「入鹿TOKYO 六本木」は、「東京ミッドタウン」のすぐ近くという一等地にふさわしい店だ。店構えは高級なかっぽうをほうふつとさせ、一般的なこぢんまりとしたラーメン店とは一線を画している。広々とした店内で存在感を示す木製のカウンターはゆったり8人掛けで、4人掛けの個室も設けられている。
そして何より重要なのは、ここで提供されるラーメンが、インテリアのエレガントさに引けを取らない、洗練されたモダンな料理に昇華されていることだ。ミシュランのビブグルマンにも選ばれている。
同店のラーメンは、特注の有田焼の丼に至るまで、隅々まで考え尽くされている。スープベースは全メニュー共通で、別々に取った4種のだしのブレンドだ。その内容は、4種類のブランド地鶏、鹿児島黒豚、伊勢エビと白ワイン、宮島産ムール貝と宍道湖産大和シジミといったもの。このベースをもとに、それぞれのラーメンスープが作られる。
シグネチャーメニューは「特製 ポルチーニ醤油らぁ麺」と「特製 帆立柚子塩らぁ麺」(各2,000円、以下全て税込み)の2つだ。ポルチーニ醤油らぁ麺のスープには7種類の醤油がブレンドされ、麺はかみごたえのある特注の平打ち麺。丼に添えられたポルチーニ茸と黒トリュフのペーストを混ぜ入れると、重層的なうまみが口の中に広がり、リッチだが決して重たくはない味わいが楽しめる。具も豪華で、鶏チャーシュー、豚チャーシュー、鴨ロースト、鶏団子、エビ団子、味付け卵、九条ネギが乗っている。実に洗練されており、余分なものは一切感じられない。
一方、帆立柚子塩らぁ麺のスープには9種類の塩が用いられている。ユズとミツバの自家製バター和えが添えられており、スープに溶かすことでアクセントを加えることができる。定番の塩ラーメンに現代的解釈を加えたこの一品は、非常に味わい深い。
サイドメニューのご飯ものも豊富で、「九条ネギお肉味噌ご飯」(350円)、「トリュフを添えた濃厚卵かけごはん」、「お肉賄いごはん」、「柚子と鶏節の卵かけごはん」(各400円)の4種類から選べる。