建築家の宮脇檀が設計した住宅「松川ボックス」(1971年完成)にオープンした、期間限定のギャラリー「ザ・ミラー(THE MIRROR)」。松川ボックスは、これまで一般公開されたことはなく、コンクリート製のボックス内部に木組の住宅をはめ込む傑作として知られる。
アートを楽しむ都会のオアシスとして、展覧会やレクチャー、イベントなどさまざまな活動を展開する。事前予約、少人数の時間制限を導入しているので、事前に公式ウェブサイトを確認しよう。
タイムアウト東京 > アート&カルチャー > 東京、無料で入れる美術館・博物館30選
近年、美術館や博物館の入館料が上がりつつある。有料ならば確かにすばらしい体験ができると分かっていても、やはり無料で良い作品を見たいもの。
そのような需要に応えてくれるような美術館やギャラリーが東京には一定数ある。今回セレクトするのは、質の高い国内外の作家を紹介する「資生堂ギャラリー」や明治期洋画の重鎮、黒田清輝の作品を展示する「黒田記念館」から、「目黒寄生虫館」や「おりがみ会館」といった変わり種まで27館だ。
開館時間が変更になっている場合もあるので、事前に公式ウェブサイトを確認してから訪れてほしい。
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建築家の宮脇檀が設計した住宅「松川ボックス」(1971年完成)にオープンした、期間限定のギャラリー「ザ・ミラー(THE MIRROR)」。松川ボックスは、これまで一般公開されたことはなく、コンクリート製のボックス内部に木組の住宅をはめ込む傑作として知られる。
アートを楽しむ都会のオアシスとして、展覧会やレクチャー、イベントなどさまざまな活動を展開する。事前予約、少人数の時間制限を導入しているので、事前に公式ウェブサイトを確認しよう。
日本のアニメーションの歴史やこれからのアニメを学び、体験することができる、東京工芸大学付属のミュージアム。館内にはアニメシアター、アニメライブラリー、企画展ブース、ワークショップスペースがある。アフレコ体験、アニメ制作の過程を直接体験できる参加型展示、新しいアニメ情報を盛り込んだ企画展なども行う。
資生堂によって運営されている美術館。銀座メゾンエルメス(Ginza Maison Hermès)と同様、営利目的というよりは芸術性の高い本格的な美術館。
中村政人やローマン・シグネールなど、世界各国の現代アーティストの個展やグループ展、また、ときにはマン・レイのようなアーティストの回顧展やファッション関連の展示なども開催している。リカルド・ボフィル設計の資生堂本社の地下にある。
2013年にオープンした、日本郵政と東京大学が共同運営する学術文化施設。局舎の建築的特徴を生かした展示空間で、東京大学開校以来の学術標本コレクションに、最新の学術研究の成果や芸術表現などを交えて無料で公開している。
グラフィックデザイン専門のギャラリー。日本最大の印刷会社である大日本印刷が所有しており、グラフィックデザイナーの永井一正監修の下、コンテンポラリーデザインとグラフィックアートを多数展示している。横尾忠則などの日本人デザイナーの作品が目を引くが、海外アーティストの作品も度々展示されている。
日本の広告にまつわる資料が充実しているミュージアム。江戸時代の木版による広告や現代の最先端の手法を用いた広告物まで幅広く展示され、日本の広告の歴史を一望することができる。
過去30年に受賞したコマーシャル作品を、オンデマンドで視聴することも可能。10万点以上のデジタル画像のライブラリーもあるので、アイデアに悩んだら訪れるのもいいかもしれない。
手塚治虫、藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎などの名だたる巨匠を輩出した伝説のアパート「トキワ荘」がよみがえった。外観はもちろん、玄関、階段、居室、共同炊事場など、当時を忠実に再現。また、1階のマンガラウンジでは巨匠の作品を読むこともできる。
三鷹駅に隣接された商業施設、三鷹コラル(MITAKA CORAL)の5階にあるギャラリー。絵画を中心に、写真、服飾、漫画といったさまざまなジャンルの展示が行われている。
三鷹市とゆかりの深い作家である太宰治の自宅を再現した常設展では、直筆の原稿や家族との写真など貴重な資料が並ぶ。太宰に関する企画展もよく開催されているので、文芸ファンなら必ず足を運びたい場所だ。
駅からのアクセスが良く、遅くまで開館しているのもうれしいところ。仕事帰りに立ち寄って、美しい芸術を堪能してみては。展示内容については、事前に公式ウェブサイトで確認してほしい。
伝統工芸としての折り紙を通して国内外の親善交流と、広く社会に貢献していくことを目的として設立された国際おりがみ協会の関連施設。
長年にわたって蓄積されてきた紙文化の歴史と、世界中の折り紙作家の作品を展示し、折り紙を含む紙文化の振興のために活動を行っている。展示場や売り場のほか、教室などもある。
ポーラ銀座ビル3階にある美術館。「美容」「美術」「美食」の三つの美をコンセプトにした同ビルにおいて、「多くの人に気軽にアートを体感してほしい」との思いから誕生した。
ポーラのコレクションから現代アートまで、年間を通じて無料で鑑賞できる企画展を開催している。
芸術上の顕著な功績をあげた芸術家のための栄誉機関。1907年6月に文部省美術展覧会(文展)を開催するために設けられた美術審査委員会を母体とし、1919年9月に「帝国美術院」として創設、1937年の改組などを経て1947年12月に「日本芸術院」と名称を変更し、今日に至る。
日本芸術院が入る日本芸術院会館は吉田五十八の設計により1957年に完成、会員の会議などに使われるほか、展示室を不定期に一般公開しており、所蔵している美術作品を一般に鑑賞できる。
なお、この建築は2003年に「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」に選出された。
初代館長の渡辺泰裕のコレクションを公開する美術館で、56人の現代の日本人アーティストによる200点以上もの作品を所蔵。三つの屋外エリアは、大きなコンセプチュアルアートでほぼ一杯で、室内の象徴主義的作品を引き立てている。隣の墓地の、大理石の墓石との対比が面白い。
日本近代洋画の代表的な画家、黒田清輝が没する際、遺産の一部を美術奨励事業に当てるようにとの遺言を受けて1928年に完成した。館内には、黒田を顕彰する黒田記念室が設けられているほか、代表作の「読書」(1891年)、「舞妓」(1893年)、「智・感・情」(1899年)、「湖畔」(1897年)は新年、春、秋に各2週間、公開される。
2000年には、岡田信一郎設計の美術館建築を創建当初の姿に復元するため、2階部分を中心に改修、2001年9月にリニューアル開館した。2002年には登録有形文化財に指定された。
上島珈琲店が併設されており、作品観賞後にはコーヒーや軽食を楽しむこともできる。
町田市にある、版画を中心とする美術館。1987年の開館以来、国内外の優れた版画作品や資料を収集、保存する。3万点を超える収蔵品を有するほか、町田市の文化、芸術活動の拠点として市民展示室や版画工房、アトリエなども併設している。
ポーラ・オルビスホールディングスが開設した「化粧文化」に関する調査や研究活動などを行う新たな発信拠点。
青山通り沿いに新たに完成した「ポーラ青山ビルディング」の1階に位置し、約半世紀にわたって収集した文化資産と、研究で得た「化粧文化」に関する知見を、書籍の出版や、展示・ワークショップの開催などを通じて広く紹介していくという。
同ギャラリーでは、学術的・専門的なサービスを提供するだけではなく、とても親しみの湧く体験型のプログラムやワークショップも、定期的に開催されている。かつて日本女性たちが愛用していた「おしろい」を、最新研究のもと安全な成分で再現し塗布する体験や、さまざまな時代のメイクを合成できるアプリなどの体験イベントが楽しめる。
いずれも少人数での開催で、木曜は事前予約制(無料)。直近の開催日程は公式ウェブサイトで確認してほしい。
「中銀カプセルタワービル」のカプセルを再利用したスペース。建物内には、中銀カプセルタワービルを構成していた2基のカプセルを収納。オリジナルの内装を保持した状態のものと、内装を取り払ったスケルトンのものが設置されている。
コンセプトは「伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として『未来のオーセンティック』を生み出す」で、カプセルの空間や特徴を活用した多種多彩な企画が展開。それぞれのカプセルを活用しながら、映像上映や現代アートシーンで活躍する日本画・陶芸作家らの作品展示・販売、日本文化の新たな価値を発見できるワークショップなどが開催される。
今はなき、中銀カプセルタワーの2基のカプセルで行われるイベントを楽しもう。
日本銀行が運営しているこの博物館では、平安時代後期に中国から輸入された硬貨から、19世紀後半に日本銀行が出来て「圓」が作られるまでの「お金」に関する長い歴史をたどっている。
江戸時代の美しい小判や、インドネシアやフィリピンの植民地時代の紙幣、シベリアの革製の貨幣、さらにタイのヒル貨幣を見てみよう。あるいは、1億円(電話帳2冊分ぐらい)を持ち上げてその重さを感じてみるのもいい。もちろんアクリル樹脂の中にしっかりしまわれてはいるが。
この科学館は、生命に欠かせないものである「水」をテーマとしていて、面白い展示やゲームが楽しめる。「アクア・トリップ 水のたびシアター」で水のつぶになったつもりで川を下る体験をしてみたり、巨大な水槽を流れる泡を眺めて癒されたりしよう。
ユニークな試みのこの博物館は1953年、医学博士の亀谷了が設立した。戦後日本のひどい衛生環境のなか、亀谷の診療所は寄生虫に悩まされている患者であふれかえっていた。
博物館には博士が採集した4万5000体のうちおよそ300体の寄生虫の標本が展示されている。2階には40歳の男性から採取された8.8メートルもあるサナダムシが展示されており、隣には同じ長さのひもが並べられている。どれだけ長いのかをまざまざと実感できるだろう。
ミュージアムショップでは、寄生虫のキーホルダーが買える。一番親しく、大切な人への土産にいかがだろうか。同館は独立採算制での運営となっているため、展示品を堪能した後は募金箱への寄付を忘れないようにしよう。
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半蔵門駅そばにある写真ギャラリー。日本の写真文化の発展の歴史を、広く普及させることを目的に、さまざまな写真展を開催。日本の歴史的カメラが展示される「日本カメラ博物館」、写真とカメラの専門図書館「JCIIライブラリー」が併設されている。
1825(文政8)年創業の老舗紅屋、伊勢半本店併設のミュージアム。180年以上続く伝統技法でつくられる小町紅と呼ばれる紅の試用ができるサロンとその歴史や文化を展示する資料室が無料で開放されている。
紅花の花弁に含まれるわずか1パーセントの赤色色素のみで作られる小町紅は、塗り重ねることで玉虫色の光沢が出るという。サロンで試し付けした後は、そんな歴史ある紅色で現代の青山を歩いてみるのもいい。ハレを演出する鮮やかな紅は、時を越えて人々を魅了するに違いない。
メソポタミア時代の火打石や石板からエジプトのパピルス、そろばん、漢字の使えるタイプライターまで幅広く展示されている。目玉の一つである、馬50頭分以上の毛を使って作られた14キログラムもあるブラシはぜひ見ておきたい。
「国立天文台」にある、大正期に天文台高官の官舎として建てられた趣(おもむき)のある家屋を利用した無料のコミュニティ施設。館内には「星」「地球」「森」「植物」「動物」「人」の6つのカテゴリーで収集された約3500冊の絵本がそろい、読書や展示を楽しめるスペースとして開放されている。
子ども向けにものづくりや絵本にまつわるワークショップなども催されているので、こちらも要チェックだ。大人は敷地内に点在する展望台や望遠鏡、歴史館などを散歩しながら、宇宙の彼方に思いを馳せてみるのも良いだろう。
明治大学駿河台キャンパス内にある大学博物館。建学の精神である「権利自由」「独立自治」に基づき、博物館としての学術研究の成果を公開している。
博物館には3つの部門があり、商品部門は「商品博物館」を前身として商品を通した生活文化のあり方を、刑事部門は「刑事博物館」を前身として法と人権を扱う。また考古部門は、「考古学博物館」を前身とし、人類の過去と多様性を取り上げている。
「東京都慰霊堂」は、1923(大正12)年9月1日に発生した、5万8千人にも上る関東大震災による遭難者の遺骨を納めるための霊堂として1930(昭和5)年に完成。「東京復興記念館」は、その付帯施設として1931(昭和6)年に建てられ、震災や第2次世界大戦の犠牲者の形見の品や資料などを展示している。記念式典が毎年3月10日と9月1日の10時から行われる。
この博物館は国営の放送会社によって運営されている。日本初のラジオ局は1925年7月にこの場所で放送を開始した(現在、NHKは渋谷のもっと大きな場所に移動している)。昔のままの設備の階が2階あり、古いテレビのショーやニュース放送が建物のいたるところで流されていて、映像ライブラリーでも見ることができる。
東京家政大学キャンパス内にある、生活文化に関係する資料を収集・展示する博物館。常設展や企画展を通じて、衣服や生活用品にまつわるさまざまな文化を紹介している。
主な所蔵品に、衣服や生活用品のミニチュアの裁縫雛形を集めた「渡辺学園裁縫雛形コレクション」や、グァテマラや台湾先住民族の衣装などがある。中でも、明治から昭和時代にかけて製作された裁縫雛形は、現在約5000点所蔵されており、うち2290点が国の重要有形民俗文化財に指定されている。
企画展では、主に衣類に焦点を当てた展覧会を開催している。これまで、『一枚布の民族衣装』や『包む-風呂敷からドレスまで』といったユニークな切り口から衣類の歴史の考察を試みている。
現在、博物館は新棟移転準備のため、企画展は2026年8月まで休止中だ。
無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。
そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。
東京には世界最高のショッピングスポットが数多くあることは間違いない。この都市のショッピングシーンの最もユニークな側面の一つは、美術館やギャラリーなどの中にあるすてきなショップだ。ショップ自体がギャラリーの役割を果たしているものさえあり、全国のデザイナーや職人によるユニークな作品が展示され、限定品が売られていることもよくある。都内のミュージアムショップとギャラリーショップを紹介しよう。
東京には美術館だけでなく、数多くのギャラリーが点在する。中には、ガゴシアンやペースと並んで世界的に名声を博しているヴェニューから、シュルレアリスムなど極めて狭いジャンルを扱うギャラリーまで、その種類は多岐にわたる。
ただ一つ言えるのは、いくつかのギャラリーを見ていくと、そのヴェニューが好むアーティストの傾向などが分かるようになることだ。言い換えれば、自分が好きなアーティストがいれば、そうした話題を共有できる場所が見つかるということでもある。
本記事では、そうしたリサーチに役立つような東京のベストギャラリーを紹介する。ぜひ役立ててほしい。
関東大震災や第二次世界大戦の東京大空襲で大きな被害を受けるまで、東京には、現在も京都で見られるような木造の家が立ち並んでいた。その後、鉄鋼やコンクリート、独創的な形状に重きを置いたさまざまな建築物が建てられ、東京は現代的に生まれ変わった。
しかし天然素材の良さも見直されてきており、都は最近350メートルの木造超高層ビルの建設計画を発表している。このビルのオープンは2041年まで待たなくてはならないので、今の時点で鑑賞できる美しい建築物を紹介しよう。
東京には、アートギャラリーや展示スペースが併設するカフェがいくつかある。作品を鑑賞することはもちろん、落ち着いた空間でほっとひと息つけるのも、アートとカフェが融合するスポットならではの楽しみ方だ。展示作家が在廊しているときには、アーティストと一緒にティータイムを過ごしながら、作品について話を聞くこともできるだろう。
ここでは、都内にあるアートが楽しめるカフェをピックアップした。オリジナルのカフェメニューを提供する店や、アンティークな空間が特徴の店など、どこも個性豊か。「おしゃ活」としてもぴったりのアートに囲まれた空間で、優雅なひとときを過ごそう。
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