メキシコの政治における女性代表率は49%を占める
ー日本ではSDGsが注目されるなど、持続可能な開発への関心が高まっています。このテーマについてどのようにお考えですか。
メキシコも日本もSDGsに熱心に取り組んでいます。気候変動や貧困対策など、私たちが共に取り組めることは多くあります。なかでも特に注目しているのが、女性の問題です。メキシコは日本と同じように非常に伝統的な国ですが、女性に関することはいくつかの点で優れた成果を上げています。
メキシコの女性はいまだに家庭内暴力や、世界中の女性が直面している現実的な問題も数多く抱えています。現実的な問題に悩まされていますが、女性代表の割合や、なりたいものになれる可能性は日本よりもメキシコの方が高いでしょう。
政治における女性代表という点では、2021年の6月に行われたメキシコの総選挙で、女性の下院議員が全体の49%を占めました。選挙前は48%でしたから、事実上の平等が成されています。この平等に達したのは、近年の20年の間に全ての政党の男女が集合し、『私たちはこうしたい、私たちの国にはこうあってほしい』と合意したからなのです。
自分のやりたいことを仕事にすることと、母親になることは決して相反するものではありません。女性は常に働いています。その違いは給料をもらえるか、もらえないかです。仕事をせずに母親になりたいという選択はとても良いことですし、専業主婦になることを決めた女性を私は喜ばしく思います。しかし、ほかに選択肢がなく、生活のために低賃金のパートタイムの仕事をしなければならない場合は別です。
私たちは娘たちが誇りを持ち、力を持ち、自立できるように、時間とお金と愛を注いでいますが、いざ仕事のことになると、家庭か仕事かを選ばなければなりません。どうしてでしょう。
日本のような国で、そんなことはあってはならないのです。私はメンタリングやそのほかの取り組みを通じて、日本の若い女性たちに、世の中にはロールモデルがいること、自分がなりたいと思うものには何でもなれることを知ってもらうために、自分の役割を果たしたいと思っています。