長崎を発祥とする「卓袱料理」は、円卓を囲み、自由に取り分けるスタイルのおもてなし料理だ。角煮とエビのすり身を食パンに挟んで揚げた「ハトシ」や、ポルトガル語の語源がある「ヒカド」や「パスティ」など西洋から影響を受けた料理も並ぶ。
また、刺し身などの和食や、衣に甘めの味が付く長崎天ぷらなど、和食、中華、オランダから伝わった西洋料理の要素が混じり合っていることから和華蘭料理とも呼ばれてきた。江戸時代、砂糖は贅沢品だったが、出島に多くの砂糖が輸入されるようになり、長崎では貴重な砂糖を客人をもてなす料理に使っていたため、甘めの味付けなのも特徴だ。
現在でも、長崎の伝統的な料亭「料亭 橋本」などで提供されている。