喫茶宝石箱(Photo: Keisuke Tanigawa)
喫茶宝石箱(Photo: Keisuke Tanigawa)
喫茶宝石箱(Photo: Keisuke Tanigawa)

東京、クリームソーダ10選

老舗の喫茶店からフォトジェニックなカフェまで、目にもおいしい一杯

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テキスト:藤間紗花

カラフルなソーダの上にバニラアイスが浮かぶ、目にもおいしい飲み物、クリームソーダ。「西洋のハイカラな飲み物」として日本に上陸して100年余り、今なお愛される理由はその奥深さにある。ソーダのシロップ、トッピングの種類など、アイデア次第でクリームソーダはさまざまな姿に変わる。我々をあっと驚かせてくれるファンシーなものもあれば、「やっぱりこの味」としみじみさせてくれるものもあり、飽きさせることがないのだ。

今回は、老舗の喫茶店からフォトジェニックなカフェまで、個性的なクリームソーダを扱う10店を紹介する。

コロナ禍の影響で営業時間は変更している可能性がある。訪れる前に公式ウェブサイトなどを確認してほしい。

  • ティールーム
  • 阿佐ヶ谷

喫茶ギオン

阿佐ヶ谷駅から徒歩1分でたどり着ける、喫茶ギオン(gion)。33年間の営業のうち、たった1日しか店を閉めたことがないという喫茶店の中の喫茶店だ。店の営業時間もひときわ長く、平日は朝の8時30分から深夜2時までオープンしている。33年の月日を経てもなお、行列を成す人気店たる理由はこういったところにもあるのだろう。

飲み物のメニューも豊富で、クリームソーダは『冷たいお飲物』のメニューの中から、ソーダ水にフロートのアイスクリームを追加する形で注文することができる。ソーダ水のフレーバーは、グリーンのメロンソーダとスカイブルーのブルーハワイの2種類。鮮やかなクリームソーダと、ヴィンテージの小物が飾られた店内とのコントラストには、純喫茶でしか味わえない美しさがある。

珈琲屋オービー 保木間店

埼玉県を中心に数多くの店舗を構える珈琲屋OB。東京都内唯一の系列店となる保木間店は、ログハウス調の店構えが目を引く。しかし、驚くのはそれだけではない。この店の真骨頂はメニューの大きさにある。

クリームソーダは洗面器ほどの大きさのボウルに注がれ、クリームソーダパフェなるデザートメニューは、なんとデキャンタで登場するのだ。いかなるクリームソーダ好きも、このメニューにもの足りなさを感じることはないだろう。

ホットドリンクも、どんぶりほどの大きさのマグに入れられ、ステーキの鉄板を乗せるようなウッドプレートをコースターにして提供される。友人や恋人、家族と注文しても、思わず笑顔になってしまう楽しいクリームソーダだ。

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ゆりあぺむぺる

宮沢賢治の詩集の一篇からその名を得たという、吉祥寺の喫茶店ゆりあぺむぺる。レトロな公衆電話、上品で控えめな間接照明、花柄のテーブルクロスなど、店内は艶やかで美しく、独特な雰囲気を醸し出している。

クリームソーダは、夜限定のメニューも含め全8種類。40年の歴史を持つザクロシロップのクリームソーダ『ゆりあぺむぺるクリームソーダ』や、かんきつ系の爽やかな風味が飲みやすいブルーの『クリームソーダラビスラズリ』など、幻想的なビジュアルのクリームソーダが並ぶ。18時以降に注文できる、ロゼワインを使った甘酸っぱいカクテルのクリームソーダ『ナデシコ』は、大人のデートにももってこいの1杯だ。

キャロライン・ダイナー

外苑前駅から歩くこと10分。閑静な住宅街にたたずむのは、本格的なアメリカン・ダイナーが楽しめるCAROLINE DINERだ。駅近とはいえない立地にもかかわらず、店内は若い女性客で満席。休日は開店直後から行列ができることも少なくないそうだ。

それもそのはず、市松模様の床、アイスクリームボックスのようなフォトブース、プロジェクターで洋画の映し出される壁など、店内は外の世界を忘れてしまうほどポップでムーディー。おまけに、アメリカ国旗を思わせるフラッグの挿さったクリームソーダはなんともフォトジェニックだ。

お店の名物であるホットドッグは、ぜひともコーラのクリームソーダとともに味わってほしい。本場アメリカへトリップしたかのような気分に浸れること間違いなしだ。

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  • カフェ・喫茶店
  • 神保町

さぼうる

本の街・神保町には読書を楽しめる喫茶店が数多くあるが、まず最初に思い浮かべるのはさぼうる、だという人も多いのではないだろうか。神保町に店を構えて50年以上、今も老若男女問わず人気を集めるこの喫茶店では、6色のクリームソーダを楽しむことができる。

メロンソーダを使った定番の緑のクリームソーダや、レモンシロップの酸味が爽やかな黄色のクリームソーダ、ブドウシロップの紫のクリームソーダなど、思わず並べて写真に収めたくなるラインナップがそろう。コーヒーとともに読書を楽しむのも捨てがたいが、友人を誘って異なるフレーバーのクリームソーダの感想を言い合うのも楽しそうだ。

  • 原宿

ビオ オジヤンカフェ

古着屋や雑貨店が並ぶ「裏原」こと、キャットストリート沿いに建つビオ オジヤンカフェ(bio ojiyan cafe)。その名の通り、おじやが楽しめる個性的なカフェである。

実はおじやと同じくらい人気なのが『昔ながらのクリームソーダ』。メロンソーダにバニラアイス、砂糖漬けのさくらんぼというオーソドックスなクリームソーダだが、バニラビーンズの香りが鼻を抜けるバニラアイスはなんとも濃厚で、デザートとしても満足できる一品である。和の味わいが楽しめるおじやとクリームソーダの組み合わせを、一体誰に思いつくことができただろう。

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喫茶ネグラ

動物の塒(ねぐら)のように、こもり感のある落ち着ける場所として2017年にオープンした喫茶ネグラ。優しい照明の店内は、確かに昼でも思わずまどろんでしまうような雰囲気である。

ネグラのクリームソーダの魅力は、他店の追随を許さない種類の豊富さにある。定番の『メロンクリームソーダ』から、バラの香りが芳しい『ローズクリームソーダ』、巨峰が実ごとぜいたくにトッピングされた『巨峰クリームソーダ』など、フロートも含め20種類以上から注文できるというから驚きだ。ぜひネグラに通い詰め、全てのクリームソーダを制覇してみてほしい。

デン

オールディーズな洋楽が流れ、常連客がタバコを吸いながらコーヒーを味わう昔ながらの喫茶店、デン。まるでドラマや映画のセットとして登場しそうな、昭和の雰囲気を残した店構えが魅力的だ。中をくり抜いた食パンを器にしたグラタン、その名も『グラパン』が人気を集める店だが、クリームソーダでも他店とは一線を画する。

メロンソーダの中にソフトクリームを真っ逆さまに落としたかのようなクリームソーダは、飲み物というよりもはや食べ物。ソフトクリームをコーンに乗せて食べるもよし、メロンソーダに混ぜて飲むもよし、2つの楽しみ方ができるクリームソーダだ。

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  • カフェ・喫茶店
  • 世田谷区

喫茶宝石箱

千歳烏山駅から徒歩5分、閑静な住宅地にある喫茶店。2009年7月にオープンした店だが、テーマは「昭和レトロ」だ。1980年代の歌謡曲やポップスが流れ、店内には昭和に発売された雑誌やマンガ、グッズなどが並ぶ。

看板メニューのクリームソーダは季節によって変動することもあるが、基本は6種類。定番のメロン味の『エメラルド』や懐かしさを感じるラムネ味の『アクアマリン』など、全て宝石をイメージした名前が付いており、見た目にもかわいい。ノスタルジックな気持ちに浸りながら、ゆったりと時間を過ごしたい人にぴったりだ。

※新型コロナウイルス感染症対策のため完全予約制

  • カフェ・喫茶店
  • 高円寺

旅する喫茶

日本全国を旅しながら喫茶イベントを開く2人がいる。カレー職人の玉置直樹と、クリームソーダ職人のtsunekawaだ。その土地の特色や季節感を取り入れつつ、旬の地元食材で作るクリームソーダは見た目も格別で、SNSでも多くの支持を得ている。

服飾デザイナーでもあるtsunekawaが作るクリームソーダは、目と心を引きつける繊細なグラデーションが魅力だ。定番メニューの『青空のクリームソーダ』は、澄みきった青空を連想させる。混み合うことが多い土、日曜、祝日は、オンラインで順番受付を行っている。

フォトジェニックなドリンクを探す……

東京、モクテルを楽しめる店10選
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「クリエーティビティの幅を最も広げてくれるドリンク」。日本代表として、世界コンペティションにも出場経験のあるバーテンダーは、モクテルをそう表現する。「疑似の」という意味を持つ「モック(Mock)」と「カクテル(Cocktail)」から「モクテル(Mocktail)」と造語されたノンアルコールカクテルを指す言葉が、バー業界で流通し始めたのは2010年代に入ってから。アメリカからイギリス、またたく間に日本でも市民権を得た。今では、カクテルの潮流に敏感な東京のバーでも、メニューにその名を涼しく覗(のぞ)かせる。ただし、アルコールをベースとしないだけに、バーそれぞれの特色を生み出しにくいという難点も持ち合わせ、バーテンダーにとってもチャレンジングな一杯となっている。ここでは、創意を凝らしたモクテルをラインナップする東京のバー10軒に脚光を当てた。

東京、チャコールスイーツ&ドリンク 5選
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昨年末あたりから日本でもちらほらと現れ始めた「チャコールフード」。炭のデトックス効果に着目した、ニューヨーク発のトレンドフードだ。食用の活性炭は無味無臭で、粉末にするなどしてパンやスイーツ、ドリンク、麺などさまざまなメニューに混ぜられる。真っ黒な見た目が意外と「映える」こともあり、じわじわと注目を集めている。美肌やダイエット効果が期待できるとのことだが、果たして実際のところはどうなのか。試してみる価値はありそうだ。

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フルーツサンドは、ただかわいい食べ物ではない。果物は熟度を調節しながら食べ頃のものを使用していたり、使うフルーツによってクリームの甘さを変えたり、相性の良いパンを研究したり、作り手の丁寧で繊細な作業の積み重ねによって作り上げられているのだ。フルーツサンドを食べられる店は東京だけでもいくつもあるが、ごろっとタイプや細切りタイプなど、果物の切り方一つとっても店によって全く異なり、それぞれの特色やこだわりを感じられるのもまた面白い。ここでは、都内にあるフルーツパーラーやカフェ、ベーカリーなどで提供されているいちおしのフルーツサンドを紹介する。みずみずしいフルーツに、ほんのり甘いクリーム、そして美しい断面。我々をこれ以上幸せにしてくれる食べ物はほかにあるだろうか。季節の果物を使用している店も多いので、年間を通してフルーツサンドの世界を堪能してほしい。関連記事:『東京、フルーツパフェ15選』『東京、プリン15選』

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