楊國福麻辣燙
楊國福麻辣燙(Photo: KIsa Toyoshima)
楊國福麻辣燙(Photo: KIsa Toyoshima)

池袋、プチ中国旅行ガイド

「ガチ中華」の総本山で麻辣燙や点心、香港スイーツを味わい尽くす

寄稿:: Asheng
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「你好!几位?(いらっしゃいませ、何名様ですか?)」。店員さんの発する第一声が中国語の中華料理店がここ数年、高田馬場や新大久保などで急増している。中でも池袋はその総本山だ。

輸入食材がそろう中華物産店や、中国各地の郷土料理が楽しめるフードコートなど、まるで本国を旅行しているような気分に浸れる。町中華とはまた違う、現地で食べるような料理や雰囲気が楽しめる店を7軒紹介する。

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沸騰小吃城(フットウシャオチーチェン)は、中国全土の屋台料理が勢ぞろいしているフードコート。日本では珍しい湖南料理や湖北料理、福建料理や東北料理などを食べることができる。地域ごとに屋台が分かれており、いずれも独立した店舗が入居しているそう。

おすすめは平打ち麺にピーナツを和えたまぜ麺の『沙县拌面(シャーシィェンバンミィェン)』や、ウナギのつみれ団子である『福州魚丸』などの福建省のメニューだ。いずれも注文後にキッチンで手作りしており、出来たてが楽しめる。

メニューはテーブルに置いてある「QRコード」をスキャンして、スマートフォンで注文する。会計は入り口のカウンターでまとめて支払う仕組みだ。

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沸騰小吃城で食事をしたら、続けて行きたいのが香港誠記(ほんこんせいき)。ここでは、香港スイーツが食べられる。

沸騰小吃城と同じビルにあり、エレベーターで地下1階まで下れば、すぐさま中国大陸から香港へ移動できる。香港地下鉄MTRの駅名と写真が入った店の外壁を見ると、それだけで現地に飛んできてしまったような気持ちになる。

看板メニューはココナツを丸ごと1個使った『ぷるぷる濃厚♪ココナッツミルクプリン』だ。ココナツの裏側に付いている身をスプーンで削りながらプリンと一緒に食べると、コリコリとぷるぷるが混ざった不思議な食感が楽しめる。ほかにも定番メニューのエッグタルトや牛乳プリン、香港式レモンティーなど多くの中華スイーツがそろっている。

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池袋の中華は多くが北口エリアに集中しているが、東口のサンシャインシティ方面に出店しているのが 楊國福麻辣燙(ヤングオフーマーラータン)だ。1人用火鍋ともいえる麻辣燙は中国全土でファーストフードの一つとして人気を誇り、同店は6000店舗を展開している。日本で例えると、吉野家や松屋のような有名チェーン店である。

注文方法が少し特殊で、肉や野菜が数十種類以上並んでいるショーケースからボウルとトングを使って自分が食べたい具材を食べたい量だけ取る。そのボウルをレジまで持っていくと、重さに応じて金額が決まる仕組みだ。

特においしいのがスープで、「シビ旨」の中にあるコクにハマってしまう日本人も少なくない。池袋以外に上野や渋谷、高田馬場、新大久保でも展開している。

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上海の街なかで見かけるこぢんまりとしたローカル店も、ここ数年で何店舗か池袋にオープンしている。上海富春小籠(シャンハイフーチュンシャオロン)は2020年9月、池袋のサンシャイン60通りの裏通りにオープンした小籠包専門店だ。

上海から近い江蘇省出身の料理人がその場で包んでくれる小籠包は、肉汁がたっぷりと入っていて、口にした途端に思わず幸せな笑みがこぼれてしまうおいしさ。昼時には、メインのチャーハンや炒め麺と小籠包がセットになった『小籠包定食』も食べられる。

店の入り口とは別に持ち帰り専用の販売口もあり、小籠包や手作り肉まん、春巻き、餃子などをテイクアウトできる。

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池袋で最大の中華物産店が友誼商店(ゆうぎしょうてん)だ。池袋の北口の改札を出てすぐのビルを4階まで上がると、中国の独特な調味料や食料品が混ざりあった不思議な香りが漂う。

冷凍の水餃子や小籠包から、中国の漢方ドリンクやジャスミン茶などの中国茶、ラー油、や中国醤油といった調味料まで幅広くが販売されている。おすすめは冷凍の水餃子と調味料だ。豚肉やエビ、ナズナなどいろいろな色々な具材が入ったものがあるの販売されているので自分の好みの水餃子を見つけてほしい。

お湯で茹でるだけで手軽に中国で提供している食べる水餃子を自宅お家で味わえうことができる。醤油や酢は数百円で売っており、中華料理を作る際に、日本の調味料に変えて使うだけで現地の味に近づくので、ぜひお試しあれ。

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池袋で一風変わった中華バーに行きたければ卓尚記(ヂュオシャンジー)がおすすめだ。立教大学のほど近くの雑居ビルにある同店は「串焼きミュージックバー」で、酒のつまみにもってこいの羊肉や野菜の串焼きを片手にビールが楽しめる。

店の中央にはステージとスクリーンがあり、店員が中国語の歌を歌ってくれたり、客も席から歌ったりができる。客はほとんどが中国人なので現地のバーやクラブに紛れ込んだような気分になること間違いなし。ジャガイモの串焼きと羊肉の焼きがベストオーダー。頼んだビールがたちまち空になってしまうだろう。

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たまにはテイクアウトして家でゆっくり中華を食べたい。そんなときにおすすめなのが章記点心(ショウキテンシン)だ。北口の中華料理店が密集している地域からは少しだけ離れており、店のたたずまいもこぢんまりとしているのでつい通り過ぎてしまいそうになるが、在日中国人の間では評判の店である。

特にちまきや月餅は、端午節や中秋節になると例年、予約なしでは買えなくなるほどの人気を誇る。月餅は季節によって販売していない時期があるが、ちまきは通年販売しており、最もベーシックな『豚肉ちまき』は220円とかなりリーズナブルな価格。イートインスペースは数席しかないため、テイクアウトして自宅でじっくりと味わうのがおすすめだ。

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池袋にいる人は中国の東北地方出身者が多い。そのため池袋で「中華」というと東北料理が多いのだが、ウイグル料理が食べられる店もある。池袋東口のサンシャイン60通りに入る交差点の近くの雑居ビルにある新疆味道(シンジャンウェイダオ)だ。

2021年の9月ごろに近所から移転して、100席以上ある大きな店舗になった。おすすめは『大盤鶏(ダーパンジー:鶏肉とじゃがいもとピーマンの炒め煮)』と『新疆拌麺(シンジャンバンミェン:ウイグル風炒め麺)』。大盤鶏は中サイズを注文しても3、4人はいないと食べきれないほどで、大盤(中国語で大皿の意味)の名に負けないビッグサイズである。

厨房(ちゅうぼう)で手打ちしているという、きしめんや新疆拌麺の麺はもちもちで絶品なので、大盤鶏に後乗せするのを忘れずに。

ライタープロフィール

阿生(あしょん)

東京で中華食べる人

東京で中華を食べ歩く26歳会社員。大学在学中に上海の復旦大学へ1年間留学し、「ガチ中華」にハマる。現在はIT企業に勤める傍ら、都内を中心に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitterブログなどで情報を発信中。

東京の異国へ出向く……

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東京のコリアンタウンといって、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは新大久保だろう。しかし、東京には新大久保よりも古い歴史を持つコリアンタウンがある。荒川区の三河島エリアだ。日暮里駅から常磐線でわずか1駅、上野からは2駅の場所にある。新大久保と比べると観光要素は皆無といっていい。普段着の街並みのなかに、小さな焼き肉屋や韓国食材店、雑貨屋などがいくつも点在。至るところでハングルの文字が目に入り、店先からは韓国語が漏れ聞こえてくる。

もともとは、韓国最南端に位置する済州島から日本に渡ってきた人が作り上げたマーケットでといわれており、済州島のオモニ(母)の味が楽しめるのは三河島ならではだ。旅する気分とともに、済州島の下町の飾らない日常を味わいたい。

韓国とは関係はないが、三河島にはリーズナブルなマグロの店や、情緒たっぷりの銭湯もあるので、きっと散策もきっと楽しいはずだ。

大手町からわずか15分。西葛西は、IT系技術者のインド人のビジネスマンが多く住むエリアだ。ほかのエスニックコミュニティーと違い、ヒンドゥ語の看板も目立たず、観光的な要素はなく、街に自然となじんでいる。本格的なインディアンレストランが点在し、インド系ファミリーの日常に寄り添った店が多い。東京では珍しい家庭料理やスイーツ、食材店などもあるので、旅する気分で散策したい。インド料理がカレーとナンだけでないことに驚くはず。

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東京在住の駐日大使にインタビューを続けている「Tokyo meets the world」。この中では、世界各国のSDGsの取り組みを学べるほか、「世界随一の美食都市」としての側面を持つ東京が、いかに多様な国の料理を提供しているかも掲載してきた。ここではインタビューの中で、各国の大使が「東京で自国の味を楽しむなら」と、勧めてくれた店を7カ国分紹介しよう。

本格ギリシャ料理、コロンビア産の本物のカカオ、オランダ人が愛する絶品つまみ、日本に1軒しかないクロアチア料理の専門店など、いずれも未知と美味の驚きに満ちている。ぜひ堪能してほしい。

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