お茶の水にある、関西風おでんを楽しめる「こなから」は、おでん好きの間では広く知られる店だ。寒い時期には、掘りごたつ式のカウンターで幸せそうに酒を酌み交わす客で連日にぎわう。
店内には、縁起物のひょうたんが随所にあしらわれているが、特にカウンター中央にある特注のひょうたん型の鍋は目を引く。
店主は鹿児島出身だが、関西での修行が長かった経歴を反映し、クリアであっさりとした滋味深い出汁のおでんを提供。ダイコンやいわしつみれ、昆布などの定番に加え、卵を加えてサクサク食感にした自家製のコンニャク、レンコンのすりおろしと、みじん切りのレンコンを混ぜたれんこん餅(季節限定)など、オリジナリティあふれるおでん種も魅力だ。
特におすすめしたいのが冬限定の「かきおでん」。あっさりした出汁に葛打ちした牡蠣が浮かぶ一品で、噛み締めると牡蠣のうまみがじゅわっと口中に広がる絶品おでん。メニューにあったらぜひ頼みたい。
「揚げたて自家製さつまあげ」や「いわしのぬか漬け」など、酒飲みにうれしいアテも多い。営業は18時からと20時30分からの2回制。予約必至だが、わざわざ行く価値はある。繁忙期にはぎゅうぎゅう詰めになる店内では、隣の客と肩が触れ合うこともあるが、それがまったく苦にならない希有な店だ。