埼玉のことを、東京の郊外にある少し退屈な場所だと考えている東京人は少なくないだろう。しかし、都会に住む人たちの言うことを真に受けない方がいいかもしれない。密集した大都市から離れた埼玉にも、エキサイティングなことはあるのだ。それも自然を満喫できる「ムーミンバレーパーク」だけではない。コロナ禍において、印象的な新しい芸術と文化の中心地が誕生した。
2020年秋にオープンした「ところざわサクラタウン」は美術館、公園、ホテル、ショッピングモールを備えた複合施設。中でも「角川武蔵野ミュージアム」は、日本の有名な建築家である隈研吾が設計したことで、オープンに先立って美術やデザイン愛好家の間で特に関心を集めていた。
グレーの石造りの外観は、隈の特徴である天然木を多用したデザインとは一線を画してるが、内部には木の板を使った素晴らしい図書館があり、約5万冊の蔵書を収蔵。
ミュージアムを出て少し歩くと、東所沢公園がある。あまり知られていないが、ここではチームラボによるインタラクティブアートのインスタレーションが楽しめる。この常設作品のタイトルは「どんぐりの森に響く光」。森にいくつも配置された卵型オブジェは、人が近づくと音を発し、光の色を変える。
行き方:「東京」駅から京浜東北線(大宮行き)に乗り、「南浦和」駅で武蔵野線の普通電車(府中本町行き)に乗り換え、「東所沢」駅で下車