ヤナケンブー 新大阪店
Photo: Kunihiro Fukumori
Photo: Kunihiro Fukumori

大阪、国産ナチュラルワインバー5選

進化する日本生まれの自然派ワインを楽しもう

広告

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ >大阪、国産ナチュラルワインバー5選

日本はナチュラルワインの輸入大国といわれるほど、ナチュラルワインに親しんでいる。現在では若手を中心に、日本でもナチュラルワインを産するワイナリーが増えている。土地の個性を生かしているため、味わい深く、和食と相性がいいのも魅力だ。

ここでは、大阪の都市型ワイナリーをはじめ、絶品のペアリングが楽しめる店や日本産ナチュラルワインを知り尽くしたソムリエールがオーナーを務める店など、日本産のナチュラルワインにほれ込んだ大阪のワインバーやレストランを厳選して5店舗を紹介しよう。

関連記事
ナチュラルワインバーの先駆け、フランス人店主が「アペロ」にかける思い

心斎橋駅から徒歩10分ほどの場所にある、ダイニングを併設したアーバンワイナリー。2階のダイニングフロアから見下ろせるのは、1階にあるワイン醸造所の巨大タンク。まさにその場で、発酵、熟成しているワインの息遣いを感じながら食事が楽しめる。

サーブされるグラスワインは、ヨーロッパ各国産も含め約15種類で、そのうち約3分の1が日本ワイン。もちろん、1階の醸造所で造られた自社ワインも欠かさずラインアップされる。自社ワインはボトルでの購入も可能だ。

「日本ワインは、ブドウ栽培が難しい気候の国でチャレンジを続ける生産者のガッツと心意気が伝わるのが魅力」と語るのは、ソムリエの河端浩史。この二つは、河端が選ぶ全てのワインから雄弁に伝わってくる。

写真の「大阪千両ナスのクロスティーニ、ヤギのフロマージュブランとイチジク」などの前菜、パスタ、メインまで充実のイタリアンのアラカルトメニューは、どれもが超一流トラットリアのレベルにある。ワインのみならず、料理にも大いに期待して、島之内に向かおう。

福島区の野田駅近くにあるワインバー。オーナーソムリエールの平口は、関西のワイン好きから絶大な信頼を得ており、店のファンの間では「この人が勧めるワインは間違いなくおいしい」「知ってるワインでも、この人に注いでもらうとおいしさ倍増」といった声が度々聞かれる。

ウォークインセラーに並ぶのは、約500本のワイン。アルザスやロワールの有名銘柄のほか、日本のナチュラルワインも80種ほどある。

「優しくて、しみじみした味わいが本当に魅力的。昔からの日本の家庭料理とも自然に寄り添うのがまたいい」と、平口の日本ワインの収集歴は10年以上。その言葉通り、メニューにはきんぴらごぼうや豚汁、だし巻き卵など、ホッとするような和の手料理も多彩に揃う。

全12席で、3人以上の入店は不可となっている。それは「もちろん楽しく飲んでいただきたいのですが、店が騒々しくなるのも良くないと思って」とのポリシーゆえ。平口は英語が堪能なので、海外からの友人などと訪れるのもおすすめだ。

広告

日本産ナチュラルワイン専門のバーダイニング。JR新大阪駅直結のビルに入居している。店内にあるガラス張りの大型セラーに並ぶワインは、約80種類。日によっては他店でプレミアム価格となる北海道・余市の「ドメーヌ タカヒコ」や函館の「農楽蔵」などが、1杯1,000円(税込み)ほどで楽しめる「サプライズ」にも遭遇できる。

見事なワインコレクションに加えて、もう一つの名物は、高知県・須崎漁港直送の鮮度の良いカツオ。「塩たたき」は2切れから、1切れごとにオーダーできる。ほかにも熊本産「火の本豚」や「土佐あかうし」など、ワイン同様に厳選された日本の良質な食材を使った料理が「居酒屋価格」で楽しめる。

西梅田にある、ナチュラルワインに合う料理をカジュアルに楽しめる店。収蔵しているワインは、併設するワインショップで売られているものも含めて約500種類。これらの全てがナチュラルワインで、うち約50種類が日本産だというから驚きだ。

店は2005年のオープン以来、ナチュラルワイン専門の酒販店として関西でよく知られてきた「小松屋」の直営店。だからこそ、山梨県の「98ワインズ」や「共栄堂」「ドメーヌ・オヤマダ(Domaine Oyamada)」といった、比較的入手困難のワイナリーの商品もセラーに並べられる。

「本当に毎年毎年、しっかりと品質の向上が感じられる。そのダイナミズムも、とてもエキサイティングです」と店のマネジャーが、日本産ナチュラルワインの魅力を教えてくれた。

「普段の日常生活の風景にワインを取り込んでほしいから」という思いから、前菜からメインディッシュまで、上質な食材を使ったおいしいアラカルト料理が「食堂的」な良心的な価格で楽しめるのもうれしい。

広告

久太郎町にあるカフェレストラン。昼間は焼き菓子をメインに提供するカフェ、夕方からはアラカルトやコースで料理を提供するレストランとして営業する。

オーナーシェフは、パリにあった星付きモダンフレンチ「ケン カワサキ(Ken Kawasaki)」で修行。その時期に「やはりワインは生産国で飲むとおいしさが違う。 ナチュラルワインは特に移動距離にデリケート。だから日本で店をするなら、 日本のナチュラルワインを」と、実感したという。

そうした思いから、昼夜ともに楽しめる豊富なワインメニューの中で、日本のワインもしっかりセレクトする。うれしいのは、グラスワインが量による均一価格で楽しめることだ。

リストされるワインは日々変わるが、北海道の「タキザワワイナリー ケルナー」など、通常は高く提供されるものが登場することも。これを実現できるのは、オーナーの「とにかく良いワインを飲んでほしい。僕が『出したい!』と思うワインで、感動を共有できれば」という、ワインへの愛と情熱があるからといえるだろう。

季節を鋭く映すアラカルトメニューには、「真鯛の昆布締め、ホワイトアスパラ、河内晩柑のカルパッチョ」など、2020年代のモダンガストロノミーのセンスが輝く料理を豊富に揃える。前菜一品とグラスワイン数杯の「バル使い」も大歓迎だという。ワインや料理のおいしさや店の雰囲気はもちろん、ホスピタリティーの良さが店を「大阪の宝」の一つにしている理由だろう。

大阪の食をもっと味わうのなら……

  • ラーメン

大阪グルメといえば「粉もん」の名が上がる。麺類の代表格は「うどん」であり、人口あたりのラーメン店はけっして多くはない大阪だが、むろん行列のできる名店は存在する。

2022年にオープンした異色の経歴を持つオーナーが手がける店から、高井田系といわれる東大阪発祥のご当地ラーメンを提供する店まで厳選して4店を紹介する。粉もん文化の中で揉まれて育まれた大阪ラーメンをぜひ味わってほしい。

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

広告

スパイスカレーの聖地とも言われる大阪。4年連続でミシュランガイドに掲載されたレジェンドや、一部で「幻」と呼ばれているカレーなど、さまざまなタイプに分かれている。

食欲をかき立てられるスパイスの香りを思い切り吸い込み、見た目も美しいカレーたちに心をときめかせたい。食い倒れの街、大阪で、めくるめくカレー探しの旅に出よう。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告