Sarashina Horii
Photo: Keisuke TanigawaSarashina Horii
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、訪れるべき老舗レストラン8選

寿司やおでん、親子丼など、伝統の味を堪能する

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東京には、創業100年を超えるような名店がたくさんある。店構えや料理の味は創業当時からほとんど変わることなく、多くの老舗は一つの料理に特化して何年もかけて完璧なものに磨き上げてきた。

その看板料理があるからこそ、東京の食通に名を連ね、常連客は通い続けることができるのである。ここでは、厳選した8つの老舗を紹介する。

  • 元麻布

寛政元(1789)に創業し、麻布十番に本店を構える老舗そば屋。明治時代には皇后や宮家などにも出前を届けていたという、歴史ある人気店だ。そばが一般に食べられるようになった江戸時代初期は、そば殻や甘皮が多く混ざっていたため、黒いそばが主流だった。生地に弾力がなく、舌触りも粗かったそうだ。

同店では、そば本来の味を楽しめる殻ごと引き込んだ手びきの粉を混ぜた色の濃いそばのほか、そばの実の芯の部分だけを用いて打つ真っ白なそばを用意。太めの麺や季節によってユズ、ヨモギ、カボチャなどの風味を生地に練り込んだそばも提供する。

シンプルな『もり』(870円から)を注文したいところだが、『鴨せいろ』(2,040円)、『納豆そば』(1,540円)もおすすめだ。『鴨南蛮』(2,040円)や定番の『天ぷらそば』(1,990円から)など、温かいそばメニューも充実している。

  • 日本橋

1879(明治12)年から日本橋で寿司を提供する吉野鮨本店。トロ発祥の店として知られ、客もその質の高さを絶賛している。看板メニューのトロ寿司は、口の中でとろけるような滑らかさが特徴だ。

同店は、赤酢と塩でシャリの味を引き立てる伝統的な製法で毎朝届く新鮮なネタを握っている。タコ、イカ、アナゴ、コハダ、シャコなどがあるが、中でも卵の薄焼きを乗せた『玉子焼き』はいちおし。ランチタイムは7貫で1,820円だが、トロが1貫付く2,420円のセットにアップグレードするのがおすすめだ。

もっと食べたいのなら、握り11貫と巻き寿司3貫が含まれる3,520円のセットを注文しよう。また『とろにぎり』だと、5,500円で大トロの寿司が6貫食べられる。

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  • 新橋
  • 価格 3/4

新橋駅前にある1909年創業の老舗鳥割烹。三島由紀夫が最後の晩餐(ばんさん)として選んだ店としても知られている。

ランチタイムの親子丼『かま定食』は、ひき肉を使用しているのが特徴的。奥久滋軍鶏と東京軍鶏、地養鶏、アイガモをブレンドしたひき肉は甘くしっとりと味付けられ、懐かしい味わいだ。卵とミツバとともにふんわりとまとめられている。

  • 江東区
  • 価格 2/4

1924年(大正14年)創業の山利喜に足を踏み入れると、何時間も煮た牛の煮込みの濃厚な香りがすぐに漂ってくる。この『煮込み』が名物である下町の老舗居酒屋では、全3階の各階(と階段)まで山利喜ならではの香りが続く。

こだわりの看板メニューのほかに、しょうゆか塩で味わう『やきとん』、刺し身、豆腐、漬物といった典型的な居酒屋メニューもある。 唐辛子を漬けた液体が入った大きな瓶が各席においてあるが、これは料理にアクセントをつけるために自由にかけて使用するもの。よく味わうと、ウオッカベースであることに気がつくだろう。このオリジナル調味料はなかなかパンチがあるので要注意だ。支払いは現金のみ。

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  • 日本料理
  • 九段下

江戸前寿司を味わえる1861年創業の老舗日本橋ですし屋台からスタートし、2代目は歌舞伎小屋で営業、関東大震災で店が焼けてしまったのを機に、現在の九段下に店を構えた。

カウンター7席とテーブル席3卓のこぢんまりとした1階は、必要最低限のものだけが置かれ、清潔感が漂う。シャリには、茶色がかった色と独特の風味が特徴の赤酢を使用。その小ぶりなシャリに旬のネタが乗った寿司は絶品だ。

  • 銀座
  • 価格 2/4

銀座ガス灯通りにひっそりとたたずむ1895年、創業の老舗洋食レストラン。現在の洋食文化の元祖といわれる店だ。もともとは西洋料理の店としてスタートしたが、日本人の好みに合わせて試行錯誤していくうちに、とんかつやオムライスなどの人気メニューを生み出していった。

『元祖ポークカツレツ』は、牛肉を使用したフレンチのカツレツを、日本人になじみのあった豚に代え、天ぷらに着想を得て、たっぷりの油で揚げるようにアレンジ。とんかつには欠かせない千切りキャベツも、もともとは日露戦争時に人手不足から手間を省くために生まれたという。レトロな店内で歴史に思いをはせながら味わえば、見知ったメニューも新鮮に感じられるだろう。

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  • カクテルバー
  • 浅草
  • 価格 1/4

1880年に創業した、東京最古の西洋スタイルの神谷バー。明る過ぎる照明の下につるつるしたテーブルが並ぶ内装を目当てに足を運ぶ人は少ないだろうが、たばこの香りが漂うにぎやかな雰囲気は、労働者たちに愛された往時の浅草の空気を想像させる。

ここでは、電気が珍しかった明治時代に生まれたオリジナルカクテル『電気ブラン』を試してほしい。ブランデーにジン、ワインキュラソーと薬草をブレンドしており、100年という時間の重みを感じさせるような味わいが特徴だ。

  • 日本料理
  • 新橋

新橋駅烏森口近くに店を構える、1932年創業のおでん店。濃い色味のだしはカツオの風味が強く、しっかりと濃いめの味が特徴的な関東風のおでんを楽しめる。

持ち帰りのおでんは店オリジナルの赤い缶に入れられ、手土産にもぴったり。こちらもまた、新橋お多幸の名物の一つだ。場所柄、店内はおでんや酒肴(しゅこう)とともに酒を酌み交わすサラリーマン客が多い。

レトロな雰囲気を満喫する......

肌寒さが増してくると、おでんを思い浮かべる人も多いだろう。今や、コンビニエンスストアでも通年扱う店舗が出てくるなど、国民的ソウルフードだ。湯気のたちのぼるアツアツのおでんに、からしをつけて頬張れば、腹の中からぽかぽか温まる。そこに燗酒(かんざけ)の一本でもあれば言うことなし。

ここでは、気楽な立ち飲みおでんから、下町の老舗、持ち帰りのみの名店まで、東京都内の人気おでん専門店を紹介する。

新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年6月飲食店に対する路上占有が一部緩和された。その流れを受け、飲食店のテラスが私道や路上へ広がる取り組みが全国で増えている。

だが、こうした状況になる前から店前にビールケースや縁台を広げ、オープンエアを満喫できる店は町の片隅に存在していた。そんな元祖ストリートテラスとでも表現すべきオープンな席で味わう料理や酒は、店敷地内にカッチリと構えたテラス席とはまた違う開放感を与えてくれる。個店だけではなく、一帯が「はみ出しオープンテラス」と化している横丁エリアと併せて紹介しよう。

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