九州はオランダ人にとって特別な場所
ー日本に対する現在の印象と、就任する前と後の変化について教えてください。
2019年8月に来日するまで、私は日本のことをよく知りませんでした。国際機関で日本の外交官と一緒に仕事をすることが多かったのですが、日本という国やその文化については詳しくなかったのです。日本は魅力的で、一生かけて勉強しても学びきれないほど奥深い国だと思います。私は初心者として日本に来ましたが、今では日本の専門家ではなく、日本の「研究者」だと思っています。
日本にはまだ知らないところも、行きたい県もたくさんあります。しかし、九州はオランダ人にとって特別な場所です。長崎や平戸のような都市が際立っているのは、私たちが共有している長い歴史によるものでしょう。オランダ人は1600年代初頭に初めて日本を訪れ、1609年には徳川家康から日本との貿易を許可されました。平戸に商館を設け、1641年には長崎の出島に移転したのです。
1641年から19世紀半ばまで、日本との貿易を許された唯一の西洋諸国であり、日本の「世界の窓」だったのです。貿易だけではなく、世界で起こっていることに関する知識や、医学、科学、工学の知識などをもたらしました。このような歴史が特別な絆を生み、今でも九州に行くと、その友情とオランダ人がいかに評価されているかを感じます。