避難民である家族の生活を守るために開業
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きっかけは、ロシアによるウクライナ侵攻だ。小笠原が保証人となり、ビクトリヤの両親、続いてエウゲニア一家を迎え入れた。避難民には都営アパートが住居として提供されるが、日本政府からの支援金は保証人がいることで支給されないという。
そこで小笠原夫妻が考えたのが、バーを営業している弟の店を間借りしてウクライナ料理店を始めること。生活するために必要な費用を捻出するのと同時に、彼らの生活にメリハリをつけることも念頭においた。
「多くのお客さまから、ウクライナを支援したいという優しい気持ちを感じます。ウクライナ語でエウゲニアやアントンに声かけてくれる人もいて、彼らも元気付けられているようです」(小笠原)
最初はウクライナへの興味から同店を訪れた人も、ウクライナの家庭料理のおいしさに魅せられ、リピーターとして足を運ぶ人も少ないという。