楊國福
楊國福マーラータン(Photo: Kisa Toyoshima)
楊國福マーラータン(Photo: Kisa Toyoshima)

東京、ガチ中華のマーラータン6選

池袋、新大久保、西川口などの本格中華エリアの麻辣湯(マーラータン)を紹介

寄稿:: Asheng
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池袋、上野、西川口......。都内や近郊の「ガチ中華」が集まるエリアに必ず出店しているのが「麻辣湯(マーラータン)」の店だ。「麻」は花椒(ホアジャオ)などの痺れる辛さ、「辣」は唐辛子などのピリピリした辛さ、「湯」はスープという意味だ。この麻辣スープに自分好みの具材と麺を入れて食べる料理で、中国では牛丼のようなファーストフードとしての地位を築いている。

ここでは「ガチ中華ブーム」の立役者であるフードブロガーの阿生が、都内近郊のガチ中華エリアから、本場中国の麻辣湯を食べた気分を味わえる店など6店舗を紹介する。店によってスープの辛さや味も異なるので、ラーメン店を食べ歩くように、お気に入りの麻辣湯を見つけてみては。

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「マーラータン(麻辣湯)」とは

麻辣スープに、自分の好きな肉や野菜、麺を投入して食べる一人火鍋のような料理。多くの麻辣湯の店は、バイキング形式のように具材や麺を食べたい分だけ選べるので、自分好みにカスタマイズできるのが大きな特徴だ。

もともと四川省発祥だが、あまりに辛いため、四川省以外の人でも食べれるようにと、中国東北でほど良い辛さにアレンジされ、中国全土に広がっていった。日本でも数店舗展開している麻辣湯チェーンの「楊國福」や「張亮」は東北発祥のチェーン店である。

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花椒 シュガー& スパイス

麻辣湯の店がひしめく高田馬場で2022年にオープンした「花椒 シュガー& スパイス(SUGAR&SPICE)」。ほかの現地さながらの店とは異なり、おしゃれなカフェのような内観で、入りやすく居心地が良い。

麻辣湯は、薬膳スープとトッピング3品と春雨が「基本セット」(799円、以下全て税込み)。トッピングは1つ132円で追加できる。28種類のスパイスを組み合わせたスープは薬膳の味わいが特徴的。店主によれば本国でも薬膳麻辣湯は珍しく、「健康にも良い薬膳スープを日本人にも食べてほしい」と同店をオープンしたそうだ。

このほか、さらに激辛な一人火鍋の「冒菜(マオツァイ)」や「四川火鍋」もある。

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ラーユーチェンマ

新大久保の大通りから1本奥に入った通りにある「ラーユーチェンマ(辣遇見麻)」は、まるで中国のローカル食堂に来たかのような気分になれる店だ。麻辣湯は楊國福と同じくバイキングスタイルで100g300円から。麺は米粉ヌードルの米線か春雨を無料で選ベる。1,000円以上で「梅ジュース(酸梅湯)」などの中国ドリンクを1本サービスしてくれるのもうれしい。

ごまだれ入りのスープは、ねっとりとした辛さが特徴で、ツルツルとした食感の米線と相性抜群だ(苦手なら、ごまだれなしも注文可能)。

オーナーは重慶で料理の腕を磨いた人物で、重慶のソウルフードである「重慶小麺」やえんどう豆と肉味噌が乗った麺「豌雑小麺」、汁なし鍋の「麻辣香鍋」なども提供している。

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麻辣湯 應心

店舗の入れ替わりが激しい西川口で2014年から営業している「麻辣湯 應心(マーラータン オウシン)」は、中国・東北地方のハルビン出身の夫婦が営む麻辣湯の専門店だ。

スープと麺がセットで280円、具材はパック詰めされたビニール袋が1つ100円。棚に並んだ好きな具材を最低3つボウルに入れ、肉のみ別途口頭で注文するスタイルだ。

同店はハルビン出身のオーナーの店らしく適度なシビ辛のスープが心地良い。麺は黄色いトウモロコシ麺や刀削麺、春雨などから選べるが、モッチモチな食感が特徴の半透明な幅広春雨、寬粉(クワンフェン)をおすすめしたい。

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楊國福マーラータン 渋谷店

筆者いちおしの店が中国の麻辣湯チェーン店「楊國福(ヨウゴフク)」だ。本国では6000店舗以上を展開する超大手で、日本の牛丼チェーン店のような存在である。

2018年、池袋に日本1号店をオープンして以降、高田馬場、新大久保、上野など続々と店舗数を増やしている。豊富な具材をバイキングスタイルで選べるのが特徴で、料金は100g400円からと重量で決まる。

肉やつみれなど重めの具材を入れすぎると値段が跳ね上がってしまうので野菜を多めにするのが具材を選ぶときのコツ(1,000円以上で80gの麺をサービスしてくれる)。

花椒香る濃厚でコクのあるスープは、数日経つとまた食べたくなってしまうクセになる味わい。麻辣湯好きならぜひ訪れてみてほしい。

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火鍋 シンバセイ

「火鍋シンバセイ(眞巴石)」は四川火鍋専門店で、平日ランチ限定で麻辣湯を提供している。ノーマル版は650円、プレミアム版は850円というお手頃な価格が魅力だが、味はかなり本格的だ。

麻辣湯専門店では自分で具材を選ぶのが一般的だが、同店では店が選んだ具材を味わう。プレミアム版は羊肉、スパム、エビ、イカ、白菜、海老団子など豊富な具材が15種類ほど入っていて、見た目も豪華。少しずつ色々な具材を楽しみたい人にはうってつけだろう。

火鍋の素がベースになっているスープは濃い赤色で、辛味が強め。火鍋に近い味わいの麻辣湯である。

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チュアンチュアンシャン マーラータン

池袋北口の裏路地にひっそりとたたずむ「チュアンチュアンシャン マーラータン(串串香 麻辣湯)」は2014年開店と、池袋の中華料理店の中では息の長い一軒である。

ビニール袋に入った具材を選んでいくスタイルで、具材3種と春雨の基本セットが680円。これに1つ100円で好きな具材を追加できる。スープは花椒の痺れる辛さがきいていて、食べ終わる頃にはほんのりと汗ばむ。別添の「ごまだれ(芝麻醬)」をスープに入れると、辛さが緩和されてかなりマイルドな味わいになる。

中華風クレープの「煎餅果子」や中華風ハンバーガーの「肉夾饃」など、中国スタイルの軽食(小吃)もあるので、併せて楽しんでほしい。

ライタープロフィール

阿生(あしょん)

東京で中華食べる人

東京で中華を食べ歩く26歳会社員。大学在学中に上海の復旦大学へ1年間留学し、「ガチ中華」にハマる。現在はIT企業に勤める傍ら、都内を中心に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitterブログなどで情報を発信中。

東京の「ガチ中華」をもっと堪能したいなら……

都内ではここ数年、中国人をターゲットにした「ガチ中華」を提供する店が増えている。競争が激化しており、一風変わった地方の郷土料理や、中国国内の若者に人気のきらびやかな内装を再現するといった特徴がある店も増えてきた。

そんな中、1990年代から2000年代前半の中国の雰囲気を再現した、レトロな内装が目を引く中国スタイルのバーベキューを楽しめる店、九年食班が2022年1月に上野御徒町にオープンした。

ここ数年、東京を中心に中国人が現地の味をそのまま再現した中華料理を提供する店が急増している。筆者はそのような中華料理を、日本人向けにアレンジされた「町中華」に対して「ガチ中華」と呼んでいる。

花椒(ホアジャオ)や唐辛子などのスパイスをふんだんに使った本格的な四川料理、特に鍋の店は2019年から2021年の間で、知っているだけでも15店舗以上増えた。

そんなガチ中華出店ブームの流れに乗って、日本では珍しい四川料理の専門店、楽串が2021年7月に新小岩にオープンした。名物料理は「鉢鉢鶏(ボーボージー)」だ。

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下北沢のドンキホーテ向かいに2022年5月20日、国際的なチャイニーズグルメのシンヒローガモ(秦妃ROUGAMO)がひっそりと上陸した。

同店の看板メニューは、中国西安市生まれのパリパリ食感のハンバーガー「ローガモ(中国語では肉夾饃)」。ローガモは、中国陝西省​​西安市の名物料理で、焼いたバンズに煮込んだ肉(主に豚)を挟んだ料理のことだ。

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中国で絶大な人気を誇る中華肉まん専門店、包馔夜包子(パオセン イェーパオズ)。初の海外店舗となる日本1号店が2022年5月14日(土)、原宿にオープンする。同店は中国四川省で2020年に創業して、わずか2年で中国全土に300店舗を展開する中華肉まんの販売店である。

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