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Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

東京、クマタイチ建築の店3選

土地に根ざしたコンビニ、地域にひらかれたピザレストラン、注目のクレープカフェ

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建築家・クマタイチが手がけた建物や店舗を訪れると、知らなかった日常への扉が用意してある。「建築におけるソフトとハードをつなぐ」をコンセプトに、設計から管理、運営までを行うTAILANDの主宰であるクマ。彼が携わった店は、いずれも食、街づくり、コミュニティーといった多様な側面から注目されている。

あらゆる要素において上質であるのは言うまでもないが、それ以上に、店自体のコンテンツに新しいストーリーが組み込まれているのが特徴的な点だ。自身がオーナーを務める「都会と下町をつなぐコミュニティー型コンビニエンスストア」こと「ショップ(SHOPPE)」をはじめ、「おいしい」「カッコいい」で終わらない体験が待っている。

ここでは、東京で現在訪れることができる店を紹介しよう。ぜひ足を運んでみてほしい。

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  • ショッピング
  • 食料品店
  • 神楽坂

クマが展開するプロジェクト、「シェア バイタイランド(SHARE by TAILAND)」が設計から運営までを手がける店「ショップ(SHOPPE)」。新宿の山吹町にあるシェアハウス「シェア ヤマブキチョウ(SHAREyamabukicho)」の1階にあり、「食べる」「飲む」「買う」体験をシェアするコンビニエンスストアだ。建築デザイン、ロゴなど全てのクリエーティブをクマが務めている。

築62年の木造住宅をリノベーションしたという店内は、天井のはりやガラス戸などは極力そのままにデザインしているそう。

「水曜カレー」のスパイスカレーとピクルスや、「テシオ(TESIO)」のソーセージ、ワインやビール、日用品などを取り扱うほか、商品を購入するだけでなく、角打ちエリアではワインやビールがつまみとともに楽しめる。

人の集いを作り出し、地域コミュニティーのハブとなることを目指す同店。現在では近隣住民が多く訪れ、早くも独自のコミュニティーが形成されている。

単身の高齢者が数日店に来ないと、「家に様子を見に行こうか」とゲスト同士の会話の話題になることもあるという。

「ちょっと寄る、顔を出す、という行為の重要性をこの店を始めたことで痛感しています。気軽に立ち寄れる多世代が集まる店は、今後パブリックスペースになり得るのではないでしょうか」と、クマは語る。

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  • ピザ
  • 神楽坂

TAILANDらが設計、運営を手がけたシェアスペースの「シェア天神町(SHAREtenjincho)」1階にあるレストランバー「スクエア(SQUARE)」

スクエアの空間デザインは、コンクリート設計の中にも木の枠のフレームを用いることで、「人に寄り添う温かさを創出している」とクマ。木のフレームに寄りかかりながら、ワインを楽しんだりもできるという。また、物理的な意味と、『地域に開く』という2つの意味から、風通しの良さも意識されている。

スクエア内には、2023年、2024年と2年連続ミシュランガイドビブグルマンにも選出されたピザレストラン「CRAZY PIZZA at SQUARE」が入居している。

ランチタイムは、ピザセット(ピザとサラダ)を、ディナータイムは、前菜、パスタ、ピザ、メイン、デザートなどをアラカルトで用意。解放的なデザインと人の温かさが同居する空間で、おいしいピザを味わおう。

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  • 代々木上原

代々木上原の閑静な住宅街の中に、2024年4月オープンしたクレープカフェ。目黒「カビ」の立ち上げメンバーとして活躍した田井將貴による究極のクレープが堪能できると、遠方からの客も多く、週末は行列が絶えない人気ぶり。クレープの流行の発信源の一つとなっている。

クマは内装を手掛けている。無垢材のテーブルに、打ちっぱなしのコンクリート、そしてひときわ目を引く、清々しいブルーの座面をした丸椅子がある。

「クレープ」(1,320円、以下全て税込み)は、ムラのないきれいな焼き色をしたバターシュガークレープ。薄皮だが驚くほどもっちりとした生地、その裏面にたっぷり塗られた無塩バターのコク、黒糖ザラメのしゃりしゃりとした食感。食材そのものの魅力が一口の中に見事にまとまり、まさに圧巻だ。

クレープと共に味わってほしいのが「アイスコーヒー」(660円)。田井が毎日欠かさず通っていたというPROLOG(プロローグ)というコペンハーゲンの人気カフェの浅煎(い)り豆を使用する。 苦味が少なく、フルーティーさと洗練された酸味が特徴だ。この爽やかさが、クレープの優しい甘さの後味を心地よく増幅せてくれる。

田井のセレクトしたワインやビールをはじめとするアルコール類も充実しているので、昼飲みにも間違いのないスポットだ。

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東京の美しい建築を訪れたいなら……

  • ヘルス&ビューティー

昭和中期ごろまでは街のインフラの一つとして欠かすことのできないものだった銭湯。だが家に風呂があることが一般的である今日では、その存在感は希薄になり、需要の減少に伴い閉業する施設が後を絶たない。

そんな中、時代の流れに応じて刷新する方向へかじを切った銭湯もある。東京の豊かな文化的土壌を生かし、シーンをけん引するアーティストや建築家とコラボレーションすることで生まれたのが「デザイナーズ銭湯」だ。そこでは、伝統的な銭湯文化に新しい風が吹き込まれている。これらの銭湯がビジュアル面で優れているのはもちろんだが、銭湯が担う文化的な役割の大きさについても気付かせてくれる。

ここでは、デザインや建築の観点で特に優れた東京の銭湯5軒を紹介しよう。伝統が時を超えて受け継がれ、生まれ変わっていく現場を訪れてみてほしい。

  • Things to do

関東大震災や第二次世界大戦の東京大空襲で大きな被害を受けるまで、東京には、現在も京都で見られるような木造の家が立ち並んでいた。その後、鉄鋼やコンクリート、独創的な形状に重きを置いたさまざまな建築物が建てられ、東京は現代的に生まれ変わった。

しかし天然素材の良さも見直されてきており、都は最近350メートルの木造超高層ビルの建設計画を発表している。このビルのオープンは2041年まで待たなくてはならないので、今の時点で鑑賞できる美しい建築物を紹介しよう。

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  • カフェ・喫茶店

美術館に行った際は、写真を撮ったりグッズを買ったりするが、近くのカフェで一休みをしながら余韻に浸るのも醍醐味(だいごみ)の一つだろう。美術館の中には、作品をモチーフにしたメニューを味わえたり、四季折々の景色が楽しめたりと、特徴的なカフェが備わっている施設もある。

ここでは、近代的な美しい建築や芸術作品に囲まれた店など、魅力的な美術館併設カフェを8つ紹介。アート巡りの時間をより充実させてほしい。

長い歴史の中で育まれ、今日まで守り伝えられてきた文化財。とりわけ東京には、明治から昭和初期に建てられ、当時の面影を残す建造物が点在する。中には建物の中で食事や酒を楽しめる文化財もある。

ここでは東京都選定歴史的建造物に選定されたスパニッシュレストランや、登録有形文化財建造物となった日本最古のビヤホールなど5軒を紹介。美しく時を重ねた空間を五感で堪能してみては。

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