深沢小さな美術館
Photo: Keisuke Tanigawa深沢小さな美術館
Photo: Keisuke Tanigawa

武蔵五日市でしかできない5のこと

新たな文化財レストラン、私設美術館、職人技のテキスタイルショップなど

寄稿:: Yousuke Ohashi
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タイムアウト東京  Things To Do > 武蔵五日市でしかできない5のこと

東京都あきる野市にあり、緑豊かなエリアとしても知られている武蔵五日市。昨今ここに、独自の魅力を持った注目のニュースポットが次々と誕生している。

四季折々の自然の魅力に加え、東京の都市部にはない自由さと斬新さを兼ね備えた、店やミュージアムを紹介しよう。コンクリートジャングルの中で押し潰されそうになったら、息抜きを兼ねて武蔵五日市を訪れてみてほしい。思わぬインスピレーションが湧く刺激的な時間を過ごせるだろう。

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  • 多摩地域

ラルブル

2023年10月12日にグランドオープンしたラルブル(L’Arbre)」は、。築149年の有形文化財と古民家という2つの建築を改修したフレンチレストランだ

ここでは、帝国ホテルのメインダイニング「レ セゾン(Les Saisons)の元スーシェフ・松尾直幹による「フランス料理×風土×文化」をテーマにしたフランス料理を堪能できる。

「東京和牛」や「東京軍鶏」といったあきる野産の食材のほか、自ら畑を耕作して作った環境に負荷のかからない野菜やハーブが、美しくストーリーのある一皿に仕上がる。

メインとなる建物は、明治初期に建てられた有形文化財「小机家住宅」。従来の木造建築に西洋建築の意匠、時にはアジアの要素を融合したデザインが特徴的で、外観は洋風、内観は純和風という擬洋風建築だ。文化財エリアには和の趣きの半個室、個室の2種の部屋がある。

奥の古民家エリアはモダンにフルリノベーションされた。臨場感たっぷりのカウンター席でシェフの手さばきや香りなどを楽しみながら食事が満喫できる。

料理は月ごとに旬の食材に応じて入れ替わるコースメニュー(予約制)が中心で、大人9,900円、子ども1,650円(以下全て税込み)から提供する。

  • ミュージアム
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深沢小さな美術館

武蔵五日市駅から北西に3キロほどの場所にある私設美術館。この美術館では「プリンプリン物語」などの映像作品や演劇の人形作品で知られる作家、友永詔三の作品が鑑賞できる。友永が手がけた数多くの人形はもちろん、神秘的な彫刻や版画作品も展示されている。

アール・ヌーボーをほうふつとさせる、曲線を多用した空間も見どころの一つ。壁から窓枠に至るまで、友永自身の手によって江戸時代の古家を改築することで作り出された。明かり取りの窓から光がさんさんと差し込む部屋は、思わず長居したくなってしまうだろう。

コイやチョウザメが泳ぐ池や庭も、友永の手によるもの。独創的な空間を実現する能力には驚かずにはいられない。

なお、冬季は道が凍結してしまうため、開館期間は4月から11月までなので注意してほしい。美術館までの道中にある丸太の人形は「ジィージィー」というキャラクターなのだとか。帰りはこのキャラクターを目印にして、駅へ戻ろう。

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  • ショッピング
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真木テキスタイルスタジオ

武蔵五日市駅から秋川を渡り、秋川街道を進むと、林の中に「糸糸糸」と表示された小さな看板がある。その奥の小径を抜けると、真新しい建物と歴史ある農家の建物が待ち構えている。テキスタイルデザイナーの真木千秋によるブランド、「真木テキスタイルスタジオ」の直売店の「竹林SHOP」とオフィスだ。

ここには、インド北部、ウッタラカンド州にある自社テキスタイル工房「ganga maki」で職人の手わざを生かし、素材から染織、縫製までこだわって制作した製品が揃う。

生地は野生のカイコから採られた「タッサーシルク」といった野蚕絹をメインに使用。衣服やストールといったテキスタイル製品は、麻を思わせるハリのある質感と光沢があり、使い込んでいくうちに柔らかくなり肌に馴染んでいく。

ここでは、新作発表や工芸作家を呼んだ展示会などのイベントも月に一度程度開催される。普段はオフィスとして利用されている、江戸時代に建造された古民家が会場となるほか、イベント開催時には、併設されたカフェも開放される。

カフェでは、周辺の個性的な飲食店が料理や飲み物を提供しているので、五日市エリアの素敵な店舗を知るためのカルチャースポットとして訪れるのもいいだろう。

  • カフェ・喫茶店
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野外テラス 水の音

あきる野市で名の知れた日本料理店といえば、300年前に建てられた庄屋造りの古民家を移築改修した、「黒茶屋」だ。その黒茶屋同敷地内で営業している秘境感あふれるカフェが「野外テラス 水の音(みずのね)」である。

人の手が入っていない自然のままだったエリアにカフェを設置したのは、「絶好のロケーションを生かしてお客さまに山や川などの自然をもっと楽しんでもらいたい」というオーナー・水謙二の思いから。テラスから眺める岩瀬峡は、渓谷の中でも珍しく川筋がまっすぐ流れていて、まさに絶景である。春は若葉、夏は新緑、秋は紅葉と1年を通して楽しめる。

人気メニューは、自家製あんこを使用した「あんみつ」(750円、以下全て税込み)や国産のユズを使った爽やかな「ゆずサイダー」(600円)。2023年5月からは色とりどりの「クリームソーダ」 (900円)も楽しめるようになった。店舗の設計オーナー自身がしたそうで、階段に設置された席は場所によって大きく眺めが異なるのも魅力だ。

定休日のほかに、荒天休業および不定期の休業があるので、公式ウェブサイトや電話などで問い合わせてから訪れるといいだろう。

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100日荘

20237月29日に、10代のための「ネオお休みどころ」が、檜原街道沿いにオープンした。積極的な交流をせずとも、知り合い同士でなくとも、子どもたちが目的を持たず、ただなんとなく一緒にいられる場所である。

渋谷区にある「恵比寿じもと食堂」を運営している末岡真理子が、あきる野市に移住してきた当時、「地元の子どもたちが集える場所を作れないか」と思い、空き店舗を活用して立ち上げたのが「100日荘」だ。

入ってすぐの土間にはキュートな卓球台があり、壁にはずらりとアナログゲームが並んでおり、遊ぶための道具が揃っている。土間の隅には「ICHIJOフリッジ」と名付けられた公共に向けて開かれた冷蔵庫もある。地域の人が登録すれば自由に食料品を入れ、必要とする人が自由に持っていけるというものだ。

いつか一人で生きていく時のために、料理の作り方を楽しく学べる「10代仕込み部」などといったイベントも開催されている。

子どもだけでなく、通りがかりの大学生や、観光客、高齢者らが一息つくために寄ることもあるそうだ。地域の新しい開かれた場所を、訪れてみよう。

なお、オープンデーは火・金曜のみなので注意してほしい。

まだ知らない東京を探索する……

  • Things to do

5月上旬はネモフィラの花が咲き誇るなど季節ごとに見どころがあり、都内から多くの人が集まる「国営昭和記念公園」がある駅として有名な街、立川。「イケア 立川」があるほか、映画好きなら、爆音上映を世に広めた立役者である「シネマシティ」もよく知るところだろう。

2020年には大型ライブハウスを併設した未来型の文化都市空間「グリーンスプリングス」が誕生し、一気にあか抜けた感もある。その進化は2023年もとどまるところを知らない。

ここでは、近年急速に盛り上がりを見せている立川の中でも、ホットなスポットを5つ紹介しよう。アート、憩い、食、ショッピングといずれもローカルな魅力を残しつつも、ハイクオリティーな場所ばかり。ぜひ「ハイローカル」な街を探索してほしい。

  • Things to do

池袋駅から西武池袋線でたったの5分。現在進行形で街がつくられている東長崎は、これからさらに面白くなること間違いなしのスポットだ。

街をつくるといっても、いわゆる高層ビルを建てまくるようなことをしているのではない。「小さくていい店」がぽつりぽつりと増え、新しいカルチャーを育み、この地に根付く「小さくていい店」と交わり合う。そういう文化的な街づくりだ。

ここでは、東長崎カルチャーのハブ的コーヒーショップや本場のオレッキエッテが味わえる話題のイタリアンレストラン、都内唯一の小鹿田焼専門店などを紹介する。ローカルコミュニティーに溶け込みながら、この地でしかできない体験を存分に楽しんでほしい。

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渋谷と吉祥寺をつなぐ、京王井の頭線沿線の中間ほどに永福町は位置する。街を象徴する神社、「杉並大宮八幡宮」が「東京のへそ」と呼ばれるように、東京都のちょうど中央でもある。この周辺には弥生時代の祭祀(さいし)に関する遺跡もあり、古くからパワースポットとされていた可能性もあるとか。

映画監督や演劇関係者などの文化人が多く住み、知る人ぞ知る通好みの名店も点在している。閑静な住宅街や昔ながらの商店街を散策しながら、自分だけのとっておきの場所に巡り合おう。

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2023年6月にとしまえん跡地が、映画「ハリー・ポッター」の世界観が体験できる一大施設へと変貌し、この一帯は世界的に注目されるエリアとなった。今、豊島園駅を降りれば多くの外国人を目にするだろう。

ほかにも、日本庭園を眺めながら楽しむスーパー銭湯など大型アミューズメント施設もあるが、地域に愛されるローカルな魅力を持った店も多い。

ここでは、豊島園駅周辺の散策が楽しくなる独自の魅力を持ったスポットを5つ紹介しよう。ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」だけで満足せず、ぜひ散策に興じてみてほしい。

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国技館もあることから、相撲の街と呼ばれる両国。街中には相撲部屋が点在し、力士が行き交う光景が日常だ。江戸時代に歓楽街として栄えた名残もあり、1718年創業の猪肉料理専門店をはじめとする老舗料理店や、旧両国国技館が建設されるまで勧進相撲が行われていた回向院など歴史的な見どころも多い。

本記事では、徐々に変化する両国の今を感じさせる旬の店から、この地で長く愛される老舗までを紹介する。

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