東京、あんみつ10選
東京、あんみつ10選
東京、あんみつ10選

東京、あんみつ10選

銀座、人形町、高田馬場など、東京生まれの至福スイーツを究める

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Text by 松崎雅子、基太村京子

甘味の定番「あんみつ」。今やどの甘味処でも味わえるこのスイーツが、実は東京発のご当地グルメであることをご存知だろうか。その昔、浅草にある羊羹店の舟和で考案された「みつ豆」に、銀座 若松の主人が餡をのせたのが「あんみつ」の始まりだ。

1903年(明治36年)当時、舟和では、しん粉と赤えんどう豆に糖みつをかけただけの甘味を提供していたが、この甘味を大人が喜ぶようにと、モダンな銀の器に盛り、角寒天、甘煮杏、求肥、赤えんどう豆を加えて高級感を出した。みつも黒みつと白みつから選べるようにして売り出した。これが「みつ豆」という名で大ヒットし、舟和では「みつ豆ホール」まで開設した。

当時は文明開化華やかかりし頃。つまり当時の「みつ豆」は、とても西洋的な食べ物として人々に浸透していったのだ。ところが、そんなモダンなみつ豆に、日本古来のスイーツである餡をのせた「あんみつ」が登場したのだから大事件である。この、思いつきそうで、なかなか思いつかない発想は大当たりし、あんみつは瞬く間にみつ豆をしのぎ、東京生まれの甘味として広く知られるようになったのだ。ここでは、東京で食べられる代表的なあんみつの店を紹介する。餡がのっているため、みつ豆よりも味に差がでて、食べ歩きも楽しい。江戸前寿司だけではない、東京の味をぜひ知ってほしい。

  • カフェ・喫茶店
  • 銀座
  • 価格 1/4

あんみつ発祥の店、若松は1894年(明治27年)創業の老舗甘味処。2代目の森半次郎が1930年(昭和5年)、みつ豆に自家製の餡をのせた「あんみつ」を考案。これが人気となり店の看板メニューとなった。ここでは、「元祖あんみつ」(950円)を味わっておこう。角のしっかりした寒天に、練りが強くどっしりと甘い餡、硬めに茹で上げたげた赤えんどう豆からは、素朴な豆の味と食感が楽しめる。みつは、現在は黒みつのみ。盛りつけのアクセントとなっている松の形の羊羹が愛らしい。

  • ティールーム
  • 人形町
  • 価格 1/4

人形町にある1837年創業の甘味処。寒天にこだわりがあり、新島ほか伊豆七島のてんぐさをブレンドして手作りしている。ここでは是非、つぶ餡の「小倉あんみつ」(700円)を味わってほしい。ほっくりと炊き上げられた餡は、甘さの中にも小豆本来の素朴な味わいが感じられ、思わず満足のため息が出てしまうほど。蜜は、沖縄産の黒糖を用いた自家製の黒蜜とさっぱりめの白蜜から選べ、かけられた状態でテーブルに運ばれてくる。純粋なあんこ好きにおすすめしたい、至福のあんみつだ。

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  • ティールーム
  • 淡路町
  • 価格 1/4

創業1930年(昭和5年)の甘味処。戦災を免れたため、店は昔ながらの古い建物で、東京都の歴史的建造物に指定されている。銀座 若松からレシピを伝授されたあんみつ(770円)は、寒天はくせがなく、餡もさらっとした味わい。赤えんどうの塩気は強めで餡の甘さを引き立てる。赤えんどうの皮がしっかりとしているので、食べ応えがあるのも特徴。黒みつはかけると香りが立つほど濃厚だ。はじめに出してくれるほのかな塩気の桜湯が、春の気分を盛り上げてくれる。

  • 上野

「あんみつはみはし」がキャッチコピーの同店。餡には北海道十勝地方の厳選した小豆を使い、コリッと角のある寒天には、伊豆諸島や静岡県の海岸でとれた天草を使用している。2日間かけて仕上げる赤えんどうは、ほっくりとした味わい。黒みつと白みつの中間というさっぱりとした自家製みつは、甘い餡とも酸味のあるフルーツとも相性がいい。なお、「いちごあんみつ」(800円)は11月~4月頃限定の提供となっている。

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  • ショッピング
  • 人形町

人形町駅から甘酒横丁に入るとすぐに漂ってくる香ばしい香りの出所がここ、1914年(大正3年)創業の自家焙煎ほうじ茶の専門店である森乃園だ。2階の喫茶室で味わえる「ほうじ茶あんみつ」(1,300円)は、寒天、餡、白玉、アイスクリームのすべてにほうじ茶を使っている。トッピングは、さくらんぼと栗、通常の白玉に柔らかめの求肥がふたつ。ほのかな香ばしさが楽しめるほうじ茶餡は、甘さと苦味の絶妙なバランスが特徴。アイスクリームはクリーミーで甘めなので、シンプルなあんみつ好きにとっては、やや重たく感じられるかもしれない。

  • ショッピング
  • 赤坂

1500年代後期にまで歴史を辿ることのできる老舗中の老舗和菓子店。あんみつのトッピングには、一般的に缶詰のフルーツが使われていることが多いが、同店のあんみつ(1,540円)はあえてフルーツを使わず、すべて自家製のトッピングにこだわっている。黒豆、赤えんどう豆に加え、黒糖かん、粟羊かん、琥珀かん、水羊かん、求肥。型抜きされた色寒天も美しい。寒天は礒の香りがし、丁寧に作られているのを感じることができる。豆の味をしっかりと残したこし餡も食べ応えたっぷり。みつは黒みつと白みつから選ぶことができる。

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  • 目白
  • 価格 1/4

かき氷と九十九餅で知られているが、あんみつのファンも多い同店。大ぶりの白玉が豪快にのる「白玉あんみつ」(1,100円)は、トッピングにイチゴやキウイ、バナナ、オレンジなどのフレッシュフルーツを使っているのが特徴。くせがなくつるりと瑞々しい寒天を頬張れば、寒天に移った新鮮なフルーツの風味がほんのりと口の中に広がる。こし餡と黒みつともに甘さは抑えめ。特筆すべきは、九十九餅にも使われている求肥。ふわふわと溶けて行くような柔らかな食感と、ほのかな甘みのバランスがたまらない。

  • ショッピング
  • 高田馬場

神田川の桜並木沿いにある、1914年(大正3年)創業の甘味材料の製造所。ショップに併設された茶房では、寒天やところてんを使った甘味を味わうことができる。伊豆七島産の天草を季節ごとに特製ブレンドして作る寒天は、瑞々しくコリコリと角が立ち、磯の風味が品よくほのかに感じられる。トッピングは、餡、塩気のきいた赤えんどう、ふんわり柔らかだがコシのある求肥のみ。みつはさらりとした黒みつで、餡はこし、つぶ、桜の3種類から選ぶことができる。写真は「あんみつ(桜あん)」(600円)。

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  • ショッピング
  • 神田

福尾商店は、1886年の創業当時からの製法を受け継ぐ寒天専門店。伊豆や伊豆諸島など産地の異なる最高級の天草数種類を合わせた寒天はこしがあり、風味が豊か。奥の製造所で作られたばかりのところてんや、くず餅、梅寒天を店頭でも販売している。人気は黒蜜や赤えんどう豆、こしあんなどが全て自家製のあんみつ。添加物を一切加えていない、素材そのもの味に感動することだろう。1人前のカップ入り(460円)もあるので、散歩途中に公園などで味わうのもいい。3人前のあんみつは900円、6人前は1,700円で土産用に買い求める人も多い。

  • カフェ・喫茶店
  • 向島
  • 価格 1/4

東向島にたたずむ、1927(昭和2)年に建築された薬局をリノベーションした古民家カフェ。店内には、かつて使用されていた薬棚、柱時計、ミシンといったアンティークや学校の机とイスを再利用したインテリアが並ぶ。

寒天でフルーツと自家製あんを包んだオリジナルフード『あんみつ玉』は、新しくもどこか懐かしさを感じさせる絶品のデザートだ。

ノスタルジックな空間と丁寧に作られたフードを堪能しながら、ゆったりとしたひとときを過ごしてみては。

甘味を求めているなら……

東京のかき氷シーンは、年を重ねるごとに盛り上がっているといっても過言ではない。多くの店が個性を打ち出すべく、ティラミス、アボカド、トマトなどこれまでかき氷には使用されてこなかった食材や斬新な素材の組み合わせなどを駆使し、新しいメニューを次々に生み出している。

一年中かき氷が食べられる店が増えたとはいえ、ベストシーズンは。ここでは、タイムアウト東京エディターで、かき氷を愛してやまないケイラ イマダ(@kakigori_kaila)一部監修のもと、暑い日にはしごしてでも巡ってほしい店を紹介する。

カラフルなソーダの上にバニラアイスが浮かぶ、目にもおいしい飲み物、クリームソーダ。「西洋のハイカラな飲み物」として日本に上陸して100年余り、今なお愛される理由はその奥深さにある。ソーダのシロップ、トッピングの種類など、アイデア次第でクリームソーダはさまざまな姿に変わる。我々をあっと驚かせてくれるファンシーなものもあれば、「やっぱりこの味」としみじみさせてくれるものもあり、飽きさせることがないのだ。

今回は、老舗の喫茶店からフォトジェニックなカフェまで、個性的なクリームソーダを扱う10店を紹介する。

コロナ禍の影響で営業時間は変更している可能性がある。訪れる前に公式ウェブサイトなどを確認してほしい。

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フルーツサンドは、ただのかわいい食べ物ではない。果物は熟度を調節しながら食べ頃のものを使用したり、使うフルーツによってクリームの甘さを変えたり、相性の良いパンを研究したり、作り手の丁寧で繊細な作業の積み重ねによって作り上げられているのだ。フルーツサンドを食べられる店は東京だけでもいくつもあるが、ごろっとタイプや細切りタイプなど、果物の切り方一つとっても店によって全く異なり、それぞれの特色やこだわりを感じられるのもまた面白い。

ここでは、都内にあるフルーツパーラーやカフェ、ベーカリーなどで提供されているいちおしのフルーツサンドを紹介する。みずみずしいフルーツに、ほんのり甘いクリーム、そして美しい断面。我々をこれ以上幸せにしてくれる食べ物はほかにあるだろうか。季節の果物を使用している店も多いので、年間を通してフルーツサンドの世界を堪能してほしい。

  • 台湾料理

「2021年は台湾グルメの時代」といわれる今、都内には次々と台湾グルメ専門店がオープンしている。「魯肉飯(ルーローハン)」やチャーシューメロンパンの「菠蘿油(ボーローヨー)」、巨大な唐揚げ「鶏排(ジーパイ)」といった屋台飯だけではなく、台湾人にとってなじみ深いスイーツの流行も止まらない。

ここでは、人気真っただ中の「台湾カステラ」、日本ではめったに出合えないサツマイモでできた「地瓜球」(ディーグゥアーチョウ)、健康食品として現地で日常的に食べられている「仙草ゼリー」など、おすすめの台湾スイーツ店を紹介する。まだ味わったことがないものがあれば、この機会に挑戦してほしい。

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  • カフェ・喫茶店

もし、極上のドーナツを求めて街のコーヒーショップやカフェを渡り歩いているのなら、探す場所を間違えているといえるかもしれない。近年、専門店やベーカリーから相次いで特色のあるドーナツが生まれている。

ここでは、魅力的なトッピングを乗せた揚げドーナツから、昨今盛り上がりを見せている「生ドーナツ」、マリトッツォブームの次に来ると、トレンドに敏感な人たちの間で注目を集めている「ボンボローニ」、豆乳やグルテンフリーの米粉などで作られた健康志向のものまで、こだわりのドーナツスポットを紹介する。

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