1977年に原宿で創業し、2011年に赤坂に移転したジャズバーの「ボロンテール」。看板やコースターのデザインはイラストレーターの和田誠によるもので、店内には原画も飾られている。
レコードは約3000枚を揃えており、ニューオリンズやスイング、モダン、ボーカルジャズがメイン。毎月第3土曜日に「レコードを聴く会」を設け、奇数月はSP盤、偶数月は7インチシングルを極上の環境でリスニングできる。特に78回転のSP盤は、オーディオ・ファブの針師、古屋明が作る専用のカートリッジを使用しており、蓄音機で聴くのとはまた違う感動が得られるという。
バータイムのチャージは2,000円で、ナッツとドライフルーツ、チョコレートが付く。ドリンクは、ニューヨーク在中のギタリストが「コニーアイランドでも飲みたい」と名付けた、赤シソのシロップとウオッカのカクテル「コニーアイランド」が人気。夏前にシロップを手作りし、なくなり次第提供を終了する毎年の風物詩だ。
昼はカフェとして営業しており、秘伝のソースを使用したパストラミサンドイッチとミドルローストのコーヒーの組み合わせは絶品。周辺で働くビジネスパーソンの食後の一服として利用されることも多い。
さまざまな文化人に愛されてきた同店には、数多くの逸話がある。壁に飾られているジャズミュージシャンたちの写真をはじめ、音楽の話はもちろん、東京という街の文化や歴史についても貴重な話が聞けるだろう。老舗でありながらも、笑顔のすてきな店主が迎え入れてくれる同店を訪れてみては。