グリーンエコノミーの領域で、イタリアと日本は重要な役割を果たすことができる
ー現在の日伊関係についてどう見ていますか。
日本とイタリア間には多くの共通の関心事が存在しています。ともに第二次世界大戦で敗戦を喫しましたが同時に平和を勝ち取りました。つまり、両国ともに天然資源に乏しいながらも、国民の努力と技能により世界でもトップクラスの経済大国を築き上げたのです。
また、いずれも国際市場に依存しています。イタリアは日本と同様、世界最大の輸出国の一つです。両国は外交政策において、超大国との緊張関係の緩和に長らく注力してきました。その流れの中で、イタリアと日本が共に非常に重要な役割を果たすことができ、また実際に果たしている領域があります。グリーンエコノミーです。
グリーンエコノミーにおける日本の目標は、イタリアの目標と合致しています。アメリカの新政権、中国、ロシア、欧州連合(EU)がそれぞれ前向きに対応し、対話することができています。イタリアでは2019年の段階ですでに国内の電力の35%が再生可能エネルギー由来になりました。石炭、石油由来はわずか25%となっており、グリーンエネルギーのリーダーといえます。またイタリア人は1986年の国民投票で原子力を拒否しています。日本ではグリーンエネルギーにより構成される経済を目指そうとする動きが非常に強くなってきているので、両国がともに取り組めることはたくさんあるでしょう。
ー日本は世界の環境問題の解決において、より大きな役割を果たすよう努めるべきだと思いますか。
そうすればもちろん国益に敵うでしょうし、グリーンエコノミーによって日本に多くのビジネスチャンスがもたらされると思います。