クツシタトサケボボ
Photo:Kisa Toyoshima(クツシタトサケ ボボ)
Photo:Kisa Toyoshima(クツシタトサケ ボボ)

吉祥寺、ベストショップ10選

本から雑貨、古着までユニークな個人店が集結

寄稿:: Toshiaki Kato
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タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル > 吉祥寺、ベストショップ10選

東京23区外にありながら「住みたい街ランキング」では常に上位にランクインされる人気エリア「吉祥寺」。映画・音楽・アート・文学・芸能といった文化の香りをまといながら、駅から徒歩10分の距離には「井の頭恩賜公園」があり、緑あふれる側面も持ち合わせている街だ。

独特な魅力を持った個人商店が輝いているエリアでもある。特定の店舗を目指して、都内のみならず全国からこの街を目指してくる人も少なくない。ここではそんな個性を発揮する店舗を10件紹介しよう。ぜひ街歩きの参考にしてほしい。

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  • 吉祥寺

ここはスタンダードながら、ノスタルジーを感じる文具に出合える雑貨店だ。古い雑居ビルの2階に上がり、ぎぎっときしむ木の扉を開けると窓から光が差し込み、どこか懐かしい空気の漂う空間が広がっている。

「お道具箱」をコンセプトに、くすりと笑えるアイテムが所狭しと並ぶ。文具の収納や展示のためのアンティーク家具が、レトロ好きの血をうずかせる。ペン類が入った木製のガラスケースなどは、美しく歴史的価値を感じさせる。

店主の村上幸自ら、廃業する文具店や問屋などを直接巡り、デッドストックのアイテムを仕入れることも多いという。オリジナルアイテムも1000種程あり、中でもマスキングテープや包装紙、スタンプの品揃えには目を見張るものがある。人気商品なので、新しいデザインのものが日に日に増えている。

村上とデザイナーの植木明日子が展開している文具ブランド、「水縞」の商品も見逃せない。「サンリオ」とコラボレーションした雑貨は、公式にはない独特のデザインが目を引く。

  • ショッピング
  • 吉祥寺

JR吉祥寺駅から徒歩6分、五日市街道沿いにモダンで洗練された店構えが見えたら、それが「江口洋品店・江口時計店」だ。ガラス張りの外観から見える店内には、エルメスなどのビンテージアパレルやジュエリーといった小物類などが整然と陳列されている。

オーナーの江口大介は元シルバー職人であり、アメリカでフォーマルスーツや革靴のバイヤーとしての経歴を持つ人物だ。取り扱うのはビンテージ時計と洋服。時計のブランドは「カルティエ」をはじめとする、フランスやスイスのビンテージウォッチがメイン。「昔から修理工房のない時計店に不満を感じていて、一石を投じる意味で店を開業した」と江口は語る。

2016年に、オーバーホールができる修理工房を併設した時計店としてオープンし、多くのファンの信頼に応えている。物量は決して多いわけではないが、一点一点こだわり抜かれた商品を、アフターメンテナンス、価値の保全、商品の状態、再販時に問題がないように丁寧に扱ってくれる。

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  • 吉祥寺

2019年にオープンし、「一棚書店」のモデルを世に広めた小さな本屋の集合体。壁面には31センチ角の本棚で仕切られた「書店」が約80軒ほど並ぶ。

それぞれ棚主がレンタルしており、新刊、古書、自作の冊子ZINE(ジン)などで自身の活動を自由に表現。十人十色の情熱と指向が小さな棚の中に詰まっている。

店舗はかつてレストラン「シャポールージュ」があった場所に「居抜き」で入っており、白いタイル張りの内壁や小型の運搬用エレベーターが残っている異色の空間もたまらない。

  • ショッピング
  • 吉祥寺

作家の落合恵子が「子どもも大人も、一人ひとりが自分でいられる場を作りたい」という思いから、レストランを併設した子どもの本の専門店として1976年に立ち上げた店。2022年12月に表参道から吉祥寺に移転した。

1階には、レストランのほか、有機JAS認証を取得した国産の有機野菜やオーガニックフーズを扱う野菜市場がある。また、オーガニックコスメや落合恵子デザインのオーガニックコットンブランド、ミズ・クレヨンハウス」のインナーやアウター、布ナプキンをはじめとする生活雑貨も購入できる。

2階には子どもの本、ジェンダー問題などをテーマとする大人向けの書籍、木のおもちゃが並ぶ。本は、子どもの本も大人の本も、平和や差別の問題など多岐に渡るジャンルを取り扱う。それは、できるだけ1人ひとりの選択肢を狭めないという、同店のモットーの表れでもある。

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  • 吉祥寺

ショッピングを楽しみつつ店内で酒も楽しめる全く新しい形の靴下専門店。一歩足を踏み入れると、至る所に店主の人柄やイメージを形にしたというキッチュなイラストが描かれており、左手には靴下の販売スペース、右手にはくつろげる座敷スペースという不思議な空間が広がる。

靴下の販売スペースには、デザイン性の高いソックスがずらりと並ぶ。イタリア、アメリカ、フランス、日本など生産地はさまざまだ。セレクトの基準は上質で目を引くデザインであること。

レディースとメンズの垣根をなくしたいという考えから、あえてジェンダーで分けず、サイズ表示のみにしている点も同店ならではである。特に、店のロゴをちりばめた4色展開の『オリジナル靴下』は必見だ。

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  • 吉祥寺

池袋と江古田にも店舗を展開しているレコードショップ、「ココナッツディスク(COCONUTS DISK)」の吉祥寺店。1999年にオープンした店舗で、「ココ吉」の愛称で親しまれている。洋楽、邦楽、ジャンルを問わず、中古のアナログレコードが所狭しと並ぶ。

ココナッツディスクは、店ごとに店長の意向や指向が色濃く出ており、吉祥寺店は、店長・矢島和義が勧めるインディーポップ群が充実。それを目当てに訪れるファンも多い。中でも、国内で活動するインディーズアーティストの自主音源を手に入れることができるのが大きな特徴だ。

スカートやミツメ、Homecomingsらの音源をいち早く店頭に置き、インストアライブを実施するなど、2010年代の日本のインディーシーンやレコードブームをけん引してきた店でもある。

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吉祥寺駅から徒歩2分の好立地に店を構える古着屋、「オルフェオ(Orfeo)」。レディースを中心に、トレンドを取り入れた商品や、新品とのコーディネートにも馴染む状態の良いアイテムが幅広く取り揃えている。

ユニセックスで着られるビンテージスウェットやオールドコーチのバッグも豊富に仕入れており、カップルでの買い物も楽しめるだろう。

洋服作りを学んだオーナーが、デザインから手がけたリメイクアイテムにも注目してほしい。中でもボトムスをカーディガンに変形させるといった、他店にはない大胆な発想力と高いデザイン性を併せ持った商品は一見の価値がある。

渋谷に姉妹店「オルフェオ2」もある。商品構成が異なるので併せてチェックしたい。

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  • 吉祥寺

小売店としては珍しく、雑居ビルの屋上に店を構える「ソフツ(Softs)」は、オーナーである我妻亮のこだわりが、文字通り詰め込まれたライフスタイルショップ。店内には隙間なく商品が陳列され、レジ裏にはCDやカセットテープが積み上げられている。取り扱いアイテムのテイストは幅広く、珍しい別注品やインポートブランドの並行輸入品など、どれもあえてトレンドを外し、他店とは被らない商品ばかりだ。

中でもアーティストのヌケメとコラボレーションした、特注ボディーを使用したパーカーは必見だ。コンピューターミシン用の刺しゅうデータを意図的に破損させた状態で出力される、グリッチ刺しゅうが施されている。

このほか、両袖色違いで、片側のみレザーに切り替えられたプルオーバーの「スクーカム」スタジアムジャンパーなど、ここにしかない商品がめじろ押し。これぞ個人経営店の醍醐味(だいごみ)である。この唯一無二の企画と提案力に、洋服好きがハマってしまうのも無理はない。

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小古道具店を併設したカフェ。三鷹から吉祥寺に移転し、カフェスペースもショップスペースも、以前より広々とした空間になった。食事メニューは、「日替わりごはんセット」や「ひよこ豆と挽肉のカレー」「おこさまセット」などを用意する。

ショップスペースでは、キッチン用品やアクセサリー、グルメ食品、アンティーク家具などを販売。リーズナブル商品は、入り口のすぐ外にもあり、中古の食器や陶磁器が100円ほどで売られていることもある。商品を陳列している棚やテーブルも購入可能なので、こちらもチェックしてほしい。

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  • 吉祥寺

1999年に創業した生活用品店「ラウンダバウト(Roundabout)」の姉妹店として2008年にオープンした「アウトバウンド(OUTBOUND)」。取り扱う品物は陶磁器やガラス器、竹籠や布製品、そしてジュエリーや衣服まで幅広い。

営業日は展覧会期中のみ。訪れる際には事前に公式ウェブサイト店主のインスタグラムを確認してほしい。

東京でもっとショッピングを楽しみたいなら……

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駅直結のファッションビルや飲屋街、映画館など、常に多くの人で賑わう新宿の街。実は多くの老舗や専門店が店を構えていることを知っているだろうか。コーヒー器具や喫煙具の専門店、老舗の書店やメイドインジャパンにフォーカスしたアパレルショップなど、「ここにしかない」という店が多いのが新宿の特徴だ。ニッチなニーズに応える東京随一の繁華街、新宿で行くべきショップを紹介する。

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