Nanzuka Underground
Masato Mori solo exhibition Lonsdaleite Year, NANZUKA UNDERGROUND, Tokyo, 2021 ©Masato Mori Courtesy of NANZUKA
Masato Mori solo exhibition Lonsdaleite Year, NANZUKA UNDERGROUND, Tokyo, 2021 ©Masato Mori Courtesy of NANZUKA

東京、ベストギャラリー29選

杉本博司や会田誠からシュルレアリスムまで、多様なアーティストを扱うギャラリーを紹介

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東京には美術館だけでなく、数多くのギャラリーが点在する。中には、ガゴシアンやペースと並んで世界的に名声を博しているヴェニューから、シュルレアリスムなど極めて狭いジャンルを扱うギャラリーまで、その種類は多岐にわたる。

ただ一つ言えるのは、いくつかのギャラリーを見ていくと、そのヴェニューが好むアーティストの傾向などが分かるようになることだ。言い換えれば、自分が好きなアーティストがいれば、そうした話題を共有できる場所が見つかるということでもある。

本記事では、そうしたリサーチに役立つような東京のベストギャラリーを紹介する。ぜひ役立ててほしい。

  • アート
  • 六本木

日本で最も影響力のある現代アートギャラリーの一つ。このギャラリーが扱うアーティストは、後に脚光を浴びるようになることが多い。これまでに、村上隆や奈良美智などの日本人アーティストや、デニス・ホリングスワースなどの海外アーティストを取り上げてきた。展覧会は、渋谷ヒカリエ内の8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでも多く行われる。

  • アート
  • ギャラリー
  • 東麻布

ニューヨークでキュレーションをしていた蜷川敦子が2007年12月、麻布十番に開廊した。いわゆる「ポスト清澄白河世代」のコンテンポラリーアートギャラリーの一つ。現代美術の旗手である大竹伸朗をはじめ、田尾創樹や河井美咲、須藤由希子、松村有輝など若手の作家も所属している。

海外のアートシーンにも積極的に取り組んでおり、デール・バーニングのような作家が所属していたり、マイアミ、香港、フランスなどのアートフェアにも出展している。そのため国内外の風通しがよく、日本に居ながらにして良質な世界の若いアートを体験できるという数少ない場所である。ギャラリーからは東京タワーがそびえ立つように見え、まさに「TOKYO」といった趣。付近の白金方面へと、アート散策に足を伸ばすのもよい。

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  • アート
  • 表参道

表参道にあるファッション複合ビル、『GYRE』の3階にあるギャラリースペース。訪れる人々の意識を刺激するため、さまざまな企画展を展開し、発信を続けている。同じく3階には、日本初進出となる『MoMAデザインストア』、2階にはコムデギャルソンとD&DEPARTMENTによる『グッドデザインショップ』があるので、合わせて立ち寄りたい。

  • アート
  • 六本木

ワコウ ワークス オブ アート(WAKO WORKS OF ART)は六本木、麻布警察署裏手にある、ピラミデビルに入る現代美術ギャラリー。1992年に初台で開廊した後、2010年2月に六本木に移転。ゲルハルト・リヒター、ヴォルフガング・ティルマンスなどヨーロッパの現代美術を中心に、平川典俊、横溝静といった国内外で活動する作家も紹介している。

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  • アート
  • 六本木

三宿にあったウィークエンドギャラリーを経て、六本木に移転。所属アーティストには森村泰昌、イケムラレイコ、丸山直文、金氏徹平、藤本由紀夫などがおり、ベテランから若手作家まで、新進気鋭の骨太な現代美術作家を紹介している。クリティカルな示唆を与える米田知子やみずみずしい絵画表現が印象的な小林正人など、幅広いカラーの作家を擁している。

  • アート
  • ギャラリー
  • 原宿

オルタナティブな視点でまだ日本では無名のアーティストや次代を担うアーティストなどを積極的に招聘(しょうへい)し、アートシーンに一石を投じ続けてきたコンテンポラリーアートギャラリー、ナンヅカ(NANZUKA)。これだけ尖った作品たちを入場無料で鑑賞できる機会はなかなかないだろう。気軽に足を運び、時代の最先端を目撃しよう。

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  • アート
  • 青山

南青山3丁目、表参道駅より徒歩3分の場所にあるアートスペース。デザインスタジオAzone+Associatesが運営しており、展覧会を開催するギャラリーと、トークイベントなどを開催するサロン的スペースの、二つの空間を活動拠点として展開している。

  • アート
  • ギャラリー
  • 六本木

パリやソウル、ニューヨークなど、世界各地にギャラリーを持つペロタン(PERROTIN)が、17番目の画廊を六本木にオープン。 ワコウ ワークス オブ アート禅 フォト ギャラリーがあるピラミデビルに入居する。

カウズ(CAWS)やジャン=ミシェル・オトニエル、バールティ・ケール、マウリツィオ・カテラン、JR(ジェイアール)といった現代アートを代表するアーティストが所属し、多くのアートフェアにも出展してきたペロタン。村上隆とは、彼がまだ20代の頃から親交があり、これまで数々の企画展を開催してきた。

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  • ショッピング
  • 恵比寿

シュルレアリスムの作品を中心に取り扱うギャラリー兼ブックショップ。古い木造の建物の一室をリノベートしたスペースには、アンティーク小物やアクセサリーなども販売されている。「幻想」「耽美」などのワードにピンとくる人はぜひ一度は訪れてみてほしい。

  • アート
  • 銀座

資生堂によって運営されており、銀座メゾンエルメス(Ginza Maison Hermès)と同様、営利目的というよりは芸術性の高い本格的な美術館。中村政人やローマン・シグネールなど、世界各国の現代アーティストの個展やグループ展、また、ときにはマン・レイのようなアーティストの回顧展やファッション関連の展示なども開催している。リカルド・ボフィル設計の資生堂本社の地下にある。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 西麻布

2011年より世田谷区弦巻にてアートスペース、XYZ collectiveを運営してきたSNOW Contemporaryが、建物の老朽化に伴い西麻布へ移転する形で新たなギャラリースペースをオープン。山川冬樹や伊東篤宏、金理有、ヒシャム・アキラ・バルーチャといった注目のアーティストを扱うギャラリーだ。

  • アート
  • 新宿

新宿花園神社のほど近くにあるギャラリー。現代美術を中心に写真やインスタレーション、映像作品などを展示している。 過去には今敏やおしゅし、ナマコプリらが展示を行っている。

名前の由来は目の保養になる場所になるようにという意味と、1960年代に新橋にあった内科画廊へのオマージュだ。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 谷中

スカイ ザ バスハウス(SCAI THE BATHHOUSE)は、築200年以上の歴史ある銭湯、柏湯を改築して作った上野公園にほど近いギャラリーだ。現代美術の展覧会を中心に、森万里子や宮島達男らといった現代日本のアーティストやアニッシュ・カプーア、ボスコ・ソディ、何翔宇(ヘ・シャンユ)など海外の作家の作品を不定期で展示している。

内観は、コンクリート床に白壁というシンプルな造りになっており、展示作品に集中して向き合うことができる。

  • アート
  • コンテンポラリーアート
  • 市ヶ谷

古美術を通して日本美術の継承、発展に尽力してきた加島美術(KASHIMA ARTS)がオープンした、次世代型のアートギャラリー、ルートK コンテンポラリー(√K Contemporary)。

オープニングエキシビションには、もの派の代表的な作家であり、1977年に開催されたドクメンタに日本人として初出展した原口典之の個展『wall to wall Noriyuki Haraguchi』を開催。代表作のオイルプールをはじめ、新作を含む約30点を展示する。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 六本木

タロウ ナス(TARO NASU)は、1998年に江東区佐賀町に開廊し、那須太郎がオーナーを務める現代アートギャラリー。2003年に六本木へ移転、2008年に馬喰町に移転し、現在は六本木に位置する。

所属作家には眞島竜男や秋吉風人、アントン・ヘニングやライアン・ガンダーなどの海外作家をはじめ、写真家では松江泰治、高木こずえ、また気鋭の良知暁も名を連ねる。同ビルには、ワコウ・ワークス・オブ・アートなど多くのギャラリーが入居している。

  • アート
  • ギャラリー
  • 六本木

2011年に勝どきから六本木へ移転した現代アートギャラリー。草間彌生など世界を舞台に活躍する大御所作家から、さわひらきなど注目の若手作家までを紹介している。ほかにも、シンチカや梅田哲也などの新しいメディア表現領域に挑むアーティストや、アキラ・ザ・ハスラーなどのパフォーマンスアーティストも所属している。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 市ヶ谷

1980年代から美術界で活動を始めた三潴末雄が1994年に青山に開廊。2002年には中目黒へと移転し、2010年からは市ヶ谷に場所を移してオープンした現代美術ギャラリーだ。

その長いキャリアに裏打ちされたように、所属作家も現代を代表するような作家たちが名を連ねる。その中でも、個性の濃さには定評のある、会田誠、O JUN、倉重迅、松蔭浩之、ジュン・グエン=ハツシバ、鴻池朋子、天明屋尚、山口晃、棚田康司、宮永愛子など豪華な顔ぶれがそろう。

海外関連では、日本未発表の欧米作家を紹介しているほか、近年、特にアジアにはアートフェアなどで積極的に進出している。また、2005年に新人作家発掘を目的としたスペース『ミヅマ・アクション』をオープン。名実ともに日本現代美術界を代表するギャラリーの一つといえる。

  • アート
  • 表参道

表参道のランドマークでもある、ルイ・ヴィトン表参道ビル7階にあるアートスペース。ルイ・ヴィトンが展開するアートスペースとしては、パリ・シャンゼリゼ通りにある、エスパス キュルチュレル ルイ・ヴィトン(Espace Culturel Louis Vuitton)に続き、世界で2番目のオープンとなる。

天井高8.45メートル、面積193平方メートルを誇るガラス張りの空間は、空に浮かんでいるかのような気分になれるだろう。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 品川

2009年に文京区にギャラリーを開廊したユウカ ツルノ ギャラリー(YUKA TSURUNO GALLERY)は、2013年3月、江東区東雲に開設されたアートスペースTOLOT/heuristic SHINONOME内に移転。その後、2016年9月には、天王洲に誕生したアートコンプレックスに移転して現在に至る。

「コンセプト、コンテクスト、クオリティー」を重視し、独自の表現で挑戦し続ける国内の若手作家のほか、ホセ・パルラ(Jose Parla)やティム・バーバー(Tim Barber)など海外の要注目作家の展示を行っている。

  • アート
  • 渋谷

若手美術作家を中心に取り扱うビスケット・ギャラリー(biscuit gallery)。国内最大級の現代アート情報サイト『Bur@rt』がこれまで積み上げてきた取材を通して独自にアプローチしてきた、新進気鋭のアーティストを中心に取り扱う。

松涛文化村ストリート沿いのロケーションや、3フロア構成という展示空間の特徴を生かし、アートコレクターや鑑賞者に広く支持されるような展示企画を行う。アートの無限の可能性を楽しもう。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 六本木

清澄白河の丸八倉庫ビル内にあった、タカ・イシイを含むギャラリー群が、六本木に移転。1994年に開廊して以来、写真とフィルムを中心に、荒木経惟や森山大道、細江英公、エド・ヴァン・デル・エルスケン、ラリー・クラークといった国内外の重要なアーティストたちを幅広く扱ってきた。

  • アート
  • ギャラリー
  • 銀座

1995年、銀座に設立。杉本博司、ソフィ・カル、マルレーネ・デュマス、束芋などといった国内外の現代美術作家を紹介する展覧会を開催している。 2016年には小柳ビル9階に移転し、杉本博司のデザインによるギャラリースペースをリニューアルオープンした。

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  • アート
  • 目黒

2019年、目黒区に新しくオープンしたギャラリー。不動前から徒歩7分ほどの趣ある住宅街に位置する。端正ながら、奥行きを感じさせる作品を制作する作家を扱っており、過去には須賀悠介などの新進気鋭のアーティストの個展を開催している。

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  • ギャラリー
  • 銀座

シャネルが運営するスペース。コレクションや新作の発表会、『シャネル・ピグマリオン・デイズ』などの音楽会、アート、写真展が開催される。

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  • アート
  • ギャラリー
  • 代官山

1984年に開設し、時代をけん引する多様な展覧会を企画、開催してきたギャラリー。

時代の精神性や社会性を照射する先鋭的なアートを国内外に発信することを目的に、年間10本程度の展覧会を企画のほか、関連するさまざまなプロジェクトを展開している。若手作家から国内外で活躍する日本人作家および海外作家まで、多岐にわたって紹介してきた。

  • アート
  • 渋谷

若手アーティストのレジデンス、ギャラリーを運営していたトーキョーワンダーサイト渋谷が、約2年間の休館を経て、2020年2月に東京都渋谷公園通りギャラリーに名を改めリニューアルオープンした。

リニューアルに当たり、アール・ブリュット(専門的な美術教育を受けていない人などによる独自の発想や表現方法)をはじめとする作品の振興拠点として方針を変更。アートを通したダイバーシティの理解促進や、包容力のある共生社会の実現を目指して交流スペースを設けるほか、「対話的で創造的な」交流プログラムを展開予定だ。

※写真は休館前のもの

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  • 京橋

京橋にある現代美術ギャラリー。名古屋に本店を構えていたギャルリーユマニテの東京店として、1984年に東京に開廊した。以来、日本を代表する作家である加納光於、宮崎進、池田龍雄など、国内の作家を中心に紹介している。また、学生や若手アーティストのための実験的な発表の場として『humanite lab』を企画し、時松はるな、富田菜摘、向山裕など若手作家の展覧会も開催している。

  • アート
  • 恵比寿

黒い一軒家のギャラリー。2階建てのこの建物は、建築家の千葉学の設計によるもの。館内は五角形で天井が高く、日中は窓から差し込む光が気持ちいい。入り口付近に係員がいないので、中に入るのに躊躇するが、ぜひ足を運んでほしいギャラリーの一つだ。伊庭靖子や藤井保、松原健、榮水亜樹、荒井経などの展示が行われている。

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  • ギャラリー
  • 品川

10年以上のキャリアを持つ3つのギャラリー、山本現代、URANO、ハシモトアートオフィスがオープンしたギャラリー。

もっとアート情報を知りたいなら......

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2025年春に開館予定の「直島新美術館」。その開館年を記念する展覧会の参加アーティスト11組が発表された。

瀬戸内海に浮かぶ、直島・豊島・犬島で展開する、ベネッセアートサイト直島における10番⽬の安藤忠雄設計のアート施設となる同館。これまでの施設と同じく、アートと建築が調和する象徴的なものとなる。

ロゴは、ベネッセアートサイト直島の主要美術館である「地中美術館」や「豊島美術館」のロゴも手がけた祖父江慎(ふぞえ・しん)が担当した。

直島新美術館
画像提供:公益財団法人 福武財団「直島新美術館」外観イメージ ©Tadao Ando Architect & Associates

開館を記念する2025年の展覧会では、アジア地域を代表する著名なアーティストから新進気鋭の作家まで、計11組による作品が建物内外に展開される予定だ。これらの作品は、各作家がその場所特有の特徴を生かしたサイトスペシフィックな新作や、代表作を含む多様な内容になるという。

直島新美術館
画像提供:公益財団法人 福武財団「直島新美術館」内観イメージ ©Tadao Ando Architect & Associates

参加アーティストには、会田誠、マルタ・アティエンサ(Martha Atienza)、蔡國強(さい・こっきょう)、Chim↑Pom from Smappa!Groupといった名だたる作家たちが名を連ねる。

さらに、ヘリ・ドノ(Heri Dono)、インディゲリラ(indieguerillas)、村上隆、N・S・ハルシャ(N. S. Harsha)、サニタス・プラディッタスニー(Sanitas Pradittasnee)と続く。そして、ソ・ドホ(Do Ho Suh)、パナパン・ヨドマニー(Pannaphan Yodmanee)と、国際的に活動するアーティストたちの豪華な顔ぶれだ。

直島新美術館
画像提供:公益財団法人 福武財団「直島新美術館」館内イメージ ©Tadao Ando Architect & Associates

これらの多様なアーティストたちの作品を通じて、現代社会や環境、そして私たちの生き方について問いかける展示となるだろう。同館は、アジア出身のアーティストたちによる作品を中心に据えた展覧会を展開していく予定だ。

世界中から来訪者が訪れる直島での新たな美術館の試みは、アジアのアートがさらに世界へと広がっていくだろう。また、同館ではギャラリーごとに展示替えを行う方針だ。何度も訪れて、その変化を楽しみたい。

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  • トラベル
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モダニズム彫刻、フェミニストのインスタレーション、ルネサンスの劇的事件、子どもの遊び、シカゴ、そしてベーコン……。ロンドンの2024年アートシーンは、ファンの誰もが、あらゆるテイストのものを少しずつ楽しめるバラエティーに富んだものになりそうだ。

今年は先進的な没入感や常識を覆すようなコンセプチュアリズムにとって輝かしい年になるとは思えないが、カラヴァッジョを楽しみにしている人にそんなものは必要ないだろう。ここで取り上げたのは主に超メジャー級の展示だが、ロンドンの小さなギャラリーには、目を凝らすべき興味深い作品が無数にある。

今年のロンドンで観るべき主要な美術館の展覧会を紹介しよう。

Barbara Kruger; BARBARA KRUGER: THINKING OF YOU, I MEAN ME, I MEAN YOU Installation view, The Art Institute of Chicago - AIC, Chicago, September 19, 2021–January 24, 2022 Courtesy the artist and Sprüth Magers Photo: The Art Institute of Chicago
Barbara Kruger; BARBARA KRUGER: THINKING OF YOU, I MEAN ME, I MEAN YOU Installation view, The Art Institute of Chicago - AIC, Chicago, September 19, 2021–January 24, 2022 Courtesy the artist and Sprüth Magers Photo: The Art Institute of Chicago

バーバラ・クルーガー「THINKING OF YOU. I MEAN ME. I MEAN YOU.」

「サーペンタイン ギャラリー(Serpentine Gallery)」は2024年の幕開けとして、最も直接的で対立的、シンプルで効果的なアーティストの一人を紹介する。バーバラ・クルーガーは、大胆なイメージとテキストを組み合わせてアメリカ人であることを一目で認識させ、多大な影響を与えてきた。

この展覧会では過去の作品をビデオ作品として再構成。サウンドスケープとマッシュアップされることで、彼女のアートを完全に没入できる形で体験することができる。

会期:2024年2月1日(木)〜3月17日(日)
場所:サーペンタイン ギャラリー

Tara Donovan, Untitled (Mylar), 2011/2018. Installation view, MCA Denver. Photo: Christopher Burke. Courtesy the artist and Pace Gallery.
Tara Donovan, Untitled (Mylar), 2011/2018. Installation view, MCA Denver. Photo: Christopher Burke. Courtesy the artist and Pace Gallery.

「When Form Comes Alive: 60 Years of Restless Sculpture」

くねくね、ゆらゆら、ゴツゴツ、でこぼこ。「ヘイワード ギャラリー(Hayward Gallery)での2024年最初の展示は、彫刻における有機的なフォルムがテーマだ。並ぶのは流動性、曲線性、塊感、触感を表現するフランツ・ヴェスト、フィリダ・バーロウ、ホリー・ヘンドリー、エバ・ファブレガスといったアーティストの作品。このような大規模で焦点が明確に絞られたグループ展のアプローチは、同ギャラリーが最も得意とするところといえる。

「重力のポエティックス」をテーマにした「乱雑に増殖する」彫刻に備えよう。それがどういう意味であれ、だ。

会期: 2024年2月7日(水)〜5月6日(月)
場所: ヘイワード ギャラリー

Frank Auerbach, All images © the artist, courtesy of Frankie Rossi Art Projects, London
Frank Auerbach, All images © the artist, courtesy of Frankie Rossi Art Projects, London

フランク・アウアーバッハ「The Charcoal Heads」

ランシス・ベーコンやルシアン・フロイトらととも芸術集団である「スクール・オブ・ロンドン」のメンバーだったフランク・アウアーバッハは、20世紀のイギリスで最も重要なアーティストの一人とみなされている。昨年、「Hazlitt Holland-Hibbert」で開催された新作の自画像をフィーチャーした小さな展覧会は、彼がまだ健在であることの証明となった。

今回の「コートールド ギャラリー(Courtauld Gallery)」での展示では、1950年代から60年代にかけて木炭で描かれた肖像画を振り返る。

会期:2024年2月9日(金)〜5月27日(月)
場所:コートールド ギャラリー

Yoko Ono with Glass Hammer 1967 from HALF-A-WIND SHOW, Lisson Gallery, London, 1967. Photograph Clay Perry © Yoko Ono Yoko Ono with Glass Hammer 1967 from HALF-A-WIND SHOW, Lisson Gallery, London, 1967. Photograph Clay Perry © Yoko Ono
Yoko Ono with Glass Hammer 1967 from HALF-A-WIND SHOW, Lisson Gallery, London, 1967. Photograph Clay Perry © Yoko Ono Yoko Ono with Glass Hammer 1967 from HALF-A-WIND SHOW, Lisson Gallery, London, 1967. Photograph Clay Perry © Yoko Ono

オノ・ヨーコ「Music of the Mind」

オノ・ヨーコの名声はあまりにも巨大で、その名前は至る所で見聞きする。ただそれ故に、我々は彼女が実験的アートの代表であるという事実を忘れてしまっているといえる。彼女はパフォーマンス、映画、ドローイング作品を手がけ、フルクサスの一員であり、音楽を作り、平和のために戦ってきた。言い換えれば、彼女は完全に本物であり、完全に見過ごされている。

彼女の作品は常に先鋭的、真剣、そしてしばしば非常に滑稽である。これ以上望むものはないはずだ。

会期:2024年2月15日(木)〜9月1日(日)
場所:テート モダン(Tate Modern)

Michelangelo Merisi da Caravaggio, The Martyrdom of Saint Ursula, 1610, © Archivio Patrimonio Artistico Intesa Sanpaolo / foto Luciano Pedicini, Napoli
Michelangelo Merisi da Caravaggio, The Martyrdom of Saint Ursula, 1610, © Archivio Patrimonio Artistico Intesa Sanpaolo / foto Luciano Pedicini, Napoli

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ「The Last Caravaggio」

ルネサンス期の画家の中で、その作品(闇、影、光が特徴)と人生(殺人を犯し、報復遭い、梅毒になった)の両方において最もドラマティックだったのは、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオだろう。晩年、彼は最も劇的な作品を生み出している。

この小さな無料の展覧会で焦点が当てられるのは、彼の最後の作品とされる「聖ウルスラの殉教」。イタリアから貸与されるこの絵画がロンドンで展示されるのは、20年ぶりだという。死、暴力、血、闇に満ちた作品を観られるのが本当に待ち遠しい。

会期:2024年4月18日(木)〜7月21日(日)
場所:ナショナル ギャラリーNational Gallery)

 Judy Chicago, © Judy Chicago/Artists Rights Society (ARS), New York; Photo © Donald Woodman/ARS, NY
Judy Chicago, © Judy Chicago/Artists Rights Society (ARS), New York; Photo © Donald Woodman/ARS, NY

ジュディ・シカゴ「Revelations」

ジュディ・シカゴほど「アイコン」と呼ばれるのにふさわしいアーティストはいない。彼女はそのキャリアで文字通り煙と火を多用し、フェミニズムアートの道を切り開いてきた。

生み出してきたのはトリップするような渦巻く色彩、巧妙なコンセプチュアルインスタレーション、そして大いなる正義感からくる怒りに満ちた作品。どういうわけか、今回がロンドンの主要アート施設での初個展となる。


会期:2024年5月22日(水)〜9月1日(日)
場所:サーペンタイン ギャラリー

Zanele Muholi 'Ntozakhe II, Parktown' (2016) Image courtesy of the artist and Stevenson Gallery © Zanele Muholi
Zanele Muholi 'Ntozakhe II, Parktown' (2016) Image courtesy of the artist and Stevenson Gallery © Zanele Muholi

ザネレ・ムホリ

南アフリカのビジュアルアクティビスト、ザネレ・ムホリのキャリア中期にフォーカスを当てたこの展覧会では、黒人LGBTQI+の多面的な見方を提示することに力が注がれた、幅広く力強い作品群を観ることができる。

今展はパンデミックが始まった頃に開催された展覧会をベースとしたもの。しかし、新たに労働、人種差別、性差別、性的政治といった重要なテーマに取り組んだ最新作が追加されている。

会期:2024年6月6日(木)〜2025年1月26日(日)
場所:テートモダン

4. Francis Alÿs Children’s Game 14, Piedra, papel o tijera, Mexico City, Mexico, 2013 In collaboration with Julien Devaux and Félix Blume Courtesy of the artist
4. Francis Alÿs Children’s Game 14, Piedra, papel o tijera, Mexico City, Mexico, 2013 In collaboration with Julien Devaux and Félix Blume Courtesy of the artist

フランシス・アリス

ベルギー出身のアーティストであるフランシス・アレイスは氷の塊を押してメキシコシティを横断し、炎のサッカーボールを蹴り、パレスチナに線を引き、そして山を動かしもした。彼は、大きなメッセージを伝えるために大きな行動をとる。現在、最も影響力があり誰もが知っているコンセプチュアルアーティストの一人だろう。

そして今度彼が挑むのは、世界で見られるさまざまな形の子どもの遊びに関する展覧会だ。

会期:2024年6月27日(木)〜9月1日(日)
場所:バービカン センター(Barbican Centre)

Vincent Van Gogh, Starry Night, 1888; © Musée d’Orsay
Vincent Van Gogh, Starry Night, 1888; © Musée d’Orsay

フィンセント・ファン・ゴッホ「Poets and Lovers」

2024年最大の超大作展へようこそ。ナショナル ギャラリーが、美術史に残る巨匠の一人を大々的に取り上げる。「星降る夜」や「黄色い家」も、もちろん出展。大ヒットするだろし、チケットも高額になるだろう。

会期:2024年9月14日(土)〜2025年1月19日(日)
場所:ナショナル ギャラリー

Mike Kelley, Ahh...Youth! 1991. © Mike Kelley Foundation for the Arts. All Rights Reserved / VAGA at ARS, NY
Mike Kelley, Ahh...Youth! 1991. © Mike Kelley Foundation for the Arts. All Rights Reserved / VAGA at ARS, NY

マイク・ケリー「Ghost and Spirit」

アメリカ人アーティストのマイク・ケリーは彫刻インスタレーション、ファウンド・オブジェ、パフォーマンス、サウンドワークなどをめまぐるしく展開しながら、アメリカと若者の観念を引き裂いた。

その結果は、ぬいぐるみや汚れに満ちた不穏なものであることが多いが、常に本質的で重要で、アンダーグラウンドで、力強いものである。これはパンクス、ホーボー、マニアのためのアートといえる。

会期: 2024年10月2日(水)〜2025年3月9日(日)
場所:テートモダン

Francis Bacon, Study for Self-Portrait (c) The Estate of Francis Bacon, all rights reserved DACS 2023.
Francis Bacon, Study for Self-Portrait (c) The Estate of Francis Bacon, all rights reserved DACS 2023.

フランシス・ベーコン「Francis Bacon Portraits」

ベーコンが過剰摂取になることはあるのだろうか。心療内科医はそう思っているかもしれないが、ナショナル ポートレート ギャラリー(National Portrait Gallery)は心底違うようだ。

フランシス・ベーコンの最高傑作の肖像画を、この野心的な超大作展で存分に堪能しよう。 彼の作品のほとんどは肖像画と言えるかもしれないが、それだけで満足するのはもったいない。

会期:2024年10月10日(木)〜2025年1月19日(日)
場所:ナショナル ポートレート ギャラリー

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