珍珍亭
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Photo: Keisuke Tanigawa

東京、汁なし麺20選

恵比寿、旗の台、曙橋、東陽町、銀座ですすりたい名店

Hisato Hayashi
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テキスト:メンチャック

新定番となったラーメンジャンル「汁なし麺」。「まぜそば」や「油そば」など店によってさまざまな呼称があるが、基本的な特徴はラーメンの醍醐味(だいごみ)であるスープを入れず、麺と具材、たれのみで勝負していることだ。ここでは、東京で味わえる注目の店を紹介する。都心から少し離れた店も多いが、温かくなってきた今、少し足を延ばして出かけてみよう。

※営業時間に変動があるため、詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい

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  • 東小金井

東小金井駅の南口を出てすぐのところにある、油そばが看板メニューの中華料理屋。ほかでは食べられない味を追求する店主が開発した「宝ソバ」は、20年間店の看板を背負ってきた。登場当時にその味が口コミで広まっていき、瞬く間に行列を巻き起こした。

地元の学生から会社員、家族連れ、そして全国のラーメン通から愛されているその味は、濃厚なのにさっぱりで、とにかく飽きがこない。その秘密は、特製の油としょうゆベース、鶏ガラスープが合わさった自慢のたれ。細過ぎず、太過ぎないストレートの中太麺とよく絡む。

  • 吉祥寺

吉祥寺パルコ裏にある油そば専門店「ぶぶか」の吉祥寺2号店。チャーシュー、ナルト、のり、メンマ、ネギが乗った「油そば」には2種類ある。「黒丸」は、創業から20年間受け継がれている濃厚だれを使用した定番の油そばだ。一方「白丸」はあっさりとした味付けで、油そば初心者でも食べやすい。

がっつりいきたい人は、チャーシューが豪快に盛られた「肉食系油そば」、山のように野菜が盛られた「草食系油そば」を頼んでほしい。

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  • 小金井

法政大学小金井キャンパスの近くにある、人気の油そば店。アットホームな雰囲気の店内は、いつも老若男女問わずファンでにぎわっている。

定番の「油そば」は、並、中、大、特大からサイズが選べる。特製のたれと麺とが絡み合い、濃厚ながらしつこ過ぎない味は病みつきになると評判。健康に気をつけている人は、植物性油を使用した「ヘルシー 一平ソバ」を。胃に負担をかけないで油そばが味わえるだろう。

  • ラーメン
  • 練馬

桜台駅前の、少し目立ちにくい少し老朽化した建物と看板が特徴の店。汁なしの油そばの専門店で、西武池袋線沿線の客を中心に人気がある。メニューは甘口しょうゆ味の「汁なし」、ピリ辛塩味の「塩汁なし」、和風のしょうゆ味の「煮干汁なし」の3種類だ。

「特製汁なし」は中太麺にしょうゆのたれが絡み、サイコロ状の角切りのあぶりチャーシュー、味玉、シャキシャキの白ネギ、のりなどが乗っている。スタンダードな組み合わせだが、この店の特徴でもあるたれと太麺、あぶりチャーシューがよく絡み、とてもおいしい。あぶりのスモーキーな味わいも相まって、全体的にとてもバランスがとれた味わいに仕上がっている。

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  • ラーメン
  • 武蔵野
  • 価格 1/4

武蔵境駅から東小金井方面に10分ほど歩いた場所にあるラーメン店。創業1958年と歴史が長く、油そば発祥の店といわれる老舗だ。

看板メニュー「油そば」は、しょうゆベースのこってりスープにもちもちの太麺、新鮮なネギが相性抜群で、素朴ながら癖になる味わいだ。トッピングのチャーシューや卵はシンプルな味付けで、濃いスープとのバランスがちょうど良い。卓上に置いてあるラー油や酢、こしょうを加えれば、最後の一口まで飽きることなく堪能できる。油そば好きの人には、ぜひ元祖の味を確かめてほしい。

  • ラーメン
  • 恵比寿

恵比寿駅西口から徒歩4分、バル風カウンター席7席のこぢんまりとした店。

エスニック系のメニューを中心としたまぜそばと担担麺が看板のメニューで、「定番まぜそば」は、「豚」「和牛」「ブリ」「ラム」「ベジ」の5種類からメイン食材を選んで注文するスタイル。基本の具材としてピーナッツやバナナチップ、青のり、干しエビ、ネギ、フライドオニオン、天かす、山椒(さんしょう)、魚粉などの具材が混ざった、まさに「まぜそば」な仕上がりが特徴だ。

具材をしっかりと混ぜ合わせると、エスニックな風味がやみつきになる一杯が完成。卓上に、は「味変」用のスパイスも置かれ、最後までさまざまな味が楽しめるのもうれしい。そのほかのメニューには、本格的な「汁なし担々麺」、パクチーやハバネロが入った「55担々麺」、魚介だしのきいた「奥沢担々麺」など、多種多様なメニューがそろう。

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  • ラーメン
  • 練馬

西武線練馬駅北口から徒歩4分、カウンター8席でウッドスタイルの内装のラーメン ゴッツ(RAMEN GOTTSU)。豚骨魚介ダブルスープの「らーめん」、淡麗あっさり煮干しの「煮干しそば」、薫製の香りが食欲をそそる唯一無二の味わいの「燻製油そば」の三つが人気のメニュー。

オリジナリティーのある「燻製油そば」は、ニンニクやネギを使い薫製した香味油が香ばしく、もっちり太麺と辛みのある肉みそと絡み合う。チャーシュー、メンマ、カイワレ、レモンなどの具材も良い。

  • ラーメン
  • 品川

旗の台駅から徒歩1分、店名は何とも特徴的で、白を基調としたかわいらしい外観は女性一人でも入りやすい。

看板メニューは、煮干しラーメンをイタリアンにアレンジした汁なし麺で、ペペロンチーノ風の「にぼにぼちーの」とカルボナーラ風の「にぼにぼなーら」の2種。店主は煮干しの名店、自家製麺伊藤で修業しただけあって、どちらも濃厚なのにくどくない煮干しのうま味が見事に凝縮されている。

「にぼにぼちーの」は、仕上げにオリーブオイルや青森産ニンニクを使った濃厚な味わい。ホロホロと柔らかい豚チャーシュー、紫タマネギの食感、苦味も程よいアクセントになっている。「にぼにぼなーら」は、クリーミーで濃厚、トッピングの黄身と生ハムを混ぜるとまろやかな味わいが広がる。どちらも新感覚で、ほかに類を見ないおいしさ。接客も明るく、アットホームな雰囲気だ。

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  • ラーメン
  • 中野坂上

東京メトロ丸ノ内線中野坂上駅から徒歩7分ほど、青梅街道沿いにある店。元々はうどん専門店だったこめんこ屋が、2020年5月に粉麺小屋と漢字表記のラーメン店に業態変更した

定番メニューの「中華そば」は、長年のうどん作りで培った手打ちの自家製麺が特徴。透き通るような太麺は、小麦の香りが豊かでモチモチの食感が生きている。少し甘みのあるしょうゆスープとの相性は抜群だ。

「特製中華そば」は、肉団子、豚チャーシュー、鶏チャーシューなど、たっぷり具材が乗っている。麺の魅力をじかに楽しみたければ「油そば」がおすすめ。上質なラードが鶏油(チーユ)と混ざり合い、麺にしっかりと絡んでいる。あっさりとしながら強烈なインパクトの一杯だ。

  • ラーメン
  • 練馬

数々の人気店を手がけてきた、とらのこグループの代表自らが練馬にオープンさせた油そば店。2019年には、食べログのラーメン百名店に選出されたほどの実力派である。

特に、名古屋のご当地グルメである台湾まぜそばにインスパイアされた「まぜそば052」は店のいちおしである。卵黄をかき混ぜて麺と絡めることによって、辛いのにマイルドな、癖になる味を再現した。より辛さを求める人は、「辛いまぜそば」を頼んでみては。

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  • 日本料理
  • 大井町

大井町駅から徒歩7分、住宅街の中にある店。イタリア料理店で修業を積んだ店主による、「ベジポタ系」の創作ラーメンが食べられる。「つけ麺 醤油」「つけ麺 ロッソ(トマト)」「ピザソバ(汁なし)」が基本メニュー。

特におすすめは「つけ麺ロッソ」で、8種類の野菜が溶け込んだ濃厚スープに、鶏や豚といった動物性のこく、トマトの酸味がきいていて絶妙。麺には粉チーズとバジルペーストが乗せられ、パスタを彷彿(ほうふつ)とさせる。一見変わり種に見えるがつけ麺としてもハイレベルで、ラーメン通の舌もうならせている。

  • 十条
  • 価格 1/4

東十条駅北口を出て、左手側にある坂道を下る途中にあるラーメン店。魚介系豚骨しょうゆに自家製太麺が特徴の無化調ラーメンを提供している。

定番メニュー「らーめん」は煮干しの香りが漂うスープを使用しており、一口食べると動物性のうま味もしっかりと感じられる。濃厚ながらも癖のないのが特徴的だ。コシのある自家製ストレート麺を加え、その上にチャーシュー、味玉、メンマ、ネギ、カイワレをトッピング。厚めに切られたチャーシューは低温で調理されており、しっとりとした食感がたまらない。見た目以上にボリュームもあり、食べ応えは十分だ。

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  • 北千住

牛骨ラーメンで有名な北千住のマタドールが、定休日である月曜に営業しているまぜそば専門店。東京電機大学東京千住キャンパス近くにあり、店内は週に一度のチャンスを求める客でいつもにぎわっている。

完成されたまぜそばをそのまま味わってほしいという思いから、卓上調味料による味足しを許さないのが闘牛脂のスタイル。個性的なメニューが勢ぞろいしている。

牛肉、春菊、細タケノコ、刻みタマネギなどが豪快に盛られた「旨塩まぜそば」は、平打ちの太麺と甘めの牛脂ソースがよく絡む。月曜に北千住にいることがあれば、ぜひ立ち寄ってもらいたい。

  • 品川

大崎広小路駅を出て、山手通りを大崎方面に歩き、1分足らずで見えてくるラーメン店。この店の特徴は、なんといっても豪快に振りかけられる背脂。見た目はこってりしているが、意外としつこくなく体にも優しいと定評がある。

自信作「特製らーめん」はもちろん、「爆盛油脂麺」はその名の通り、麺も脂も爆盛り。スープ抜きの油そばスタイルで、400グラムの極太麺を背油まみれで味わう。

好みに合わせて、麺のゆで加減や味の濃さ、背脂の量、ニンニクの量なども調整できる。ガツンといきたいときには、ぜひ一杯注文してみてほしい。

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  • ラーメン
  • 江東区
  • 価格 1/4

東陽町駅近く、ミシュランガイドのビブグルマンを獲得しているラーメン屋。名物のパクチーが乗った「特麻婆まぜそば」は、山椒がピリッときいた一杯。

もし、辛さが足りない人は机上にある青山椒を追加しよう。青山椒は、若い花椒(ホアジャオ)から取れるもので、これを追加すると一気にしびれがやって来る。ラー油や山椒を控えめ、抜きにすることもできるので、辛いものが得意でない人は店員に一声かけることを勧める。

  • ラーメン
  • 銀座

銀座駅から徒歩3分。銀座らしいシックな内装で味わえるのは、元中華料理人の店主がふるまう刺激たっぷりの一杯。一番人気は、中華料理で使用される山椒のようなスパイス、花椒(ホアジャオ)が具材にまでたっぷりと混ぜ込まれた「麻婆麺(まーぼーめん)」だ。辛さは「薄辛」「普辛」「倍辛」の3段階から選べるが、「普辛」でも十分な辛みとしびれが感じられる。

辛いだけではなく、スープのうま味もしっかりとあり、そのバランス感の良さは都内で食べられる麻婆麺の中でも髄一。卓上に用意されているぶどう山椒オイルを加えれば、一層華やかな香りになり、最後の一口まで堪能できるだろう。癖になる味にリピート客も多く、昼の営業で売り切れてしまうことも多い。

そのほか、ひき肉やナッツ、パクチーなどの具材と、しびれ感たっぷりのたれが麺に絡みつく「汁なし坦々麺」や「坦々麺」、正統派の中華料理である「酢辣湯麺(サンラータンメン)」も人気。行列は免れないが、一度は訪れてほしい名店だ。

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  • 曙橋

曙橋駅を出てすぐ、都道302号線沿いにある油そば専門店。麺や 庄のグループの4店舗目として2013年10月1日にオープン。

打ち立ての自家製麺は、しっかりとしたコシを感じつつ、もちっとした食感が楽しめる。和歌山県は湯浅の老舗蔵「角長」の生しょうゆを使ったしょうゆだれが絡まり、飽きのこない味わいを作り出す。

高カロリーなイメージのある油そばだが、「亜麻仁油」と「太白白胡麻油」という植物油を使用することで健康的に仕上げている。老化防止、美肌効果といった働きがあるため、女性にも勧めたい。

  • 平和島

京急本線平和島駅から徒歩5分ほど、環七沿いにある、二郎亜流系のラーメン店。オレンジの店構えに、赤色で「髭」と文字が入った立て看板が目印だ。

非乳化系のスープで、二郎よりもやや軽めではあるが、しっかりと豚の味が染み込んでいて、美味。平打ちの縮れ麺、バラ肉の豚チャーシュー、直前に炒めることでシャキシャキした食感を残した野菜がアクセントとなっている。二郎亜流のなかでオリジナリティーのある味だが、特にこの店の特徴が出ているのが、「油そば」。しっかりと混ぜ込んで食べるこの一杯には、生卵、ほぐした豚が乗り、これが絶品。

平日でも昼時は行列ができている人気ぶりで、早めに売り切れになる場合が多いので、入店は早めに。大盛りはかなりのボリュームなので、注文する際は覚悟を持って挑もう。

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  • 下高井戸

桜上水駅北交差点近くにある油そば店。中に一歩踏み入れると、元気なスタッフが温かく出迎えてくれる。

上質な背脂でできた自家製ラードを使っており、普通のラーメンの25%の量の油しか使わないという。でん粉を使ったモチモチ麺は、170グラムとボリュームも十分。特製の揚げネギ、ジューシーなチャーシューが彩りを添える。

通信販売では、定番商品「あぶら〜めん」4食セットだけでなく、酒のさかなにもおすすめの特製チャーシューや味付き卵も購入できる。一度食べたら忘れられない、桜上水の名物ラーメンを試してみては。

  • 白山
  • 価格 1/4

東大前駅を降り、本郷通りを東大正門方面へ200メートルほど進み右折すると見えてくる、つけそばとまぜそばの専門店。石垣の塩を使ったメニューが売りで、塩の味を引き立てるアオサなどの食材と、魚粉のきいた白濁スープが合わさり、シンプルな塩味に独特の風味や触感が加わる。もちもちの太麺と、分厚いチャーシューで、ボリュームも満点だ。

リニューアルに伴い登場した、ビーガンメニュー「旨み凝縮スパイスカレーまぜそば」は、パクチーやナッツがアクセントとなっている。同じく新メニューの「濃厚コク旨海老まぜそば」は、香り高い自家製エビペーストと麺の相性抜群。

ラーメン道を極めたいなら......

  • ラーメン

競争の激しい東京のラーメン業界。ここでは不動の人気店から隠れた名店、彗星(すいせい)のごとく現れた新店まで多様なジャンルで紹介する。都内全域から好みの一杯に巡り合ってみよう。

辛くておいしいものは無数にあるが、手軽なのは万人好みの辛い麺料理。日本のラーメンをあえて除外し、アジアの麺に絞ったら、すべり込みの夏休み感も合わせてさらに楽しめるかもしれない。

東京ではアジアだけでも、さまざまな辛い麺が食べられる。中国の四川省発祥だが、日本オリジナルに進化した各種担々麺、唐辛子をたっぷり使った韓国のビビン麺、カレー風味のタイのカオソーイなど……。

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  • ラーメン

いち麺ジャンルとして定着し、さらなる細分化が進むつけ麺。その中でもここ数年でひそかに注目を浴びているのが『昆布水つけ麺』というメニューだ。このメニューの特徴は、昆布のうま味が染み込んだとろとろの昆布水に麺がつかった状態で提供されること。

麺本来の小麦の味わいと、黄金色の昆布水の風味、喉越しの良さ。そこに各店が工夫を凝らしたつけだれの味が混ざり合い、味のハーモニーを生み出している。そんな今注目の『昆布水つけ麺』を提供している15軒を厳選した。さっぱりとした一杯を堪能してほしい。

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国民食ラーメンの中でも、店主の麺へのこだわりや、麺の本当のおいしさを堪能できるのがつけ麺の魅力だ。今や群雄割拠の時代となっているつけ麺業界。ちまたにはさまざまなつけ麺専門店が並んでいるが、現在のつけ麺シーンの礎を築き、常に独創性を放ち続ける20店を、ラーメンハンターが厳選。

麺のうま味を引き出すために、どの店も創意工夫に富んだつけ汁を作り出している。ここでは通いやすい都心の名店から、決してアクセスがいいとは言えないが絶対に外せない都下の名店までを網羅して紹介する。

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