育家という多彩な肩書きを持つ人物だ。『大阪・関西万博』においては、8つのシグネチャーパビリオンの1つである「いのちを高める」というテーマを担当する。これまでの活動と万博との関連性、万博に対する意気込みを率直に語ってもらった。

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