吉祥寺の駅前商店街の喧騒(けんそう)の中にあって、異彩を放つ老舗喫茶店。ここは「江戸糸あやつり人形」で芝居をする「結城座」のスタッフが立ち上げた店で、創業1979年とその歴史は古い。隠れ家のような店内は地下という立地を生かし、洞窟のような造りにすることで唯一無二の非日常感を演出しているそうだ。
2年以上熟成させたオールドビーンズを使用し、フレンチローストにすることで酸味や荒みを削ぎ落したひきたてのコーヒーは、苦みが強く奥深い味わいが特徴的だ。料理はレーズンをまぶしたライスに濃厚な欧風のルーをかける「くぐつ草カレー」(1,250円、以下全て税込み)のほか、まろやかなココナッツミルクとふわふわのたまごが絶妙にマッチした「オムカレー」(1,250円)も人気を集める。
地上のにぎわいから遮断された同店ではまるで時が止まったように、穏やかなひとときが過ごせるだろう。