蕪屋
観光客でにぎわう花見小路から一筋入った場所にひっそりと立つ「蕪屋(かぶらや)」。いかにも京都、祇園らしい趣の家並みにある一軒を訪ね、のれんをくぐる気分は、格別だ。
店名に添えられた「おばんざい」という言葉のとおり、京都の家庭の日常的な惣菜を中心に提供する。しかしそんな料理だからこそ差が出る。新鮮な京野菜などの素材を 、老舗問屋から仕入れるコンブとカツオ節で毎日とるだしが下支えした、おばんざいの数々をぜひ味わってほしい。
京都の夏の食材といえばハモが挙げられるが、夏にはその「鱧(ハモ)しゃぶ」、春には桜の季節だけ桜色になる真鯛(マダイ)、桜鯛(サクラダイ)を使った「桜鯛しゃぶ」、冬には「鰤(ブリ)しゃぶ」が期間限定でメニューに上る。
席数は80。カジュアルな雰囲気で、カウンターに個室、ボックス席の半個室がある 。祇園で気取らず 、リーズナブルに創作料理を楽しめる格好の店だ。西隣には掘りごたつのカウンター6席のみで、料理長おまかせのコースを提供する、「はなれ」もある。