双子のライオン堂
双子のライオン堂(Photo: Keisuke Tanigawa)
双子のライオン堂(Photo: Keisuke Tanigawa)

東京、ベストインデペンデント書店15選

本屋のアンテナショップや、アートと本を横断する実験場など

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近年、書店の数は減少傾向にある。「街の本屋さん」がなくなっていく現象が全国各地で相次ぎ、多くの人はその現状を受け入れている。しかし、その裏でいわゆる「独立系」書店といわれる旧来の流通システムに頼らない、インデペンデントな意思を持った書店がここ数年、急激な勢いで台頭してきている。

<なぜインデペンデント書店が増えているのか、興味があるなら:『インデペンデント書店の興隆期、自己表現として本屋を始める時代へ>

本記事ではそんなインデペンデント書店を紹介する。ブックカルチャーの概念を押し広げた名店から、簡単にはたどり着けない隠れ家、100年後も残る本に出合える場所、フェミニズムへの理解を深める出版社による書店、客が選書した棚が並ぶ場所など比べるほどに違いが浮き出る独創的なショップを厳選した。人の個性の数だけ書店がある。そんな時代が目の前に来ているのだ。さあ、新しい世界への扉を開いてみよう。

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  • 赤坂

「あの人の本棚をのぞいてみたら」がテーマの双子のライオン堂は、批評家や小説家、編集者といった読書のプロフェッショナルによってセレクトされた本が並ぶ選書専門店だ。

100年後に残したい本を扱う」をモットーに、文学や社会学などの人文系の専門書に力を入れており、それらの分野で古典とされる本に重点を置いている。一方で、新刊書も販売し、小出版社から刊行された少部数の書籍を多く取りそろえる。それらを直接手に取り吟味できる出合いの場ともいえるだろう。

本の形をした特徴的な扉は、表紙を開き文章の中へ飛び込むという象徴的な意味合いをもって作られたそう。本の世界の中に入り込み、とっておきの一冊を見つけてみよう。

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  • 江古田

江古田のあらゆる表現と出合える本屋。運営するのは河合南と新井宗彦の2人だ。河合は大型書店で勤務していた選書の達人、新井は「突然段ボール」というバンドでドラムを担当しているというユニークな経歴の持ち主である。

店内の在庫の半数以上を占めるのは古本。フェミニズムや社会学、人文学、街歩きなど多様なジャンルを用意している。新刊書は、気鋭の版元による一般の流通には乗らないZINEや同人誌も並ぶ。河合は書店員時代から「今、目の前にいる人にとって必要になるであろう本」の提案を心がけており、ふらりと行けばきっと新たな発見があるだろう。

同店は「本屋とかの店」とうたっており、本以外にも雑貨の販売のほか、アコースティックライブや作品展示、イベントを行うための発表の場としての活用も予定している。

※現在、営業は不定期なので、訪れる前に公式SNSで確認してほしい

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  • 代田

フェミニズムに関するさまざまな本を紹介する出版社が、新代田にオープンさせた実店舗。

年に2回発行され、過去には柚木麻子や長田杏奈、石川優実らが責任編集を務めた雑誌『エトセトラ』をはじめ、国内外の女性作家の本や一部古書なども取りそろえている。

新代田駅から徒歩1分ほどの場所にあり、女性1人でも安心してアクセスしやすい立地だ。店舗では『エトセトラ』発刊に連動した配信イベントや、今後は読書会なども予定されている。

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  • 両国

ヤト(YATO)は、SNS上で本そのものが持つ魅力を発信し続けている書店だ。かための人文書やアート関係の本、ZINEなど幅広いジャンルを扱う。ほぼ新刊が占めるラインアップは、内容が良い本であることはもちろん、デザイン的にも優れたものを扱う傾向にあるという。店主の佐々木友紀は「奇妙ながらも趣があるという意味のquirky(クワーキー)な書店」だと同店を表現する。店内は暗く、落ち着いた佇まいであり、一般的な書店とは異なる雰囲気を醸し出している。

また、小石川にあるカルタコーヒーの豆を使ったこだわりのコーヒーを味わうこともできる。本を探すついでに一息つけるのにも最適な店である。

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  • 神保町

神保町に2020年オープンしたユニークな書店。店名にある無用之用(むようのよう)とは、無用に思えるものにこそ本質的な価値があることを表した老子の言葉からとったもの。「一見、無用に見え短期的に役に立たない知識や書籍にこそ、本質的な価値がある」をコンセプトに、店主だけではなく客や知人などが選書した文学、ビジネス、ライフスタイル、アートなどの多様なジャンルの本がキーワードで仕分けされて並ぶ。

店内にはコーヒーやビールなどを出すカフェカウンターが併設されており、ドリンクを片手に読書が楽しめる。

※2022年6月30日(木)に閉店

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  • 下北沢

ブックショップトラベラー(BOOKSHOP TRAVELLER)は、独立書店を応援する活動「BOOKSHOP LOVER」主宰の和氣正幸が営む棚貸し式の「本屋のアンテナショップ」だ。

約90店の店主に棚を貸し、それぞれが1箱分ずつ選書した棚が並んでいるユニークな書店。店主となるのは全国各地の実店舗を構える書店から、イベントやインターネット上で活動する無店舗の書店、作家、ZINEやリトルプレスの著者、出版社、ブックカバー作家など多岐にわたる。和氣自身の棚もあり、自身が執筆した『東京わざわざ行きたい街の本屋さん』『日本の小さな本屋さん』などの書籍のほか、その時々のテーマに沿って区分けされた本が300冊ほどそろっている。

また、併設されたギャラリーでは、気鋭のアーティストの作品が不定期で展示されている。

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  • 荻窪

荻窪駅北口から青梅街道を西へ歩いた八丁交差点前にある、小さな新刊書店。

2階建ての古民家を改装した店内は1階が本屋と8席の喫茶、2階がギャラリーになっており、衣食住をはじめ、文学、哲学、芸術、社会など、明日をより良く生きるためのヒントが詰まった「生活」の本が約1万冊並ぶ。

店主の辻山良雄は、2015年7月に閉店したリブロ池袋本店でマネジャーを務めた人物だ。雑誌や新刊、文庫をカバーする「街の本屋」の敷居の低さを大切にしながら、書店員としての経験を生かして良書をそろえ、著者を招いてのトークや企画展示など、本の世界に直接触れられるイベントも数多く開いている。「まったく新しい、けれど懐かしい」そんな気持ちにさせる独立系新刊書店だ。

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  • 恵比寿

国内外の現代美術の本やグッズを中心に販売するショップ。現代アートにより深く触れることができる充実したラインアップが魅力だ。

話題のアーティストのコーナーや、若手作家によるZINEなど、さまざまな「生活に取り入れることができる」アートを提供。ギャラリーも併設されており、足を運べば「今」のアート情報が得られることだろう。

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  • 駒込

ブックス(BOOKS)青いカバは、詩や小説、人文書、美術の書籍、漫画などの多様なジャンルを幅広く店内いっぱいに展開する古本屋。

店主によれば、品ぞろえは「普通の古本屋さん」のものだという。だが、その店内をくまなく見渡してみると凝った本が並び、レベルの高い「普通」を感じさせる。中国現地の歴史資料や、フランスの高価な画集など、古本を探す醍醐味(だいごみ)ともいえる二度と出合えない珍しい本が満載だ。また、小出版社を中心とした新刊を販売するコーナーも完備している。

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  • 西荻窪

西荻窪駅北口の伏見通りにある、旅にまつわる書店。「旅」というテーマをもとに、新刊本と古本を取りそろえる。

旅行や観光ガイドブックだけを取り扱っている訳ではなく、一見無関係のように思える小説やエッセイなども、読んでみると「旅」を感じることができるようなラインアップになっている。この書店を訪れると、まるで旅をしているかのようなワクワク感を味わえるだろう。不定期で旅にまつわる講演会も行っている。

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  • 原宿
ユトレヒト
ユトレヒト

一般書店では目にすることの少ない、国内外のアート、デザイン、ファッション関連書籍を中心に取り扱っているショップ兼ギャラリー。作家やアーティストが自ら制作、発行したもの、デザインの変わったもの、少部数のものなど、作り手の顔が見えるような書籍を販売している。

新刊、既刊にこだわらず、国内外の広いネットワークを生かして集められた本は、カルチャー好きならずとも見入ってしまうほど真心がこもったものばかり。なかでもクリエーターの自主出版本、ZINEの品ぞろえは日本一と言っていいほどで、外国のファンも多数訪れるとか。

ギャラリーNOW IDeAも併設している

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  • 池袋

コ本や ホンクブックス(honkbooks)は東京藝術大学大学院映像研究科出身の「プラクティショナーコレクティヴ」による古本および新刊を扱う書店と、映像や現代美術などを中心とした作品の展覧会やイベントを開催するオープンスペースが一体となった表現活動の発信基地である。

古本は美術、文学、映画、建築といった分野が売れ筋で、それらの分野の珍しい本が多く入荷するため、探しものがある人は定期的にチェックするとよいだろう。新刊は、作家に声をかけて仕入れた自主制作の詩やイラストの本が多い。ほかでは接する機会の少ない、作家が表現した一冊の世界に触れることができる。

同店は看板を掲げておらず見つけにくく、店舗への入り方が極めて分かりにくいので、事前に公式ウェブサイトで確認してほしい。

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  • 渋谷

渋谷マークシティの裏、飲食店が立ち並ぶエリアに突然現れるのが渋谷古書センター。1階の渋いセレクトの古書店の上の階にあるのが、このFlying Booksだ。音楽、文学、アート、思想、宗教、民族、などなど国内外から取り寄せた個性的な品ぞろえが楽しめる。

さらにうれしいのは、コーヒーとアルコールが飲めること。昼間からワインを飲みながらビジュアルブックを楽しむ。といった読書ファンならずともちょっとした贅沢な時間を過ごしてみてはいかがだろう。

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  • 神楽坂

書籍の校閲専門の会社が、早稲田通りにオープンさせたブックショップ。「レコメンド/感動を伝える」、「リマインド/感動を想起させる」をコンセプトにセレクトした新刊書店を取り扱う名店だ。

併設のカフェでは、京都の自家焙煎(ばいせん)専門店、WEEKENDERS COFFEEの豆で入れたエスプレッソを提供。テイクアウトも利用できる。

また、ギャラリースペースでは、書籍にまつわる写真やイラストなどの展示を行っている。

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  • 代田

博報堂ケトルの嶋浩一郎と、ブックコーディネーター内沼晋太郎が手がけるインデペンデント書店の元祖の一つ。B&Bは、文学やアート、デザイン、マンガ、ビジネス、人文科学、社会科学、自然科学など、厳選された良書をビール片手に楽しめるユニークな店として、オープン以来高い注目を集めている。テーマに応じた作家やクリエーターらを招いてのトークイベントなども行っている。

カルチャーエンタテインメント施設へ行く

  • Things to do

2020年11月6日、東所沢に話題の体験型コンテンツモール、ところざわサクラタウンが誕生した。日本の出版業界をけん引してきたKADOKAWAが手がける一大施設。隈研吾が自身の代表作だと評する石建築の傑作であり、本の街を体現した本棚劇場が入居している『角川武蔵野ミュージアム』を中心に、好きなアニメの世界観に没入できるホテルや、チームラボがデザインしたドングリ型オブジェと自然が調和した公園、令和時代の信仰を形にした武蔵野坐令和神社など、ここでしか体験できないことばかりだ。ここでは、特に注目すべき8つのスポットを紹介しよう。

  • Things to do

確かな技術で、日本はもちろん、世界の演奏家からの信頼も熱い総合楽器メーカー、YAMAHA。銀座7丁目にあるヤマハ銀座店は、楽器や楽譜の購入はもちろん、さまざまな角度から音楽への興味を深められる、音楽の体験型店舗だ。ここでは、ヤマハ銀座店の見どころを5つの切り口で紹介。最高の演奏を浴びるのはもちろん、食や最新技術、本など、あらゆる入り口から新しい音の世界を体験しよう。

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