恵比寿駅西口から徒歩3分、地下にある肉バル。店名のカルネは肉、シオは塩のことを指している。その通り「旨(うま)い肉を、焼いて塩で」がコンセプトだ。150グラムあるボリュームたっぷりの牛タンや、和牛のハラミ、テール、ランプ、イチボ(ランプの隣の牛の臀部)など、各部位をシンプルに炭火焼きにしたグリルと、それに合うワインをボトル一律2,800円で提供。肉の炭火焼きはどれも絶品だ。肉の脂の食感だけに頼らない、あっさりした赤身肉独特のうまみを堪能できる。肉料理のほか、『鶏レバーのパテ』『トリッパのトマト煮込み』『マッシュポテトのオーブン焼き』など、ワインが進む前菜メニューもそろう。 ほどよくガヤガヤとにぎわう雰囲気も居心地良く、気の置けない肉好きの友人と来るには最高の店だ。コストパフォーマンス抜群のワインにおいしい肉と前菜がぴったりで、ついどんどん注文を入れてしまいがち。飲み過ぎ、食べ過ぎには注意を。地下ながら全席喫煙可能なのが唯一惜しい点だが、とにかく人気店なので早めに予約を押さえておきたい。18〜19時台はすぐ埋まってしまうが、20時以降は日が迫っていても予約が取れる場合もある。
タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、肉バル10選
テキスト:浅野陽子(フードライター)
日本人の肉食熱が加速している。2013年頃から一気に認知度が高まった熟成肉をはじめ、インスタ映えする肉料理を表す「フォトジェ肉(にく)」や、肉好き女子の総称「肉女(ニクージョ)」など肉関連の新語も次々と誕生。ここ数年、日本列島の肉フィーバーはなかなか収まらない。
飲食業界では、10年前にはなかった肉バルという新業態が出現した。肉バルとは、生ハムや自家製パテ、ホルモン煮込み、肉寿司、牛や豚のグリルなど、肉尽くしのつまみとともに酒を提供する居酒屋のこと。バルの本家、スペインにあるような洋風のバーはもちろん、日本古来の大衆的な飲み屋まで、スタイルはさまざまだ。
疲れた体にハイボールやワインを流し込み、うま味と脂身が凝縮した肉メニューにかぶりつくとなんとも爽快な気分になる。また肉で元気が出るためか、肉バルでは客が飲みながら愚痴を言い合うような、ネガティブな光景を目にすることがない。いつどの店を訪れても、明るくエネルギッシュな空気に満ちているのが肉バルの良さだ。
気の合う仲間と盛り上がるもよし、一人で存分に肉を堪能するもよし。いろいろな楽しみ方ができる、都内の繁盛店10店を紹介する。