テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
Photo : Kisa Toyoshima初期の小物やキッチン用品
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東京、11月から12月に行くべきアート展

アートをじっくりと鑑賞したい季節、見逃せない展示を紹介

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東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。11月から12月にかけては、「東京都庭園美術館」での青木野枝と三嶋りつ惠による展示や、「アーティゾン美術館」での国際的なアートシーンで注目を集める毛利悠子など、見逃せない展示が盛りだくさん。リストを片手にお気に入りのアートを見つけよう。

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  • アート
  • 白金台

「東京都庭園美術館」で、鉄の造形で知られる青木野枝と、ガラスを用いる三嶋りつ惠が新作インスタレーションを発表する「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」展が開催。現代美術の第一線で活躍を続ける2人の作家が、同館の各所に作品を配置し、新たな視点でアールデコの装飾空間を照らし出す。

1980年代の活動当初から、鉄という素材を用いる青木。工業用の鉄板を直線や円形などのパーツに溶断、溶接し組み上げるというシンプルな作業から、空間ごと見るものを圧倒するような作品を制作している。

三嶋は1989年にイタリア・ベネチアへ移住し、ムラーノ島のガラス工房で小さな器から大きく抽象的なオブジェまで幅広いガラスの立体作品を手がける。

アールデコの館を舞台に、鉄とガラスによる作品が時を超えて響き合う本展。自然光が差し込み、時間ごとに異なる表情を見せる館内で、刻々と変化する展示風景を堪能してほしい。

なお、2025年1月22日(水)・29日(水)は、割引対象者以外は無料だが、事前予約が必要だ。 

  • アート
  • 用賀

「世田谷美術館」で、郊外住宅地開発や鉄道事業など、人々の暮らしと街の文化を織り成してきた東急を特集する展示が開催。「東急と世田谷の街」「東急と街づくり」「東急と文化」などの視点を通じて、およそ100年間にわたる企業文化をたどる。 


見どころは、歴代の鉄道車両模型や設計図面、記念乗車券の数々に加え、改札ばさみや切符発券台など、懐かしい鉄道アイテムを一挙公開。

また、旧玉川線の遺構レールや、田園調布のマンホールのふたといった実物資料をはじめ、「天文博物館五島プラネタリウム」や「多摩川スピードウェイ」についての、普段目にすることのできない貴重な資料群も見逃せない。

さらに、竹久夢二や岡本太郎、河原温など、東急沿線に住んだ美術家たちをはじめ、石田尚志や堀江栞といった現代アーティストまで、幅広い世代とジャンルの表現を一堂に集める。 


ミュージアムショップでは、思わず手に取ってしまうような東急グッズも多数展開予定だ。ぜひ、足を運んでみてほしい。

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  • アート
  • 京橋

この秋オープンする「ギャラリー アンド ベーカリー トーキョー(Gallery & Bakery Tokyo)8分」で、最も勢いのある若手アーティスト、友沢こたおの新作個展「Fragment」が開催。会場では、展示壁の高さを生かした油彩画を展示・販売する。

1999年、フランス・ボルドーで生まれた友沢は、2024年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了。在学時から久米桂一郎賞や上野芸友賞の受賞をはじめ、国内外の展覧会やアートフェアに参加し、世代を代表するアーティストの一人となった。

スライム状の物質と有機的なモチーフを組み合わせた独創的でリアリティーのある人物を描く友沢の作品は、観る者に強いインパクトを与える。シンプルな画面構成でありながら、質感や透け感、柔らかさまでも油彩で写実的に表現している。

開館時間・休館日はまだ未定なので、公式ウェブサイトをチェックしてほしい。

  • アート
  • 六本木

六本木の「泉屋博古館分館」で、 美術史からこぼれ落ちた規格外の日本画家・尾竹三兄弟を東京で初めて紹介する。重要作のほか、新出作品や未公開資料を通して既存の枠組みには収まりきらなかった知られざる3人の全貌に迫る。

新潟県に生まれた尾竹越堂(おたけ・えつどう、1868〜1931年)、竹坡(ちくは、1878〜1936年)、国観 (こっかん、1880〜1945年)の兄弟は、明治に到来した展覧会システムを最大限に利用し、文部省美術展覧会をはじめとしたさまざまな展覧会で成功を収めた。しかし、実験的でラディカルな表現を試み、また時にエキセントリックな生き方を貫いた三兄弟は賛否両論の対象となり、美術史から外れていった。

彼らは従来のシステムに反発し、落選作を集めた展示の開催や、衆議院議員の総選挙に立候補するなど、美術行政制度の改革を社会へ主張していった。その後は展覧会から距離を置き、地元の注文に応じながら「東京都美術館」の設立でリーダーシップを発揮するなど、美術界の発展に力を尽くしている。

展覧会制度の光と影の中で、革新性と奔放な魅力にあふれた彼らの日本画。見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 京橋

京橋の「アーティゾン美術館」で2020年から毎年開催している、石橋財団コレクションとアーティストとの共演「ジャム・セッション」展。第5回の本展は、国際的なアートシーンで注目を集めるアーティストの毛利悠子を迎える。

毛利は、主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気やほこり、水や温度といった、空間にただよう「見えない力/事象」に形を与え、鑑賞者の新たな知覚の回路を開く試みを行っている。近年数多くの国際展に参加し、2024年の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」では日本館での展示に選出された。

本展では、毛利の新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた同館のコレクションを並べる。まさにここでしか体感できない微細な音や動きで満たされた、平穏で有機的な空間が広がるだろう。

  • アート
  • 丸の内

「東京ステーションギャラリー」で、イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったサー・テレンス・コンラン(Sir Terence Conran、1931〜2020年)を特集する。「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」をモットーに、デザインが暮らしを豊かにすると信じ、デザインによる変革に突き進んだコンランの人物像に迫る日本初の展覧会だ。

1970年代から展開した「ザ・コンランショップ」におけるセレクトショップの概念で、世界のデザイン市場を激変させたコンラン。このほか、家具のデザインやロンドンの倉庫街を一新させた都市の再開発、さらにはレストラン事業を手がけ、「モダン・ブリティッシュ」という料理スタイルをイギリスに定着させた。また、1989年には世界初の「デザイン・ミュージアム」の開館を実現させている。

会場では、パターン・デザインした食器やテキスタイル、家具デザインのための模型、ショップやレストランのためのアイテム、愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品と資料が一堂に集まる。コンランファンは絶対に訪れてほしい。

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  • アート
  • 乃木坂

「国立新美術館」で、パフォーマンスアーティストの荒川ナッシュ医(あらかわなっしゅ・えい)を特集する展覧会が開催。荒川との共同作業によってさまざまなアーティストが描いた絵画や、展示空間にコンセプチュアルかつ祝祭的なパフォーマンスを組み入れて表現した作品などを紹介する。

1977年に福島県で生まれた荒川は、1998年からニューヨーク、2019年からはロサンゼルスを拠点にし、国際的に活動する。同美術館において、開館以来初となるパフォーマンスアーティストの個展である本展では、荒川とその協働者によるライブパフォーマンスが定期的に行われる。

また、公募で集まった65歳以上の参加者が出演する、同館で撮影された新作映像にも注目だ。振付家・舞踊家のピナ・バウシュ(Pina Bausch)が65歳以上の参加者と作り上げた作品『65歳以上の男女によるコンタクトホーフ』から想起されている。さらに、「国立新美術館に来る観客と出会いたい」と言う荒川は、「短くも親密な」展覧会ツアーも会期中に行う。

観客の前で生成中に成長する、荒川のユーモラスなパフォーマンスアートの世界へ足を運んでみてほしい。

  • アート
  • 六本木

六本木のギャラリー「スカイ ピラミデ」で、ニューヨーク在住のアーティスト、トニー・アウスラー(Tony Oursler)の個展「Transmission」が開催。テクノロジーやメディアがいかに人々の心理に影響を及ぼしているかを、絵画・立体・ビデオインスタレーション・パフォーマンスなどの表現によって示してきた、アウスラーのこれまでのキャリアを俯瞰(ふかん)する。

アウスラーは、創造性・テクノロジー・サイエンスフィクション・ポップカルチャーの要素を組み合わせ、既存の信念体系を揺るがすことで、不安や恐怖を引き起こす「不気味なもの」などをテーマに作品を作り続けている。作品は、時にユーモアを交えてメディアを批判し、心理的に不安を与えると同時に詩的に心を揺さぶる没入型の環境を作り出す。

また、「映像イメージを箱型のテレビから解放した」アーティストの一人でもある。映像プロジェクションと彫刻が合わさった『Blue Mood』(1992年)では、人形の頭部だけが映像プロジェクションで映し出され、人を驚かせる魔法のような体験を与えている。

テクノロジーに向けた新たな創造への道筋を指し示すアウスラーのまなざしを感じてほしい。

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  • アート
  • 神奈川

「川崎市岡本太郎美術館」で、淺井裕介と福⽥美蘭による展覧会「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」が開催。アートシーンの第⼀線で活躍する2⼈の現代作家が、岡本太郎と関連づけた⾃作を展⽰する。

淺井は、展覧会が開催される各地で採取した⼟を絵の具にし、現地の⼈々と協⼒して⼤規模な作品を制作するなど、⼟地に根ざした作品や神話的世界を⼿がけることで知られている。本展では、川崎市内で採取した土を絵の具として使用した巨大な新作を発表する。

福⽥は、芸術や⽂化、現代社会への批評的まなざしを可視化する作家だ。今回は、福⽥が言う「⽣真⾯⽬」な岡本太郎に、全点新作で挑む。 

また常設展示室では、淺井と福田がそれぞれ独自の視点で選んだ岡本太郎作品をコメントとともに展示する。互いに触発し合うことで⾒えてくる、3者それぞれの新たな⼀⾯を楽しんでほしい。

  • アート
  • 文京区

「印刷博物館」で、活版印刷からデジタルフォントへと文字印刷の橋渡しを担った写真植字を特集する「写真植字の百年」展を開催。 発明から100年を記念し、その歴史・役割・仕組み・書体デザインについて紹介する。

写真植字とは、写真の原理を応用して文字を印字、組版をする技術だ。1枚の文字盤からあらゆる文字を作り出せる写真植字の登場は、それまでの活版印刷の煩雑さを解消する革新的な出来事であった。戦後の普及とともに写真植字機の技術はより改良され、さまざまな機能が加えられていく。その使いやすさから、印刷業の職場環境が大きく改善され、さらに、美しく多様な書体の開発が広告や書籍を彩るようになる。

なお、文化の日の11月3日(日・祝)は入場が無料となる。この機会に、デザインや出版業界に大きな変革をもたらした写真植字の世界をのぞいてみてほしい。

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  • アート
  • 駒込

「東洋文庫ミュージアム」で、東洋学にまつわる時空を超えたアジアの面白さと豊かさに焦点を当てる「知の大冒険—東洋文庫 名品の煌めき—」展が開催。蔵書を通じてアジアの多様な人々・言語・生活・歴史・宗教・自然との出合いを、旅をするように体験できる。

資料の多くは、災害や戦争などの危機的状況を乗り越えて継承されてきたもの。まずは、『甲骨卜辞片』『コーラン』など東洋の文字と言葉を通じて、紀元前から今日まで東洋で生み出されてきた数々の文字に触れていく。また、『史記』『山海経広注』『ガンダーラの仏教寺院』 などの地理書や探検記を通じて、古の航海者が星を目印にしたように、アジアの寄港地観光を楽しむ。

さらに、マルコ・ポーロ の『東方見聞録』『大地図帳』『ロビンソン・クルーソー』『世界周航画集』など、西洋人による書物を通じて、東西世界の交わりを探る。最後に、国宝『毛詩』、重要文化財『論語集解』『解体新書』『アヘン戦争図』 などを通じて、日本の周囲の世界の記録をひもとき、日本の変化の道のりをたどる。

これらの経緯を知ることで、これまで聞いてことがあった書物や資料も、きっと見え方が変わるだろう。気になる言葉に出会ったらぜひ立ち寄ってみてほしい。

  • アート
  • 元麻布

「カイカイキキ ギャラリー(Kaikai Kiki Gallery)」で、画家であり、漫画家、SF愛好家、自然保護活動家のAYA TAKANOによる個展 「銀河の神話よりも長く alternative future」が開催。「alternative future」をテーマに、新作の油絵を円環状に展示するほか、作家自らがプランニングから行ったジオラマ模型も登場する。

幼少期から科学やSF、超自然的な世界に魅了され、漫画やSF的世界観を背景にした独特のエロティシズムが漂う作風が特徴のAYA。東日本大震災以降は地方や自然に対する理解を深め、それまで都市や夜景が描かれていた画面に、豊かな自然や昼の光が登場するようになった。

さらに環境への配慮から、画材もアクリル絵の具から油絵の具に変更。人類に根源的な世界を、より神話的な美しさとスケールで描くようになった。作品を通して、過去・現在・未来、そしてさまざまな文化が枠組みを超えて共鳴し合う神話的な世界観を体感できるだろう。

なお、2024年11月15日(金)からは、中野のギャラリー「ヒダリ ジンガロ(Hidari Zingaro)」で、AYA初のキュレーション展を開催予定。AYAがセレクトした全13人の作家による、「alternative future」を主題に制作された作品群が紹介される。

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  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」が開催。国内外から約300組の出版社、ギャラリー、アーティストが一堂に集まり、アートブックやZINEの魅力を直接伝える。

一つの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」の第8弾では、ドイツをフィーチャー。日本でも高い人気を博すアーティストのステファン・マルクス(Stefan Marx)やベルリンのアートブックフェア「MISS READ」、老舗出版社「Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König」、世界一美しい本を作ると評される「シュタイデル(Steidl)」など、ドイツのアート出版をけん引する多様なブックメイカーたちをひもとく。

また、前述のマルクスのほか、MISS READを主宰するミハリス・ピヒラー(Michalis Pichler)、キュレーターの中島点子、ベルリンの書店「do you read me?!」、クリエーティブエージェンシーの「Studio Yukiko」がキュレーターとなった選書コーナーも登場。現代ドイツのインディペンデント出版シーンを垣間見ることができる。

年に一度のアートブックの祭典を見逃さないように。なお、チケット販売は2024年11⽉14日(⽊)12時からで、公式ウェブサイトとSNSで詳細を案内予定だ。当日券は若干数の発券予定なので、注意してほしい。

  • アート
  • 初台

「東京オペラシティ アートギャラリー」で、松谷武判の全貌を紹介する大回顧展が開催。半世紀以上パリを拠点に制作し、今なお走り続ける松谷の国内初の美術館個展だ。

1937年生まれの松谷は、1963年に戦後日本の前衛芸術を牽引(けんいん)「具体美術協会」の会員となり、当時の新素材である接着剤を使ったレリーフ状の作品を発表。1966年からパリに拠点を置き、当時現代アートの最前線であった版画制作に取り組み始める。やがて、接着剤による造形に鉛筆の黒鉛を重ねた漆黒の作品で新境地を開く。

87歳になる現在も、さらに自由で大らか、密やかな繊細さをもってパリで旺盛な制作を続ける。近年では、2017年の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」、2019年のパリ「ポンピドゥー センター」での回顧展など、改めて国際的な評価を高めている。

自らの身体と五感を働かせ、驚きに満ちた作品を生み出し続ける豊かな創造性を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 京橋

「アーティゾン美術館」で、「ひとを描く」展を開催。ヨーロッパの美術史において作品制作の重要な要素の一つであった自画像や人物画85点を通して、人物表現の豊かさを紹介する。

画家にとって、自画像は自らの技量を示すことのできる題材であると同時に、新しい表現の実験の場でもあった。また、肖像画は重要な生活の糧となっていた。

会場では、エドゥアール・マネ、ポール・セザンヌ、ピエール=オーギュスト・ルノワールら、近代ヨーロッパの画家たちによる人物画を一望する。モデルになったのは誰か、どのような物語を描いているのかなど、制作背景から人物画の名作を新しい視点で楽しめる。

また、『ヘラクレスとケルベロス図』『男女図』『婦人図』など、古代ギリシャ陶器30点を一堂に展示。さらに、近代日本人画家の藤島武二と長谷川路可による古代ローマの模写作品を初公開する。

作品に描かれたさまざまな表現を見比べ、鑑賞を楽しんでほしい。

  • Things to do
  • 上野

世界中で親しまれるキャラクター「ハローキティ」。サンリオのアイコンとして活躍し続けるハローキティの生誕50周年を記念した大規模展覧会が、「東京国立博物館」の「表慶館」で開催される。

本展では「キティとわたし」の50年をテーマに掲げている。ハローキティが半世紀も愛される存在になった理由は、「ファンひとりひとりとの関係性」が大きく関わっているようだ。このようなオリジナルな視点から、ハローキティだけが持つユニークな魅力を探っていく。

さまざなカテゴリーに分かれたコーナーはもちろん、史上最多数のグッズが展示される。アーティストとのコラボレーション作品や映像コンテンツなども見逃せない。

ハローキティと私たちの歩みをひもといてみては。

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  • アート
  • 汐留

「パナソニック汐留美術館」で、「ベル・エポック―美しき時代」展が開催。フランス・パリが芸術的に華やいだ、19世紀末から1914年ごろまでの「ベル・エポック」の時期から、1930年代に至るまでの美術や工芸・舞台・音楽などの幅広いジャンルの文化の在りようを、重層的に紹介する。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)によるポスター、エミール・ガレ(Émile Gallé)やルネ・ラリック(René Lalique)らの工芸作品のほか、芸術家同士で交わされた手紙や書籍なども展示。当時のパリの空気が伝わってくるようだ。

また、当時はパリでフェミニズム運動が高まりを見せ、社会的自立を目指す女性たちも登場した時期でもある。放射線の研究でノーベル賞を2度も受賞した物理学者のマリー・キュリー(Marie Curie)や、伝説的な舞台女優のサラ・ベルナール(Sarah Bernhardt)らを紹介し、当時のファッションや装飾芸術にも注目する。

  • アート
  • 広尾

「山種美術館」で、長寿や子宝、富や繁栄など、人々の願いが込められた美術に焦点を当てた特別展「HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―」が開催。古墳時代から近代・現代まで、幅広いテーマの「HAPPY感」にあふれた日本美術を展示する。

会場では、七福神と唐子の生き生きとした表情が楽しい狩野常信の『七福神図』や、富士山の堂々たる姿を描いた横山大観の『心神』など、吉祥画題の優品が並ぶ。

また、狩猟の成功を象徴するような『埴輪(猪を抱える猟師)』(個人蔵)、極楽浄土に住むという鳥『迦陵頻伽像』(個人蔵)など、貴重なはにわや迦陵頻伽(かりょうびんが)も登場。伊藤若冲による素朴で愛らしい風情の『伏見人形図』や、カエルの表情がユーモラスな柴田是真の『墨林筆哥』など、思わず笑みがこぼれる作品にも注目だ。

おめでたい作品が大集合の本展を見れば、心がハッピーになるだろう。

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  • アート
  • 原宿

「太田記念美術館」で、風景画の巨匠・歌川広重を特集する「広重ブルー」が開催。空や海の深く美しい青が印象的な広重作品の青の魅力に迫る。

広重作品の青は、1830年ごろから浮世絵に用いられた「ベロ藍」(プルシアンブルーまたはベルリンブルー)と呼ばれる青色の絵の具によるものだ。広重はその美しさに触発され、ベロ藍との出合から風景画に開眼すると、空模様や水面を繊細に表現した。その後、晩年に至るまで詩情あふれる名作を続々と生み出す。


今回は、風景画の名作の数々や、ベロ藍と出合う以前の美人画や役者絵などの作品を堪能できる。また、葛飾北斎や歌川国芳などによる、当時多くの絵師を魅了したベロ藍を用いた作品も紹介予定だ。

広重ブルーに染まってみてほしい。

  • アート
  • 銀座

「ポーラ ミュージアム アネックス」で、能登半島地震への支援を目的としたチャリティオークション「Place in my heart」展が開催。「ふるさと、故郷、HOME」をテーマに、22人のアーティストが1点ずつ、オリジナル作品を制作する。

作品は、会場で鑑賞できると同時に、サイレントオークション形式でオンライン入札ができる。また、ドローイング作品の抽選販売も行い、販売収益全額は日本赤十字社「令和6年能登半島地震災害義援金」へ寄付する予定だ。

出展作家は、鈴木ヒラク、中村萌、流麻二果、野口哲哉、ヒグチユウコ、水野里奈などが参加する。各アーティストが表現する本テーマは、心の中にあるよりどころとは何かを問いかけてくるだろう。

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  • アート
  • 上野

植物を中心とした緻密な描写と独特な色彩で、唯一無二の絵画を遺した孤高の天才画家・田中一村(たなか・いっそん)。近年、再評価の声が高まっていた中での待望の大回顧展が、上野の「東京都美術館」で開催される。

わずか7歳から南画を描き始め神童と言われ、東京美術学校(現東京藝術大学)へ入学するも、2カ月で退学してしまう。その後、独学で絵を描き続けた一村は、独自の画風を追究するあまり中央画壇からは評価されず、50歳で奄美大島へ移住。

地元の紬(つむぎ)工場で染色工として働いては資金をため、絵画制作に没頭する暮らしを晩年まで続けた。本展は、奄美大島の「田中一村記念美術館」が全面協力し、幼年期の作品から最晩年に奄美で描かれた傑作まで、200点を超える作品と多くの新資料から一村の生涯に迫る。

2024年最も注目されている展覧会の一つを見逃さないでほしい。

  • アート
  • 京橋

「小山登美夫ギャラリー京橋」で、日本の現代アートにおいて重要な作家の一人である杉戸洋の個展が開催。新作の立体、ペインティングと活動初期の1990年代の作品を組み合わせる。

これまで国内外で多数の展覧会に参加し、近年は立て続けに美術館での個展を開催してきた杉戸。点や線、丸、三角などのモチーフとみずみずしい色彩の絵画、立体など、既成概念に捉われない作品群は国内外で高い評価を受けてきた。

作品のモチーフは、雨粒や身近なフルーツ、大きな宇宙まで、世の中に存在する全てを含んでおり、杉戸は日常のささいなところにも平等に目を向けている。

作家自身が体感した知覚が丁寧に表されている作品を通し、見慣れた景色がより多層的で流動的なことを実感できるだろう。

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  • アート
  • 乃木坂

「TOTOギャラリー・間」で、展覧会「大西麻貴+百田有希 / o+h展:⽣きた全体――A Living Whole」を開催。2023年の「日本建築学会賞」や「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館キュレーションなどで注目を集め続ける大西麻貴と百田有希のこれまでの仕事を、模型や言葉、インスタレーションなどで紹介する。

建築事務所を共同主宰する大西と百田は、公共建築から住宅、福祉施設まで幅広く手がける若手建築家だ。建築をつくることを、その建築を含む「生きた全体」を考えることだと捉え、多様な背景や特性を持つ人々の声や、その土地に伝わる物語にまで耳を傾ける。各存在のかけがえのなさを大切にし、寛容で多様な社会の理想形を、建築を介して示そうとしている。

本展を通して、そのまなざしと世界観を感じてほしい。

  • アート
  • 板橋区

「板橋区立美術館」で、魚の『スイミー』や『あおくんときいろちゃん』などの絵本で知られるレオ・レオーニ(Leo Lionni、1910〜1999年)の個展を開催。生涯にわたる制作活動と、影響関係にあったアーティストたちを併せて紹介する。


レオーニは、20世紀に絵画、デザイン、絵本などの多彩な分野で活躍。オランダで生まれ、幼少期から豊かなヨーロッパ文化を享受したレオーニは、青年期にイタリアでブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari 、1907〜1998年)をはじめとする未来派のアーティストたちと交流してきた。

1939年にアメリカへと渡り、アートディレクターとして活躍する一方、1959年に初めての絵本を出版。以後、ほぼ1年に1冊のペースで絵本制作を続け、その数は27冊に上る。後半生は、ニューヨークとイタリアを行き来する生活を続けながら油彩画、彫刻、版画などの制作に没頭した。


刊行から60年以上たってなお愛され続ける絵本の原画や、見応えのある作品群が並ぶ本展。ぜひ、足を運んでほしい。

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  • アート
  • 恵比寿

「東京都写真美術館」で、世界的に高い評価を受けてきたアメリカの写真家、アレック・ソス(Alec Soth)の展覧会「部屋についての部屋(A Room of Rooms)」が開催。初期の代表作から、今秋刊行予定の世界初公開となる最新作までを一挙公開し、ソスの30年に及ぶ表現活動の魅力に迫る。

ソスは、国際的な写真家集団「マグナム・フォト」の正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした、物語を紡ぎ出す写真作品で知られている。本展では、「部屋とそこに暮らす人」をテーマに、世界各地で訪ねた人々の部屋の中で撮影したポートレートと、個人的な持ち物を写し出す。

「ポートレートや風景、静物などを定期的に撮影しているが、最も親しみを感じるのは室内の写真だ」とソスが述べるように、個々の空間で被写体から醸し出される親密さは大きな魅力となっている。

なお、2025年1月2日(木)・3日(金)は展示の入場が無料となっている。貴重な機会を見逃さないように。

  • アート
  • 丸の内

ビルの建て替えに伴い長期休館に入る「出光美術館」で、日本とトルコ共和国の外交関係樹立100周年を記念した展覧会が開催。イスタンブールの「トプカプ宮殿博物館」に所蔵される至宝、「トルコ・イスラーム美術博物館」の名品、さらには同美術館所蔵の中国・日本陶磁やトルコ陶器の数々を紹介する。


今回、合計46点の作品がトルコから来日。そのうちトプカプ宮殿博物館の36点、トルコ・イスラーム美術博物館の7点全ては日本初公開だ。宝石がちりばめられた装飾品や器をはじめ、宮殿を華やかに彩った宝物、中国や日本から伝わった龍泉窯青磁(りゅうせんようせいじ)や景徳鎮青花(けいとくちんせいか)など、オスマン帝国のスルタンや宮廷の人々に重宝されてきた東洋陶磁が並ぶ。

なお、2024年11月2日(土)~8日(金)は、学生の入場が無料となる。休館前のラストを飾る、特別な本展を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 石神井

練馬区の「ちひろ美術館 東京」で、いわさきちひろ(1918~1974年)の「こどものみなさまへ みんな なかまよ」展が開催。インクルーシブデザインの手法を取り入れ、いわさきの絵を起点として、子どもから大人までともに平和を築いていくための手がかりを探す。

絵本など子どもの本を中心に画家として活躍したいわさき。生涯にわたって子どもや花を描き続け、現存する作品は約9600点ある。

「『みんな仲間よ』私は自分の心にいいきかせて、なつかしい、やさしい、人の心のふる里をさがします。絵本の中にそれがちゃんとしまってあるのです」と、絵本作りに重ねてこんな言葉を残している。いわさきの絵や言葉を通し、平和をつくるための秘密を探ってほしい。

  • アート
  • 練馬

「練馬区立美術館」で、練馬区内に長くアトリエを構えていた画家・野見山暁治(1920〜2023年)の展覧会が開催。あくなき探求心で作品に臨み続けていた野見山の画業を振り返る。

展示前期では、東京美術学校(現・東京藝術大学)時代から、戦後の炭坑や骸骨といった具象的なイメージを描く時期を経て、フランス留学に至るまでの作品を紹介。後期では、帰国後、自然や身近な事物をモチーフに独自のイメージを展開させ、追究し続けた最晩年までを展観する。

併せて、練馬区と福岡県糸島市にある、野見山のアトリエの風景にも焦点を当てる。残された制作道具や愛用品などを展示するとともに、練馬のアトリエでのインタビュー映像や糸島のアトリエの内部映像も公開する。

2022年2月、練馬のアトリエで101歳となった野見山のインタビュー映像では、ざっくばらんに、ユーモアたっぷりに自身のこと、そして絵のことを語る姿が残されている。

貴重な機会を見逃さないように。

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  • アート
  • 原宿

公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトで近年注目を集めるアートコレクティブ「SIDE CORE」の展覧会が、外苑前の「ワタリウム美術館」で開催する。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志で、映像ディレクターとして播本和宜が参加する

「都市空間における表現の拡張」をテーマに活動しているSIDE COREは、これまでにも東京の地下空間をスケートボードで疾走する作品などを展開してきた。公共空間のルールをひもとき、思考の転換、隙間への介入、表現やアクションの拡張を目的に、ストリートカルチャーを切り口とした作品に定評がある。今回の大規模個展でも、彼らが軽やかに都市の暗部を開拓していく作品群に期待が高まる。

なお、本展は美術館内部だけではなく、周辺環境への展開が予定されている。アートを通じて都市への想像力を広げる体験をしてみては。

  • アート
  • 日本橋

1974年に開廊し、これまで309回の展覧会を開催してきた「西村画廊」。開廊当初から、当時まだ日本で馴染みが薄かったイギリス現代作家の紹介や、新たな日本人作家を見いだすことに力を注いできた。今回、創業50周年を記念した展覧会「西村画廊50年」が開催される。

会場では、舟越桂の木彫『誰の眼とあるか、スフィンクス?』をはじめ、小林孝亘、押江千衣子、三沢厚彦、町田久美、曽谷朝絵の最新作を公開。併せて、横尾忠則が愛猫・タマを描いた『タマ、帰っておいで』シリーズのペインティングや、細江英公が三島由紀夫を被写体に撮り下ろした『薔薇刑』のオリジナルプリントも並ぶ。

さらに、デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)、ブリジット・ライリー(Bridget Riley)、ピーター・ブレイク(Peter Blake)、ホルスト・アンテス(Horst Antes)のドローイングや版画も公開される。貴重な機会を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 原宿

現代美術ギャラリー「ブラム」で、奈良美智の新作のペインティングとドローイングを紹介する個展が開催。奈良がこの夏の間、北海道の洞爺村に滞在して制作した作品群を展示する。

画面には、おなじみの大きな目と頭の人物像が描かれており、親しみやすくもインパクトがあり、奈良が同地で感じた感性が反映されている。

また、作品に添えられた「CHEER FOR YOU」や「WE ARE OUTLAWS YES!」といったフレーズは、作品をプラカードに見立て、鮮烈で示唆に富んだメッセージを伝える。2011年に起こった福島第一原子力発電所での事故以来、奈良の政治的スタンスは作品により表れており、世界的な取り組みへの積極的な支援を示している。

ぜひ、新しい作品世界へと足を踏み入れてほしい。

  • アート
  • 横須賀

猿島と横須賀市街地で、「SENSE ISLAND/LAND |感覚の島と感覚の地」が2年ぶりにリニューアル開催。2019年に猿島でスタートした夜間芸術祭が大幅にエリアを広げ、夜間だけでなく日中も楽しめるようになった。

「横須賀のまちと無人島猿島を舞台にした感覚/地層/アート」をテーマとした本芸術祭は、さまざまな歴史・文化・産業が集積する横須賀の「地層」に目を向け、アートによる時間と大地の可視化・文脈化を試みる。初開催から引き続き、総合プロデュースを齋藤精一が務め、今回はゲストキュレーターとして青木彬も参加。

各会場では、国内外13組のアーティストによる作品展示と、5組のパフォーマンスアーティストによる多様なパフォーマンスイベントが行われる。

会期中のイベントチケットは9月中旬以降に販売開始で、市街地会場でのアート作品の鑑賞は無料だ。点在するアート作品を通じて、日常とは異なる特別な横須賀を感じてほしい。

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  • アート
  • 浦和

「うらわ美術館」で、「新版画」を世に送り出した版元・渡邊庄三郎(1885〜1962年)を特集する展示が開催。近年、再び注目を浴びている新版画のモダンな精神と、みずみずしい表現に彩られた世界を堪能できる。

庄三郎は、高度な彫りの技術や特有の美しさを持つ伝統的な浮世絵木版画(錦絵)の技能と、当時の新しい絵画表現との融合を目指した人物だ。

1909年、庄三郎は東京・京橋に渡邊版画店(現・渡邊木版美術画舗)を構え、浮世絵の研究や販売を行う。同時に、鏑木清方(かぶらき・きよかた、1878〜1972年)ら新進気鋭の画家たちを絵師として起用し、新たな浮世絵木版画となる新版画を誕生させた。

本展は、残存数が少ない貴重な初摺(しょずり)の渡邊版を出品。また、日本人画家として新版画第一作を制作した橋口五葉による装丁本なども展示する。ぜひ、足を運んでほしい。

  • アート
  • 六本木

「アートは心の健康を保証するもの」という言葉を遺した、女性彫刻家のルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)。六本木ヒルズのシンボルとも言える、クモのパブリックアート『ママン』の作者であり、没後もなお世界各地で注目されているブルジョワの大規模個展が「森美術館」で開催される。

パリに生まれ、抑圧的で男性中心主義的な父親が支配する複雑な家庭環境で育ったブルジョワは、結婚を機にニューヨークへ移住。40代から本格的に彫刻制作に取り組んだ。

家族についてや女性であること、男性への恐れ、母や子どもへの愛情など、自身の複雑な感情や苦悩を創作活動へと昇華させていった。ブルジョワの展覧会が国内で開催されるのは27年ぶり。しかも今回は、20代後半から30代に手がけていた絵画作品がアジアで初公開される。

98歳で亡くなるまで創作活動を続けたブルジョワの半生を、じっくりとたどってみよう。

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  • アート
  • 渋谷

ミュシャのイマーシブ展覧会が、渋谷「ヒカリエホール」で開催。同展は、2023年に大きな話題を集めた「グランパレ」がパリの「オペラバスティーユ」で手がけた「Eternal Mucha」を日本向けにアレンジしたものだ。ミュシャの傑作が高解像度で大空間に映し出され、作品世界に包まれるような新感覚の没入体験展覧会を楽しめる。

作品はミュシャの生涯を追うように、3幕に分けて紹介される。第1幕では、故郷モラヴィア(チェコ)とパリ時代の傑作ポスターの作品群を大空間で展開。第2幕では、キャリアの絶頂期であり転換点ともなる1900年のパリ万国博覧会に焦点を当てている。そして第3幕では、ミュシャが晩年に取り組んだ集大成「スラヴ叙事詩」の連作が紹介。本作がいかに人々の共感を得て世界平和のモデルとなったのか、その理由に迫っていく。

グランパレは、デジタル展示の領域で、世界中のアートファンから注目を集める新鋭組織だ。これまでのミュシャ展とは全く異なるミュシャの魅力を再発見できるだろう。

  • アート
  • 府中

「府中市美術館」で、アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha、1860〜1939年)を特集する展示「アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界」が開催。版画や油彩画をはじめ、貴重な下絵などを公開する。

ミュシャは、世紀末パリを鮮やかに彩るポスターの数々を生んだデザイナーであり、壮大なテーマを重厚な油彩で表した画家だ。2つの顔を持つ芸術家であると捉えられているが、その両方に共通しているのは、どんな素材を扱っても「ミュシャ風」にする圧倒的な造形力である。

本展では、そんなミュシャ最大の魅力である造形の力を解き明かしていく。

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  • アート
  • 青山

「Akio Nagasawa Gallery Aoyama」で、写真家・森山大道の個展が開催。写真誌『記録』の最新号である58号から作品を展覧すると同時に、これまで刊行された全ての同誌を販売する。

『記録』は、森山が「日常で撮ったものをすぐに焼いて、近くの人たちに手渡しで見せるという最小限のメディアを」と模索する中、1972年に始められた私家版写真誌だ。第5号をもって一時休刊となったが、2006年に「Akio Nagasawa Publishing」から復刊し、現在も継続刊行中である。 

2022年にアムステルダムやローマ、サンパウロ、北京で個展を開催するなど、現在も精力的に活動を行っている森山。常に現在進行形の活動を会場で体感してほしい。

  • アート
  • 竹橋

テクノロジーの登場は、美術の歴史に大きな変化をもたらした。ビデオやカメラの普及もその例外ではない。最新の機器を巧みに手にし、社会に問いを投げかける発信者となった女性アーティストたちは、どのようにして自身の違和感を記録し、メッセージを発信したのか。

「国立近代美術館」で開催される「フェミニズムと映像表現」は、1970年代から現代までの女性作家による映像作品を4つのキーワードに分けて紹介する。フェミニズムと映像作品というテーマを通じて、時代によって移り変わる女性と映像の関係を丁寧にひもといていく。

展示作家には、テレビの料理番組をパロディー化した『キッチンの記号論』で家庭内労働や家父長制への違和感を示したマーサ・ロスラー(Martha Rosler)や、都市の雑踏の中で直立不動に立ち、自らを異質な存在として際立たせたキムスージャ(Su ja Gim)をはじめ、塩田千春、ジョーン・ジョナス(Joan Jonas)、出光真子など、フェミニズムと映像を語る上で欠かせないアーティストたちが名を連ねる。

自分の体や存在を取り戻すことを試みた女性アーティストたちの作品を通じて、現代におけるフェミニズムの新たな視点を考察する機会となるだろう。

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  • アート
  • 千葉

千葉県佐倉市にある「DIC川村記念美術館」で、50年に渡りドイツを拠点に活動する西川勝人の日本初の回顧展が開催。1980年代から最新作までの彫刻・写真・絵画・ドローイング・インスタレーション・建築的構造物の約70点を通して、常に静けさという特質を保持し続ける西川の美学に触れる。

西川はシンプルな構造と簡素な素材を用い、光と闇、その間に広がる陰影に心を配った多様な技法を用いた作品制作をしてきた。木や石こうを用いた、抽象的なフォルムを持つ白い彫刻は、表面に淡い陰影を宿し、ただ静かに存在する。会場では、そんな西川作品を自然光・外光・照明・間接光と、さまざまな光のもとで公開し、光と作品、空間との関係性を再考する。

なお、会場構成と作品選定は、建築にも携わる西川本人によるものだ。作品に通底する清らかな静寂が広がる空間で、ゆったりと過ごしてほしい。

  • アート
  • 八王子

「東京富士美術館」で、「サムライ・アート展 ─刀剣、印籠、武具甲冑、武者絵、合戦絵─」が開催。刀剣や甲冑(かっちゅう)をはじめとした武器や武具、武士の姿が描かれた絵画資料などを紹介し、「サムライ・アート」の魅力に迫る。


実戦で用いられながら、格式や権威を象徴する宝物として珍重され、サムライ・アートと称される武器や武具。会場では、武士の美意識や匠のこだわりを反映し、現代に伝わるこれら贅を極めた刀剣、刀装具、甲冑、兜が一堂に会する

また、現代の刀鍛冶や研ぎ師、刀装具の職人によって手がけられた美術刀剣も並び、1000年以上の伝統を有する美と技術が伝承された鉄の芸術品が堪能できる。

本展を通し、サムライ・アートの究極のこだわりの美が感じられるだろう。

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  • アート
  • 銀座

「資生堂ギャラリー」で、アーティスト・渡辺志桜里の個展「渡辺志桜里 宿/Syuku」を開催。渡辺の代表作をダイナミックに展開するとともに、「動き」によるパフォーマンスアートが不定期で行われる。

渡辺は、外来種や絶滅種といった人間と自然との間に生じる衝突を想起させるモチーフに焦点を当てることで、人間同士にはらむ課題を暗示する作品を多く手がける。

今回は、水槽やプランターなどをホースでつなぎ、水やバクテリアを循環させて自律した生態系を構築する代表作『Sans room』を、過去最大規模で展示する。また、渡辺が加藤眞悟や安田登(ともに能楽師)ドミニク・チェン(情報学研究者)らとともに制作した新作能を、映像・サウンドインスタレーション作品として展示する。

ここだけの特別な空間にぜひ足を踏み入れたい。

  • アート

「水戸芸術館現代美術ギャラリー」で、田村友一郎の個展「田村友一郎 ATM」を開催。同館の英語表記「Art Tower Mito」の略称「ATM」から着想を得た新作『ATM』を発表する。

田村は、写真・映像・インスタレーションからパフォーマンスや舞台まで、多彩なメディアを横断し、既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を制作。作品の出発点にはテキストの述作があると言い、これまでナラティブな要素を持つ作品を構築してきた。

新作では、田村がこれまで書きつづった膨大なテキストを手がかりに、生成AI(人工知能)が創作するショートストーリーによって鑑賞者を作品世界へと導いていく。過去最大規模の個展となる本展を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 白金台

白金台の「松岡美術館」で、「中国陶磁展 うわぐすりの1500年」が開催。同館のメインコレクションである中国陶磁から、後漢から明までの約1500年間における釉薬(ゆうやく)の美が光る名品を展示する。

副葬品に使用された「緑釉(りょくゆう)」、多色をかけ分けたエキゾチックな「三彩(さんさい)」、洗練されたたたずまいを持つ「青磁(せいじ)」、青みのある白濁釉が特徴の「澱青釉(でんせいゆう)」など、中国陶磁は釉薬の発展によって多彩な表現を獲得してきた。本展では、釉薬の特性や施釉(せゆう)方法に着目し、一つとして同じものはない各作品の魅力を紹介する。

神秘的な艶と、鮮やかな色彩を持つ中国陶磁の世界をのぞいてみてほしい。

  • アート
  • 広尾

「山種美術館」で、日本画家の福田平八郎(1892〜1974年)の没後50年を記念し、画業をたどる特別展を開催。 初期から晩年に至る名品の数々を一堂に会するのと同時に、福田に影響を与えた古典として、琳派の良品も並ぶ。

福田は、大正期に徹底した観察にこだわった写実的な作品を制作していたが、昭和期には単純な色面と豪快な構図による独自の作風を確立した。本展では、写実の極みである大正期の代表作『牡丹』から、造形の特徴を見事に捉えたタケノコと装飾的なタケの葉が融合した『筍』などを公開する。

琳派からは、伝 俵屋宗達の『槙楓図』をはじめ、酒井抱一の『秋草鶉図』【重要美術品】、鈴木其一の『四季花鳥図』などの優品が勢揃いする。

自身の表現手法を「写実を基本にした装飾画」と語った福田の作品と、意匠性に富んだ琳派が交わる特別な空間に足を運んでほしい。 

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  • アート
  • 浦和

「埼玉県立近代美術館」で、美術家・木下佳通代(1939〜1994年)の初の大回顧展が開催。初期の油彩画から、1970年代の写真作品、 1980年代以降に軸足を置いた絵画作品、そして亡くなる直前に病床で描いた絶筆までの作品群を通して、木下の全貌に迫る。

京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)在学中から作家活動を開始した木下は、前衛美術集団「グループ<位>」と行動をともにし、一貫して「存在とは何か」という問いに向き合い続けた。

ものの存在と視覚の関係性を洗練された表現で提示する一連の作品は、国内外で高く評価され、1981年にはドイツで個展を実現。その後、乳がんによって55歳で亡くなるまで精力的に活動を続けた。

近年も国内外の展覧会でたびたび紹介され、再評価が高まる木下の制作の軌跡をたどってほしい。

  • アート
  • 神保町

5人の写真家による写真展「紙の光 光のしるし」展が、「竹尾 見本帖本店」で開催。「光」に調和するファインペーパーを、色・張り・重みといったそれぞれの観点で、写真家自らが精選した作品が並ぶ。

参加作家は、「東京国立近代美術館」「グッゲンハイム美術館」「ポンピドゥーセンター」などに作品が収蔵され、現代美術の国際展にも数多く参加する野口里佳。また、この夏に「市原湖畔美術館」の展示に参加した石田真澄のほか、熊谷聖司、濱田祐史、山元彩香だ。

会場では、豊かな階調と濃度・鮮やかさを実現する印刷技術によって、写真家のとらえた光景を紙の上に繊細にしるす。また、本展のために制作した各写真家の作品集を限定販売する。

なお、本展は「DNPプラザ」会場でも同時開催を予定している。

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  • アート
  • 六本木

六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」で、私たちの身の回りから宇宙までを見渡し、さまざまな「ゴミうんち」をテーマに扱うユニークな企画展が開催される。

いわゆる自然界においては、ほとんどのうんちやゴミが循環する仕組みだが、人間社会では大きな問題となっている。文化的にも、どこか見たくないものとして扱われる存在だ。ごみ捨て場や水洗トイレは、まるでブラックボックスのように、私たちが忘れるための装置としてすら機能してきたと言えるだろう。

本展では、ゴミやうんちを含む世界の循環を「pooploop」と捉えている。これまで人間がどこか目を背けてきてしまった存在を、すぐに燃やしたり流したりしてしまわず、もう一度向き合い考えるきっかけにしたい企画展だ。

もっとアート散歩をするなら……

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

  • トラベル

東京には魅力的なアート展示や、パブリックアートなどがある。しかし建物が密集しているため、大規模なアート施設を新たに造ることは困難だろう。希少な絵画やサイトスペシフィックなインスタレーションを観たいのであれば、千葉、神奈川、埼玉といった近隣の県へ日帰りで出かけるのもいいかもしれない。

自然の中でリラックスしてアートに触れることができる休日に訪れたいアートスポットを紹介する。

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ここではタイムアウトワールドワイドによる、ピカソやミロ、村上隆などの作品を楽しめる世界の「アートレストラン」を紹介。美術館に行く代わりに、レストランを予約してみるというのもいいかもしれない。

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