遊びで始めたFTMのミニコミ誌
―『LapH』を始めたきっかけを教えてください。
『LapH』の前身となるミニコミ誌を1990年代後半から作り始めたのがきっかけです。当時からFTM当事者が集う飲み会みたいなものを主催していました。そこで仲良くなった友人から「ミニコミ誌を作ってみたい」と声をかけられ、「面白そうだね」と遊びのノリで始めました。
だから「社会を変えたい」というような志があったわけではありません。あと、当時は取材できる人が少なかったんです。特に顔を出せない人も多くて、今より写真も少なかったです。
―写真が多いスタイルに変えたのはどうしてですか?
一緒にやってた友人がやめることになってからです。友人は元々漫画家志望だったので、イラストが多かった。でも、僕は漫画に興味がなかったので新しく作ろうと考えました。
最初は普通のメンズファッション誌を目指していました。手にとった人が最終的に「あ、このモデルたちは皆FTMなんだ」と気づくのが理想でしたね。