鶏スープが個性を発揮
東小金井駅南口を出てすぐ、赤い下地に「宝華」の大きな文字の看板。40年以上の歴史を持つこの中華料理屋の人気定番メニューが油そば「宝そば」(850円)だ。
通常の油そばといえば、麺、たれ、油の組み合わせが基本だが、「宝そば」には少量の鶏スープが加えられる。これにより、油っぽくなりすぎず滑らかで味わいやすい一品に。
具材はカイワレ、ネギ、メンマ、ナルト、歯応えのある厚切りのチャーシュー。長年、看板メニューとして君臨し続けているだけあって、個性が際立つ一杯だ。
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テキスト:メンチャック、vettsu
「油そば」「まぜ麺」などの別称でも親しまれる汁なしラーメンの「まぜそば」。東京は武蔵野、西東京エリアを中心に広がり、今や全域に名店が点在する。
トッピングもマヨネーズ、鶏スープ、ラー油、山椒、生卵などさまざまで、女性1人でも入りやすい、居酒屋のように楽しめるなど、バリエーションも幅広いジャンルになってきた。ランチに仕事帰りに、近くの店舗を見かけたら、ぜひトライしてほしい。
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鶏スープが個性を発揮
東小金井駅南口を出てすぐ、赤い下地に「宝華」の大きな文字の看板。40年以上の歴史を持つこの中華料理屋の人気定番メニューが油そば「宝そば」(850円)だ。
通常の油そばといえば、麺、たれ、油の組み合わせが基本だが、「宝そば」には少量の鶏スープが加えられる。これにより、油っぽくなりすぎず滑らかで味わいやすい一品に。
具材はカイワレ、ネギ、メンマ、ナルト、歯応えのある厚切りのチャーシュー。長年、看板メニューとして君臨し続けているだけあって、個性が際立つ一杯だ。
元祖の味を確かめる
武蔵境駅から徒歩10分、東小金井方面にあるラーメン店。創業は1958年で、油そば発祥の店といわれる老舗だ。「油そば」は、醤油ベースのこってりスープにもちもちの太麺、新鮮なネギが相性抜群で、素朴ながらクセになる味わいだ。元祖の味をぜひ確かめてほしい。
吉祥寺パルコ裏の人気油そば店
パルコ裏にある油そば専門店「ぶぶか」の吉祥寺2号店。チャーシューやなると、ノリ、メンマ、ネギが乗った「油そば」(690円)、とんこつベースの「ラーメン」(690円)、「つけめん」(790円)には、好みでトッピングが可能だ。人気の「油そば」には生卵トッピングを忘れずに。
モチモチ極太麺が特徴
北品川の人気店「中華そば 和渦 TOKYO」のセカンドブランドとして2021年2月にオープン。自家製麺はモチモチ食感の平打ち麺で、一度食べたら忘れられないだろう。
「油そば」(900円)は汁なしで、特徴的な極太麺をダイレクトに楽しめる一杯だ。モチモチ麺に甘辛のたれと油が絡み合う。
ローストニンニクのトッピングや、卵かけご飯などのサイドメニューも試してほしい。
トッピングがたっぷり
恵比寿駅近くの大通りを入った所にある、油そばが有名なラーメン店。本店は池袋にある。席はL字型のカウンターのみで、人気の割に回転率が良い。
油そばの具は、チャーシューに煮玉子、タマネギ、メンマ、かつおぶし、青ネギ、のりとたっぷり。こってりと濃いめの味つけだが、さらっと食べられてしまう。
サイドメニューのイカスミを使用した黒ドライカレーは隠れ人気の一品だ。
3種類から選べる汁なし麺
桜台駅前の、少し目立ちにくい少し老朽化した建物と看板が特徴の店。汁なしの油そばの専門店で、西武池袋線沿線の客を中心に人気がある。
メニューは甘口しょうゆ味の「汁なし」、ピリ辛塩味の「塩汁なし」、和風のしょうゆ味の「煮干汁なし」の3種類だ。「特製汁なし」は中太麺にしょうゆのたれが絡み、サイコロ状の角切りのあぶりチャーシュー、味玉、シャキシャキの白ネギ、のりなどが乗っている。スタンダードな組み合わせだが、この店の特徴でもあるたれと太麺、あぶりチャーシューがよく絡み、とてもおいしい。
あぶりのスモーキーな味わいも相まって、全体的にとてもバランスがとれた味わいに仕上がっている。
エスニックなまぜそば
恵比寿駅西口から徒歩4分、バル風カウンター席7席のこぢんまりとした店。エスニック系のメニューを中心としたまぜそばと担担麺が看板のメニューで、「定番まぜそば」は、「豚」「和牛」「ブリ」「ラム」「ベジ」の5種類からメイン食材を選んで注文するスタイルだ。
基本の具材としてピーナッツやバナナチップ、青のり、干しエビ、ネギ、フライドオニオン、天かす、山椒(さんしょう)、魚粉などの具材が混ざった、まさに「まぜそば」な仕上がりが特徴。具材をしっかりと混ぜ合わせると、エスニックな風味がやみつきになる。
卓上に、は「味変」用のスパイスも置かれ、最後までさまざまな味が楽しめる。
※営業時間は不定期のためInstagramを確認
燻製の香りそそる油そば
西武線練馬駅北口から徒歩4分、カウンター8席でウッドスタイルの内装のラーメン ゴッツ(RAMEN GOTTSU)。豚骨魚介ダブルスープの「らーめん」、淡麗あっさり煮干しの「煮干しそば」、薫製の香りが食欲をそそる唯一無二の味わいの「燻製油そば」の三つが人気のメニューだ。
オリジナリティーのある「燻製油そば」は、ニンニクやネギを使った香味油が香ばしく、もっちり太麺と辛みのある肉みそと良く絡む。チャーシュー、メンマ、カイワレ、レモンなどの具材もいい。
煮干しをすするならこの店
旗の台駅から徒歩1分、店名は何とも特徴的で、白を基調としたかわいらしい外観は女性一人でも入りやすい。
看板メニューは、煮干しラーメンをイタリアンにアレンジした汁なし麺で、ペペロンチーノ風の「にぼにぼちーの」とカルボナーラ風の「にぼにぼなーら」の2種。店主は煮干しの名店「自家製麺伊藤」で修業しただけあって、どちらも濃厚なのにくどくない煮干しのうま味が見事に凝縮されている。
「にぼにぼちーの」は、仕上げにオリーブオイルや青森産ニンニクを使った濃厚な味わい。ホロホロと柔らかい豚チャーシュー、紫タマネギの食感、苦味も程よいアクセントになっている。
「にぼにぼなーら」は、クリーミーで濃厚、トッピングの黄身と生ハムを混ぜるとまろやかな味わいが広がる。どちらも新感覚で、ほかに類を見ないおいしさ。接客も明るく、アットホームな雰囲気だ。
名古屋系統のジャンクな魅力
西武池袋線、地下鉄大江戸線練馬駅から徒歩3分、地下にある店舗。都内で数店舗のラーメン店を経営する「とらのこグループ」の代表が2013年にオープンさせた。
看板メニューは名古屋のご当地ラーメンとして人気を博している「台湾まぜそば」から着想した「まぜそば052」だ。醤油やニンニク、唐辛子などで味付けされた牛肉と豚の台湾ミンチや卵黄、ニラ、ネギ、ノリ、魚粉、刻みニンニクなどの豊富な具材と、モチモチの太麺と塩ダレを思いっきり混ぜて食べる。圧倒的にジャンクな味わいは病みつき間違い無し。
そして、麺を食べ終わった後には、追い飯(無料の白飯)を注文すると、残った具材で「まぜめし」が楽しめる。ジャンク好きにはたまらない店だ。
イタリアン×創作ラーメン
大井町駅から徒歩7分、住宅街の中にある店。イタリア料理店で修業を積んだ店主による、「ベジポタ系」の創作ラーメンが食べられる。「つけ麺 醤油」「つけ麺 ロッソ(トマト)」「ピザソバ(汁なし)」が基本メニュー。
特におすすめは「つけ麺ロッソ」で、8種類の野菜が溶け込んだ濃厚スープに、鶏や豚といった動物性のこく、トマトの酸味がきいていて絶妙。麺には粉チーズとバジルペーストが乗せられ、パスタを彷彿(ほうふつ)とさせる。一見変わり種に見えるがつけ麺としてもハイレベルで、ラーメン通の舌もうならせている。
各メニューともに、つけ麺の割スープの要領で、プラス料金でライス、チーズ、半熟卵、ソースを加えて締めのリゾットも楽しめる。
月曜限定のまぜそば
牛骨ラーメンで有名な北千住の「マタドール」が、定休日である月曜に営業しているまぜそば専門店。東京電機大学東京千住キャンパス近くにあり、店内は週に一度のチャンスを求める客でいつもにぎわっている。
完成されたまぜそばをそのまま味わってほしいという思いから、卓上調味料による味足しを許さないのが闘牛脂のスタイル。個性的なメニューが勢ぞろいしている。
牛肉、春菊、細タケノコ、刻みタマネギなどが豪快に盛られた「旨塩まぜそば」は、平打ちの太麺と甘めの牛脂ソースが良く絡む。月曜に北千住にいることがあれば、ぜひ立ち寄ってもらいたい。
山椒や花椒でしびれる一杯
東陽町駅近く、ミシュランガイドのビブグルマンを獲得しているラーメン屋。名物のパクチーが乗った「特麻婆まぜそば」は、山椒(さんしょう)がピリッときいた一杯。もし、辛さが足りない人は机上にある青山椒を追加しよう。
青山椒は、若い花椒(ホアジャオ)から取れるもので、これを追加すると一気にしびれがやって来る。ラー油や山椒を控えめ、抜きにすることもできるので、辛いものが得意でない人は店員に一声かけることを勧める。
石垣島の素材を生かして
東京メトロ南北線東大前駅から徒歩3分、黄色い立て看板が目印の店。自家製麺のクオリティーは非常に高い。
看板メニューは「石垣の塩まぜそば」。店主が第二の故郷として愛しているという石垣島の塩を使った塩だれとモチモチの極太麺の組み合わせが抜群で、さらに具材の石垣産のアオサ、メンマ、魚粉、青ノリ、チャーシュー、ネギが絶品の味わいを彩る。
別皿で提供される「食べるラー油」はほどよい辛味で、食べている途中にいれるとよいアクセントに。トッピングの生卵も相性は抜群。石垣島の素材の味をたっぷり詰め込んだ一杯になっている。
フォアグラ×油そば
渋谷駅から徒歩10分、井の頭線神泉駅から徒歩7分ほどの246号線沿いにある店。錦糸町にある鴨ラーメンの人気店「満鶏軒」が、渋谷エリアにもオープンした。
看板メニューの「鴨中華そば(塩)」(870円から、税込み)は、鴨と水だけで作られた輝くような鴨清湯(ちんたん)スープが特徴で、味付けは岩塩とフォアグラ油を1滴たらすのみ。鴨のうま味が十分に引き出されたスープには、直球のストレート麺がマッチしている。
そのほかのメニュー「フォアグラ油そば」も人気。贅沢に盛り付けられた大ぶりのフォアグラは香ばしく焼き上げられ、うま味が凝縮されている。低温調理により、しっかりとした弾力が感じられる鴨肉のチャーシューと合わせて、鴨づくしの豪華なまぜそばが堪能できる。トッピングの味玉もとろけ過ぎない優しい味わい。それぞれの素材のうま味が混ざり合った一杯だ。
※営業時間は不定期のためTwitterを確認
名古屋発祥の「台湾まぜそば」は、今や都内はもちろん海外でも多く出店している汁なし麺の一種。甘辛い「台湾ミンチ」とニラやネギなどの香味野菜、ニンニク、魚粉、そして卵黄が乗ったモチモチの太麺は、よく混ぜて一口すすれば病みつきになること間違いなしだ。
インド南東にある国・スリランカ。多様なスパイスを組み合わせたものや、唐辛子を使わないアーユルヴェーダ式のカレーは、ここ日本でも多くのファンがいる。しかし、それ以外の料理となるとまだまだ知られていない。
新定番となったラーメンジャンル「汁なし麺」。「まぜそば」や「油そば」など店によってさまざまな呼称があるが、基本的な特徴はラーメンの醍醐味(だいごみ)であるスープを入れず、麺と具材、たれのみで勝負していることだ。ここでは、東京で味わえる注目の店を紹介する。都心から少し離れた店も多いが、温かくなってきた今、少し足を延ばして出かけてみよう。
本格的なインディアンレストランが点在し、インド系ファミリーの日常に寄り添った店が多い西葛西。東京では珍しい家庭料理やスイーツ、食材店などもあるので、旅する気分で散策したい。インド料理がカレーとナンだけでないことに驚くはずだ。
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