タカムラワイン&コーヒーロースターズ
Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

大阪、ロースタリーカフェ5選

豆・焙煎・抽出の黄金律を味わう

広告

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ >大阪、ロースタリーカフェ5選

コーヒーの味わいは豆にもよるが、同じ豆でも焙煎(ばいせん)によって大きく変化する。焙煎は奥が深く、浅いりで土地由来の豆のうまみを引き出すのを特徴とするなど、ロースタリーカフェは、コーヒー一杯に店の個性がにじみ出る。

ここでは、自家焙煎のコーヒーを提供する5店を厳選して紹介する。むろんコーヒー豆についても、中国・雲南省やミャンマーの自社農園の豆を利用したり、オークションで落札したトップランクの豆を仕入れたり、その探求は止むことがない。

豆、焙煎、抽出の掛け算の中から、それぞれの店がどのような解を導き出したのか、大阪のロースタリカフェで至高の一杯を味わってほしい。

関連記事
東京、ロースタリーカフェ13選

  • カフェ・喫茶店

Osaka Metro線肥後橋駅から西へ徒歩約10分。ここはワインショップと一体化したスペシャルティコーヒーの「神殿」だ。高い天井の下、661平方メートルのフロアに80席が並んでいる。

巨大な2台の焙煎機を自在に扱うのは、ヘッドロースターの岩崎裕也をはじめとする「コーヒーエリート」たち。この店には、ロースティングや抽出の全国大会で優勝や準優勝など輝かしい戦果を誇るスタッフが数多くいる。

店頭に並ぶ約30種類のスペシャルティコーヒーの大半は、世界各地のコーヒー品評会である「カップ・オブ・エクセレンス」のオークションに直接参戦し、自社でトップランクの豆を落札した名品だ。

さらに驚きは、「パナマ CCD-007ゲイシャ品種」など、100グラムの販売価格が3,000円を超える最高級豆さえも店内では450円(以下、全て税込み)からハンドドリップして売る寛大さである。「トップランクのコーヒーの素晴らしさと、幸せな味わいをより多くの人々に知ってほしい」という店の言葉からは異次元の情熱を感じる。そのありがたさに浴するために大阪へ向かい、この神殿を訪れる価値は十分にあるだろう。

  • カフェ・喫茶店

地下鉄心斎橋駅のすぐ西側、若者でにぎわう「アメリカ村」にある自家焙煎コーヒースタンド。2014年のオープン以降、心斎橋にスペシャルティコーヒーカルチャーを伝道してきた店の一つとして知られている。

提供するコーヒーは20種類以上。メニューには豆の産地や生産者だけでなく、味わいの特性までカラフルなイラストで表示されている。中南米・アフリカの主要産地だけなく、中国・雲南省産やミャンマーに所有する自社農園の豆など希少品もラインアップ。抽出にはハンドドリップ以外に、エアロプレスやアメリカンプレスも活用する。

「これだけ種類があると、戸惑うお客さまも多いので、とにかくお一人お一人に丁寧に味の好みを伺って、コーヒーの味わいを説明してから淹れることを大切にしています」と語るのは、ヘッドロースター兼ストアマネージャーの中村圭太。広くない店舗だが、その空間には「ジャパンホスピタリティー」が心地よく存在しているのを感じる。
 
そんな真摯(しんし)なスタイルは、「ニューヨーク・タイムズ」などでも大きく取り上げられてきた。訪れる人の半数が外国人という日も珍しくないという「世界的人気」は、今も日々高まり続けている。

広告
  • カフェ・喫茶店

地下鉄本町駅の近く、歴史ある繊維商が立ち並ぶエリアとして知られる久太郎町に、2020年7月にオープンしたロースタリーカフェ。周辺の昔ながらな問屋街の雰囲気とは対照的で、開放感のある空間がとても快適だ。店の奥で光り輝くプロバット社製焙煎機と向き合うオーナーロースターの青野啓資は、自身のコーヒーについてこう語る。

「うちのコーヒーは、普通の人が想像するコーヒーの真逆かも。苦くて黒い昔のスタイルではなく、浅いり主体で、豆が生まれた土地の風土を表現する焙煎です。酸味を酸っぱいと思わせず、心地よい口当たりと感じていただける仕上げもポイントですね」

店頭のスペシャルティコーヒーのラインアップはケニア産、コロンビア産などを主体とした5種類ほど。メニューカードには産地、豆の品種名のほか、味の特徴などが書いてあるので、参考にしてその日の一杯をセレクトしよう。

  • カフェ・喫茶店

難波の北西に位置するロースタリーカフェ。街の中心エリアだが、周辺にはミナミの雑然とした雰囲気はなく、リラックスしながらコーヒーブレイクできるのが魅力だ。

自家焙煎のコーヒーは浅いりや中深いり、ブレンドなど、幅広いスタイルを8種類ほどを常備(650円から)。オーナーロースターの長瀬圭介は「コーヒー豆は、焼き菓子と同じ。生でも、焦げてもダメ。一番おいしい、一瞬のローストのポイントを見極めるのが大切なんです」と、豆と向き合う信条を語る。

コーヒーと相性抜群であるスイーツのほか、「モーニングセット」(750円から)などのフードメニューや、コーヒー以外のドリンクメニューが充実しているのもうれしい。

店の周囲にはゲストハウスが点在し、外国人客も多いため英語対応も万全。一日中途切れることのないにぎわいは、地元の人から観光客までを魅了している何よりの証拠である。運良く空いていれば、店前のテラス席で、風を感じながらチルアウトするのもいいだろう。

広告
  • カフェ・喫茶店

重厚な石造りの証券会社ビルが多く残る北浜の一等地、土佐堀川沿いにあるカフェ。1912年に完成し、現在は大阪府登録文化財である木造家屋をリノベーションした複合施設「北浜長屋」内に入居している。店の奥の窓から見えるのは、川の流れと「中之島公園」の緑。テーブル席に着いた瞬間、日常は引き潮のように消える。

メニューの中心は、自家焙煎する4種類の「シングルオリジンスペシャルティコーヒー」(700円から)。全て「浅いりオンリー」なのが、店のスタイルだ。

コーヒー豆が本来持つ自然な風味、まろやかな甘み、みずみずしい酸味、きれいな口当たりをバランスよく引き出すことを第一に考え、焙煎、抽出することを心がけている同店。口に含むと、凛(りん)と美しい酸味の後にジューシーな甘みが広がり、「コーヒー豆はもともとフルーツである」ということを実感させてくれる。

コーヒーと一緒にオーダーしたいのが、「バナナ・パウンドケーキ 」(550円)、「リンツァートルテ」(600円)など、職人かたぎを感じさせる手作りスイーツ。窓の外に広がる「水の都」大阪の風景とともに味わえば、おいしさも倍増である。

大阪の食をもっと楽しむのなら……

  • ワインバー

日本はナチュラルワインの輸入大国といわれるほど、ナチュラルワインに親しんでいる。現在では若手を中心に、日本でもナチュラルワインを産するワイナリーが増えている。土地の個性を生かしているため、味わい深く、和食と相性がいいのも魅力だ。

ここでは、大阪の都市型ワイナリーをはじめ、絶品のペアリングが楽しめる店や日本産ナチュラルワインを知り尽くしたソムリエールがオーナーを務める店など、日本産のナチュラルワインにほれ込んだ大阪のワインバーやレストランを厳選して5店舗を紹介しよう。

  • ラーメン

大阪グルメといえば「粉もん」の名が上がる。麺類の代表格は「うどん」であり、人口あたりのラーメン店はけっして多くはない大阪だが、むろん行列のできる名店は存在する。

2022年にオープンした異色の経歴を持つオーナーが手がける店から、高井田系といわれる東大阪発祥のご当地ラーメンを提供する店まで厳選して4店を紹介する。粉もん文化の中で揉まれて育まれた大阪ラーメンをぜひ味わってほしい。

広告

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

スパイスカレーの聖地とも言われる大阪。4年連続でミシュランガイドに掲載されたレジェンドや、一部で「幻」と呼ばれているカレーなど、さまざまなタイプに分かれている。

食欲をかき立てられるスパイスの香りを思い切り吸い込み、見た目も美しいカレーたちに心をときめかせたい。食い倒れの街、大阪で、めくるめくカレー探しの旅に出よう。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告