西麻布交差点から歩いて3~4分、青山墓地の南端に位置する「かおたんラーメン」は、西麻布・六本木界隈で夜遊びした後の、禁断の「〆タン」スポットとして愛され続けている老舗ラーメン店だ。
ここでは、まずニンニクの風味が効いた「味付けもやし」をビールで流し込み、「腸詰」を頼んでから「ラーメン」を注文するのがおすすめ。すっきり醤油ベースのスープに、細麺と香ばしい揚げネギが好相性。今にも潰れてしまいそうな、バラック小屋のような店そのものも、東京の文化遺産としての魅力がある。
タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ラーメンガイド > 東京、深夜の締めラーメン15選
酒席の後のラーメンはどうしておいしいのだろうか。アルコール分解のために血糖値が下がっているから、体が塩分を求めるから、舌の感覚が麻痺して濃い味のものを食べたくなるから……。どれも科学的には正解なのかもしれないが、「深夜営業の飲食店のなかで、ラーメン屋が最も幅が広く、ウマいから」というシンプルな理由もあるだろう。深夜の食事が多少体をいじめるとしても、否、だからこそ、食べる以上はおいしい一品で締めたいのだ。
今回は深夜営業のラーメン店を15店チョイスした。カロリーと快楽のバランスをとりながら、あなたの行動エリアの締めラーメンを楽しんでいただきたい。幸い、深夜のラーメン摂取は今のところ法律で禁じられていない。
西麻布交差点から歩いて3~4分、青山墓地の南端に位置する「かおたんラーメン」は、西麻布・六本木界隈で夜遊びした後の、禁断の「〆タン」スポットとして愛され続けている老舗ラーメン店だ。
ここでは、まずニンニクの風味が効いた「味付けもやし」をビールで流し込み、「腸詰」を頼んでから「ラーメン」を注文するのがおすすめ。すっきり醤油ベースのスープに、細麺と香ばしい揚げネギが好相性。今にも潰れてしまいそうな、バラック小屋のような店そのものも、東京の文化遺産としての魅力がある。
西麻布交差点近くのラーメン店。創業1946年の本格的博多ラーメンの店として、関東に上陸した1号店だ。
平打ち細麺に醤油仕立ての白濁豚骨スープの「らぁめん」は、本場のさっぱりとした味わいと深みのあるだしで、思わず「替玉めん」したくなるはず。朝5時まで営業しているのもうれしい。
真武咲弥(しんぶさきや)の看板メニューは、店名にもある「炙り味噌らーめん」(850円、以下全て税込み)だ。スープは若干の香ばしさと甘さ、味噌のうまみのバランスがとれた、優しい味に仕上がっている。ついついすすってしまう美味しさだ。ほんのりとニンニクと生姜がきいており、まろやかなスープに良いアクセントが効いている。
麺はスープがよく絡む中太の縮れ麺で、味噌味に合っている。具材にはシャキシャキのモヤシとチャーシューやネギが乗っている。追加トッピングの味玉は、しっかりと味が染み込んだ絶妙な仕上がり。卓上には山椒やガラムマサラなどの香辛料もおかれており、味噌らーめんにさらなるアクセントをつけるには最適だ。
渋谷マークシティ裏にあるラーメン中心の中華料理屋。ボリュームと価格帯の安さ(レバニラ定食が850円)が売りの、昔ながらの庶民的な中華料理屋。夜遊び派には24時間営業という点も魅力だ。
濃いめの醤油味のラーメン、油味濃厚な餃子を瓶ビールと共に楽しみたい。
東京を中心に展開するラーメン「凪」ブランド。2004年、
木造住宅の2階に位置し、ゴールデン街らしい風情がある。店内に入るそばから、その匂いが立ち込めているこの店の魅力はインパクトのある煮干しだし。20種類以上もの大量の煮干しを、半日以上かけて、煮込んで作られたスープは圧巻で、そしておいしい。
おすすめは、チャーシューに、ネギ、のり、味玉がトッピングされた「すごい煮干ラーメン」。麺は「縮れ」と「幅広」の2種類が混ぜられた太麺だ。
そのほかにも、ラーメンとはまた違ったスタイルでこの煮干を堪能できるつけ麺がある。飲む前の腹ごしらえから、飲んだ後の締めの一杯にも最適で、24時間営業もうれしい。
新宿歌舞伎町の奥にある、40年近く営業を続ける老舗のラーメン店。歌舞伎町ということで、夜だけの営業で深夜でも客足が絶えない。
豚骨、鶏ガラのほか、「利尻昆布」と「赤城のスッポン」を使用したスープが特徴。特に人気なのは唐辛子を大量に使用した「オロチョンラーメン」。通常のお店の倍くらいある大きな丼で、十数種類の唐辛子粉を使用したスープに、みじん切りにされたネギ、ピーマン、豚肉が加えられており、辛さの中に程よい甘みとうま味が感じられる。辛さは9倍まで注文でき、激辛好きも納得。
そのほかのメニューに、みそ味の激辛「みそチョンラーメン」、辛くないみそ、しょうゆラーメンなどがある。ちなみに、オロチョンとは勇ましいの意味。
恵比寿駅から徒歩5分ほど、渋谷川沿いに建つ人気ラーメン店、「阿夫利(AFURI)」。ご飯時でなくとも店外まで並んでおり、ラーメン店にしては女性客も多い。
特徴の一つは、さっぱりとした仕上がりの塩ラーメン。鶏ガラや魚介、昆布などでだしをとったスープは、通常の醤油量の「淡麗」と、鶏油を多めに加えた「まろ味」の2種類から選べる。
ユズが香る「柚子塩らーめん」は、そんな黄金色に輝くスープと極細の麺がよく合う。そして歯応えのあるあぶったチャーシューが薄味の中のアクセントになっている。
赤坂見附駅より徒歩5分ほど、バリエーション豊富な中国ラーメンを提供する中国ラーメンチェーンの赤坂店。都内を中心に多数店舗を展開している同チェーンだが、ラーメン通の人から見ても安定感のある味の一杯を届けてくれる安心の店だ。
季節限定のメニューなども多く、豊富なメニューを提供しているが、おすすめはスタンダードな一杯の「スーラータンメン」(1,140〜1,160円)。程よい酸味と辛味が混じったスープがとても美味しい一杯。麺は細麺と刀削麺の2種類から選べる。
その他の定番メニューにゴマのコクが効いた担々麺(1,140〜1,160円)など。深夜4時までやっており、飲みの後の2軒目としても、深夜の腹ごしらえにもぴったりだ。
東京メトロ東銀座駅から徒歩1分、歌舞伎座裏手にある博多ラーメンの店。博多の屋台から始まり、福岡で2軒店を構える。食材は毎日福岡から取り寄せ、本場の長浜らーめんが味わえると、深夜まで客足の絶えない人気店だ。
「長浜ラーメン」(850円)は、細麺に比較的すっきりとした飲み口の豚骨スープが食欲をそそる。具材のチャーシューとネギに加えて、卓上には辛子高菜や紅ショウガも用意。トッピングが加えられたメニューとして、ネギたっぷりの「博多ネギぼっこしラーメン」(1,100円)、キクラゲとのりとメンタイコに味玉が乗った「博多盛」(1,400円)、ワンタンが加わった「ワンタンメン」(1,200円)などがある。
サイドメニューには「スープワンタン」「中ごはん明太子付き」「酢モツ」なども用意。酒を頼みながら、2軒目の屋台のノリでも使える。
東京メトロ銀座駅より徒歩4分。数寄屋通り沿いにあるラーメン店。銀座に本店を構え、都内に数店舗展開する、担々麺が人気の一軒。メインメニューの「担々麺 だんだんめん」(800円)は、四川料理特有の少し辛い味付けで、芝麻醤・醤油をベースとした温かいスープで味わえる。ストレート細麺が飲んだ後にもちょうど良い食べやすさだ。
トッピングも多彩で、四川の漬け物である搾菜ののった「搾菜担々麵」、中国酒で蒸した若鶏肉の千切りが入った「鶏絲担々麺」、1日以上煮てやわらかくなった豚バラ肉の入った「太肉担々麵」、豚バラ肉に独特な下味をつけて、カレー風味を加え、茹で上げた肉が入った「排骨担々麵」などがある。
「焼売」「餃子」のほか、おつまみメニューも数種あり、酒にもぴったり。平日は明け方5時まで営業しており、飲み明かした〆のラーメンとしても重宝されている。
東京メトロ銀座駅から徒歩4分。表通りから路地に入り、更に奥に行くと白い「松富」の看板が発見できる。銀座で1996年創業の人気店で、平日は明け方4時まで空いている、飲んだ後にぴったりのラーメン店だ。
人気のメニューは「担担麺」(880円)と「あさりらーめん」(900円)。「担担麺」は秘伝のタレにコクのあるゴマと辛味を加えたもの。辛さは控えめ、ほのかな酸味が効いた、優しい味付けのコクのある味わいが特徴だ。
「あさりらーめん」はたっぷりのアサリが盛られていて、うまみの詰まった白濁の塩スープが特徴。飲んだ後の〆の一杯にぴったりのちょうどよい濃さの味わいだ。
また、特製の「松富餃子」(650円)は、エビや干しシイタケの入ったジューシーな仕上がりで、定番メニューとして人気がある。麺や点心のほか、つまみメニューも充実しており、ちょっとした飲み屋として訪れるのもいい。
新橋駅から徒歩4分、新橋の飲み屋街にある赤い看板が目印の家系ラーメン店。営業時間は11時から深夜2時まで。ランチタイムから深夜の〆の一杯までどの時間も行列の絶えない人気店だ。
「らーめん」(900円~)は、動物系の旨みと濃厚でクリーミーなコクのあるスープに、混ざり合う油が染みわたる、至極の一杯。塩味はやや控えめで、バランスもとれていて、最後まで飽きが来ない。
トッピングも豊富で、のり、小松菜・ほうれん草、緩めの味玉、白ネギ、九条ネギ、キャベツ、コマチャ、くず玉などがある。
卓上の無料トッピングの漬け物がまろやかな味つけで、ライスにはもちろん、ラーメンの汁に浸して食べるのがおすすめだ。
その他メニューに、富山のご当地らーめんをインスパイアした「富山ブラック」(1,200円)などもある。
「ホープ軒 千駄ヶ谷店」から派生して屋台からスタートし、後にときわ台と中板橋駅の中間を走る環七沿いに出店していた店。1980年代に、「背脂チャッチャ系」のブームをけん引して人気を博した。その思いを継ぐ職人たちがあちこちで店を構えるが、同店も「環七土佐っ子ラーメン」の名で営業をする店の一つだ。
メニューは、「醤油」「味噌」「中華麺」などの麺類からチャーハンをはじめとするご飯もの、一品料理まで豊富だが、定番は「土佐っ子ラーメン」(750円)。豚骨醤油系のスープを埋め尽くすほどの背脂が特徴だが、見た目とは違い背脂の甘みが程よい濃さで、中太麺とスープの相性もいい。
飲んだ後の締めにも立ち寄りたい店だ。
国産のアイガモと水のみで抽出した鴨だしによる、化学調味料不使用のスープが特徴のラーメン店。行列を覚悟したい人気の高さだが、ラーメン以外にも注目すべきなのがサイドメニューのご飯物だ。
静岡駅界隈の有名まぐろ丼専門店、清水港みなみから仕入れるマグロを使った『トロたくちらし』と、アイガモを使った『鴨to葱の小親子丼』(各230円)だ。後者の別名は「飲める親子丼」で、極めてとろとろなテクスチャーがその証である。
黄色と赤色の看板が目印の「らーめん弁慶 浅草本店」。1973年に「ホープ軒」から独立する形で、屋台ラーメンから創業した。
背脂チャッチャ系の東京豚骨ラーメンのパイオニア的な存在で、今も根強い人気がある。「らーめん」(950円)は、豚・鶏ガラ、豚の頭と香味野菜などをしっかりと炊いたスープに、柔らかくなるまで煮込んだ豚の背脂を合わせる。見た目のこってりさとは違う、コクと甘みのあるあっさりとした味わいがクセになるだろう。
中太の縮れ麺との相性もよく、たっぷりと乗ったネギとモヤシ、醤油だれが染み込んだチャーシューなど、トッピングも食べ応え抜群だ。脂の量は、普通、少なめ、ギタギタ(多め)から選択できる。
そのほか、「みそらーめん」「とん塩らーめん」「中華そば」「つけ麺」などがラインアップ。サイドメニューやトッピングも充実している。
競争の激しい東京のラーメン業界。ここでは不動の人気店から隠れた名店、彗星(すいせい)のごとく現れた新店まで多様なジャンルで紹介する。都内全域から好みの一杯に巡り合ってみよう。
ラーメンブームの原点ともいえる、とんこつラーメン。豚の骨髄を徹底的に煮込むそのスープの世界は、癖のあるキャラクターとバリエーションの豊富さで、定番メニューの一つとなった。本場九州から東京オリジナルのものまで、都内で食べることができる「本当においしい」とんこつラーメンを紹介する。
いち麺ジャンルとして定着し、さらなる細分化が進むつけ麺。その中でもここ数年でひそかに注目を浴びているのが『昆布水つけ麺』というメニューだ。このメニューの特徴は、昆布のうま味が染み込んだとろとろの昆布水に麺がつかった状態で提供されること。麺本来の小麦の味わいと、黄金色の昆布水の風味、喉越しの良さ。そこに各店が工夫を凝らしたつけだれの味が混ざり合い、味のハーモニーを生み出している。
暑い季節に食べたい、さっぱりとした一杯を堪能してほしい。
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