restaurant douillet のおにかい(仮)
Photo: Keisuke Tanigawarestaurant douillet のおにかい(仮)
Photo: Keisuke Tanigawa

西荻窪でしかできない22のこと

個性が光る個人経営店がひしめき、人とのつながりが濃い街

寄稿:: IKURA IMAGAWA
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タイムアウト東京  Things To Do > 西荻窪でしかできない22のこと

吉祥寺の隣にある街、西荻窪。個人経営の店が多いため、人と人とのつながりをダイレクトに感じられるだけでなく、ゆったりと流れる時間が、人に合わせる必要はないと物語っており、良い意味で都会らしくない街である。

古民家をリノベーションした店舗が多く、生活の彩りがにじみ出ているなど、この街は「西荻窪」という個性をしっかりと持っている。そして、その個性があることによって、ディープな店や面白い店がとても多いのだ。ここでは、一度食べたら忘れられない水餃子から新たな試みに挑むレコード店や、トキメキがたっぷり詰まったショップ、時代を飛び越えられるような喫茶店、ひっそりと地元に愛される隠れた和食とラーメンの店まで、ぜひ足を運びたい22のヴェニューを紹介する。

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まずは腹ごしらえする

  • 西荻窪

裕庵

「裕庵」は、西荻窪駅から北銀座通りを6分ほど歩いたところにある日本料理店だ。新橋の和食料理店をはじめ、複数の飲食店で修行を重ねた店主・山口裕之が腕を振るう。

しかし、同店の隠れた人気メニューは、和のエッセンスが盛り込まれたラーメンだ。中でもおすすめは「醤油ラーメン」。コンブと鰹節でとっただしに鶏ガラのスープ、長崎県産の深みのある醤油を合わせている。

透明感がありながらも幾層にも味の重なりを感じるスープが、細麺によく絡む。トッピングは自家製のチャーシューとメンマ、細ネギにのりとベーシックな顔ぶれ。低温でじっくり仕上げたチャーシューはブラックペッパーがよくきいており、パストラミポークのようにしっとりとしているのが特徴だ。鶏油と葱油が店内の照明をキラリと反射させる様は、凛とした佇まいすら感じさせる。

ほかにも、コンブの風味を生かした塩、ペースト状にした野菜と複数の味噌をブレンドした味噌ラーメンなど、どれも味は文句なしだ。

駅から距離はあるが、わざわざ訪れる価値のある隠れた名店である。

  • 日本料理
  • 西荻窪

ごはんや湯気

「映えないけど美味しいもの」を中心にほっと一息つける和食を作る、ごはんや湯気。不動前や西日暮里の間借り営業を経て、西荻窪に実店舗をオープンした。和食の板前として腕を磨いた二人の女性が手がけており、体に優しくておいしい食事を提供する。

肉、魚から選べるメイン料理と、「じゃこ山椒」「うめ干し」「明太子」「ほぐし鮭」などから選べる「ごはんのお供」など、丁寧に作られた定食をぜひ味わってほしい。ビールや焼酎、プラム酒など、アルコール類も置いている。

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  • インド料理
  • 西荻窪
  • 価格 1/4

カフェオーケストラ

カレー店がひしめく西荻窪でも人気のカレー屋。骨つきの鶏肉を使用した「チキンカリー」や、鶏挽き肉とグリーンピースの「キーママタル」など、インドカレーをベースとしたカレーがいくつか用意されているが、なかでも一押しなのが、ほうれん草と鶏肉の「サグチキン」だ。

黄色のライスに深緑色のルー、そしてミニトマトがちょこんと乗せられたとても可愛らしい見た目の「サグチキン」は、辛いものが苦手な人でも美味しく食べられるとてもマイルドな一品。しかし、ほうれん草の甘さのなかにもしっかりとスパイスを感じることもでき、とても奥深い味わいだ。

また、ルーには骨つきの鶏肉がゴロッと2本入っているのでボリューム感にも大満足である。インドカレーをベースとしつつも、徹底的にカレーを追及するあまり結局はオリジナルになったというカレーは、いずれも店主の情熱が感じられる、ここでしか楽しめない一皿だ。

  • ショッピング
  • ベイカリー・パン屋
  • 西荻窪

えんツコ堂 製パン

西荻散策に備えて、まずはえんツコ堂のパンでサクッと腹ごしらえをするのも良い。夫婦で営んでいる同店は、フクロウの看板が出迎えてくれる可愛らしいベーカリー。

「ぶどうパン」や「シナモンロール」、「バゲット」「玄米食パン」など、店内には北海道小麦100%の様々なパンが並んでいるが、なかでも一押しなのがハリネズミの姿をした「西荻ハリーくん」だ。生地のなかに包まれているベルギーチョコチップが決して甘すぎず、見た目とは裏腹に意外と大人味の一品。あまりにも愛らしいそのルックスに食べるのをためらってしまうが、一度味わったらきっと虜になってしまうことだろう。

また、店内にはソムリエの資格を持つ店主おすすめのワインも並んでいるので、ぜひパンとあわせてチェックしてみてほしい。なお、同店はパンが売り切れ次第クローズ。土曜日、日曜日は15時から16時ごろに売り切れてしまうこともあるので、足を運ぶ際は注意してほしい。

ショッピングもかかさない

  • ショッピング
  • 西荻窪

ポキプシー

アンティークショップやカフェが並ぶ骨董通りの北側に位置する「ポキプシー」は、オリエンタルな雰囲気のアパレルショップ。商品は店主がインドやウズベキスタンなど世界中からセレクトした生地を使い、製作したものだ。

2016年から「ポキプシー」名義で自主制作の商品を販売。2023年7月には待望の実店舗をオープンした。定番の商品は、カラフルな生地とビビッドな糸との組み合わせが特徴的な「シルク刺し子パンツ」。10種類以上のバリエーションの中からお気に入りの一本を選びたい。

生地は、店主の直感で気に入ったものを選ぶそうだが、最近ではインドの工場にオーダーしたオリジナルの生地を使用することも。これからはアジアに限らず、ヨーロッパなどの生地や、小物の製作にもチャレンジしたいという。

世界中を旅するように、ポキプシーの衣服をまとってみよう。

  • 音楽
  • 西荻窪

シェア音楽棚tent

「シェア音楽棚テント(tent)」は、シェアスペース型のレコード店だ。月額3,900円(税込み)で32センチメートル四方の棚をレンタルし、誰でも自由にレコードやCDを販売できる。

売り手は棚主と呼ばれ、個人が買いためたレコードを出品したり、ミュージシャンが自主制作盤を販売したりするケースが多いが、中には11歳の少年やカレー屋のオーナーなど50件以上の出店がある。

2022年9月にオープンした同店。店主の明澤夕子は音楽好きが集まる飲食店を経営していたが、コロナ禍をきっかけに転身。一棚書店が話題になっていたことから、音楽とシェア型ビジネスの組み合わせを思いついたのだそうだ。

値付けから商品紹介のタグ制作まで全て棚主が行うため、当人の個性や趣向が凝縮されるのはもちろん、思い出までもが棚の中にあふれている。

店内には利用者が自由に書き込めるノートが置かれ、棚主からの新商品の入荷連絡や、客からのリクエストが書き込まれる。

趣味の合う棚主と買い手が友人になったり、棚主同士がイベントを開催するきっかけになったりと、単に音源を販売するだけでなく、音楽を通じた人と人とのつながりを生み出す点に、このレコード店の真の価値があるのかもしれない。

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  • ショッピング
  • 西荻窪

cikolata

とにかくかわいいものが大好きな人、特別なギフトを見つけたい人に一押しなのがチコラータだ。店内には、オーナー自身が手がける洋服やぬいぐるみ、アクセサリーを中心に、国内外問わず彼女が本当に良いと思った商品だけが展開されている。

店のどこを切り取っても心が弾むようなアイテムばかりが並んでいるが、店に入ってすぐのところに展開されているアクセサリーコーナーは特に必見。ポップさと愛らしさ、そして若干のシュールさをあわせ持った秀逸なデザインのアクセサリーたちが並んでおり、スタイリングのアクセントとして活躍してくれるであろうアイテムを手に入れることができるはずだ。

ずっと大切に身につけていたくなるような相棒に出合うべく、ぜひ足を運んでみてほしい。

  • ショッピング
  • ヴィンテージショップ・古物商
  • 西荻窪

なんでもリサイクルショップ ジェット

西荻窪駅北口に伸びる商店街に店を構えるジェットは、開店時間が21時という風変わりなリサイクルショップだ。しかし、ここをただのリサイクルショップだと思って足を運んだ人は、きっとすぐに度肝を抜かれることになるだろう。

そう、ここはリサイクルショップという親しみやすい名を持ちつつも、質の良い年代物のアイテムをバラエティ豊かに取り揃えるビンテージアイテムの宝庫なのだ。人がすれ違うのも難しいほどに狭い店内には、ビンテージのバッグやアクセサリー、洋服、食器、雑貨など、ほかではなかなか目にかかれないようなアイテムがぎっしりと並んでいる。

同店では、そんなアイテムを良心的な価格で販売しているので、一般客はもちろん、商品を買い付けるためにやってくる人も多いそうだ。店に並んでいるものは、ほとんどが1点物、かつ独り占めしたくなるようなものばかりなので、友人との関係を壊さないためにも、ここへは1人で足を運ぶのがおすすめだ。

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  • アート
  • 西荻窪

FALL

作家作品をこよなく愛する人であれば、ぜひFallを訪ねてみてほしい。作家による雑貨や器をはじめ、海外から仕入れたビンテージアイテムや西荻窪在住アーティストの作品などを取り扱っているギャラリー兼ショップだ。

このほか、週替わりの自主展示も同店の名物だ。展示される作品は、陶芸、木工、刺繍、ガラス、イラスト、小説、短歌、写真、音楽、染色、うるし、オブジェ、アクセサリーなど幅広いジャンル・界わいの作家へ意図的に依頼することにより、同店が持つカテゴライズさせない「雑貨感」を強固にしつつも、新鮮さが常に感じられるのである。

扱う商品にしても、展示にしても、決して西荻窪のなかだけに留まっていないが、物を作る人が多く住む街にある店だからこその繋がりや顔ぶれも感じられる、とても魅力的な空間だ。

新たな体験をする

  • Things to do
  • 西荻窪

西荻のことビル(ことビル)

神明通りを4分程度歩いたところにある複合ビル。個人商店が撤退し「西荻らしさ」が失われつつある現状に危機感を覚えた有志が立ち上げた日替わりカフェの「西荻のことカフェ(ことカフェ)」と多目的スペース「西荻シネマ準備室」などが入居している。

1階のことカフェは、SNSで話題の実店舗を持たない喫茶店「閃光」や荻窪の焙煎所「メリバ珈琲」など人気店が日替わりで出店している。

2階の多目的スペース「西荻シネマ準備室」は、年に数回スタッフが厳選した映画の上映会が開かれる。同階にはアメリカンテキスタイルを中心に取り扱う手芸店「ブルードゥニーム」もある。​かつて同ビルで営業していた布店「カントリーキルトマーケット」のスタッフが再集結した​店で、かわいらしい生地や素材、布小物が小さな店内にギュッと詰まっている。

​​カフェを日替わりにすることで、個人でも参入できるようにしたり、「西荻に映画館があれば良いのに」という住民の声に応えるかたちでシネマ準備室を立ち上げたりと、一貫して住民が主体的に参加することをコンセプトとしている。「ことビルでの活動を通じて、西荻らしさは自分たちの力で作っていけるんだと、住民の方々に気づいてもらえるきっかけになれば」とメンバーの福田倫和は語る。

  • アート
  • 西荻窪

みずのそら

西荻窪駅北へ、善福寺川を越えて5分ほどのところ。住宅街にひっそりと佇む一軒家を使用したギャラリー。みずのそらという名前の通り、まさにここは水を囲むギャラリーで、庭に設けられている底の浅いプールのような、薄く水が張られたスペースは、同ギャラリーの象徴ともいえよう。

また、ここでは「やりたいことをやる」ということをモットーにしているそうで、企画の展示方法もまたユニークだ。この一軒家が現オーナーの曽祖父の家だということを強みに、展示スペースは壁中に穴をあけ、内容に合わせて棚の位置を変えてみたり、床に穴をあけて、その穴に刺した竿のようなものを展示場所として利用してみたりと、場所を自由に使って、自由な発想で作品を展示しているのである。

何にもとらわれず、心のままに作品が展示されている様子を見ると、我々もなんだか東京を離れ、地方の芸術祭で作品を見ているときのような開放的な感覚に浸ることができる。

ギャラリー内には、カフェスペースや作家作品を販売しているスペースなども設けられているので、都会の騒々しさや忙しさから離れた空間で、ゆったりとアート作品に触れてみてほしい。

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  • ヘルス&ビューティー
  • 西荻窪

ルーフトップ

本格派のフィンランド式ペントハウス型サウナに加え、広々とした屋上で水風呂と外気浴が堪能できる西荻窪のルーフトップは「サウナー」なら押さえておきたいスポットだ。最大50人が入れる都内最大級の広さを誇る巨大なサウナ室で、温度、湿度共にヘビーサウナーが求める環境を追求した。

サウナから水風呂、外気浴へと流れる「ととのう」体験をスムーズに実現するため、サウナ室と洗い場のすぐ横にある開放的な屋上スペースにはパーソナルな水風呂を設置。ほかではなかなか体験できない新しい水風呂体験を提供している。外気浴スペースには、フラットになるリクライニングチェアを含めた椅子が複数並び、ゆったりとくつろげる。

同施設の3階フロアには、同エリアには珍しいコワーキングカフェ「ライフワーク(LifeWork)」もある。

一息つく

  • カフェ・喫茶店
  • 西荻窪

喫茶coniwa

2023年8月に、アーケード商店街にオープンした「喫茶コニワ(coniwa)」は、レトロなビルの雰囲気が独特の魅力をたたえる「ニュートロ喫茶」だ。元は時計店だったという店舗を改装しており、2階まで吹き抜けになった空間が特徴的。ロフトのような2階も趣がある。

元の内装に寄り添うように設置された赤い椅子などアンティーク調の家具がマッチしており、一歩中に入ると少し時の流れがゆるやかになったように感じる。

実はここ、吉祥寺の人気カフェ「コマグラカフェ」と恵比寿「フロムトップ」の姉妹店。食事やドリンクのラインアップは流動的だが、2店舗の名物メニューである季節の果実が乗ったプリンや「黒いチーズケーキ」なども味わえる。季節限定のスイーツも並んでおり、秋から冬にかけては「まるごとリンゴのコンポートのデザート(1,100円)」がおすすめ。リンゴ自体の酸味と甘さと付け合わせのさっぱり感のあるミルクアイスのバランスが絶妙だ。

陶芸家の小山乃文彦作の器もまた雰囲気があって良い。和紅茶と併せて楽しめば、より季節感を感じられるだろう。

  • コーヒーショップ・喫茶店
  • 西荻窪
  • 価格 1/4

物豆奇

西荻窪駅北口を出て、大通り沿いを左側に5分ほど歩いたところにある創業1975年の喫茶店。国立にあった邪宗門という一風変わった喫茶店をモチーフとしたという同店は、壁中に掛け時計がぎっしりと掛けられており、まるで別世界に迷い込んだかのような空間だ。

また、この雰囲気はオープン当初からほとんど変えていないといい、久しぶりに来店した客からは「西荻窪は随分と変わったけど、ここは変わらないね」なんて言葉もよくかけられるそうだ。

コーヒーが飲めない人も、ここでは背伸びをしてコーヒーを注文してみよう。コーヒー片手にノスタルジックなこの空間に浸れば、便利すぎなかったからこそ時間の流れ方も、人との繋がりも贅沢であったあの時代にタイムスリップできるかもしれない。

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  • ティールーム
  • 西荻窪
  • 価格 1/4

西荻イトチ

西荻イトチは、イギリスで飲んだミルクティーのあまりの美味しさに一瞬にして紅茶に魅せられてしまった店主が営む紅茶とこけしの店だ。

だいぶ型破りな組み合わせだが、なぜ郷土玩具も店に置いているのかというと、玩具の職人に出会い、その仕事ぶりに感動したことをきっかけに、日本が誇る郷土玩具の魅力をもっと多くの人に伝えていきたいと思ったからだという。

こけしやダルマたちに見守られた店内では、ミルクティーやアールグレイ、オレンジクローブティーといった定番ものの紅茶や、国産紅茶、スコーンなどの焼き菓子を楽しむことができる。

平日であれば比較的ゆっくりできるので、静かなひとときを過ごしたい人にもおすすめだ。また、入ってすぐのところに並んでいる全国から集められた郷土玩具たちは、すべて購入することが可能。もし、お気に入りの子に出会えたならば、そのまま家に連れて帰ってみるのも良いだろう。

なお、玩具は手汗くらいの水分でも色落ちをしてしまうことがあるそうなので、取り扱いには十分注意してほしい。

  • 西荻窪

サテン ジャパニーズティー

「三鷹の森ジブリ美術館」近くの「UNI STAND」で店主を務めていた「茶リスタ」の小山和裕と、「ブルーボトルコーヒー」の元バリスタ、藤岡響が手がける日本茶スタンド。シングルオリジンの茶葉を使った日本茶や抹茶、ほうじ茶、コーヒーなどを提供する。

店を構えたのは、この場所で約8年間営業していた「弾○(ダンボール)」という居酒屋の跡地。和素材を巧みに用いた店内は、スタイリッシュな空間となっているが、特に、手すき和紙を貼ったカウンターが最高にクールだ。アルコールメニューの提供もしている。

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  • ショッピング
  • 書店
  • 西荻窪

ブリューブックス

西荻窪の閑静な住宅街にたたずむ「ビールと書斎のある本屋」。ギャラリーをリノベーションしたれんが造りの同店は、1階が文芸、人文学、社会学、ZINEなどの本を扱う書店スペース、2階は書斎になっている。「おばあちゃんの家のような空間を目指した」という畳の書斎スペースは、イベントやリモートワークに活用できるほか、ビールを飲みながら購入した本などが読める。

まるで気心の知れた友人の部屋のようにくつろげるところが魅力だ。ドリンクは久我山にある「マウンテンリバーブリュワリー」などのクラフトビールを週替わりで3、4種ほど提供。間借り本屋のほか、トークイベント、句会、読書会なども随時展開しているので、詳しくは公式ホームページや公式SNSをチェックしてみよう。

夜を楽しむ

  • 西荻窪

restaurant douillet のおにかい(仮)

西荻窪エリアの人気イタリアン「チクロ(CICLO)」の姉妹店としてプレオープン中の台湾料理店。現在は、系列店のフレンチレストラン「ドゥイエ (douillet)」の2階で、常設店舗を探しながら仮名で営業している。

台湾にショートトリップしたかのような台湾料理とともに、ナチュラルワインと紹興酒をゆったりと楽しめる隠れ家的な酒場だ。

中でも、台湾式水餃子は一度食べたらやみつきになるだろう。皮は全て手作りでオリジナルの配合だ。皮とあんの黄金比を追及し、グラム数の調整も行っているという。厚手でもちもちつるつるとした食べ応えがたまらない。

水餃子の種類は「豚肉」「海老と黄韮」「発酵白菜と腐乳」の3つ。豚肉は粗びきにこだわり、ゴロゴロ感とジューシーさが楽しめる。

小皿料理も魅力的。ブリブリの食感の大きなキクラゲを丸1日水で戻して鰹節で和えた「きくらげの和え物」など、台湾ではよく食べられる定番・王道を中心に、常時10〜15種程用意する。店主の高野愛実は「新たな食べ合わせを発見してほしい」と語るように、驚きのベストマッチングが小さな皿の中にいくつも込められている。

多彩に取り揃えたナチュラルワイン、紹興酒も絶妙なバランスで調和するので、食事とともに堪能してほしい。

なお、10席ほどの小さな店なので、予約して訪れるのをおすすめする。

  • モロッコ料理
  • 西荻窪
  • 価格 2/4

tam tamu

西荻窪駅南口から徒歩10分ほどのところ、モロッコの国旗が目印のレストラン。ここでは、モロッコの家庭料理やチュニジア料理など、様々な北アフリカ料理を味わうことができる。

モロッコのお袋の味ともされる野菜と豆のスープ「ハリラスープ」や定番の「タジン」、「ラム肉のハンバーグ」など、興味深い数々のメニューについ目移りしてしまうが、ここでぜひおすすめしたいのが卵とスパイシーなマッシュポテトを春巻きの皮のような薄い皮で包んで揚げた「ブリック」だ。

「ブリック」は、薄皮のパリッとした食感にポテト、そしてまろやかな卵が絶妙なバランスの一品。ナイフを入れた瞬間、とろーりと卵が姿を現したならば、誰もが顔をほころばせることであろう。

フルーティーな風味で飲みやすいモロッコを代表するビール「カサブランカビール」とも相性抜群なので、ぜひあわせて楽しんでみてほしい。なお、席が空いていれば入れることもあるが、同店は基本的に予約制。訪れる際は、事前に予約をしてから足を運ぼう。

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  • カフェ・喫茶店
  • 西荻窪

JUHA

「ユハ(JUHA)」は、南口の商店街を抜け、アイスクリームショップぼぼりがある通りを3分ほど歩いたところにあるジャズ喫茶だ。

店名は、店主が大好きだというフィンランド映画「JUHA」から取られており、その映画の世界を表現したという店内は北欧調で温かみのある空間となっている。音楽に耳を傾けながらじっくりと考えごとをしたり、読書をするにもうってつけだが、そんな時間の相棒としてぜひチョイスしてほしいのが「マサコのあんこトースト」だ。使用している食材こそ違うものの、このトーストはかつて下北沢に店を構えていたジャズ喫茶「マサコ」で提供していたメニューを再現したものとなっている。

ここでは近所の人気ベーカリー「ぐーちょきパン屋」のパンを使用しているので、マサコファンはもちろん、ぐーちょきパン屋ファンも必見の一品だ。バターの良い香りが漂ってきたら、そろそろ目の前に運ばれてくる合図。ぜひ温かいうちに味わってほしい。

  • 焼き鳥
  • 西荻窪
  • 価格 1/4

やきとり戎 西荻窪南口店

西荻窪駅南口を出てすぐ、吉祥寺方面へ向かって延びる飲屋街にある「戎」は、この界隈にいくつもの店鋪を構える焼き鳥屋だ。昼間からもうもうと煙を立ち上らせ、道行く呑んべえたちを誘惑している。

もしも、そんな煙にとてつもなく惹かれてしまったのならば、心のままに軽く一杯やっていこう。100円を切る串に、リーズナブルな小皿など、いずれも財布に優しい価格なのが嬉しいところ。なかでも一押しなのが「いわしコロッケ」で、一口食べればイワシとジャガイモの抜群の相性にきっと驚かせられることだろう。

カップルから地元の老人まで、店は明るい時間帯から多くの人で賑わっているので、思い切ってその輪のなかに飛び込んでみよう。

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  • 西荻窪

をかしや

居酒屋、和菓子、フクロウと、色々なものがぎゅっと詰まっている不思議な店。「鴨の燻製」や「手作り水餃子」「酒盗クリームチーズ」など、酒飲みにはたまらないメニューが多く用意されているが、メニューボードを順に読み進めていくと「苺大福」に「季節の練切」、「みたらし団子」などといった和菓子メニューが。

そう、ここは10年ほど和菓子作りを仕事としてきた店主が営んでいる店のため、通常の居酒屋メニューに加え、作りたての和菓子も味わうことができるのだ。しかも、練切に関しては、技法などを説明しながら目の前で作り上げてくれるので、繊細な職人技を間近で、しかも居酒屋で見られるというのは、なかなか貴重な体験である。

和菓子に合う日本酒なども教えてくれるので、ときには日本酒と一緒に和菓子を味わってみるのも良いだろう。

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  • Things to do

浅草と浅草橋のほぼ中間にある蔵前は、かつては江戸幕府の御米蔵が並び、吉原や芝居小屋などに通い慣れた粋人が多く住んだ街。隅田川に平行する江戸通りを中心に玩具(がんぐ)や花火の問屋が並び、現在は昔ながらの職人や老舗メーカーに加え、多くの若手作家がアトリエとショップを構える。

特にここ数年は「丁寧に作られた質の良さ」や「人と人のコミュニケーション」などを重視する若手店主の面白い店も増えてきた。新しいコーヒー文化の息吹も気になるところ。東エリアでコーヒーと言えば、清澄白河を思い浮かべる人が多いだろうが、この街でも上質なエスプレッソとハンドドリップを味わえる場所が増えている。

そんな蔵前の今を感じさせる旬の店から、この地で長く愛されてきた老舗まで、散策にぴったりのショップを紹介する。

  • Things to do
夜の門前仲町ガイド
夜の門前仲町ガイド

夜の門前仲町は面白い。江戸時代からの情緒が残るこの下町は、富岡八幡宮や深川不動尊など寺社があることから、昼間は家族連れや観光客で賑わっている。一方、夜になれば、小道に並ぶ無数の居酒屋やバー、小料理屋に明かりが灯り、昼とは違う顔を見せる。良心的な価格で旨い酒や料理が味わえる店が多いことが特徴的で、酒やグルメ好きが集っている。特集では、夕方からのはしごに最適なスポットを紹介する。

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  • ナイトライフ

年間約5,000万人もの旅行客が訪れる、人気観光地の浅草。19時を過ぎれば、商店街にはシャッターが下り、観光客もまばらになりガランとした雰囲気が漂い始める。特集では、夕方から深夜の散歩にぴったりなスポットを紹介。美しくライトアップされた浅草寺を横目に、探検に出かけよう。

  • Things to do

国技館もあることから、相撲の街と呼ばれる両国。街中には相撲部屋が点在し、力士が行き交う光景が日常だ。江戸時代に歓楽街として栄えた名残もあり、1718年創業の猪肉料理専門店をはじめとする老舗料理店や、旧両国国技館が建設されるまで勧進相撲が行われていた回向院など歴史的な見どころも多い。2016年には、北斎美術館や両国江戸Norenなど街の魅力を伝える施設がオープンし、2020年の東京オリンピックには国技館がボクシング会場として使われる。本記事では、徐々に変化する両国の今を感じさせる旬の店から、この地で長く愛される老舗までを紹介する。

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