オランダの食が楽しめるレストラン・カフェ10選

ミシュランのスターシェフによる絶品オランダ料理や、アジアと西洋料理が融合した長崎の郷土料理、ゴッホの絵画をオマージュしたカクテルなど
ライトハウス
Photo: Kisa Toyoshima
Written by Time Out. In partnership with Embassy of the Kingdom of the Netherlands in Japan
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ニシンやムール貝、牡蠣などの新鮮なシーフードに加え、酪農が生み出すチーズなど、豊かな食材に恵まれたオランダ。コロッケやワッフルなど、日本でもすっかりおなじみの料理も多い。

17世紀に海運業が発展し、国際的な商業都市として栄えたアムステルダムでは、さまざまな食文化が交わり、独自の調和を生み出した。その柔軟性は日本でも発揮され、伝統を守りながらも、日本の素材や発想を取り入れ進化を遂げている。

今回は、そんなオランダの食文化が感じられるスポットを紹介する。

  • オランダ料理
  • 横浜

オランダを代表する三つ星シェフの一人、ヤコブ・ヤン・ボエルマ(Jacob Jan Boerma)によるアジア初出店のレストラン「スマーク(SMAAK)」。初来日で魅了された日本の食材にインスパイアされた彼は、日本食の「酸味」と「旨味」をオランダの食文化と融合させ、味の重層的な進化を生み出している。

例えば、アミューズ・ブーシュのタルトレットには味噌、ウニ、黒米が使われ、醤油で作ったシートがムースを覆っている。肉料理にはオランダ特有の発酵海藻を合わせるなど、素材を生かしつつ、発酵食品により深みを出している。和食と洋食が混じり合ったような、懐かしくて斬新なコースだ。

  • パブ
  • 国分寺

オランダ系イギリス人の家族が経営する国分寺のパブ。6種のドラフトビールをはじめ、40種類ものビールと料理のペアリングが試せる。

なかでもオランダのボール状のコロッケ「ビターバレン」は、ぜひともご賞味あれ。カリッと揚げた衣をかじると、シチューのような牛肉が出てきて、ハーブの香りが口に広がる。ハイネケンやアムステルなど、すっきりと飲みやすいオランダのビールと相性抜群だ。

世界で初めてプラントベースドミートを始めたオランダ企業、ベジタリアンブッチャーのプラントバーガーやビーガンナゲットなど、へルシーなメニューもある。

  • 中目黒

ジンは16世紀のオランダで薬用酒として誕生した。ジンはジュニパーベリーの香りをつけた蒸留酒であり、古来から強壮や健胃、解熱などに効用があると信じられ、医師や薬局でも重宝されたという。

その後、ハーブなどの香りを楽しむボタニカル風味のドライ・ジンが人気となり、以後のジンの主流となっている。また、ジンはマティーニやギムレットなどのカクテルベースとしても用いられ、世界規模に広まった。近年では中目黒にジントニック専門バー「アントニック(Antonic)」がオープンした。厳選した各国のジンを飲み比べてみよう。

  • オランダ料理
  • 虎ノ門

オランダ出身のスターシェフ、セルジオ・ヘーマン(Sergio Herman)は、オランダ南西部ゼーラント地方の伝統を重んじながら、イタリア料理を新しいスタイルに昇華させた独創的な料理「NEW ITALIAN」を提供する。オランダ最大の農業地帯であるゼーラント地方は、甲殻類の産地としても知られ、ロブスター、ハマグリ、牡蠣などのシーフードの可能性を探求している。

「食」「ファッション」「デザイン」 「アート」「音楽」の要素が交じり合う没入型ガストロノミーでもあり、オランダ出身デザイナー、マーティン・バース(Maaten Baas)がデザインしたレセプションデスクや照明など、アーティスティックな空間も必見だ。

  • 竹芝

ウォーターズ竹芝」のに位置するモダンラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」のバー「ウィスク(Whisk)」のコンセプトは芸術家のアトリエ。フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の『ひまわり』など、名画をテーマにしたオリジナルミクソロジーカクテルが楽しめる。

ほかにも、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)の『牛乳を注ぐ女』などからインスピレーションを受けたカクテルを提供したことも。カクテルは、リキュールやフレーバーシロップを極力使わず、新鮮なフルーツやハーブ、スパイスと蒸留酒で作られている。

これらのミクソロジーカクテルは、有名な絵画のビジュアルを表現しており、五感全てを研ぎ澄ませてその一杯に向き合いたくなる。

  • カフェ・喫茶店

青い壁と木靴のオブジェがフォトジェニックなストロープワーフル専門店。焼いたクッキー生地に特製キャラメルをたっぷり挟んだオランダの定番おやつ、ストロープワーフルの定番はバニラやシナモンだが、抹茶や栗など、日本ならではのオリジナルフレーバーも10種以上揃えている。

オランダ出身のマルちゃんによる家族経営の同店は、生地もキャラメルも一から手作りしている。丁寧に焼き上げた生地はサクサク、キャラメルはトローリとし、しばらく置いておくと味がなじむので、食べる前に少し温めてキャラメル部分を柔らかくして食べるのもおすすめだ。

店頭にはワッフルの自動販売機もあり、24時間購入できる。

絵本作家のディック・ブルーナ(Dick Bruna)のイラストに囲まれてワインと食事と会話が楽しめるカフェ&バル。1階はテイクアウトのスタンド、2階はアトリエをイメージしたカフェとなっているが、ぜひ訪れてほしいのが3階だ。

彼の出身であるユトレヒトの街のクラシカルなバルをイメージした店内で、ハーブと野菜たっぷりの「DBT特製花束サラダ」や「オランダ風大きなミートボール ヘハクスバレン」などのワインと合う料理も提供。一皿500円のつまみも揃っており、ちょっと立ち寄ってみるのもいい。4階にはプライベートパーティーができる個室もある。

2024年12月にオープンした「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」内にあるレストラン「カテドレクラ(Restaurant Cathedréclat)」は、かつての聖堂をそのまま生かした空間の中にある。ステンドグラスがきらめく、天井高約10メートルの聖堂は圧巻だ。

なかでも東から差し込む朝の光は美しい。宿泊客以外でも、四季折々の旬の長崎食材を使った朝食・ランチ・ディナーを楽しむことができる。

日本、中国、オランダの和華蘭文化を取り入れたコース「ブランシュ(Blanche)」では、白いブイヤベースやおにぎりのお茶漬けなど、異文化が交錯する斬新な食体験が堪能できる。使用されている白い器は長崎県の有田焼で統一されている。

長崎を発祥とする「卓袱料理」は、円卓を囲み、自由に取り分けるスタイルのおもてなし料理だ。角煮とエビのすり身を食パンに挟んで揚げた「ハトシ」や、ポルトガル語の語源がある「ヒカド」や「パスティ」など西洋から影響を受けた料理も並ぶ。

また、刺し身などの和食や、衣に甘めの味が付く長崎天ぷらなど、和食、中華、オランダから伝わった西洋料理の要素が混じり合っていることから和華蘭料理とも呼ばれてきた。江戸時代、砂糖は贅沢品だったが、出島に多くの砂糖が輸入されるようになり、長崎では貴重な砂糖を客人をもてなす料理に使っていたため、甘めの味付けなのも特徴だ。

現在でも、長崎の伝統的な料亭料亭 橋本」などで提供されている。

オランダの街並みを再現したテーマパーク「ハウステンボス」では食の空間でもオランダらしさを体感できる。パーク内のシンボルタワー「ドムトールン」の麓にある「ロード・レーウ」はオランダ風インテリアの重厚なステーキハウスだ。

佐世保名物のレモンステーキやハンバーグが人気だが、ここではぜひチーズフォンデュを試してほしい。定番のブレンドチーズにオランダで有名なゴーダチーズをプラスした奥深い味で、オランダの主食であるジャガイモや、カボチャなどに付けて味わう。いつかオランダのチーズ市場を訪れてみたいと夢がふくらむ。

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