ノールームフォースクエアーズ
Photo: Keisuke Tanigawaノールームフォースクエアーズ
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東京、ジャズバー7選

老舗からDJカルチャーを通過した新店まで紹介

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針で引っかいて音を出すというアナログなレコードの手法に、ジャズの音は非常に合う。そして、そこにアルコールが加われば言うまでもない。

本記事では、モダンやニューオリンズジャズを流す老舗はもちろん、フリーやDJカルチャーを通過した新時代のジャズを流すヴェニューも紹介。ジャズという音楽の奥深さにきっと気づかされることだろう。もちろん深いことは考えず、ただ音に身を委ねるのも一興だ。本記事で新たな出合いがあることを願う。

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  • 赤坂

1977年に原宿で創業し、2011年に赤坂に移転したジャズバーの「ボロンテール」。看板やコースターのデザインはイラストレーターの和田誠によるもので、店内には原画も飾られている。

レコードは約3000枚を揃えており、ニューオリンズやスイング、モダン、ボーカルジャズがメイン。毎月第3土曜日に「レコードを聴く会」を設け、奇数月はSP盤、偶数月は7インチシングルを極上の環境でリスニングできる。特に78回転のSP盤は、オーディオ・ファブの針師、古屋明が作る専用のカートリッジを使用しており、蓄音機で聴くのとはまた違う感動が得られるという。

バータイムのチャージは2,000円で、ナッツとドライフルーツ、チョコレートが付く。ドリンクは、ニューヨーク在中のギタリストが「コニーアイランドでも飲みたい」と名付けた、赤シソのシロップとウオッカのカクテル「コニーアイランド」が人気。夏前にシロップを手作りし、なくなり次第提供を終了する毎年の風物詩だ。

さまざまな文化人に愛されてきた同店には、数多くの逸話がある。壁に飾られているジャズミュージシャンたちの写真をはじめ、音楽の話はもちろん、東京という街の文化や歴史についても貴重な話が聞けるだろう。老舗でありながらも、笑顔のすてきな店主が迎え入れてくれる同店を訪れてみては。

  • カフェバー
  • 石神井

デイビッド・リンチによる映画「マルホランド・ドライブ」に登場するクラブから店名を付けた「シレンシオ(SILENCIO)」。ディープハウスのDJとしても活動していた店主がセレクトする、フリーやスピリチュアル、現代ジャズに加えて、現行のフォークやアンビエント、ワールドミュージックなどが流れる。

レコードは約1000枚をストック。4割ほどがジャズで、定期的に入れ替えを行う。レコードは販売もしており、まれに新譜を仕入れることもある。

ドリンクはクラフトジンが充実し、レモングラスやシナモンの風味が爽やかなオランダのジン「BOBBY'S」が人気。国内の蒸留所からも仕入れを行い、好評だったものを定番化している。そのほか、ウイスキーやウオッカ、ラム、シングルモルトウイスキーなどもラインアップする。

日が沈むと暖色の落ち着いた明かりが外に漏れ出し、浮かび上がるような4軒長屋の一室で、音楽と酒に癒やされたい。

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  • 下北沢

ジャズ喫茶とジャズハウス、レコードバーの全てを兼ね備えた店を作るべくオープンしたのが「ノールームフォースクエアーズ(No Room For Squares)」。提供するメニューのクオリティーにこだわり、飲食店として来店した人がジャズに興味を持ってもらえるように、間口を広げることを目標としている。

同店は、瓶のコーラの自動販売機が扉となっていることから分かるように、スピークイージースタイル。スピークイージーにしたのは、カクテルの歴史がジャズの起源と同じくニューオリンズで誕生し、ニューヨークで洗練されたためだ。当時その場に集まる最先端の人たちに向けて演奏されていたのがジャズだったように、ジャズをもっとヒップにしたいという店主のこだわりが店内には詰まっている。

カクテルは「ラストワード」という禁酒法時代に誕生したものが人気だが、基本的にメニューはなく、飲みたいイメージに合わせてオリジナルを提供。ホットドッグもぜひ注文したい。

レコードは約2000枚あり、月に1度100枚ほど入れ替えを行う。ライブは基本的に土・日曜日のみで、防音工事が施されている店内では、ドラムも生音で演奏可能だ。

  • ティールーム
  • 新宿

1960年から1970年代初頭にかけて、新宿には多くのジャズ喫茶が誕生した。その一つが、1961年に前身となる店を新宿にオープンし、2007年より営業を再スタートした歴史ある「ダグ(DUG)」だ。

れんがが敷き詰められた小さな空間には、選び抜かれたジャズの関連品が並び、店が持つシリアスなジャズへの姿勢が、心地よい大人の癒やしの場を創り出している。カクテルは100種類、ウイスキーやビールも多数銘柄を揃え、陽の光が差さない地下にある店内で、昼からグラスを傾けることができる。

コーヒーとともに、「自家製パウンドケーキ」や「自家製ミートパイ」をつつきながらまどろみの時間を過ごすのもいいだろう。こんな贅沢な午後のひとときを味わえるなら、雨の日の新宿だって悪くない。

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  • 音楽
  • 日本橋

「レッド バー」「青山トンネル」「OATH」のスタッフとして勤務していた店主が2020年にオープンした、ジャズを中心としたミュージックバーの「バー スライト(Bar SLIGHT)」。店内にある500枚ほどのレコードは、DJとしても活動をしている店主がイベント用に選盤する際に入れ替えている。

ジンやウイスキーなどは、手頃でおいしいものをセレクト。「エスプレッソマティーニ」は、「銀ブラ」の語源となった「カフェーパウリスタ」の深いりの豆を、マシンを使用してエスプレッソにして、提供している。

バー営業の際はハードバップやオルガンジャズ、モダンジャズ、現行ジャズなどがかかることが多いが、客層は幅広く、ジャズをあまり聴いたことがない人でも訪れやすいだろう。イベントは木・土・日曜日に不定期で開催する。

  • カフェ・喫茶店
  • 祐天寺

学生時代に横浜の老舗ジャズ喫茶「ダウンビート」で働いていた店主による、カフェバーの「キッサ ボッサ ウミネコ(KISSA BOSSA UMINEKO)」。レコードは約500枚あり、ジャズのフィーリングを感じる音楽をセレクトしている。

厚木ビールで醸造したオリジナルのクラフトビールが人気で、軽めのエールと黒ビールの2種類を用意。コーヒーは同店の常連である写真家が自家焙煎(ばいせん)した中いりと深いりをハンドドリップで提供している。

フードのメニューはランチとディナーともに共通で、バターチキンカレーやオムライス、ナポリタンなどがラインアップ。2軒目として利用する来店者も多いという。

店内の楽器はハモンドのキーボードを含め、常連客が置いていったものがほとんど。土曜日にはイベントを行うことがあり、ジャズの生演奏が楽しめる。また、日曜日は店主が不在だが、DJやジャズ喫茶のマスターなど、選盤係が登場することがある。

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  • ナイトライフ
  • 蒲田

蒲田駅西口、バーボンロードの近くにあるジャズバー。ジャズ喫茶が全盛期だった1975年にオープンした、屋根裏の隠れ家のような場所だ。チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)好きな店主が、当時漢字4文字の喫茶店がなかったことと、彼の楽曲から「直立猿人」と名付けた。

厳格なジャズバーというよりは、カジュアルに酒やコーヒーを飲みながらリラックスして音楽を楽しめる店だ。2015年に店主が引退し、新マスターがこの歴史を引き継いだ。常連客が多く、入り口は入りにくそうな雰囲気だが、積み重ねられた歴史が残る貴重な場として思い切って足を踏み入れてほしい。

カバーチャージなどはなく、アルコール類は良心的な価格で、年に数回ジャズのライブも行われている。

音楽に癒やされるなら......

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  • ジャズ

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Midnight East」で開催する「DIG SHIBUYA」のオープニングパーティーや「STILL MORE BOUNCE 2」は、ついつい深い時間まで楽しんでしまいそうだ。Mall GrabDJ Marcelleをはじめ、来日アクトにも注目したい。

最高の一年にすべく、ミュージックヴェニューへ繰り出そう。

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