京都の北大路駅から歩いて20分ほどの落ち着いた住宅街にある、町屋を改装したショップ兼カフェ。その空間に身を置くことでじわじわと癒やされていくような、不思議な優しいパワーのある一軒だ。
ショップスペースでは、洋服や靴、アクセサリー、茶葉など、世界中から集めた「作り手の思いのあるアイテム」を販売する。中でも、アイスランドを代表するバンド、シガー・ロス(Sigur Rós)のボーカルであるヨンシーとその家族がレイキャビークで営む「Fischer」というショップのアイテムは、日本国内での取り扱いがかなり少ないので、見かけた際はぜひ手に取りたい。
Fischerでは、練り香水やハーブティーといったハンドメイドプロダクトを扱うが、練り香水にはその香りをイメージしたヨンシーの詩もあり、シガー・ロス好きにはたまらないだろう。ちなみに、店主の清水香那は大のシガー・ロスファン。声をかけたら、きっとその興奮を共有できるはずだ。
カフェでは、乳製品や卵不使用の植物性原料のみで作るデザートを中心に、食事は京都で栽培されたオーガニック野菜のスープとカンパーニュのセットを提供。ドリンクも、無農薬で栽培された煎茶やオリジナルのハーブティー、国産のナチュラルワインなど、厳選したものが用意されている。
目にも華やかな「季節のタルト」は、とろっとした緩めのカスタードクリームが特徴。取材時にはハーブで和えられた愛媛県産の無農薬ミカンが乗っており、豆乳ベースのさっぱりとしたクリームが、果実本来の甘みと酸味、そしてハーブの風味と絶妙にマッチしていた。丁寧に作られたスイーツは「ビーガンだから」ではなく、「スターダストのタルトが食べたい」と足を運びたくなるような味わいだ。
カフェは事前予約制なので、訪れる際は11〜18時の間に電話で予約を入れておこう。