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アンビエントと溶け合う街・京都でしかできない6のこと

コーネリアスとととのうサウナや浄化されるレコードショップなど

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日常と非日常、伝統と新しいカルチャー、そこに住む人とそこを訪れる人……。あらゆるものが交わる京都は、さまざまなインスピレーションを与えてくれる場所の一つだ。

2022年からは、そんな京都を舞台に「アンビエント」をテーマにした展覧会「AMBIENT KYOTO」がスタートした(2023年は12月24日まで開催中)。公式ウェブサイト内には「アンビエント・ミュージックはそれが流れる環境・風土の一部となる音楽ともいえます」という一文があるが、同イベントを主催する一人であり、音楽レーベル「Traffic」の代表を務める中村周市も「京都で暮らすようになってからアンビエントという感覚を身近に感じるようになった」と話す。

ここでは、「ただアンビエントを聴く」ための空間や、その場所にいるだけで癒やされていくようなカフェやレコードショップなど、アンビエントな感覚に出合えるスポットを紹介する。AMBIENT KYOTOとも関連があるスポットを紹介するので、展覧会前後で立ち寄ればよりディープにこの感覚を堪能できるだろう。

一つアドバイスをするならば、時間やスケジュールにとらわれず、あなた自身もその土地や場所と溶け合うような旅を楽しんでほしいということだ。のんびり散策をしていると、京都とアンビエントの親和性もじわじわと感じられてくるはず。そしてそこで得た感覚や経験は、きっとその後の日常にも豊かさをもたらしてくれるに違いない。

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  • ショッピング

かみ添

大徳寺から歩いて5分ほど、京都の鞍馬口通にある唐紙の工房。誰もが利用できるショップも併設されており、便箋やメッセージカードといった「唐紙文具」も販売する。古くから日本人の暮らしに溶け込んできた唐紙の美しさを身近に感じられるような一軒だ。

自然素材だけで作られている唐紙は、その独特の柔らかさが印象的。眺めていると癒やしや幸せのようなものが感じられるので、同店でお気に入りの便箋を手に入れて、大切な誰かに京都から文を出してみるのもいい。

「AMBIENT KYOTO 2023」の会場では、同展覧会用に制作した限定商品を販売中。キービジュアルを唐紙によって表現したものと、書き下ろしエッセーと朗読で参加している小説家・朝吹真理子とコラボレーションしたものの2種類が用意されている。

  • ヘルス&ビューティー

梅湯

浴室を会場にしたライブイベントや、オリジナルグッズの販売なども行うことから「カルチャー色の強い銭湯」としても知られる「梅湯」。京都駅からも歩いて行ける距離にある。

廃業の危機を迎えたこともあったが、2015年、当時24歳だった銭湯好きの青年、湊三次郎が継業したことでその危機を救い、今では「京都旅行の目的の一つ」ともいわれる大人気スポットに。営業時間のフレンドリーさも魅力の一つで、夜は26時まで、土・日曜日は6時から12時までの朝風呂営業もしている。複数の湯船に加え、サウナもあるので、じっくり汗を流しながら「無」の時間を持ってみるのもいいだろう。

「AMBIENT KYOTO 2023」の会期中は、同展覧会と梅湯、そしてコーネリアスがコラボレーションした限定タオルを販売。展覧会の会場に加え、梅湯と系列店の「源湯」「鴨川湯」でも購入することができる。

また、12月24日(日)までは梅湯、源湯、鴨川湯のサウナ(サウナがない源湯のみ休憩スペース)で、コーネリアスが作成したプレイリストが流れている。ぜひこの機会に「コーネリアスとととのう」体験をしてみては。

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  • カフェ・喫茶店

スターダスト

「スターダスト」は、この空間に身を置くだけでじわじわと癒やされていくような、不思議な優しいパワーのある場所だ。店は、京都の北大路駅から歩いて20分ほどの落ち着いた住宅街にある、町屋を改装。ショップスペースでは「作り手の思いのあるアイテム」を販売し、カフェ(事前予約制)では、心と体を満たしてくれるスイーツやスープを楽しむことができる。

店主の清水香那は、アイスランドを代表するバンドのシガー・ロスと、同バンドのアートワークや「AMBIENT KYOTO 2023」のメインビジュアルも手がけたアーティスト、アレックス・ソマーズの大ファン。毎朝、ヨンシー(シガー・ロスのボーカル)とソマーズがユニットとしてリリースした「Riceboy Sleeps」というアルバムを流し、一日をスタートさせているのだそうだ。

「スターダスト」が運営するギャラリー「エルベレス」では、10月14日から31日(火)までソマーズの個展を開催。期間中は、明治時代ごろの古い和紙に彼のアートワークをプリントした作品を展示していた。約2週間のまさに幻のような美しい展示。ギャラリーのInstagramでは、写真や愛のあふれるコメントとともに展示の様子をアーカイブしているので、見逃してしまった人はチェックしてみよう。

  • 音楽

メディテーションズ

京都御苑近く、神宮丸太町駅から歩いて5分ほどのところにあるレコードショップ。小さなビルの3階でひっそり営業しているので、初めて訪れる場合は「MEDITATIONS」と書かれた石の看板を目印にするといい。

店には、アンビエントやニューエイジ、ドローンといったジャンルを中心に、独自の審美眼で世界中からセレクトされたレコードやカセットテープがずらりと並び、そのセレクトには日本のみならず、海外のファンも多い。また、同店オリジナルのお香が店内をふわりと漂うこともあってか、店を出るころには不思議と気分がリフレッシュされている、浄化スポットのような一軒だ。

「AMBIENT KYOTO 2023」の会場では、同展覧会と「メディテーションズ」がコラボレーションした草木染めのトートバッグを数量限定で販売。南インドのオーロヴィルで作られたもので、地元のコットンキャンバスを使い、アーユルヴェーダの薬草と、発酵を繰り返しながら何年も熟成させた藍を使って染め上げたオーガニックなアイテムとなっている。

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  • トラベル
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しばし

ビンテージオーディオから流れる音楽と、窓の外から聞こえてくる環境音が交わる……。そんな音に心を委ねて、ただただこの空間でぼーっと過ごすことを目的にしたスペース「しばし(sibasi)」は、知識や情報を積極的にインプットするというよりも、自分自身を空っぽにして、一度リセットできるような場所である。

基本的にイベントを行う際だけ完全予約制で公開されるスペースで、利用料はイベントごとに異なる。住所は​​予約完了通知の中でのみ知らされるシステムだ。

12月24日(日)までは「AMBIENT KYOTO 2023」とコラボレーションし、この7月に3カ月の期間限定で公開された坂本龍一の追悼盤「Micro Ambient Music」を特集した「しばし味わう」というイベントを開催している(選べる漢方茶が付いて1,650円、2時間制、税込み)。

Micro Ambient Musicはデジタル音源のみでの公開であったが、同スペースでは「ヴァイナルカッティングの名人」とも呼ばれる山地真介の力を借りて、世界に1枚のレコードを制作。約4時間のコンピレーションアルバムをアナログ盤の音で楽しむという、まさに贅沢なひとときを提供する。

川沿いに座る一人になる。

鴨川

京都市内の南北を流れる河川「鴨川」。飛来した野鳥や訪れる人々、そして市民の憩いの場としても親しまれる言わずと知れたスポットだ。誰もが知る観光スポットでアンビエント?と思った人もいるかもしれないが、視点を変えれば、まさにアンビエントが体感できる場所なのである。

アンビエントミュージックの創始者であるブライアン・イーノは、アンビエントミュージックについて「川の流れのように絶え間なく変化し、それと同時に普遍的なものを表現したい」と話し、京都に生まれた歌人、鴨長明は「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という言葉を残した。

こんなことを思い浮かべながら、水が流れていく様子を眺め、京都に残る自然と都市として機能する京都が交わる音を聞いていれば、なんだか特別な場所に思えてくるかもしれない。幸い、鴨川沿いに腰を下ろす人たちは「鴨川等間隔の法則」に則り、一定の距離を保ってくれる。混雑したエリアであっても、こういった時間を過ごすのに意外にもうってつけなスポットだ。

この秋はアンビエントな京都を満喫する……

  • 音楽
  • 音楽

アンビエントの創始者であるブライアン・イーノ(Brian Eno)を迎えた大規模展覧会を2022年に開催した「AMBIENT KYOTO」。会期を2週間延長するほど大きな話題を集めた集めた同展覧会の第2回が、2023年10月6日に開幕した。

今年は、会場を2つに拡大(ライブ会場も含めると合計4つ)。テリー・ライリー(Terry Riley)とコーネリアスによるライブや、「アンビエント」の可能性を広げるような実験的な展示、京都のヴェニューとコラボレーションした企画など、かなり盛りだくさんの内容になっている。

ここでは、「AMBIENT KYOTO 2023」を実際に体験して印象的だったポイントを紹介。アンビエントをテーマにした展覧会に「おすすめ」「見どころ」なんて言葉は似合わないが、「こんな体験もできるのか」というくらいで読んでもらえたらうれしい。

  • トラベル
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2023年10月20日、京都の平安神宮近くに「しばし(sibasi)」というスペースが誕生した。本記事では、オープン準備真っただ中の10月上旬に同スペースを取材。「未完成」を一つのコンセプトにしているからこそ、やや謎めいた印象のある「しばし」の魅力をレポートする。

深い夜にするなら……

  • Things to do

日本でも屈指の観光地として知られる京都。魅力的なコンテンツであふれるこの街では、ちょっと夜ふかしをしてでも思う存分遊び倒したい。そんな願いをかなえるべく、本記事では「ぎをんせくめと」のめぐみママに「間違いない夜の京都」を教えてもらった。

切り口は、旅の醍醐味(だいごみ)の一つでもある「インスピレーション」。作品との距離が近いギャラリーや会話が生まれる居酒屋、アート空間で眠るホテルなどをめぐみママのコメントとともに紹介する。

ハードルが高いという印象もあるが、不思議と「縁のできる街」でもある京都。紹介制のヴェニューも京都で生まれた「つながり」を伝えば、きっとその空間に足を踏み入れることができるはずだ。自分の新しい世界の扉を開くべく、夜の京都へ繰り出そう。

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