ハンガリー ワインダイニング アズフィノム
Photo: Keisuke Tanigawa
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、本格ハンガリー料理店&バー4選

駐日大使御用達の郷土料理店から国民酒のパーリンカを飲めるバーまで

寄稿:: Nahoko Matsumoto
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世界三大貴腐ワインの一つである「トカイワイン」やアカシア蜂蜜、フォアグラなどの名産地であり、世界有数の食の宝庫と知られるハンガリー。地理的環境や複雑な歴史の影響で、独自の食文化を発展させた。ハンガリー料理は、とりわけ唐辛子を品種改良したパプリカを多用するのが特徴で、色鮮やかなメニューが多い。

ここでは、東京で本場のハンガリー料理が味わえるレストランとバーを紹介する。駐日ハンガリー大使がすすめる老舗や国民酒「Palinka(パーリンカ)」を提供するバーなど、いずれも新鮮な驚きのある店ばかり。ぜひ訪れて、異国情緒あふれる食体験を楽しんでほしい。

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  • ハンガリー料理
  • 原宿

ハンガリー人シェフが本格ハンガリー料理を提供する、ハンガリー大使おすすめのレストランの一つ。運営を手がけるのはヨーロッパの陶器や食品などの輸入販売を行う「アズグループ(AZ GROUP)」だ。ハンガリー政府から依頼を受け2001年に西麻布にオープンしたレストラン「Zsolnay」を、2007年に神宮前に移転し、現在の店名に改めた。

現地のパプリカパウダーをはじめ、厳選食材を使用した伝統的な料理の数々を提供。コースメニューだけでなく、アラカルトも充実している。トマトやグリンピースなどの野菜の煮込みを添えた「ポークのブダペストスタイル」(2,500円、以下全て税込み)はぜひオーダーしたい一品。豚肉の上にはハンガリーでは定番の白パプリカをトッピング。清々しい香りと柔らかな甘み、シャキッとした歯ごたえが特徴だ。

作り手から直接仕入れるワインは常時80種以上。ハンガリーが誇る貴腐ワインも多彩に用意している。料理はハンガリーの有名陶磁器メーカー、ジョルナイの「ポンパドールⅢ」の磁器で提供。この磁器は、ハンガリーの最高級レストラン「グンデル」で創業当時から愛用されてきた。

さらに店内には本国から取り寄せられた調度品が配され、エレガントな雰囲気が漂う。つかの間のショートトリップを楽しみたい。

  • ハンガリー料理
  • 溜池山王

溜池山王駅から歩いて2分ほど、雑居ビルの2階にある「ドブロギ」。最もハンガリー大使館に近い本格的なレストランで、駐日大使もおすすめする一軒だ。

店内はテーブルとカウンター合わせて20席とこじんまりした空間で、白い壁と木目調の家具が調和したインテリアは温もりにあふれ、まさに隠れ家という言葉が似合う。

シェフを務めるのは、ハンガリー出身のラスロー・コタセック。モデルとしてヨーロッパのさまざまな国で活動後、2000年代初頭に来日。その後、モデル業の傍ら飲食業にも携わるようになり、縁あって2018年に自身の店を赤坂に開いた。「母国の味を広めたい」という思いの下、ハンガリーの郷土料理を提供する。

おすすめはサワークリームとガーリックオイル、チーズをトッピングした揚げパン「ランゴシュ」(900円、以下全て税込)。生地の外側のカリカリ感と中のもっちり感が見事なハーモニーを奏でる、ハンガリー屋台フードの代名詞だ。

ハンガリー産ワインも豊富で常時約20種を用意。「ヴィリアン・マチカ」(3,800円)はふくよかな果実味と芳醇なアロマが楽しめる。1軒目はもちろん、2軒目としての利用にも最適な場所と言えるだろう。

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  • 飯田橋

果物を原料とするハンガリーの蒸留酒「パーリンカ」を専門に扱うバー。店主の松沢健は新宿「バー ベンフィディック」の出身。修行時代に出合ったパーリンカに魅せられたことをきっかけに2019年に独立した。

開業にあたり輸入酒類販売業免許を取得し、仕入れでは自らハンガリーに足を運ぶ。パーリンカの特徴は使われる果物の量にある。500ミリリットルを作るのに必要な果物は、なんと10キログラム以上。「パーリンカは飲んだ後の余韻を楽しむ酒。鼻腔に抜ける華やかなアロマを感じてほしい」と松沢は語る。

パーリンカは常時100種が用意され、1杯1,500円〜(以下全て税込み)。白ぶどう「イルシャイ オリヴェール」や、アンズから造られる「バラツクパーリンカ」、ラズベリーを仕立てた「マールナパーリンカ」など、飲み比べて果物の個性を味わうのもいいだろう。

さらに夏期限定でかき氷を提供(2,000円〜)。シロップにはハンガリー産蜂蜜、ラム酒、パーリンカやその日おすすめの果物などが使用される。パーリンカの香りをイメージした壁のカラフルなタイル、透明な液体を表現したイス、香りの余韻を模した照明など趣向を凝らした独創的な空間にも注目したい。

  • ワイナリーズ
  • 新宿

新宿近くのビルの中に入居しているバーだが、一度店内に足を踏み入れると、新宿の喧噪(けんそう)を忘れてしまう。薬草を使用した酒を多く提供しており、店内には薬草が入った瓶やが並んでいる。

同店のマスター・鹿山博康は、ハンガリー特産の薬草酒である「ウニクム」のアンバサダーとして、日本全国にその魅力を発信している人物。ウニクムには約40種類もの天然ハーブやスパイスが使われており、甘味や苦味だけではない複雑なボタニカルな味わいが特徴だ。

ここでは、ウニクムにオレンジにトニックウォーターを使った「ウニオレンジビターサワー」といったカクテルを味わうことができる。オレンジの酸味が爽やかで飲みやすく、夏にピッタリの一杯である。ぜひ一度試してみてほしい。

東京でガチな異国料理を味わうなら……

タイムアウト東京 > フード&ドリンク > 東京、各国大使おすすめの本格レストラン7選

東京在住の駐日大使にインタビューを続けている「Tokyo meets the world」。この中では、世界各国のSDGsの取り組みを学べるほか、「世界随一の美食都市」としての側面を持つ東京が、いかに多様な国の料理を提供しているかも掲載してきた。ここではインタビューの中で、各国の大使が「東京で自国の味を楽しむなら」と、勧めてくれた店を7カ国分紹介しよう。

本格ギリシャ料理、コロンビア産の本物のカカオ、オランダ人が愛する絶品つまみ、日本に1軒しかないクロアチア料理の専門店など、いずれも未知と美味の驚きに満ちている。ぜひ堪能してほしい。

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Tokyo meets the world

  • 地中海料理

『地中海の食事』として、2010年にイタリア料理やスペイン料理とともにユネスコの無形文化遺産に登録されたギリシャ料理。オリーブオイルとハーブの香りが特徴的で、色鮮やかな野菜と子羊やウサギなど多くの種類の食肉を使用したメニューが多い。

日本ではヨーグルトやフェタチーズといった乳製品が有名だが、アメリカなどでは「地中海式ダイエット」とも呼ばれ、野菜とオリーブオイルを中心とした健康的な食事として注目されている。

ここでは、東京で本場のギリシャ料理が味わえるレストランを紹介。駐日ギリシャ大使が勧めてくれた店など間違いのないラインアップなので、ぜひ活用してみてほしい。

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  • ペルー料理

世界のフーディーをうならせうる美食の国、ペルー。「世界のベストレストラン50」で第2位に輝いたリマの「Central」など世界的に評価されるレストランも数多く存在する。スペインの大航海時代にインカ帝国から世界に広まったポテトやトマトの原産国であり、その後もさまざまな国の食文化の影響を受け、誰にとっても「懐かしい」と思われるメニューが広まっているのも興味深い。

日系移民により、ペルーで進化した「ニッケイ料理」も人気で、和食の手法を取り入れた鮮魚のセビーチェなど、日本人にとって親和性のある味も。ここでは、都内で絶品のペルー料理が食べられる店を紹介する。

 

ミシュランガイド星付き店の数はぶっちぎりの世界一(2位のパリの2倍以上)、星なしの店も含め、総じて飲食店のレベルが高い東京。中華、フレンチ、イタリアンをはじめ、急増中のタイ、ベトナムなどのアジアンエスニックまで都内では世界中のあらゆる料理が楽しめるが、ラテン系のレストランも頭角を表している。

ここで言うラテン系とは、タコスやブリトーがすぐ浮かぶメキシカンや、シュラスコが有名なブラジル料理、聞き慣れないが一度食べるとハマるキューバン(キューバ料理)、意外に日本人の好みと合うアルゼンチン料理まで広く含む。

ラテン系レストランはどこも、日本人がイメージする通りの陽気でゆるりとした空気に満ちており、店を訪れるだけで楽しさが込み上げてくる。スパイスの効いた独特の辛さや食感もいいが、一緒にマルガリータやモヒート、メスカル(メキシコの蒸留酒)、ピスコ(ペルーの蒸留酒)を合わせれば、さらにテンションが上がるだろう。

ラテン好きな人も初めての人も、この夏、東京で南米気分に浸ってみては。都内の人気店10軒を紹介する。

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  • スペイン料理

スペイン料理は、地中海料理としてユネスコの無形文化遺産に登録されており、その多彩さとおいしさは言うまでもない。豊かな自然の恵みのうま味を生かしたパエリアや酒のつまみにぴったりなピンチョスなどは日本でも有名だ。

ここ東京でも、「ミシュラン東京 2023」では7つの店が選定されるなど、すばらしい専門店がいくつも存在する。そんな都内の本格的なスペイン料理店を5つ紹介しよう。ぜひ参考にしてほしい。 

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