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Photo: Kisa Toyoshima
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千駄木でしかできない6のこと

かつ丼、中国ワイン専門店、好感度なリサイクルショップ、ライブバーなどを紹介

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タイムアウト東京 >ご近所ガイド> 千駄木でしかできない6のこと

森鴎外や夏目漱石、川端康成など、多くの文豪が居住した街として知られる、文京区千駄木。日暮里駅との中間に位置する「谷中銀座商店街」をはじめ、令和となった今もどこか昭和の下町情緒を感じさせる街並みが特徴だ。

東京有数の散歩スポットとして、隣接する台東区谷中、文京区根津と合わせて「谷根千エリア」と呼ばれることも多い。 千駄木エリアには個人商店が多く、少し散策してみれば、コンパクトでユニークないくつもの店と出合える。スペシャルティコーヒー専門店、中国ワイン専門店、掘り出し物揃いのリサイクルショップ……。そこに一歩足を踏み入れれば、これまで未知だった世界を知ることができるはず。

ここでは、長年地元の人々から愛される老舗店から、昨今話題を集めるニッチな専門店まで、千駄木にしかない唯一無二の店を6つ紹介する。

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  • 千駄木

かつ丼 天下星

かつて新宿御苑近くのバーで間借り営業し、ビジネスマンを中心に圧倒的な人気を集めていた「かつ丼 天下星」。2023年4月に移転し、現在は千駄木駅から徒歩1分の店舗で営業中だ。

同店のかつ丼には冷凍肉ではなく、生の肉を手切りしたものが使われており、厚切りでありながらしっとりとした食感とジューシーな味わいが楽しめる。注文を受けてから、1枚ずつカツを丁寧に揚げていることも大きな特徴だ。甘めの玉子でとじられたアツアツのカツを頬張れば、得も言われぬ多幸感で満たされる。

一番人気は、160グラムの厚切りカツを300グラムのごはんの上にのせ、ダブルの玉子でとじた「厚切りかつ丼」。丼のフタを閉じられないほどのボリュームは、どんな大食漢をも満足させてくれるだろう。

  • カフェ・喫茶店
  • 千駄木

イグニス

スペシャルティコーヒーの中でも最高品質の豆のみを取り扱う、トップオブトップコーヒー専門店「イグニス(ignis)」。希少な発酵プロセスの豆や、オーナーの土橋永司自身が落札したオークションロットの豆なども取り扱っており、常時10種類以上のシングルオリジンが楽しめる。価格は1杯1,000〜3,800円(以下全て税込み)が中心だ。

果実味が口の中に広がる「コーヒーゼリー」(700円)や、仕上げにスプレーボトルでエスプレッソを吹きかける、チョコレートを一切使用しないフェイクカフェモカ「ノワール(Noir)」(1,400円)も絶品なのでぜひ試してほしい。

店内は白を基調としたバーのような造りで、最新抽出器具やマシンを用いてコーヒーを淹れる様子を眺めながらバリスタとトークが楽しめる。

満月の日は夜営業を行っており、新しいドリップ方法で抽出したコーヒーの提供や新作アレンジコーヒーの発表、ゲストバリスタのイベントなどが実施される。企画の詳細は店の公式Instagramをチェックしてほしい。

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  • ショッピング
  • 千駄木

ファンアゲイン

谷根千エリアの外れ、不忍通りと道灌山(どうかんやま)通りが交差するT字路近くに家具と雑貨を扱うリサイクルショップがオープンした。従来の価値観や流行に左右されることなく、お気に入りを見つけて身に着けて、長く楽しもうという「チープ・シック」のライフスタイルをインテリアに取り入れている。

店内には、国内各地のリサイクルショップなどを探して賄う国籍や年代不問の品々が並ぶ。ビームス(BEAMS)やエストネーション(ESTNATION)でレイアウトと商品構成を担当し、今も第一線で活躍する店主の高島大輔とシップス(SHIPS)でバイヤーを務める中山良子が夫婦で営んでおり、そのセレクトセンスは抜群だ。

正面奥の壁面を鮮やかなピンクに塗りつぶし絶妙な差し色に仕立てた店内に、アクリル素材の棚と時代物の木製ショーケースが違和感なく並び、食器類を色ごとにまとめて分散して展示するなど、センスを駆使して明るくヌケのいい空間を作り出している。

リサイクルであるゆえに値段が手頃なのもうれしい。一期一会の商品との出合いを楽しんでみては。

※営業時間は9月末までのサマータイム導入時の時間(2024年7月25日)

  • 音楽
  • 千駄木

バー・イッシー

2012年末で渋谷での営業を終了し、2014年に千駄木で復活したバー・イッシー(Bar Isshee)。東京屈指のアンダーグラウンドな音楽の拠点だ。

店長のissheeがテーマに掲げる「他店では見ることができない演奏、セッション」の言葉の通り、同店は、普段は異なるシーンで活動し交わることの少ない国内外の名手たちのセッションが行われる無二の場所だ。

常連の出演者のなかには、坂田明や梅津和時、加藤崇之といったフリージャズの大物たちをはじめ、内橋和久や山本精一、高岡大祐、坂口光央などのアンダーグラウンド界の才人たちも名を連ね、即興音楽やノイズ、アンビエントの演奏が連日繰り広げられている。

基本のシステムは事前予約が必要となり、チャージは投げ銭制。集まった投げ銭は全て出演者に渡される。

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  • ワインバー
  • 千駄木

パンダワイン

多くの人が思い浮かべるワインの産地は、フランスやスペイン、イタリアなどのヨーロッパの国々だろう。しかし、千駄木から徒歩1分の場所にある「パンダワイン」が取り扱うのは、中国ワインだ。

店主の青山宗典は、ワインの三大産地の一つであるフランス・ブルゴーニュでワインを学んだのち、中国・上海のワイン専門店にスカウトされ、長年にわたりワインビジネスに携わってきたエキスパート。帰国後の2021年に本駒込に「パンダワイン」をオープンし、2023年3月には千駄木に店を移して、角打ちのワインショップにリニューアルした。

カウンター席では、砂漠地帯である中国・寧夏回族自治区で生産された「寧夏ヤンヤン国際ワイナリー」の上質なワインをはじめ、さまざまな中国ワインや紹興酒がグラスでリーズナブルに味わえるほか、店主考案の創作中華料理も堪能できる。

ホアジャオをたっぷりとまとわせ、カラリと揚げた「唐揚げ(花椒風味)」は、赤ワインと相性抜群だ。スパイシーなタレと絡めて食べると、ついついグラスを重ねてしまうので、飲み過ぎにはご用心。

  • ショッピング
  • 書店
  • 千駄木

 往来堂書店

千駄木駅から徒歩5分ほどの場所にある「往来堂書店」。オープンは1996年に遡るが、現在も変わらず千駄木の人々に愛され続けている。

店内は決して広いとは言えないものの、ズラリと並ぶ本のラインナップは充実しており、なかなかに面白い。ヒット作や最新作の近くに、同じテーマの作品や関連する作品などが並べられ、目的の一冊を求めてやってきた人も、類似するタイトルの書籍が目に入る仕掛けだ。

2000年から店長を務める笈入建志は「思いも寄らない本との出合いは、書店ならでは」と話す。ほしい本を購入するだけならオンラインで事足りるが、あえて書店まで足を運んで、未知なる一冊との出合いを楽しんでみては。

「往来堂書店」オリジナルの文庫フェア「D坂文庫」を参考にしてみるのもおすすめだ。特別小冊子では、「往来堂書店」と関わりの深い人々による選書と推薦文を読める。

なお「D坂文庫2024夏」は、2024年8月3日(土)から9月30日(月)まで開催予定だ。

もっと東京の街を散策したいのなら……

  • Things to do

東京のコリアンタウンといって、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは新大久保だろう。しかし、東京には新大久保よりも古い歴史を持つコリアンタウンがある。荒川区の三河島エリアだ。日暮里駅から常磐線でわずか1駅、上野からは2駅の場所にある。新大久保と比べると観光要素は皆無といっていい。普段着の街並みのなかに、小さな焼き肉屋や韓国食材店、雑貨屋などがいくつも点在。至るところでハングルの文字が目に入り、店先からは韓国語が漏れ聞こえてくる。

もともとは、韓国最南端に位置する済州島から日本に渡ってきた人が作り上げたマーケットでといわれており、済州島のオモニ(母)の味が楽しめるのは三河島ならではだ。旅する気分とともに、済州島の下町の飾らない日常を味わいたい。

韓国とは関係はないが、三河島にはリーズナブルなマグロの店や、情緒たっぷりの銭湯もあるので、きっと散策もきっと楽しいはずだ。

  • Things to do

日暮里駅東口のロータリーを抜け、2~3分歩くと尾久橋通りの大きな交差点にたどりつく。ここが、日暮里繊維街だ。日暮里中央通り沿いの両側、約1キロにわたって生地やボタン、洋裁材料の店、織物やニット、革製品など、約90店舗が軒を連ねている。 そう、ここは洋裁好きにとっての天国。生地以外にも、ボタンやファスナー、ミシンやアクセサリー、ビーズなど、大抵のものが手に入り、創作意欲を刺激してくれる。

日暮里に繊維街が形成されたのは、大正初期に浅草の繊維商たちが集団で日暮里周辺に移転してきたことがきっかけだ。時代の流れにとともにさまざまな商品が取り扱われるようになり、今では手芸や洋裁好きの若者たちがこの地に店を構えることも多くなった。

ここでは、繊維街でおさえておきたい店と、買い物で疲れた足を休める休憩スポットをあわせて紹介する。

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  • Things to do

江東区にある古き良き人情街、亀戸。近年「カメイドクロック」やアトレのリニューアルなど、駅前が様変わりして、現代的な面とレトロな要素を兼ね備えた街へと変わりつつある。

有名グルメをいくつも輩出している食通エリアでもあり、亀戸グルメの代名詞ともいえる「亀戸ホルモン」と「亀戸餃子 本店」は行列必至だが、並ぶ価値は十分にある。甘味ならば「船橋屋」のくず餅を堪能してみてもいいだろう。

ここでは、新名所「カメイドクロック」はもちろん、老舗の新名物である味噌を使った絶品プリンや、元キャバレーの内観が雰囲気抜群の中華料理店、地域に愛されるアートギャラリーなど、同エリアの魅力的なスポットを5つ紹介しよう。

4月から5月にかけては、都内随一の名所といわれる亀戸天神のフジの花が見頃を迎える。併せてぜひ散策の参考にしてほしい。

東京を訪れる人の多くが目指す街といえば、浅草だ。「東京スカイツリー」やかっぱ橋道具街といった観光スポットから近いことも理由だが、最も大きな理由は、なんといっても歴史ある浅草寺の存在だろう。

浅草寺の雷門から宝蔵門へと続く仲見世通りは、昔ながらの食べ物や土産物を求める人であふれている。実は浅草の魅力はこの通りの中だけにとどまらない。とりわけ食に関しては、隠れたスポットも数多く存在する。

にぎやかな門前町でストリートフードを堪能するためのヒントとして、ここではタイムアウト東京英語編集部が選んだグルメスポットを紹介する。

ただし、仲見世通りは現在食べ歩きが禁止されているので、購入した店の前やイートインスペースなどで食べるようにしよう。

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  • Things to do

上野恩賜公園(上野公園)といえば動物園や博物館が有名だが、園内を散策すれば、歴史的な彫刻や遺物、古社寺、ポケモンをテーマにしたマンホールまで数多くの穴場がある。

春になれば桜が彩り、11月の中旬から下旬にかけてはあでやかな紅葉が楽しめることだろう。この上野公園を余すところなく楽しむために、本記事を活用してほしい。

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