江戸東京博物館
日本発の建築運動「メタボリズム」提唱者のひとりである菊竹清訓が建築した、巨大な下駄のような外観が特徴的な博物館。館内には東京の歴史を語る素晴らしい展示物の数々が並び、日本橋や歌舞伎座の大型復元模型や時代ごとの東京の詳細な模型が展示品の目玉だ。当時の生活や、自然災害や人災がどうやってこの町の風景を変えていったのかがよく分かる。
国技館もあることから、相撲の街と呼ばれる両国。街中には相撲部屋が点在し、力士が行き交う光景が日常だ。江戸時代に歓楽街として栄えた名残もあり、1718年創業の猪肉料理専門店をはじめとする老舗料理店や、旧両国国技館が建設されるまで勧進相撲が行われていた回向院など歴史的な見どころも多い。
2016年には、北斎美術館や両国江戸Norenなど街の魅力を伝える施設がオープンし、2020年の東京オリンピックには国技館がボクシング会場として使われた。本記事では、徐々に変化する両国の今を感じさせる旬の店から、この地で長く愛される老舗までを紹介する。
江戸東京博物館
日本発の建築運動「メタボリズム」提唱者のひとりである菊竹清訓が建築した、巨大な下駄のような外観が特徴的な博物館。館内には東京の歴史を語る素晴らしい展示物の数々が並び、日本橋や歌舞伎座の大型復元模型や時代ごとの東京の詳細な模型が展示品の目玉だ。当時の生活や、自然災害や人災がどうやってこの町の風景を変えていったのかがよく分かる。
両国国技館
相撲の聖地と言われる両国の定番スポット。近年では、大相撲の興行のほか、ファッションショーや音楽フェスティバル、格闘技の試合など幅広く利用されている。指定席は、東京場所が始まる約1ヶ月前から購入可能。また、最後方の椅子席は自由席になっており、場所中毎日7時45分から販売されている。訪れた際には、力士が描かれた『錦絵うちわ』などの土産物も手に入れたい。
すみだ北斎美術館
生涯のほとんどを墨田区で過ごした江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎に関する美術館。葛飾北斎が残した名作の展示はもちろん、常設展示室では、北斎の生涯に沿って人物像や「すみだ」との繋がりを紹介する。作品だけではなく、門人の露木為一が残した絵をもとに忠実に再現した北斎のアトリエを再現したスペースなども設けている。
シングル オー ジャパン テイスティング バー
両国にテイスティングバー併設の焙煎(ばいせん)所を構えるシングルオー。オーストラリアのシドニーで2003年に創業し、2014年に東京でも焙煎所を設立した。
ほかではあまり見かけることのない特大の焙煎機を用いて、シングルオリジン、ブレンドともに焙煎。エスプレッソ、エアロプレス、コールドブリューなどから好きな抽出方法を選べる。
マークト
2021年7月31にオープン後、瞬く間に口コミで話題となったグローサリーショップ&カフェ、マークト(Marked)。店頭には自家製のパンや出来たてのアイスクリーム、グローサリーが並び、併設のカフェでは、作り手の誠意や工夫を感じる厳選食材を使用したメニューを味わうことができる。
カフェで一息つくなら、『サンドイッチ&サラダデリプレート』がおすすめ。ラタトゥイユ、ハーブアンチョビポテトをはじめとするデリに加え、サンドイッチは5種から選べる。パンは有名店、パーラー江古田が監修。野菜は無農薬、肥料不使用の北海道佐々木ファームのものを使用するなど、随所にこだわりが感じられる食事を楽しめるだろう。
※2022年3月下旬まで、リニューアル工事のため店内カフェの営業を休止。
江戸蕎麦 ほそ川
細い路地を入った民家の一角にひっそりと佇む、和風で洗練された雰囲気の蕎麦屋。ミシュラン一つ星に輝いた、店主こだわりの手打ちそばが楽しめる。
人気の一品は『せいろ』。香りとコシが強い十割そばが、そば好きたちから人気を博している。
ちゃんこ巴潟
力士が食べる料理として親しまれている「ちゃんこ」。両国には様々なちゃんこ屋が軒を並べているが、それぞれの相撲部屋によって味や作り方が違うように、店によって異なる味が楽しめる。
ちゃんこ巴潟は、昭和の名力士として知られる巴潟が引退後に友綱部屋の跡地に開店させたちゃんこ屋で、絶妙な甘さの醤油味の『太刀山』、いわしのつみれ入りの塩味『国見山』、魚介類をポン酢で食べる『矢筈山』、味噌味の寄せ鍋風『巴潟』と、4種類のちゃんこが味わえる。
また、ちゃんこは鍋のイメージが強いが、もともとは力士が作る料理全般のことを指しているそうだ。
ぎょうざ会館 磐梯山
飲食店が立ち並ぶ横綱通りにある老舗餃子屋。店名に「ぎょうざ会館」とあるように、皮はもちもち、具だくさんの餃子を50年以上ストイックに提供している。大食いチャレンジも行っており、男性1時間100個、女性30分50個を完食すると無料になる。
餃子はもちろんだが、一緒に味わってほしいのは、『磐梯ラーメン』。醤油と味噌を合わせたスープに野菜がたっぷりの磐梯山オリジナルメニューだ。
ももんじや
店の前に吊り下がったたイノシシが目印の1718年創業の猪肉料理専門店。江戸時代は四足歩行動物の肉食が避けられていたため、当時は薬屋として営業していた。
定番の『猪鍋』は、八丁みそと桜みそに独自のたれを配合した下町らしく濃いめの割下がきいており、程よい固さの猪肉は脂身まで美味。この『猪鍋』に『鹿刺身』『熊汁』『鹿竜田揚げ』などが味わえる『野獣肉コース』でジビエの歴史を堪能しよう。
回向院
オフィスや劇場の入る両国シティコアのそばにある寺院。「振袖火事」の名で知られる明暦の大火があった、1657年に開かれた浄土宗の寺院で、この災害により亡くなられた人々の冥福に祈りをささげるために建てられた。また、旧両国国技館が建設されるまで78年もの間境内で、寺の管理に要する費用を捻出するための勧進相撲が行われていた。
旧安田庭園
両国国技館のとなりにある庭園。常陸国笠間藩初代藩主、本庄宗資の下屋敷として建てられたのがはじまりとされる。隅田川の水を取り入れ、干満により変化する庭園の眺めを鑑賞する、世界でも珍しい汐入回遊庭園として知られている。現在は隅田川と直接つながってはいないが、ポンプによる水量の制御によって干満が再現され、かつてと変わらない景観を楽しむことが出来る。
ギャラリーモモ
2008年にオープンした現代美術を扱うギャラリー。時代性を反映した、ユニークな個性を放つ若手アーティストを、無名有名問わずに紹介している。六本木にもギャラリーがあり、より多くの作家やキュレーターの発表の場となるプロジェクトスペースを目指している。
アイココギャラリー
東京の古き良き下町、両国の森下エリアにある現代アートギャラリー。マンションの一室にあり、作家の年齢、国籍、ジャンルを問わず、ユニークな感性の光るアーティストを紹介している。これまでに展覧会を行ったアーティストは西島大介、和田昌宏、太田祐司など。コンセプチュアルな展示やイベントを開催し、一部の現代アートファンの間で話題を集めている。なお、営業時間、定休日は会期ごとに変動があり、閲覧は予約制となっている。
両国門天ホール
1989年の開館以来、「伝統と現代」という2極を行き来しながら、様々な音楽やパフォーマンスを意欲的に紹介し上演してきた門仲天井ホール。2013年より両国に場所を移し、新たなアートスペースとして生まれ変わった。常に実験的なイベントが開催され、新たな文化を生み出している。
メリコティ 両国北斎通り本店
北斎通りにある、ルームシューズにぴったりな布草履の専門店。店を覗けば色とりどりでポップなデザインの草履に目を奪われるだろう。もともと墨田区の産業であるメリヤス素材を使った、ふかふかとした草履は職人が手作りで編み上げた一点物だ。富士山をイメージしたものや赤い花のコサージュが可愛らしい、ポップなデザインは海外からの注目も高く、土産にも喜ばれている。また、定期的に布草履を作成するワークショップが開催されている。
麦酒倶楽部 POPEYE
東京のクラフトビールファンのための店として、長い間一目を置かれてきたポパイだが、もともとは洋風居酒屋としてオープン。クラフトビール専門店へと変貌を遂げるには時間がかかったが、その変身っぷりはお見事である。今では常時70種類ものクラフトビールをドラフトで揃え、いずれも完璧な状態で管理されている。そして、そのほとんどのビールが日本の醸造所で作られたものである。
両国湯屋 江戸遊
両国にある温浴施設。館内はいつ訪れても清潔に保たれており、広々とした浴室には北斎のタイル画が施されるなど江戸を意識した落ち着いた雰囲気が魅力だ。
湯は、桧湯、人工温泉、気泡湯、水風呂があり、サウナは本格フィンランド式ドライサウナを含む3種類。また岩盤浴の料金も入館料に含まれている。プライバシーが重視された休憩室のほか、食事処「北斎」では江戸名物の二八蕎麦や自家製の甘味などが堪能できる。
年間約5,000万人もの旅行客が訪れる、人気観光地の浅草。19時を過ぎれば、商店街にはシャッターが下り、観光客もまばらになりガランとした雰囲気が漂い始める。特集では、夕方から深夜の散歩にぴったりなスポットを紹介。美しくライトアップされた浅草寺を横目に、探検に出かけよう。
東京には、創業100年を超えるような名店がたくさんある。店構えや料理の味は創業当時からほとんど変わることなく、多くの老舗は一つの料理に特化して何年もかけて完璧なものに磨き上げてきた。
その看板料理があるからこそ、東京の食通に名を連ね、常連客は通い続けることができるのである。ここでは、厳選した8つの老舗を紹介する。
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