重厚な石造りの証券会社ビルが多く残る北浜の一等地、土佐堀川沿いにあるカフェ。1912年に完成し、現在は大阪府登録文化財である木造家屋をリノベーションした複合施設「北浜長屋」内に入居している。店の奥の窓から見えるのは、川の流れと「中之島公園」の緑。テーブル席に着いた瞬間、日常は引き潮のように消える。
メニューの中心は、自家焙煎(ばいせん)する4種類の「シングルオリジンスペシャルティコーヒー」(700円から、以下全て税込み)。全て「浅いりオンリー」なのが、店のスタイルだ。
コーヒー豆が本来持つ自然な風味、まろやかな甘み、みずみずしい酸味、きれいな口当たりをバランスよく引き出すことを第一に考え、焙煎、抽出することを心がけている同店。口に含むと、凛(りん)と美しい酸味の後にジューシーな甘みが広がり、「コーヒー豆はもともとフルーツである」ということを実感させてくれる。
コーヒーと一緒にオーダーしたいのが、「バナナ・パウンドケーキ 」(550円)、「リンツァートルテ」(600円)など、職人かたぎを感じさせる手作りスイーツ。窓の外に広がる「水の都」大阪の風景とともに味わえば、おいしさも倍増である。